各位
IPアドレス割り振り業務の遅延について
1998年5月12日
(社)日本ネットワークインフォメーションセンター
本年4月上旬より、JPNICからJPNIC会員各位へのIPアドレス割り振り業務に遅延
が生じたため、IPアドレス申請をいただいた会員及びエンドユーザの方に多大の
ご迷惑をおかけしたことをお詫びするとともに、昨日、一連の処理が完了し、各
JPNIC会員各位に対してのIPアドレスの割り振りを再開したことを、ご報告させ
ていただきます。
今回の割り振りの遅延の原因は、IPアドレス割り振り業務において、JPNICの上
部組織に当たるAPNIC(*注1)の事務処理の方式が変更されたこと、およびこの変
更による処理時間の増加見積もりをJPNIC/APNICがともに誤ったことにあります。
今回の反省を踏まえ、再発防止のために、JPNICでは、APNICとの協調をより密接
なものとし、またIPアドレス割り振りに関する業務フローの見直しを行う等の改
善を行ってまいります。
なお、今回の遅延を引き起した原因等の詳細は以下のとおりです。
IPアドレスの割り振り業務はIANA(*注2)を最上位層とした国際的な階層構造の中
で行われており、JPNICはAPNICの下でこの業務を行っています。これはJPNICが
APNICのconfederation(*注3)という種類の会員として参加することによって実現
されています。
JPNICでの実際の割り振り業務は、APNICからJPNICに移管された適度な大きさを
持ったIPアドレスのブロックを、JPNICが各業務委任会員に割り振り、さらに
JPNICから割り振りを受けた業務委任会員がアドレス使用者(顧客等)に対して最
終的に割り当てを行う形態となっております。このなかで、APNICから
confederation会員であるJPNICに対して割り振りを行う部分は、APNIC-063ドキュ
メント(ftp://ftp.apnic.net/apnic/docs/confed-address-request)の内容に基
づいて処理されています。
APNIC-063は1997年7月に発行されておりますが、JPNICからAPNICへのIPアドレス
ブロックの申請は半年から一年に一回程度ということもあり、今回がAPNIC-063
が適用される初めての事例でした。当初JPNICではこの処理は短期間のうちに終
了し、4月上旬には割り振りが可能であると予想していました。しかしながら、
今回のAPNIC-063による手順の主な変更点の一つとして、従来は不要であった、
JPNICの業務委任会員が行った割り当て内容をAPNICに提出し、その内容をAPNIC
側ですべてチェック・確認するという作業が追加されており、今回この作業に予
想外の時間を費してしまいました。これは、JPNICの規模が、APNICが
confederation会員として想定していた規模を遥かに上回るものであったため、
時間を要することとなってしまったものです。
インターネットの発展にとってIPアドレスの円滑な割り当てとその管理は重要で
あり、このようなことはあってはならないことであります。今後は、APNICとの
連携を強化しながら再発防止に努めてまいります。
なお、confederationやAPNICに関しては、APNICのホームページ(下記注1参照)等
から、詳細な情報を入手することが可能です。
(*注1)APNIC
Asia Pacific Network Information Center
(URL: http://www.apnic.net/)
(*注2)IANA
Internet Assigned Numbers Authority
(URL: http://www.isi.edu/div7/iana/)
(*注3)confederation
国単位のNICやISP(Internet Service Provider)の連合体に適用される
APNICの会員種別です。
APNICのconfederation会員には他にTWNIC(台湾NIC)、KRNIC(韓国NIC)、
CNNIC(中国NIC)などがあります。
以上

