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ニュースレターNo.82/2022年11月発行

インターネットことはじめ

クラウドストレージ

アイコン:博士 1. データはどこかにある

イラスト:博士

スマートフォンが普及した2010年代以降、 写真や動画などのファイルをインターネット経由で保存・共有する、 オンラインストレージサービスの利用が当たり前のことになりました。 スマートフォンで撮影した写真や動画は事業者が提供するオンラインストレージに自動的にアップロードされ、 インターネット上のどこかに準備されたストレージに保存されるようになります。 そのため、こうしたサービスは、クラウドストレージとも呼ばれています。 今回は、このクラウドストレージの始まりを探してみましょう。

アイコン:博士 2. 普及のきっかけ

イラスト:ロボット

WindowsならOneDrive、macOSやiOSならiCloud、 AndroidならGoogleドライブと、 いまやクラウドストレージはOSベンダーが提供するものを、 それぞれのOSからシームレスに利用できるようになっています。 あらかじめ設定しておいた特定のフォルダやドライブにデータを書き込むと、 自動的にクラウドストレージにコピーされます。 また、複数のデバイスを使っていても、 同じアカウントでログインすれば自動的に同期され、 どのデバイスでも同じデータが使えます。

実のところ、WinodwsにしてもmacOSにしても、 このようなサービスは意外と古くからあるのですが、 最初に有名になったものはOSベンダーのものではなく、 2008年9月に正式サービスを開始したDropboxでした。 専用のクライアントをインストールすると、 指定したフォルダーがDropboxのクラウドストレージと同期され、 複数のデバイス間でデータを共有できるという機能を、 広く認知させたサービスです。 以後クラウドストレージは、 基本的にサーバーとクライアントのデータを同期する方向で発展してきました。

アイコン:博士3. OS標準のサービス

前述した、各OSベンダーが標準提供しているクラウドストレージは、 意外と古い歴史を持っています。

iCloudのルーツは2000年1月に提供されたiToolsで、 複数デバイス間でのデータ同期をこの時点で実現していました。 しかし、当時はスマートフォンなど影も形も無く、 Macintoshコンピュータを複数持っている人も限られていたため、 データ同期機能はさして話題になりませんでした。 以後、.Mac→ MobileMeと変遷を重ね、 2011年10月にiCloudサービスが始まり、現在に至っています。

OneDriveは、2008年2月にSkyDriveとしてサービスが始まりました。 2013年9月に、Winodws 8.1に機能が統合され、OS標準の機能となっています。 Googleドライブは意外と遅く、2012年4月にサービスが始まっています。 前述のようにAndroidやChrome Bookでは標準サービスとなっており、 WindowsやMacOSでも専用プログラムをインストールすることで利用できます。

アイコン:博士4. ファイル共有との違い

ネットワーク越しにデータを読み書きするという点では、 いわゆるファイル共有がそのルーツとして挙げられます。 Unixならば1984年のNFS、Macintoshだと1984年のAFP、 Windowsならば1990年のLAN Manager 2.0などです。 ただこれらはクライアントからはただのハードディスクに見え、 クライアント上のデータとサーバー上のデータを自動同期するという概念は持っていませんでした。 つまり、データはサーバーにしか無かったのです。 またネットワーク速度やセキュリティの観点からLANでの利用が前提で、 インターネットを経由した広域のファイル共有については考慮されていませんでした。

広域ファイル共有のルーツとしては、 古いところで1971年に公開されたFTP、 Webの時代になってからは1996年に公開されたWebDAVあたりが相当しそうです。 ただこれらは専用のクライアントプログラムでサーバーとデータをやりとりする、 という使われ方がメインです。 もっともmacOSやWindows 7以降では、 WebDAVを使ったネットワークドライブを構成することもできますが、 これは広域ネットワークに対応したファイル共有の一種であり、 データの自動同期に標準対応しているわけではありません。

このあたりを勘案すると、 現代につながるデータの同期機能を備えたクラウドストレージの始まりは、 どうやらiToolsと言えそうです。

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