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JPNICはインターネットの円滑な運営を支えるための組織です
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文書管理情報
本文書番号 JPNIC-01230
文書名 JPNICにおけるIPv6アドレス割り振りおよび割り当てポリシー
発効日 2018/3/19
最終更新日 2018/2/19
この文書によって無効となった文書 JPNIC-01167

JPNICにおけるIPv6アドレス割り振りおよび割り当てポリシー

一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター

本文書の立場

本文書は、APNICが発行している以下の文書をもとに記述されている。

APNIC Internet Number Resource Policies

このAPNICの文書は、 JPNICやJPNICが指定するIPアドレス管理指定事業者を含むすべてのインターネットレジストリが従うべきポリシーについて記述されており、 本文書の上位文書にあたる。 従って、APNIC文書が将来的に変更された場合は、 本文書もそれにともなって遅滞なく変更されるものである。

本文書に記載されているポリシーは基本的にAPNICポリシーとの一貫性、 透明性を旨として策定されるため、内容的にはほとんどの部分が同一であり、 文書の体裁や構造も同一のものである。

ただし、 これはJPNICポリシーがAPNICポリシーと完全に同一のものであるという意味ではない。 地域インターネットレジストリと国別インターネットレジストリという立場の違いによる差異も存在する。

目次

  • 本文書の立場
  • 1. はじめに
    • 1.1. 概要
  • 2. 定義
    • 2.1. インターネットレジストリ(IR)
    • 2.2. 地域インターネットレジストリ(RIR)
    • 2.3. 国別インターネットレジストリ(NIR)
    • 2.4. ローカルインターネットレジストリ(LIR)
    • 2.5. 割り振り
    • 2.6. 割り当て
    • 2.7. 利用率
    • 2.8. HD-Ratio
    • 2.9. エンドサイト
    • 2.10. インターネットエクスチェンジポイント(IXP)
  • 3. IPv6アドレス空間管理の目標
    • 3.1. 目標
    • 3.2. 一意性
    • 3.3. 登録
    • 3.4. 経路の集成
    • 3.5. 節約
    • 3.6. 公平性
    • 3.7. オーバーヘッドの最小化
    • 3.8. 目標の衝突
  • 4. IPv6ポリシーの考え方
    • 4.1. アドレス空間は所有物とはみなされない
    • 4.2. 保証されないルータビリティ(経路制御可能性)
    • 4.3. 最小割り振りサイズ
    • 4.4. IPv4インフラストラクチャーの考慮
  • 5. 割り振りと割り当てのポリシー
    • 5.1 JPNICから直接IPv4の分配を受けている組織へのIPv6アドレスブロック
      • 5.1.1 分配基準
      • 5.1.2. IPv6ブロックの最上サイズ
    • 5.2. 初期割り振り
      • 5.2.1. 初期割り振りの基準
      • 5.2.2. 初期割り振りの最小サイズ
      • 5.2.3. 最小サイズを超える初期割り振りサイズ
    • 5.3. 追加割り振り
      • 5.3.1. HD-Ratioの適用
      • 5.3.2. 代替の追加割り振り基準
      • 5.3.3. 追加割り振りのサイズ
    • 5.4. IP指定事業者から下位ISPへの割り振り
    • 5.5. 割り当て
      • 5.5.1. 割り当てアドレス空間のサイズ
      • 5.5.2. 単一のエンドサイトに対する複数の/48の割り当て
      • 5.5.3. オペレータのインフラストラクチャーに対する割り当て
    • 5.6. 登録
    • 5.7. 逆引き
    • 5.8. 既存のIPv6アドレス空間保持者
    • 5.9. プロバイダ非依存アドレスの割り当て
      • 5.9.1. 小規模マルチホーム割り当て
      • 5.9.2. インターネットエクスチェンジポイント
      • 5.9.3. クリティカルインフラストラクチャ
      • 5.9.4. その他の用途でプロバイダ非依存アドレスを必要とするネットワークへの割り当て
  • 6. 参考情報
  • 7. 付録A :HD-Ratio

1. はじめに

1.1. 概要

本文書では、インターネットプロトコルバージョン6(以下、IPv6)に関して、 世界的に固有なインターネットアドレス空間の分配とその運用に関するポリシーについて説明する。

[RFC2373、RFC2373bis]では、 IANAがRIRへ割り振ることのできるグローバルユニキャストアドレス空間に2000::/3を指定している。 [RFC2928、RFC2373bis、IAB-Request]に従い、 IANAは既存のRIRに対して2001::/16アドレスブロックからのグローバルユニキャストIPv6アドレス空間の初期領域を割り振っている。 本文書で扱う領域は、 RIRが割り振り/割り当てポリシーを定めている2000::/3ユニキャストアドレス空間の初期および追加の割り振りである。

ここに述べられるポリシーは暫定的(Interim)であるものとしてみなされ、 将来IPv6の運用に関するより幅広い経験に従って見直される。

2. 定義

以下の用語とその定義は、本文書に書かれている目標、環境、 ポリシーを理解するために特に重要なものである。

IPv6アドレス空間を管理する責任は、以下のような階層構造により世界に配分される。

                +--------+
                |  IANA  |
                +--------+
                    |
              +-----------+
              |           |
          +--------+  +--------+
          |   RIR  |  |   RIR  |  Regional Internet
          +--------+  +--------+  Registries (APNIC, ARIN, RIPE NCC,LACNIC,
              |           |       AFRINIC, plus possible future RIRs)
              |           |
              |        +-----+
              |        | NIR |     National Internet
              |        +-----+     Registries (AP region)
              |           |
         +--------+   +--------+
         |LIR/ISP |   |LIR/ISP |   Local Internet
         +--------+   +--------+   Registries (ISPs)
              |           |
        +--------+        |
        |        |        |
    +-------+  +----+   +----+
    |EU(ISP)|  | EU |   | EU |     End users
    +-------+  +----+   +----+
            

2.1. インターネットレジストリ(IR)

インターネットレジストリ(IR)はIPアドレス空間をメンバーまたは顧客に分配し、 その分配を登録する責任を持つ。 IRは上記の階層構造の中で、主要な機能と地域的担当範囲にもとづき分類される。

本文書で用いられるIRという用語にはAPNICとその他の地域インターネットレジストリ(RIR)、 JPNICなどの国別インターネットレジストリ(NIR)、 ローカルインターネットレジストリ(LIR)を含んでいる。

2.2. 地域インターネットレジストリ(RIR)

地域インターネットレジストリ(RIR)は、 各地域のコミュニティによる承認とICANNの認可で設立され、 大きな地域にサービス提供し、その地域を代表する。

RIRの主な役割は、それぞれが担当する各地域内でアドレス空間を分配、 管理することである。

2.3. 国別インターネットレジストリ(NIR)

国別インターネットレジストリ(NIR)は、主として、 LIRであるメンバーにアドレスを割り振りするIRであり、一般的にNIRのメンバーは、 国レベルで組織されたインターネットサービスプロバイダ(ISP)である。 NIRは主にアジア太平洋地域に存在する形態である。

JPNICはこのNIRにあたる。

2.4. ローカルインターネットレジストリ(LIR)

ローカルインターネットレジストリ(LIR)は、 主として自己が提供するネットワークサービスのユーザにアドレス空間を割り当てるIRである。 LIRは一般にISPのことであり、その顧客は主としてエンドユーザであるが、 その顧客が別のISPである場合もある。

IPアドレス管理指定事業者(以下「IP指定事業者」という)はこのLIRにあたる。

2.5. 割り振り

割り振りとは、再分配用としてアドレス空間をIRに分配することである。

2.6. 割り当て

割り当てとは、IRがエンドユーザに対し、割り振られたアドレス空間の一部または全部を、 エンドユーザのネットワークで利用するために分配することである。 また、IRが内部のネットワーク用として使うときも、 そのアドレス空間は割り当てられたアドレス空間と呼ばれる。

割り当てられたアドレス空間は、 エンドユーザが申告した特定の目的のためにのみ使用されるものであり、 さらに割り振りや割り当てされるものではない。

2.7. 利用率

それぞれの割り当て内での実際の利用率は、IPv4の割り当てと比較すると極めて低くなる。 IPv6では「利用率」は/56境界の左側のビットについてのみ計測する。 言い換えれば、利用率とはエンドサイトへの/56の割り当て数に関するものであり、 それらエンドサイトにおける個々の/56内での割り当てアドレス数に関するものではない。

本文書では、利用率という語はエンドサイトへの/56の割り当て数を指し、 それらのエンドサイトにおける個々の/56内での割り当てアドレス数を指すものではない。

2.8. HD-Ratio

HD-Ratioはアドレス割り当て効率を評価する方法である[RFC 3194]。 これは[RFC 1715]で当初定義されたH-Ratioの応用であり、以下のように表される。

            Log (割り当てられたオブジェクトの数)
      HD = -----------------------------------------
            Log (割り当て可能なオブジェクトの最大数)
            

(注)上位文書では、「割り振られたオブジェクトの数」、 「割り振り可能なオブジェクトの最大数」と記述されているが、 本来割り当てと記述されるべき個所であるため、本文書では割り当てとしている。

この文書の場合、 オブジェクトとはあるサイズのIPv6プリフィックスの中から割り当てられたIPv6サイトアドレス(/56)となる。

2.9. エンドサイト

エンドサイトは、 以下のようなサービスプロバイダと契約関係を持つエンドユーザ(加入者)として定義される。

  • エンドユーザにアドレス空間を割り当てるサービスプロバイダ
  • エンドユーザに対し、他のサイトへのトランジットサービスを提供するサービスプロバイダ
  • エンドユーザのトラフィックを転送するサービスプロバイダ
  • エンドユーザの割り当てを含む集成プリフィクス経路を広告するサービスプロバイダ

2.10. インターネットエクスチェンジポイント(IXP)

インターネットエクスチェンジポイント(IXP)は、 物理的なネットワークインフラストラクチャであり、 独立したISP間でのインターネットトラフィックの交換を円滑化するために運用される。 IXPに接続されるISP数は最低でも3つあるべきで、 他のISPが参加するための明確でオープンなポリシーがなければならない。 IXPは一般的にはIRでなく、アドレス空間のエンドユーザであるとみなされる。

3. IPv6アドレス空間管理の目標

3.1. 目標

IPv6アドレス空間は公共の資源であり、 インターネットの長期的な利益に関し慎重に管理されねばならない。 責任あるアドレス空間管理には、時として対立する目標同士のバランスをとる必要がある。 次に述べるのはIPv6アドレスポリシーに関する目標である。

3.2. 一意性

割り当ておよび割り振られた各アドレス空間は、 世界にただ1つしかないことを保証しなければならない。

これは、 インターネット上の各パブリックホストが一意に識別できるようにするための絶対的要件である。

3.3. 登録

インターネットアドレス空間は、 インターネットコミュニティの適切な数のメンバーがアクセス可能な、 レジストリデータベースに登録されなければならない。 これは、各インターネットアドレスの一意性を保証するためであり、また、 RIRをはじめとするすべてのIRやエンドユーザなど、 インターネットを利用するあらゆるレベルの人がインターネット上のトラブルを解決するための参照情報として利用できるようにするためである。

さらに、アドレス空間のように公共の資源を利用するすべての人が、 その資源の状態等を確認可能であるべきとする、 インターネットコミュニティの考え方を反映するものでもある。

登録という目標は、 適切なプライバシーへの配慮と既定の法に従って施行されるべきである。

3.4. 経路の集成

アドレス空間は、ネットワークインフラストラクチャのトポロジに沿って、 可能な限り階層的に分配されなければならない。 これは、経路情報を集成し、経路表の増大を抑えるために必要なことである。

この目標はIPv6アドレス体系において特に重要であり、IPv6アドレスでは、 アドレスプール全体のサイズが内部経路制御および外部経路制御の両方に重大な影響を与える。

IPv6アドレスポリシーは、アドレスレンジの断片化防止に努めるものであるべきである。

さらにAPNIC/JPNICは、現在割り振りを行っている空間に、 連続した空間で追加割り振りが行える可能性を最大にするような運用を採用すべきである。 ただし、連続した割り振りは保証されるものではない。

3.5. 節約

IPv6は非常に膨大なアドレス空間を持つものの、 アドレスポリシーによって不必要に浪費的な運用を回避すべきである。 アドレス空間の申請者は、適切な文書による裏付けを行うべきであり、 未使用アドレスの備蓄は避けるべきである。

3.6. 公平性

パブリックなアドレス空間の使用に関するすべてのポリシーは、 現在および未来にわたるすべてのインターネットコミュニティの構成員に対し、場所、国籍、 規模その他いかなる要因にも左右されることなく公平に適用され実践されるべきである。

3.7. オーバーヘッドの最小化

アドレス空間の委任によるオーバーヘッドは最小化されるのが望ましい。 JPNICに対して追加アドレス空間の申請をあまりに頻繁に行うこともオーバーヘッドとなるほか、 大きい空間拡張を少ない回数で行うのではなく、 小さな拡張を続けて数多く行うこともアドレス空間管理のオーバーヘッドに結びついてしまう。

3.8. 目標の衝突

アドレス空間の節約と経路集成という目標はしばしば衝突する。

さらに、上に述べた目標は、 時として個々のIRおよびエンドユーザの利益と衝突することがある。

アドレス空間の割り振りと割り当ての申請を審査するすべてのIRは、 それに関連するすべての事柄を注意深く分析し、 インターネットコミュニティ全体のニーズと申請者のニーズのバランスを取らなければならない。

IPv6アドレスポリシーでは、集成の目標が最も重要であると考えられる。

4. IPv6ポリシーの考え方

3.[IPv6アドレス空間管理の目標]で示した目標を達成するために、 本文書におけるポリシーは以下にかかげるような基本的な考え方を議論し、採用する。

4.1. アドレス空間は所有物とはみなされない

アドレス空間を自己の所有物とみなすことは、 本文書で述べられている目標だけでなく、 インターネットコミュニティ全体の利益にも反することである。

本文書におけるポリシーでは、 グローバルにユニークなIPv6ユニキャストアドレス空間は所有されるものではなく、 ライセンスが交付されたものだという理解にたっている。

具体的には、IPアドレスはライセンスに基づいて割り振り/割り当てが行われ、 そのライセンスは定期的に更新を受ける。 ライセンスを受けるには、ライセンスの交付時または更新時に適用される特定の条件がある。

JPNICは通常、 申請組織が割り振り/割り当ての資格あるいはライセンスを交付された際の基準を満たすべく、 誠意を持って努力している場合、ライセンスを自動的に更新する。 ただし、申請組織がそのアドレス空間を当初の予定通りに使用していない、 あるいはアドレスのライセンスに伴う義務の遂行に対して不誠実であった場合、 JPNICはライセンスを更新しない権利がある。

ライセンスを新しく更新するとき、そのライセンスは、 更新時に適用されているIPv6アドレスポリシーに基づいて審査および管理が行われるが、 そのポリシーは割り振り/割り当てを受けた時点でのポリシーとは異なる場合がある。

4.2. 保証されないルータビリティ(経路制御可能性)

割り振りや割り当てはいずれも、グローバルに経路制御可能であるという保証はない。

しかしJPNICは、 ルータビリティ(経路制御可能性)の低下を引き起こしかねないアドレス空間分断化の可能性を抑える方法を採用しなければならない。

4.3. 最小割り振りサイズ

プリフィクスを基準にしたフィルタリング促進のため、 JPNICはIPv6割り振りに対して最小割り振りサイズを適用する。

IPv6アドレス空間における最小割り振りサイズは/32である。

4.4. IPv4インフラストラクチャーの考慮

IPv6アドレスの初回割り振りサイズを判断するにあたり、 5.2.3[最小サイズを超える初期割り振り]のもと、 既存のIPv4ネットワークを考慮することも可能である。

5. 割り振りと割り当てのポリシー

IPv6アドレスの初回割り振りポリシーは5.2項、割り当てポリシーは5.9項にて定義している。 ただし、JPNICから直接IPv4アドレスの分配を受けている組織は、 5.1項にて定義しているポリシーに基づき、 最小単位でのIPv6アドレスの分配を受けることも可能である。

なお、申請者に委任するIPv6アドレスレンジを選択するアルゴリズムであるスパースアロケーションについては、 以下の文書より参照可能。

「IPv6割り振り/割り当て申請のためのJPNICガイドライン」
https://www.nic.ad.jp/doc/ipv6-guideline.html

5.1. JPNICから直接IPv4アドレス空間の割り振り/割り当てを受けている組織に対するIPv6アドレス空間の初期割り振りおよび割り当て

5.1.1. 初期割り振りおよび割り当て基準

JPNICから直接IPv4アドレス空間の割り振り/割り当てを受けているが、 IPv6アドレス空間の分配を受けていないIP指定事業者および特殊用途用プロバイダ非依存アドレス被割り当て者は、 割り振り/割り当てを受けているIPv4アドレスの種類に応じて、 適切なサイズのIPv6アドレス空間の分配を受ける条件を満たす。 例えば、IXP用のIPv4アドレス空間の割り当てを受けている組織は、 IXP用のIPv6アドレスの割り当てを受ける条件を満たす。

5.1.2. 初期割り振りおよび割り当ての最小サイズ

本基準を満たす組織へ分配されるIPv6アドレスのサイズは、以下に基づくものとする。

  • JPNICからIPv4アドレス空間の割り振りを受けている場合、/32のIPv6アドレス空間の割り振りを受けることができる。
  • JPNICから直接IPv4の特殊用途用プロバイダ非依存アドレスの割り当てを受けている場合、/48のIPv6のプロバイダ非依存アドレスの割り当てを受けることができる。

上記で定義したサイズよりも大きな初期割り振りおよび割り当てを希望する対象組織は、 5.2項および5.9項にて別途定める基準に基づき、申請が必要となる。

5.2. 初期割り振り

5.2.1. 初期割り振りの基準

IPv6アドレス空間の初期割り振りの資格を得るには、申請する組織は、

  1. IP指定事業者であること
  2. エンドサイトでないこと
  3. 割り当て先組織やエンドユーザに対し、2年以内に、IPv6の接続性を提供する計画があること

以上の3つを満たさねばならない。

5.2.2 項にて定める初期割り振りの最小サイズより大きなアドレス空間を必要とする場合、 割り振りサイズは、ユーザー数、組織のインフラストラクチャーの範囲、 組織の階層的および地理的構造、 インフラストラクチャーのセキュリティのためのセグメンテーションおよび、 割り振りアドレス空間の設計寿命を基に決定される。

プライベートネットワーク(グローバルインターネットに接続を行っていないネットワーク)も上記と同等の基準を満たしていればIPv6アドレスの割り振りを受けられることがある。

5.2.2. 初期割り振りの最小サイズ

初期割り振りの基準を満たす組織は、/32の最小割り振りを受けることができる。

5.2.3. 最小サイズを超える初期割り振り

以下の前提のもと、/32より大きな初期割り振りを正当化することができる:

a)構築を計画しているIPv6のインフラストラクチャーが、 /32より大きな割り振りを必要なことを示す審議情報の提供;

もしくは

b)以下すべての審議情報の提供

  • 既存のIPv4ネットワークにおけるインフラストラクチャーおよび顧客規模
  • 既存のIPv4サービスをIPv6経由で提供し、かつ、2年以内に、既存のIPv4顧客の一部をIPv6に移行させる意思の表明
  • a)、b)いずれの方法を選択した場合も、HD-Ratioをもとにした利用率に従って算出されたアドレスの需要を満たす割り振りが行われる。

5.3. 追加割り振り

既存のIPv6アドレス割り振りを受けている組織は、 以下のポリシーに従って追加割り振りを受けることができる。

5.3.1. HD-Ratioの適用

追加割り振りは、IP指定事業者が、 /56を単位とするサイト数という観点において過去のアドレス使用での評価基準を満たした場合に実施される。 HD-Ratio[RFC 3194]は、以下に示すように、 アドレス空間の追加割り振りを正当化する利用率を確定するために用いられる。

アドレスの追加割り振りを正当化するための必要なアドレス利用率を示す値として、 HD-Ratioは 0.94が採用される。 付録 Aは、アドレスブロックのサイズに対して、 必要な利用率を達成するために必要な割り当て数を示した表である。

5.3.2. 代替の追加割り振り基準

上記に代わり、組織(ISP/LIR)が追加割り振りを必要とする正当な利用を証明できる場合、 追加割り振りを受けることができる場合がある。 なにが正当な技術的またはその他の理由となるかのガイドラインは「IPv6割り振り/割り当て申請 のためのJPNICガイドライン」文書を参照のこと。

「IPv6割り振り/割り当て申請のためのJPNICガイドライン」
https://www.nic.ad.jp/doc/ipv6-guideline.html

5.3.3. 追加割り振りのサイズ

組織が割り振られたアドレス空間において必要な利用率を満たした場合、 その組織は、 結果としてアドレス空間が2倍となる追加割り振りをただちに受けられる。 その追加割り振りは、 複数の独立したネットワークに対して連続しない別個のアドレスレンジが要求された場合を除き、 可能な限り隣接したアドレスブロックから行われる。 つまり既存の割り振りが1ビット左に拡大する。

組織がより大きなアドレス空間を必要とする場合、 必要とするアドレス空間を証明する審議情報を提出しなければならない。 割り振りサイズは、新たな需要を基に決定される。 新たな需要には、ユーザー数、組織のインフラストラクチャーの範囲、 組織の階層的および地理的構造、 インフラストラクチャーのセキュリティのためのセグメンテーションおよび、 割り振りアドレス空間の設計寿命が含まれる。

5.4. IP指定事業者から下位ISPへの割り振り

IP指定事業者がアドレス空間を下位ISPに割り振るための特定のポリシーはない。

各IP指定事業者は、 IP指定事業者に割り振られたアドレスブロック全体の効率的な利用を確保するため、 下位ISPのための独自のポリシーを作成することができる。 しかし、追加割り振りが必要になった場合にJPNICがHD-Ratioを正しく評価できるように、 エンドサイトに割り当てられた/48はすべて、 IP指定事業者によって登録される必要がある。

5.5. 割り当て

IP指定事業者およびIP指定事業者から割り振りを受けたISPは以下の条件に従ってIPv6割り当てを行わなくてはならない。

5.5.1. 割り当てアドレス空間のサイズ

エンドユーザはIP指定事業者またはIP指定事業者から割り振りを受けたISPから割り当てを受ける。 実際の割り当てサイズは、/48以上の割り当てが正当化されるエンドサイトを除いて、 最小/64(1サブネットのみがエンドサイトとして想定される場合)から原則として最大/48までの範囲でIP指定事業者または割り当てを行うISPが判断するものとする。

JPNICは、 IP指定事業者およびIP指定事業者から割り振りを受けたISPが実際にどのアドレスサイズを割り当てるかについて関与しない。 そのため、JPNICは、 IPv4の場合と異なり割り当てサイズを審議するためのIPv6ユーザネットワークの詳細情報を要求しない。 ただし、4.4[IPv4 インフラストラクチャーの考慮]で説明した場合や、 本文書で定義された利用率を計測する目的がある場合は除く。

5.5.2. 単一のエンドサイトに対する複数の/48の割り当て

単一のエンドサイトが複数・追加の/48アドレスブロックを必要とする場合、 複数割り当て請求時には、その要求の妥当性を示す審議資料を提出しなければならない。 その請求は、APNIC/JPNICレベルで審議・検討(つまり妥当性の判断)が行われる。

注: 同一エンドサイトに対し複数の/48を割り当てることについては、これまで経験がない。 APNIC/JPNICでこのような割り当てすべてを審議するのは、ある程度の経験が積まれ、 一般に通用するポリシーが整備されるまでの一時的な措置である。 この件に関するポリシーを策定するさらなる作業が近々に行われるべきである。

5.5.3. オペレータのインフラストラクチャーに対する割り当て

IP指定事業者およびIP指定事業者から割り振りを受けたISPは、 IPv6サービスオペレータのサービスインフラストラクチャーとして、 PoP毎に1つの/48を割り当てることができる。 PoPに対するそれぞれの割り当ては、 PoPを利用するエンドユーザの数にかかわらず1つの割り当てとみなされる。 オペレータの社内業務に対しては別途の割り当てを受けられる。

5.6. 登録

IPv6アドレスを割り振られた組織は、IPv6アドレス割り当てを行う際、 JPNICが必要に応じてアクセス出来るデータベースに、 その割り当てに関する情報を登録しなければならない(JPNICによって登録された情報は、 将来的にはアドレス管理情報を登録するための分散データベースに置き換わる可能性がある)。 情報は割り当てた/48ネットワークの単位で登録される。 組織が/48より大きなアドレス空間を割り当てられた場合、 そのアドレス空間をJPNICのデータベースに登録されるようにすることは、 IP指定事業者の責任である。

RIR/NIRは、追加割り振り申請時のHD-Ratioの計算、 および割り当ての過去の実績を検証するためにこの登録データを利用する。

IRは、申請時には使用されるが、 公開情報として登録する必要はない個人情報や企業情報を保護する機構や要領を維持しなければならない。

5.7. 逆引き

APNIC/JPNICからIPv6アドレス空間の委譲を受ける組織は、 割り振られたIPv6アドレス空間に対応する逆引きゾーンを管理する責任を負う。 各組織はその逆引きゾーンを適切に管理しなければならない。 アドレスの割り当てを行う際、組織は、 割り当てられたアドレスに対応する逆引きゾーンを管理する責任を、 要求に応じて割り当て先の組織に引き継がなければならない。

5.8. 既存のIPv6アドレス空間保持者

以前のIPv6アドレスポリシーに従って/35のIPv6割り振りを受けている組織は、 保有している割り振りを/32のアドレスブロックに拡張することが直ちに可能になる。 その際5.2.1[初期割り振りの基準]で述べた基準を満たしている限り、正当化の必要はない。 /32アドレスブロックは、割り振り済みのより小さなアドレスブロック(多くの場合、 1つまたは複数の/35アドレスブロック)を含む。 そのブロックはその組織への追加の割り振りのためにAPNICによって予約されたブロックである。

/32の最小サイズを超える追加空間の申請は、 5.2.3[最小サイズを超える初期割り振り]で説明した通りに審査される。

5.9. プロバイダ非依存アドレスの割り当て

5.9.1. 小規模マルチホーム割り当て

現在マルチホームをしている、 あるいは3ヶ月以内にマルチホームをする計画がある組織は、 マルチホームのためのプロバイダ非依存アドレスの割り当てを受ける資格を有する。

これらの条件下で行われる最小割り当てサイズは/48である。

これらの条件下で割り当てられたIPアドレス空間が、 割り当てから3ヶ月以内にマルチホームのために使用されない場合は回収される。

5.9.2. インターネットエクスチェンジポイント

インターネットエクスチェンジポイント(以下、IXP)は、 IXPへの接続機器に対する接続提供に利用を限定する前提で、 JPNICからプロバイダ非依存アドレスの割り当てを受ける資格を有する。 この条件のもとに行われる割り当ての最小サイズは/48である。 このプロバイダ非依存アドレス割り当てに対するグローバルなルータビリティは、 IXP事業者の裁量に委ねられる。

5.9.3. クリティカルインフラストラクチャ

日本地域において、以下のクリティカルインフラストラクチャを運用する組織は、 JPNICからプロバイダ非依存アドレスの割り当てを受ける資格を有する。

  • ルートドメインネームシステム(DNS)サーバ
  • gTLDネームサーバ
  • ccTLDネームサーバ

クリティカルインフラストラクチャへの割り当ては、 上記の機能をもつネットワークインフラストラクチャの実際の運用者に対してのみ認められる。 レジストリインフラストラクチャを含むネットワークに実際に対応していないレジストラ組織は、 本ポリシー下で割り当てを受けることはできない。 これらの条件下で行われる最大割り当てサイズは/32である。

5.9.4. その他の用途でプロバイダ非依存アドレスを必要とするネットワークへの割り当て

JPNICまたはAPNICからIPv4の特殊用途プロバイダ非依存アドレスの割り当てを受けている組織は、 5.1項に基づき、適切なサイズのIPv6アドレスの割り当てを受けることもできる。

5.1項ではなく、本項の基準に基づき申請を行う場合、 希望しているアドレスブロックに対して、 分配後最低12ヶ月分のアドレスの利用目的に関する詳細な計画を提出しなければならない。

5.9.4.1. 初回割り当て

IPv6においてプロバイダ非依存の分配を受ける組織は、 ISPまたはLIRからの割り当てが適切ではない正当な理由を証明しなければならない。 正当な技術的理由、または他の正当な理由については以下の文書を参照のこと。

「IPv6割り振り/割り当て申請のためのJPNICガイドライン」
https://www.nic.ad.jp/doc/ipv6-guideline.html

本基準に基づく最小割り当てサイズは/48とする。 ガイドラインで述べられている状況において、より大きなブロックが分配されることもある。

5.9.4.2. 追加割り当て

追加のプロバイダ非依存アドレスの割り当ては、以下を証明できる組織に対して認められる。

  1. 追加のプロバイダ非依存アドレスの割り当てを必要とする理由、および、その用途のためにISPまたはLIRからの割り当てを利用できない理由
  2. 初回割り当てを受けたプロバイダ非依存アドレスが、可能な限り経路数を最小限とする単位で広告され、そのブロックが最大限集約されていること
  3. 追加の割り当てがグローバルな経路数を最小限に抑えるための管理方法

6. 参考情報

[RFC1715] "The H Ratio for Address Assignment Efficiency", C. Huitema. November 1994, RFC 1715.

[IAB-Request] "Email from IAB to IANA", http://www.iab.org/iab/DOCUMENTS/IPv6addressspace.txt.

[RFC2373] "IP Version 6 Addressing Architecture", R. Hinden, S. Deering. July 1998, RFC 2373.

[RFC2373bis] draft-ietf-ipngwg-addr-arch-v3-07.txt.

[RFC2928] "Initial IPv6 Sub-TLA ID Assignments", R. Hinden, S. Deering, R. Fink, T. Hain. September 2000, RFC 2928.

[RFC3177] "IAB/IESG Recommendations on IPv6 Address". IAB, IESG. September 2001, RFC 3177.

[RFC3194] "The H-Density Ratio for Address Assignment Efficiency An Update on the H ratio", A. Durand, C. Huitema. November 2001, RFC 3194.

[RIRs-on-48] http://www.arin.net/library/guidelines/ipv6_initial.html

APNIC Internet Number Resource Policies https://www.apnic.net/community/policy/resources

7. 付録A : HD-Ratio

HD-Ratioは、 現在IP指定事業者および割り当てを行うISPがIPv4にて使用している従来の利用率の計測法に置き換えることを意図されているわけではない。 実際、HD-Ratioを利用した場合でも、依然として割り当ての登録数を数える必要がある。 HD-Ratioの主要な価値とは、 あるアドレス空間に対し必要な目標利用率を設定する際の有効性にある。 本文書では、ある割り振りが必要なレベルの利用率を達成し、 追加割り振りが正当化されるような閾値を設定するために、HD-Ratioを使用する。

利用率の有効性の基準Tは、 IPv6プリフィクスPから割り振られる個々の/56プリフィックスの数として表され、 次のように計算できる。

T = 2((56-P)*HD)

したがって、IPv6アドレスブロックの追加割り振りを申請する組織に対する利用率の基準は、 プリフィクスサイズと対象HD-Ratioの関数として指定される。 ここでの利用率は、エンドサイトに対する/56の割り当てに関するものであり、 それらのエンドサイト内での/56の利用率に関するものではない。 これはアドレス割り振りの利用率であり、アドレス割り当ての利用率ではない。

本文書ではIPv6アドレス空間割り振りにおける利用率の閾値として、 HD-Ratioは0.94を採用する。

次の表は、0.94のHD-Ratioに対応する、 IPv6プリフィクスのアドレス利用の絶対値と百分率で示したものである。

    P   56-P              /56の総数                   閾値     利用率
   56      0                      1                      1     100.0%
   55      1                      2                      2      95.9%
   54      2                      4                      4      92.0%
   53      3                      8                      7      88.3%
   52      4                     16                     14      84.7%
   51      5                     32                     26      81.2%
   50      6                     64                     50      77.9%
   49      7                    128                     96      74.7%
   48      8                    256                    184      71.7%
   47      9                    512                    352      68.8%
   46      10                 1,024                    676      66.0%
   45      11                 2,048                  1,296      63.3%
   44      12                 4,096                  2,487      60.7%
   43      13                 8,192                  4,771      58.2%
   42      14                16,384                  9,153      55.9%
   41      15                32,768                 17,560      53.6%
   40      16                65,536                 33,689      51.4%
   39      17               131,072                 64,634      49.3%
   38      18               262,144                124,002      47.3%
   37      19               524,288                237,901      45.4%
   36      20             1,048,576                456,419      43.5%
   35      21             2,097,152                875,653      41.8%
   34      22             4,194,304              1,679,965      40.1%
   33      23             8,388,608              3,223,061      38.4%
   32      24            16,777,216              6,183,533      36.9%
   31      25            33,554,432             11,863,283      35.4%
   30      26            67,108,864             22,760,044      33.9%
   29      27           134,217,728             43,665,787      32.5%
   28      28           268,435,456             83,774,045      31.2%
   27      29           536,870,912            160,722,871      29.9%
   26      30         1,073,741,824            308,351,367      28.7%
   25      31         2,147,483,648            591,580,804      27.5%
   24      32         4,294,967,296          1,134,964,479      26.4%
   23      33         8,589,934,592          2,177,461,403      25.3%
   22      34        17,179,869,184          4,177,521,189      24.3%
   21      35        34,359,738,368          8,014,692,369      23.3%
   20      36        68,719,476,736         15,376,413,635      22.4%
   19      37       137,438,953,472         29,500,083,768      21.5%
   18      38       274,877,906,944         56,596,743,751      20.6%
   17      39       549,755,813,888        108,582,451,102      19.8%
   16      40     1,099,511,627,776        208,318,498,661      18.9%
   15      41     2,199,023,255,552        399,664,922,315      18.2%
   14      42     4,398,046,511,104        766,768,439,460      17.4%
   13      43     8,796,093,022,208      1,471,066,903,609      16.7%
   12      44    17,592,186,044,416      2,822,283,395,519      16.0%
   11      45    35,184,372,088,832      5,414,630,391,777      15.4%
   10      46    70,368,744,177,664     10,388,121,308,479      14.8%
    9      47   140,737,488,355,328     19,929,904,076,845      14.2%
    8      48   281,474,976,710,656     38,236,083,765,023      13.6%
    7      49   562,949,953,421,312     73,357,006,438,603      13.0%
    6      50  1,125,899,906,842,620   140,737,488,355,328      12.5%
    5      51  2,251,799,813,685,250   270,008,845,646,446      12.0%
    4      52  4,503,599,627,370,500   518,019,595,058,136      11.5%
            

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