ED.JPドメイン名新設の提案
1998年6月15日
JPNIC ドメイン名登録検討部会
JPNIC ドメイン名登録検討部会では、主に児童、生徒などの教育・育成を行う
組織である高等学校以下の教育機関(初等・中等・就学前教育機関)のためのドメ
イン名新設を検討してきました。その結果、以下の通り新設を提案することとし
ましたので、皆様の御意見をお聞かせいただきますようお願いいたします。
なお、御意見などは、JPNIC が運営しているDOMAIN-TALK メーリングリストで
御聞かせ下さい。DOMAIN-TALK メーリングリストへの参加方法などは、以下の
URL をご覧ください。
http://www.nic.ad.jp/jpnic/hottopics/domain-talk.txt
1. 背景
従来、JPNIC では、高等学校以下の教育機関 (初等・中等・就学前教育機関を
指す。) に対して地域型ドメイン名による登録を行ってきた。しかし、以下に述
べる状況を考慮して、早急に主に児童、生徒などの教育・育成を行う組織である
学校のためのドメイン名を新設することを提案する。
- 文部省では、「全国のすべての国公私立の学校を対象に、2001年までに中・高
等学校および特殊教育学校、2003年までに小学校をインターネットに接続する
」という方針をもとに事業を推進している。
- 国や地方自治体などでは、学校でのインターネット利用環境の整備について具
体的な検討が行われており、1998年度以降各種の整備事業が予定されている。
- 低価格のインターネット接続サービスや運用サービスが出現し、学校のインタ
ーネット接続が容易になりつつある。
- 上記のことから、学校からのドメイン名登録申請の急増が予想される。
- これまでJPNIC では、 2回のアンケートおよび意見集約を実施してきたが、学
校のためのドメイン名新設の要望が高かった。
参考: 2回のアンケートおよび意見集約の結果
http://www.nic.ad.jp/regist_search/domain.html#announce
本の社会的構造で重要な一部をなすもの(大きなコミュニティ)であると考えら
れる。
参考:初等・中等・就学前教育機関の規模
学校数 在学者数
保育園 22,438 1,701,655
幼稚園 14,690 1,789,523
小学校 24,376 7,855,387
中学校 11,257 4,481,480
高等学校 5,496 4,371,360
特殊教育諸学校 978 86,444
----------------------------------------
合 計 79,235 20,285,849
平成10年度文部省学校基本調査(平成9年5月1日現在)
http://www.monbu.go.jp/stat/r316/tk0100.GIF
平成8年厚生省社会福祉施設等調査(平成8年10月1日現在)
http://www.mhw.go.jp/toukei/s-fukusi/1-7.html
2. 登録対象組織および登録申請者
本ドメインは、「主に児童・生徒などの教育を受ける人を収容する」位置づけ
とし、
主に児童、生徒などの教育・育成を行う組織を収容する
ものとする。
その対象は、学校教育法に定められた初等・中等・就学前教育を行う学校およ
びそれに準じるものとし、具体的には国立・公立・私立の以下の組織とする。
・保育園
・幼稚園
・小学校
・中学校
・高等学校
・盲・聾・養護学校などの特殊教育諸学校
・日本国内に存在する外国人学校などで上記に準じるもの
登録申請者は、当該組織の長(学校長、園長など)または設置者(地方自治体の
代表者、法人の代表者およびそれに準ずるものなど)とする。
3. ドメイン名構造案
ドメイン名構造は、以下の通りとする。
<組織名>.ED.JP
[第2レベルドメイン名の新設の理由]
- 背景のところで述べたように、対象となる集団の構成員の数がきわめて大きい
。また、その性格が他のインターネットコミュニティと明らかに異なる。
- このコミュニティ独自でのインターネット利用方法や衝突回避などのためのド
メイン名調整が必要であり、ドメイン名登録方法などが独特のものになる。
- AC.JP ドメイン名への収容についても検討したが、上記理由のためなじまない
と判断した。
ED.JP ドメイン名の調整が必要な理由は、ドメイン名を登録する母集合がわか
っており、その大部分が2003年までにインターネット接続されることが決まって
いる中で、先に予算がついた学校が短い名前を取れるといった先着順のルールは
馴染まない。また、これまでのアンケートなどの結果からもドメイン名の調整な
どが望まれている。
[第 2レベルドメイン名を ED と選択した理由]
第 2レベルドメイン名の候補として、ED(EDucation) , SC(SChool) , EDU ,
SCH , SCHOOL などがあったが、以下の理由で ED.JP とした。
- 他の属性型ドメイン名と調和を取るためには、第 2レベルドメイン名を 2文字
コードにするのが適当である。
- 本ドメイン名は、「主に児童・生徒などの教育を受ける人を収容する」との位
置づけを持ち、学校の収容に主眼をおいたドメイン名ではない。
[第 3レベルドメインをフラットにする理由]
教育センター収容型として第 3レベルに地域名を第 4レベルに学校を収容した
いという意見があったが、以下の理由により第 3レベルに学校をフラットに収容
することとした。
- ED.JP ドメイン名内に 3階層と 4階層のドメイン名が混在することにより混乱
が生じる。
- ED.JP ドメイン名を 4階層とした場合、他の属性型ドメイン名は 3階層である
ため、階層の違いによる混乱を生ずる恐れがある。つまり、他の属性型ドメイ
ン名と調和を図るためには、 3階層が望ましい。
- 4階層にすることにより、県境を越えて活動する学校を収容することには無理
がある。
- ドメイン名とネットワーク接続トポロジーは独立であるため、 3階層でも教育
センター収容型に対応可能である。
- 3階層の場合、 4階層よりもフレキシブルなドメイン名とすることが可能とな
り、アンケートなどでの要望が高かった低年齢層の児童・生徒にとって使いや
すいドメイン名となる可能性がある。
なお、第 3レベルドメインの名前衝突回避を検討する必要があること、またア
ンケートなどの結果からもドメイン名の調整の要望が高い。しかし、JPNIC では
、中立的な立場から利害が絡むかもしれないドメイン名調整は困難であると考え
ている。そこで、調整作業などを別組織へ委任(委託)することも含めて、引き続
き検討を行う。
[費用について]
属性型ドメイン名をJPNIC へ登録する場合、登録費用が発生する。また、ドメ
イン名の年間維持は、JPNIC 会員の接続承認に基づいており、接続承認したドメ
イン数によってJPNIC 会員の年会費の金額が決まることから、一般に JPNIC会員
は、その費用をドメイン名登録者から徴収している。 ED.JPドメイン名の登録者
についても、同様に登録料および年間の費用が発生する。しかしながら、今後の
インターネットの発展を考慮すると、これからのネットワーク社会を担う児童・
生徒の教育を行う組織について何らかの費用負担を軽減する方策 (ED.JP に関わ
らずJPNIC 会費見直しも含む) についても検討することが必要であると考え、引
き続き検討項目としていく。
4. ドメイン名の移行
現在のドメイン名から新しいドメイン名への移行については、以下の特例を設
ける。
- 旧ドメイン名から新ドメイン名への移行に際し、1年間の併用期間を設ける。
- 併用期間においては、接続ドメインの数に応じて課せられるJPNIC会費は1組織
分しか要しないものとする。
5. スケジュール
1998年 7月 1日 正式アナウンス
1998年10月 1日 ED.JPドメイン名の新規受付開始
AC.JPまたは地域型ドメイン名からED.JPへのドメイン
名移行受付開始
以上

