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ニュースレターNo.9/1997年7月発行

1. 巻頭言 インターネットの変化とはなにか

JPNIC 理事
高 橋  徹

 1996年末から商用IXやgTLDに関する議論が続き、今さらのように学術ネットワークの時代から商用ネットの時代に大きく変わってきたことを自覚せざるを得ない日々が続いた。とくに、gTLDを巡る論議のかまびすしさには、メーリングリストに入っていることが苦痛になるほどの思いがあった。この事態は、次々に大きな疑問を投げかけてくる。インターネットが普及する速度の速さと、それが社会的に受け入れられるだけの組織的制度的あるいは法的な整備が進む速さとの間にある大きなギャップに、直面していることを示すのであろう。JPNICの法人化も、担当の人々のご苦労で成り立ったが、その労苦を分かち合い、はげましあう人々は意外に少ないことを前号のアンケート結果に見た。これまでのインターネットにおけるボランティアの伝統に関しても、それ自体を説明しなければ何も知らないという事態に遭遇する。

 商用インターネットは確かに急激な発展を見ているが、インターネットの伝統は新たな市場性の視点にさらされて、内的なモラルを失いつつある。あるいは、内的な緊張をはらんだ倫理感が、市場性の論理の前に後退しつつある。そのことが私のいらだちの原因である。

 1988年11月、ARPAnetのクラッシュ事件の翌週、私は始めてNSF(全米科学財団)を訪問し、日本で用意されていたインターネットプロジェクトがNSFバックボーンをトランジットしてよいという話を、担当ディレクターのDr. Stephen Wolffから聞いた。それがどんなにありがたかったことか。彼を含め、私は、インターネットの基礎を作り発展させてきた人々の努力とそこで培われた品位あるカルチャーに対して、尊敬の念を失わないでいたいと考える。たとえば、ラフコンセンサス アンド ランニングコード(Rough Consensus and Running Code)をインターネットの信条としてきた、その実態を尊重する。商用インターネットの時代に、前世紀(学術研究用インターネットの時代)のモラルがないといって嘆くのではない。前世紀の人には品位があり、今の商用化の時代にそれが存在しないことを嘆くのではない。内発的な主体である自己が、他人に迷惑をかけてはならない、ということを維持するために必要であり、それは時代を越えて存在すると主張したい。

 gTLD問題で、CIX協会は慎重な立場を選び、MoUにサインすることを進めなかった。CIXのExective DirectorのBarbara Dooley とLas Vegasのインタロップで会ったとき、彼女はインターネットに必要なものは今やPolitics and Real worldであって、Rough Consensus and Running Codeは古いエンジニアたちの主張である、とまで言った。そして、JPNICを始め、日本の組織がMoUにサインしたのは、十分な議論なしにDr. Jun Muraiが強力にプッシュしたからだろうと言った。Barbaraが言うには、ISOC, IANA, IAHCなどのどれもが、現在の国家体制をもたらしているUniversal Democracyつまり普遍的民主主義の手続きを踏んでいない。それらが依拠しているRough Consensus and Running Codeを変えていくことが今必要なのだと。

 しかし、私は疑問に感じる。彼女の言うPolitics and Real worldこそ、じつはRough Consensus and Running Codeを越える方法を未だに見いだしてはいないのではないか? 答えはすぐやってはこない。これから永い激しい緊張の時間を通じて、インターネットの変化を捉えなければならないと考える。

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