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JPドメイン名 グランドデザイン1999(叩き台)に対するコメント(2)

グランドデザイン1999(叩き台)に対するご意見の募集への応募

JACCS事件、周知著名商標の第三者によるドメイン登録問題、 ならびに、38類として、電気通信役務に用いる標識として、 標準文字商標として登録した商標の、 第三者によるドメイン登録についての私見

筒井多圭志

●JACCS事件について
今回jaccs.co.jpを取得された会社が、どのような会社なのかは、 私もよくわかりませんが、関連した業種である場合、 JACCSの名前を使えば、 訴えられても仕方がないとするような考え方が一部には蔓延しています。

私は、そういう問題ではないと思っています。 一般に広く周知である商標を、 ほかの目的で使用するケースについては、 直接商標法には抵触する事はなくても、 パリ条約や、商標法の周辺法規についても考える必要があります。 商標登録で防護登録されていないからといって、 デェズニーランドというキャバクラがあり、 それがゆるされるというのでは、恐いのではないかと考えます。

今回の裁判はJPNICそのもののあり方の問題であるととらえるほうが、 (社会通念的に適当、あるいは妥当)適切だと思います。 困っているのは株式会社ジャックスだとおもいます。

JACCSの商標登録がされる前から、 この名前を略称として使っていたとすれば、 争う余地はあるという考え方が一部にはありますが、それは、 そもそも商標権そのもののにおいてもそのようなケースについての取り扱いについては規定のある問題であり、 そのようなケースについては私は言及するつもりはございません。

今回の問題ですが、まず、JACCSは株式会社ジャックスの登録商標です。 株式会社ジャックスは、JACCSを38類において登録商標しています。 また、同社は、特許庁の検索で見つかる範囲では、 7権の防護商標を登録して同社の知的財産権を防衛しています。 この検索エンジンは最近のデータしか入っていませんので同社がかなり古い会社である事を考えると、 もっといろいろ登録していると思います。

●ドメイン名をめぐる濫訴について
アメリカでは、すでにドメインにかぎらず濫訴の傾向が強く、 それを懸念する考え方がありますが、 私もそのような考え方については賛成です。 問題とすべきは、周知著名商標と、 正確に防護の対象となっている38類における電気通信役務における標識として図形商標としてではなく、 一般も自称表として登録が為されているケースにかぎられると考えています。

ニース登録類の異なる商標権者同志の紛争というものは、 xxxxx.comがひとつしかないために当然発生しうると思います。 その意味では、商標登録者は、 ドメイン登録よりも前に38類でYAHOOのように商標登録しておいたほうが安心だと思います。
それほど問題が多発するというのは、 米国のNICもJPNICと同様な指針でドメイン登録を行っているのでしょうか? 米国のNICでは、周知著名商標の登録については、 商標所有者と登録者が異なる場合は、 登録を留保すると聞いております。

商標権はパリ条約を締結している諸国では確立している社会的・経済的権利であると思います。 "商標権者を優遇する"というお言葉がどのような事を意味するのかよく理解できません。 私見で恐縮ですが、JACCSという、一般に広く周知の役務、 商品に使用するローマ字表記として登録された商標を、 公然と無断でJPNICという社団法人が、 他人の役務の提供になんのためらいもなく登録する...あるいは、 そういう登録業務を継続する事自体、 考え直す必要があるのではないでしょうか。

現行の商標法に照らしても、 "YAHOO"(ヤッホー)というローマ字表記をドメイン名に登録できるのは、 38類による商標登録が適切に、 電気通信役務に対して設定されている事にかんがみれば、 不可能(即座に抵触する)と考えられます。

今回のように難しいケースは、 YAHOOのように最初から電気通信役務を通じて業務を提供する事を前提に事業展開していない社会的に確立したローマ字表記商標を使用する事業者がインターネット展開に踏み切るケースです。
古くから商標登録を確立しているため、38類電気通信役務として、 商標を防護登録していないケースについての、 故意による商標登録済みの広く社会的に認知が確立している商標を商標権保有者以外の事業者が、 登録して、まぎらわしい電気通信役務を提供するケースです。 JPNICデータベースに登録されたドメイン名で、商標に一致して、 しかも、商標が社会的に周知のもので確立しているのにもかかわらず、 商標登録した事業者以外のものが所有するケースはどのぐらいあるのでしょうか?

ジャックスのケースはJACCSは社会的に確立した商標であり広範な防護登録(もちろん、 ドメイン名としての使用は、 商標登記当時には想定されていませんのでしかたありませんが)がなされた商標であると思いますが、 いかがなものでしょうか?

また、商標権の行使という問題については、 パリ条約を批准している国の中では、 企業の大小による差別というものはありえないと思います。

商標を商標以外の形で防護する事は、 日本国の現行の法体系の範囲内では難しいと思います。

●標準文字商標JACCSが、ウォークマンが、ディズニーと比較して、周知著名商標かどうかについて
ソニーやウォークマンが、ディズニーのようなケースに該当して、 JACCSが、 それに該当しないという論理が私にはさっぱりよくわかりません。 もし、そういう事があるとすれば、ソニーやウォークマンや、 ディズニーのような大きな企業は知的財産権が保護されて、 北海道のジャックスという会社の、 JACCSというおばあさんも出てくるような大量のテレビコマーシャルを通じて確立した、 小さい会社の知的財産権は、 そのようなものに該当しないというのでしょうか?

www.walkman.co.jpがだめでwww.jaccs.co.jpが良いとする理由は少しよく分かりません。 企業の大きい小さいは、関係なく、 広範な防護商標を登録しているケースとしては、 JACCSはDISNEYと何らかわるものではなく、 法の下では平等であるはずです。
また、38類として電気通信役務として登録した商標が、 通用しないとか、インターネットは別の世界だとか、 ドメイン名はパリ条約で批准した商標とは異なる世界で、 防護商標の登録によって保護されないという事は、 商標そのものの実定法的な、概念を考えると理解できません。 イソターネットならそういう事もありうるかも知れませんがインターネットは道を歩いているのと何も変わらないと思います。

特にWALKMANの防護商標登録が150件も検索されて出てきたのを見るに及んでは、 JPNICの考え方がまったく理解できなくなりました。 今後、WALKMANの商標所有者である株式会社ソニー以外の会社からwww.walkman.co.jpというドメイン申請があったらJPNICは、 判例が出ない限りドメイン名を発給する(判例が出ない限り、 そのような方針を継続する)のでしようか?

●特許庁の検索システムについて
特許庁の検索システムでは、三越などを検索すると、 明治時代に登録した商標もヒットします。 しかし、特許庁のページでは、 すべての商標登録状況は検索できないはずです。

#三越などを検索すると、 明治時代に登録した商標もヒットしたからといってすべての商標登録がデータベースから検索できると考えるのは早計だと思います。 商標は10年毎に更新届が要るのでそのつごうでたまたまデータが入っているだけではないでしょうか? ぜんぶはいっていると書いていない限り全部はいっているとは思わないほうがベターだと思います。

クレジットのジャックスさんが最初に商標登録を出願したのは、 平成4年が最初のようです。 今回問題になっているのはカタカナではなくローマ字のJACCSという表記です。

●商標権とドメイン名先願権
商標法は商標権を保護しているにすぎません。 それを徒に拡大解釈したり、 法の精神や踏み越えた濫用をも認めるようなやり方は過度に「商標権者を優遇」していると断ぜざるをえないとする考え方があります。
私が一連の文脈で申し上げている事は、 "InterNICでは商標権侵害の有無にかかわらず、 商標登録されている場合には、 ドメイン停止措置をとっています。"ということとまったく同じ事を申し上げているつもりでございます。

また、私は、不正競争防止法に抵触し、 且つ商標法に(即座に)抵触しない(効力の及ばない)ケース、 (今回のようなケース)について言及しております。

●商標権を構成する規定、ならびに関係法規について
古くから商標登録を確立しているため、38類電気通信役務として、 商標を防護登録していないケースについての、 故意による商標登録済みの広く社会的に認知が確立している商標を商標権保有者以外の事業者が、 登録して、まぎらわしい電気通信役務を提供するケースです。 JPNICデータベースに登録されたドメイン名、商標に一致して、 しかも、商標が社会的に周知のもので確立しているのにもかかわらず、 商標登録した事業者以外のものが所有するケースはどのように考えたらいいのでしょうか?

社会通念的に考えれば、株式会社ジャックスさんは、 別に北日本パルクさんを相手方が裁判の負担にたえられないことを見越して、 理非に関係なく濫訴に及んでいるわけではないと思います。

商標を商標以外の形で防護する事は、 日本国の現行の法体系の範囲内では難しいと考えられます。 不正競争防止法で対抗するというのは、 まさに今回のケースの事ではないでしょうか? "商標権"を構成(あるいは規定、言及)する法規はなにも商標法に限ったものではなく、

 商標法
 商標法施行法
 特許法等の一部を改正する法律
 商標法施行法・目次
 不正競争防止法
 商標法等の一部を改正する法律
 工業所有権に関する手続等の特例に関する法律
 特許法等の一部を改正する法律
 種苗法
 弁理士法
 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律
 種苗法
 中小小売商業振興法
 通商産業省設置法
 訪問販売等に関する法律
 実用新案法
 特許法
 製造物責任法

また、政令では

 商標登録令  特許法施行規則等の一部を改正する省令

などが、商標権を構成し、あるいは言及しています。

また、商標に関する条約としては

商標条約

などがあります。

●標準文字商標について
商標法には次のような規定があります。

(商標登録の取消しの審判)
第50条  継続して3年以上日本国内において商標権者、 専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが各指定商品又は指定役務についての登録商標(書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、 平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであつて同一の称呼及び観念を生ずる商標、 外観において同視される図形からなる商標その他の当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。 以下この条において同じ。)の使用をしていないときは、何人も、 その指定商品又は指定役務に係る商標登録を取り消すことについて審判を請求することができる。

と規定しています。 株式会社ジャックスさんはJACCSという自体に工夫していないローマ字を38類に登録しています。

●濫訴について
今回株式会社ジャックスが不正競争防止法において相手を訴える事に及んだ行為は相手に不整競争の事実が会ったのならともかく、 そうではないので濫訴に当たるとする考え方があります。

ジャックスさんはテレビで一生懸命巨額の費用をかけて登録されたJACCSの商標を社会的に周知のものになさっていると思います。

JPNICの規約が(判例が出るまでしりませんよ....という規約)、 一般社会通念に照らして妥当性を、著しく欠いているために、 ジャックスさんは商標法ではちょっと今回のケースでは権利の回復を見込めないために関連法規の不正競争防止法を用いて裁判を起こされたのではないでしょうか? その結果判例が出る事になりますが....

すでにこのような問題が発生する可能性については、日本弁理士会から、 早くからJPNICに問題を提起されていますが、 適切な対応は取られませんでした。

商標は、日本国で行使される商業上の表記すべてを含むものだと思います。

商標法では、次のように規定されています。
(定義等)
第2条  この法律で「商標」とは、文字、図形、 記号若しくは立体的形状若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合(以下「標章」という。)であつて、 次に掲げるものをいう。

1 業として商品を生産し、証明し、 又は譲渡する者がその商品について使用をするもの

2 業として役務を提供し、 又は証明する者がその役務について使用をするもの (前号に掲げるものを除く。)

商標法2条2の規定によれば業として使用するドメイン名はそれに該当するものであると考えるのが社会通念適に見て適当だと思います。

商標権のような、 日本国の法律をめんどうくさいからといっていっさい無視する考えでJPNICは運用されているのでしょうか?

審査も何もしていないドメイン登録にかかる費用は個人や小企業が負担するには決して安いとはいえません。

商標の検索用の表記の検索もしないようなドメイン登録は10円で十分です。

●38類による標準文字商標の登録を通じた、 企業の商標権を用いたドメイン名の防護の手段について商標については次の一連の法規において規定があります。

 商標法
 商標法施行法
 特許法等の一部を改正する法律 平成10・5・6・法律 51号
 商標法施行法・目次
 不正競争防止法
 商標法等の一部を改正する法律
 工業所有権に関する手続等の特例に関する法律
 特許法等の一部を改正する法律
 種苗法
 弁理士法
 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律
 種苗法
 中小小売商業振興法
 通商産業省設置法
 訪問販売等に関する法律
 実用新案法
 特許法
 製造物責任法

また、政令は
 商標登録令
 特許法施行規則等の一部を改正する省令

などいろいろあります。

また、商標に関する条約もいくつか日本国は批准しています。

一連の規則や政令、報道や事件、 ならびにJPNICのスタンスを拝見して、 ドメイン名登録において係争を防ぐために、 企業の知的所有権担当者として一番適当な方法と思われるのは、 一般に広く認知された登録商標の所有者が、38類で、 単に電気通信を使用する役務の提供に供するものとしてドメイン名に商標登録を行っておく事でしょう。

参考資料:
第3規則  出願に関する細目

(1)
[標準文字]
 出願人が締約国の官庁によって指定された標準文字で標章が登録され及び公告されることを希望する旨の陳述が第3条(1)a(ix)の規定に従って願書に記載されている場合には、 当該官庁は、当該標準文字で当該標章を登録し及び公告する。

(2)
[複製の数]

出願人が標章の識別性のある特徴として色彩を主張する旨の陳述が顧書に記載されない場合には、 締約国は、標章の複製に関し、次のものを要求することができる。

標章が自国の官庁によって指定された標準文字で登録され及び公告されることを出願人が希望する旨の陳述が願書に記載されることを自国の法令が認めていない場合又は当該陳述が願書に記載されない場合には、 白黒の複製5通

標章が自国の官庁によって指定された標準文字で登録され及び公告されることを出願人が希望する旨の陳述が願書に記載される場合には、 白黒の複製1通

出願人が標章の識別性のある特徴として色彩を主張する旨の陳述が願書に記載される場合には、締約国は、標章の白黒の複製5通及び標章の色彩を付した複製5通を要求することができる。

(3)
[立体標章の複製]

標章が立体標章である旨の陳述が第3条(1)a(xi)の規定に従って願書に記載される場合には、当該標章の複製は、 平面的な図面に表された複製又は写真による複製とする。

aの規定に従って提出される複製は、出願人の選択により、 一の方向から表された標章の平面的な図面若しくは写真又は2以上の異なる方向から表された標章の平面的な図面若しくは写真によって構成することができる。

官庁は、 aの規定に従い出願人によって提出された標章の複製が立体標章の詳細を十分に表していないと認める場合には、 出願人に対し、合理的な期間内に6以下の異なる方向から表された標章の平面的な図面若しくは写真又は当該標章の言葉による証明書を提出するよう求めることができる。 この場合において、当該期間については、その求めにおいて指定する。

官庁は、 cに規定する図面若しくは写真又は説明書が立体標章の詳細をなお十分に表していないと認める場合には、 出願人に対し、合理的な期間内に当該標章の見本又はひな形を提出するよう求めることができる。 この場合において、当該期間については、その求めにおいて指定する。

(2)のa(i)及びbの規定は、立体標章について準用する。

============

一般にはあまり知られていない事ですが、商標法によれば、 商標権の侵害とみなす行為は、次のものを規定しています。

(侵害とみなす行為)
第37条  次に掲げる行為は、 当該商標権又は専用使用権を侵害するものとみなす。

指定商品若しくは指定役務についての登録商標に類似する商標の使用又は指定商品若しくは指定役務に類似する商品若しくは役務についての登録商標若しくはこれに類似する商標の使用

指定商品又は指定商品若しくは指定役務に類似する商品であつて、 その商品又はその商品の包装に登録商標又はこれに類似する商標を付したものを譲渡又は引渡しのために所持する行為

指定役務又は指定役務若しくは指定商品に類似する役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に登録商標又はこれに類似する商標を付したものを、 これを用いて当該役務を提供するために所持し、又は輸入する行為

指定役務又は指定役務若しくは指定商品に類似する役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に登録商標又はこれに類似する商標を付したものを、 これを用いて当該役務を提供させるために譲渡し、引き渡し、 又は譲渡若しくは引渡しのために所持し、若しくは輸入する行為

指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について登録商標又はこれに類似する商標の使用をするために登録商標又はこれに類似する商標を表示する物を所持する行為

指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について登録商標又はこれに類似する商標の使用をさせるために登録商標又はこれに類似する商標を表示する物を譲渡し、 引き渡し、又は譲渡若しくは引渡しのために所持する行為

指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について登録商標又はこれに類似する商標の使用をし、 又は使用をさせるために登録商標又はこれに類似する商標を表示する物を製造し、又は輸入する行為

登録商標又はこれに類似する商標を表示する物を製造するためにのみ用いる物を業として製造し、 譲渡し、引き渡し、又は輸入する行為
========

これからホームページを開設しようとする企業、 あるいは商標登録を行おうとする企業は、ホームページにおいて、 商標権を防護登録するためには、38類において、 防護登録しなければならないと考えるのが適当でしょう。
訴状を拝見していないのでよく分かりませんが、今回の訴えは、 商標法による防護が、 38類による防護登録がなされていないために、 適用する事が困難であった。 そのために、 商標を保護するためのもう一つの規定である不正競争防止法による提訴に踏み切ったと考えるのが適当だと思います。

また、商標登録を受けることができない商標として、 第4条では、次のように規定しています。 "他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であつて、 その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの"と規定しています。 この規定をもってしても、他人の商標のホームページにおける不正利用を、 38類として電気通信役務に使用するものとして防護登録していない限り商標法を持って防ぐ事は、 JPNICが、組織的に商標権の侵害について判断を放棄し、 回復への道を閉ざしている現状では困難ではないかと思われます。

ジャックスは38類を電気通信役務ではなく電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与として登録しています。

不正競争防止法は次のように規定しています。 関連しそうな部分を抜粋します。
=============

(定義) 第2条  この法律において「不正競争」とは、次に掲げるものをいう。

1. 他人の商品等表示(人の業務に係る氏名、商号、商標、標章、 商品の容器若しくは包装その他の商品又は営業を表示するものをいう。 以下同じ。)として需要者の間に広く認識されているものと同一若しくは類似の商品等表示を使用し、 又はその商品等表示を使用した商品を譲渡し、引き渡し、 譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、若しくは輸入して、 他人の商品又は営業と混同を生じさせる行為

12. パリ条約(商標法(昭和34年法律第127号)第4条第1項第2号に規定するパリ 条約をいう。)の同盟国、 世界貿易機関の加盟国又は商標法条約の締約国において商標に関する権利(商標権に相当する権利に限る。 以下この号において単に「権利」という。)を有する者の代理人若しくは代表者又はその行為の日前1年以内に代理人若しくは代表者であった者が、 正当な理由がないのに、 その権利を有する者の承諾を得ないでその権利に係る商標と同一若しくは類似の商標をその権利に係る商品若しくは役務と同一若しくは類似の商品若しくは役務に使用し、 又は当該商標を使用したその権利に係る商品と同一若しくは類似の商品を譲渡し、 引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、若しくは輸入し、 若しくは当該商標を使用してその権利に係る役務と同一若しくは類似の役務を提供する行為

(適用除外等)
第11条  第3条から第8条まで、第13条(第3号に係る部分を除く。)及び第14条の規定は、次の各号に掲げる不正競争の区分に応じて当該各号に定める行為については、適用しない。

第2条第1項第1号、第2号、第10号及び第12号に掲げる不正競争
商品若しくは営業の普通名称(ぶどうを原料又は材料とする物の原産地の名称であって、普通名称となったものを除く。)若しくは同一若しくは類似の商品若しくは営業について慣用されている商品等表示(以下「普通名称等」と総称する。)を普通に用いられる方法で使用し、 若しくは表示をし、又は普通名称等を普通に用いられる方法で使用し、 若しくは表示をした商品を譲渡し、引き渡し、 譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、 若しくは輸入する行為(同項第10号及び第12号に掲げる不正競争の場合にあっては、 普通名称等を普通に用いられる方法で表示をし、 又は使用して役務を提供する行為を含む。)

第2条第1項第1号、第2号及び第12号に掲げる不正競争
自己の氏名を不正の目的(不正の利益を得る目的、 他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいう。 以下同じ。)でなく使用し、 又は自己の氏名を不正の目的でなく使用した商品を譲渡し、 引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、 若しくは輸入する行為(同号に掲げる不正競争の場合にあっては、 自己の氏名を不正の目的でなく使用して役務を提供する行為を含む。)

第2条第1項第1号に掲げる不正競争
他人の商品等表示が需要者の間に広く認識される前からその商品等表示と同一若しくは類似の商品等表示を使用する者又はその商品等表示に係る業務を承継した者がその商品等表示を不正の目的でなく使用し、 又はその商品等表示を不正の目的でなく使用した商品を譲渡し、 引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、 若しくは輸入する行為

第2条第1項第2号に掲げる不正競争
他人の商品等表示が著名になる前からその商品等表示と同一若しくは類似の商品等表示を使用する者又はその商品等表示に係る業務を承継した者かその商品等表示を不正の目的でなく使用し、 又はその商品等表示を不正の目的でなく使用した商品を譲渡し、 引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、 輸出し、若しくは輸入する行為

第2条第1項第3号に掲げる不正競争
同号に規定する他人の商品の形態を模倣した商品を譲り受けた者(その譲り受けた時にその商品が他人の商品の形態を模倣した商品であることを知らず、かつ、 知らないことにつき重大な過失がない者に限る。)がその商品を譲渡し、 貸し渡し、譲渡若しくは貸渡しのために展示し、 輸出し、若しくは輸入する行為

第2条第1項第4号から第9号までに掲げる不正競争
取引によって営業秘密を取得した者(その取得した時にその営業秘密について不正開示行為であること又はその営業秘密について不正取得行為若しくは不正開示行為が介在したことを知らず、 かつ、知らないことにつき重大な過失がない者に限る。)がその取引によって取得した権原の範囲内においてその営業秘密を使用し、 又は開示する行為

 2  前項第2号又は第3号に掲げる行為によって営業上の利益を侵害され、 又は侵害されるおそれがある者は、 次の各号に掲げる行為の区分に応じて当該各号に定める者に対し、 自己の商品又は営業との混同を防ぐのに適当な表示を付すべきことを請求することができる。

前項第2号に掲げる行為
自己の氏名を使用する者(自己の氏名を使用した商品を自ら譲渡し、 引き渡し、 譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、又は輸入する者を含む。)

前項第3号に掲げる行為
他人の商品等表示と同一又は類似の商品等表示を使用する者及びその商品等表示に係る業務を承継した者(その商品等表示を使用した商品を自ら譲渡し、 引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、 輸出し、又は輸入する者を含む。)
============

●用語の整理、アメリカでの議論、日本での議論の区別について
今回の一連の問題について考えなくてはいけない事は、 日本国の法の及ぶ範囲についてのみの問題であると考えられます。

まず、商品等表示ですが、不正競争防止法第2条第1項第1号では、 商品等表示を「人の業務に係る氏名、商号、商標、標章、 商品の容器若しくは包装その他の商品又は営業を表示するものをいう。 以下同じ。」と規定しています。

また、不正競争防止法同条2項3項では、「商標」と「標章」を、 商標法第2条第1項に規定するものと規定しています。 この規定においても既に指摘できる事ですが、 商標法は商標のためのみの法律ではございません。 少なくとも商標と標章について言及しています。

商標、標章については、不正競争防止法では、 商品等表示と総称しています。 また、登録商標と、商標は概念的には異なるものです。 さらに、営業について慣用されている商品等表示は、 「普通名称等」と総称しています。

商標登録において、 38類で電気通信役務の標章に使用すると規定して登録すればドメイン名がカバーされると思います。

私見ですが、商標法3条の5は、 (電気通信)役務の提供の用に供する物(サーバー)(役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物(サーバー)を含む。 以下同じ。)に標章(識別名)を付したものを(電気通信)役務の提供のために(有線送出による陳列)展示する行為を包含していると解釈するのが妥当と考えます。

●広範に防護商標を登録している社会通念的に通用している登録商標で、 その事業者がインターネットが一般のものとなる以前に防護を完成しているケースの取り扱いについて

私が言及しているのは、 簡潔に申し上げますと広範に防護商標を登録している社会通念的に通用している登録商標で、 その事業者がインターネットが一般のものとなる以前に防護を完成しているケースの取り扱いについてです。

私の私見で恐縮ですが、むやみに商標権が通用するわけではなく、 登録商標は、あくまでその登録申請した分類における役務において有効だと思います。 InterNicの方針と私の個人的な見解は一致します。

一連の議論においては、 不正競争防止法における他人の商標の使用の問題において、 商標について言及しております。 私の論点は最初からその点につきます。 さらに申し上げますと、私の申し上げたい事は、 株式会社ジャックスは、訴訟技術上の問題のため、 不正競争防止法によっているのであり、 多額の投資で確立したJACCSという登録商標の権利回復のための法的な意味での緊急避難のために提訴に及んでいると考えるべきだろうということ。 北日本某社には、 なにか第三者を加害しようという意図はないだろうということです。 法的な緊急避難により、 第三者を訴える事になった問題の原因の所在は、 弁理士協会の問題提起に対して、 誠実な対応を取らなかったJPNICにあるのではないかと懸念されます。

また、私が問題空間と考えているのは、 文字並びのみより構成される、標準文字商標を38類において、 適正に登録されたケース、 ならびにそれに準じる広範な防護登記の為された周知著名登録商標の取り扱いのケースについてのみに議論は限定されます。

●過去の日経コミュニケーション誌におけるインタビュー記事について
日経コミュニケーションのインタビュー記事において、 私の記憶が正しければ、 インターネットはサイバースペースなので地上の法律がなんでも通用するのは良くない、 ドメイン名は商標法から切り離して全然別だ、 関係ないというような方針でJPNICは行くとおっしゃっていらっしゃった記事を、 ずいぶん前に、拝見した事がございます。 その時点から今日の問題はおきる事は懸念されまして、 私の出来る範囲で間違いを指摘しましたが聞きいれられませんでした。 今日は容易に検索できますのでコストがかかるからという言い訳も難しいと思います。 規約ですが、商標の取り扱いについては判例が出るまでは、 登録されている商標についても役務に提供するということになっているのではございませんか? 日経コミュニケーションのインタビュー記事のころはそのような配慮を示す規約も無かったのではないかと思います。

●JPNICによりおこなわれている、ぶつぶつも含まれた「JPNIC」という図形商標を電気電子的手段を通じて、伝送する事を防護するための商標登録における、 JPNICというドメイン名を使用するドメイン名登録事業者の登場を防ぐ、 防護上の登記の有効性について

個人的な見解で恐縮でございますがドメイン名を防護するために、 商標登録において38類で電気通信役務において使用する標章として登録する事が適当と考える理由は、 私が勝手に考えたものではなく、 社団法人JPNICの商標登録の仕方を拝見して、 それを参考に、考えたものです。

私が問題にしているのは、そもそも、 社団法人JPNICによるJPNICという38類の登録があり、 他の会社の38類の登録商標についてはいっさい配慮が行われないというJPNICの規約です。 特に瞠目すべき点は、判例が出ない限り、その規約において、 電気通信役務において、 他人の商標権については無視する事をうたっておきながら、 みずからの商標を38類で登録している事です。 JPNICの登録によれば、 38類 電子計算機端末による通信,電話による通信, ファクシミリによる通信, 電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与, ドメイン名の登録・管理,IPアドレス(インターネットプロトコルアドレス)の割当て及び管理, ドメイン名の申請の仲介,IPアドレスの申請の仲介, 電子計算機ネットワーク通信に関するコンサルティング において、 ドメイン名におけるJPNICの標章の使用を商標登録しています。 これはいったいどのように考えたらいいのでしょうか? 社会通念に照らしてそのような業務は可能なのでしょうか? また、商願平10?60580 においては、ぶつぶつだらけの、 ちょっとぶつぶつも商標に含まれるかよく分からない標識も追加申請なさっています。 どうしてそんなにぶつぶつまでつけていろいろみずからの商標権を防護し、 かつ、他者の商標権を侵害しなければならないのかよく分かりません。 どなたかがおっしゃっていらっしゃいましたが、 商標登録の費用は決して安くありません。
JPNICという商標は、 絵はがき・カタログ・カレンダー・日記帳についてまで、 防護登録がなされています。 周知・著名商標において、商標権所有者の権利について、 配慮の欠ける業務を行っておきながら、そのような費用が、 ドメイン登録費用から支払われているというのは社会通念的に見てよく理解できません。

JPNICという名前の社団法人はJPNICという図形商標を38類で登録しています。 38類 電子計算機端末による通信 という形でJPNICというドメイン名を防護しようとしているようです。 参考になりますね。 株式会社ジャックスさんも、 38類電子計算機端末による通信という形で防護登録なさっていらっしゃったら良かったようですね。

しかし、 JPNICの登録については、 ドメイン名を防護するには有効性については疑問が残ります。 私見ですが、標準文字商標としてはJPNIC 平成10年(1998)7月17日 においては、 38類では登録がなされていないので、さらに38類で、 追加申請したほうがよろしいかと存じます。 この電気通信を経由する図形商標の伝送を防護するための登録ひとつみても、 JPNICが、いかに商標について、 良く考えていないかを示しているようにも懸念されます。

http://210.141.236.197

1 登4025880 §JP\NIC
2 登4057092 JPNIC
3 登4099322 §JP\NIC
4 登4099323 §JP\NIC
5 登4099324 JPNIC
6 登4099325 JPNIC
7 登4118649 JPNIC
8 登4135575 JP\NIC
9 登4135581 J∞P\NIC
10 登4135582 JPNIC
11 願平10-060578 JPNIC
12 願平10-060580 J∞P\NIC

私はJPNICは商標を登録してはいけないなどと考えているのではございません。 少なくとも 38類 電子計算機端末による通信 という形でドメイン登録を防護する登録をみずからがなさっているのですから他人の商標権もすこしは考えられたほうがいいと思います。 自分の権利は商標権で主張して、他人の、特に、 JACCSのように古くからある会社で、 そのような権利の主張の仕方を知らなかった方に、啓蒙しない、 あるいは、緊急避難しなければならない事態を作り出し、 放置するというのは、社会通念的に見て適当ではないと、 あくまで私見に過ぎませんが、さように考える次第です。

ドメイン イージー インコーポレイテッドにたいして、 JPNIC*1自らJPNIC.CO.JPのドメイン名の登録を行っています。 問題の核心はそのへんにあります。 私が言及しているのはご指摘の企業に対するドメイン登録です。 また、JPNICの防護商標を慎重に検討すると、 絵葉書にまで及んでいる事などを総合いたしますと、 JPNICという標章を使用してドメイン登録役務を提供する事業者に対して、 何らかの法的な措置を将来申請する目的か、あるいは、 申請する可能性がある、(法的な能力のある)商標権、 ドメイン名としての防護措置を目指した物である事が分かります。

私が申し上げたのは(.*\.JPNIC..*\.[jp|JP])でパターンマッチするドメイン申請とそれを用いたドメイン名登録業務の問題です。 ドメイン イージー インコーポレイテッドは、 社団法人JPNICとは異なる図形標識を使用して営業しています。 したがって、商標法的には、JPNICの商標登録が、 ドメイン イージー インコーポレイテッドの営業活動については、 直ちに問題となるような事はないと考えられます。

ドメイン イージー インコーポレイテッドのドメイン登録については、 問題視する意見が既に多数DOMAIN-TALKでも出ています。 私はそのような意見について問題があると考えていますが、 状況説明も大変なのであえて言及していませんでした。 そのことについて、 なにか申し上げようと思えば今までの一連の解説(そのような問題のおきるリスクについての説明)が必要であったと思います。

私は DOMAIN EASY, Incorporated社のドメイン登録については問題視していません。 私が問題と考えているのは、

1. 社団法人JPNICはJPNICを広範な商標登録を行って、 単純文字商標としてJPNICという表記を防護し、
2. 社団法人JPNICは、単純文字商標として、JPNICを、 38類の「電子計算機端末による通信」において、登録しておらず、 みずからの登録技術が未熟で、 JPNICをドメイン名において防護する事は十分に出来ていない事。
3それをもって、 商標登録がドメイン名に対しては効力が無いというのは早計である事。
4. 不正競争防止法などの関連諸法規を用いれば、 十分にドメイン名を防護できるだけの登録商標を行っており、なお、
5. 自己矛盾、自己憧着を起こしつつ、自己の規約を優先し、 JPNIC.CO.JPのドメイン登録を行い、将来的には、 DOMAIN EASY, Incorporated社に経済的な損害、 あるいは社団法人ネットワークインフォーメンションセンターから訴えられるような虞が発生されるような状態をあえて作り出していること。 (作り出そうとするような、 まだPENDING状態の商標登記を行っている事)
6. 著名で周知な商標を(私はJPNICという登録商標は一部の関係者を除いて著名で周知な登録商標であるとは考えていません。)商標所有者以外に対して登録する事において、 JPNICには直接的な経済的な被害が発生しなくても、 商標所有者と、登録者に、 (あえて他人の著名な商標を使用しようとしているなら志方ありませんが、 その質問の回答をいただくだけで問題は回避できるのにもかかわらず)無用な混乱をもたらしている事。
7. JPNICの考え方は、 いったいどうなっているのだろう?どのような考えで業務を行っているのだろうか私では理解できません。 (と申し上げているに過ぎません。)

十分な考えがあってということなら何も申し上げる事はございませんので、あしからず。

JPNIC自らが、みずからの商標についても、 38類「電子計算機端末による通信」での商標登録によって他人のドメイン登録を防護することはできないと、 JPNICは考えているとは、 即座には判断は出来ないと考えるのが適当だと考えられます。 それは、 判例が出ていないうちは判断しないというみずからの規約を遵守したと考えるのがより適当ではないかと思います。 日本ネットワークインフォメーションセンターの方に聞いてみないとわかりません。

社団法人JPNICは、単純文字商標として、JPNICを、 38類の「電子計算機端末による通信」において、登録していません。 これはもっぱらテクニカルな問題です が、登録技術上とても重要な問題ではないかと思われます。

社団法人JPNICの、38類における登録商標の目的を検討してみると、 社団法人JPNICは、電子計算機上の通信において、 図形商標を伝送する事を防護する事を目的としているようです。

すでにその点については私も検討しており次のように申し上げています。
「しかし、 JPNICの登録については、 ドメイン名を防護するには有効性については疑問が残ります。 私見ですが、 標準文字商標としてはJPNIC 平成10年(1998)7月17日 においては、 38類では登録がなされていないので、さらに38類で、 追加申請したほうがよろしいかと存じます。 JPNICが、いかに商標について、 良く考えていないかを示しているようにもおもえます。」

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●商標権の尊重による登録役務の煩雑化について
今の登録事務は、クーリエ程度の事務処理だと思います。 著名で周知な商標の所有者がその正当な使用権の回復の道が閉ざされているのは社団法人日本ネットワークインフォーメンションセンターが他者の正当な権利を防護する事を煩雑だと考えているからだとしたら、 私見ですが、ご指摘のような考え方自体が問題だと思います。 もちろん、ご指摘のような考え方もありうると思います。 38類で正当な商標の電気通信役務の標識としての登記が可能である以上、 その尊重を怠る事は、 特許庁が既にインターネット経由で容易に登録を検索できる仕組みを用意している以上、 「煩雑」ということでは、十分な理由にはならないと思います。 事か、 38類での正当な商標の電気通信役務の標識としての登記に限る限り、 インターネットの普及は最近の物ですから、 今日の特許庁のデーベースには事実上、すべての38類における、 電気通信役務における標識としての妥当な登記の記録は検索しうると考えていいと思います。 特別なコストのかかる民間の検索システムを利用する必要はありません。

38類における、 電気通信役務における標識としての妥当な登記が為されているケースについては、 その巧拙による問題はあるにせよ、電気通信役務の標識は、 商標法の適用範囲にあり、拡大解釈も、類推解釈も必要なく、 判例を待つ事なく適当であると考えられます。
具体的事例の判断については、電気通信役務の標識として、 商標登記が為されている以上、判例を待つ事なく、 一般社会通念に照らして有効と考えるのが適当であり、 インターネットだからといって何か特別なものと考えるのは一般社会通念に照らして適当な考え方ではないと考えられます。

また、 「一律に商標権者から抗議があった場合にすぐにドメイン名の登録を保留する、 あるいは既に使われているドメイン名の使用を差し止めるべき」というような考えは適当ではないと考えられます。

JPNICによる38類を利用した防護は、 有効性についてもっぱらテクニカルな問題が残ります。 私の過去の投稿を慎重に読んでいただくとおわかりいただけると思いますが。 また、 判例を待たなくては法律は即座に解釈できないと考えるのは適当ではないと思います。 しかし、JPNICの拙速な商標登録は有効性に疑問はあると思います。

現在の取り扱いである、 判例が出た時点でその取り扱いを検討するという規約は妥当な取り扱いの範囲内であるとは考えにくいと思われます。 すでにJACCSという標準文字商標において、大きな問題が発生してます。 ジャックス社は困り果てていらっしゃいます。 その辺のところの、社会通念的に見て看過されるべき程度、 「妥当な取り扱いの範囲内」というものは一般社会通念に照らして考えるべきです。

●JPNIC関係者の商標問題に対する認識について
私の考えは最初から常に一貫しています。 皆さんの問題空間の理解が進む事によって、 だんだん私の申し上げている事が見えてきただけではないでしょうか? 皆さんのお考えは次のように集約できると思います。

1. そもそも、悪いのは筒井だ!
2. 有限会社日本海パクトは、不正競争行為を行っていない。
3. 株式会社ジャックスは濫訴を起こしている。
4. 有限会社日本海パクトは、どのような不正競争行為を行っているかよくわからない。
5. JPNICは何にも悪くない。悪いのは有限会社日本海パクトだ。

私の考えは終始一貫しておりまして、

A. 1-5はすべて事実誤認である。評価、論評に価しない。
B. JPNICは著名で周知名商標については、少し考え直したほうが良い。
C. それにかかる追加的なコストは、 特許庁のサーバーをアクセスする通信費用10円だけだ。
D. JPNICは、 みずからは自らの通称を登録商標として拙速な商標登記により、 「JPNIC」という図形商標の使用を、絵葉書のレベルまで、 あとから差し止めるのに十分な防護を行っておきながら、 他人については、(サーバーで確認するだけの手間、 著名な商標は普段からテレビや新聞や吊革広告や、 ラジオを見たり聞いたりしているだけで十分確認は可能)を「煩雑」とするのは、 ちょっとどうか?
E. D-> A,B,C
F. 私は善良なサマリア人にすぎない。 したがって、言っている事が気に入らない、 黙っていろ...というお叱りをいただいても、 甘んじてそのようなお言葉を拝領いたす立場でございます。 (反論はそもそもございませんし、致すつもりもございません)

それだけでございます。

私は拙速ではございますが、私の考えを申し上げたのに過ぎません。 私の指摘した中からどのような部分を組みまた捨てていただいても、 あるいは無視していただいてもかまいません。

●日本政府の周知著名商標やインターネットにおける知的財産権の保護についての取り組みについて
日本政府はいままでインターネットについて何もやってこなかったので、 あくまで控えめですが、知的財産権については、 JPNICよりも真剣に少しずつ取り組んでいます。 特許庁が周知著名商標と、 商標の検索をインターネット上から可能にするサービスを無料で始めたのは、 WIPO(世界知的所有権機関)からの要請を受けて、 周知著名商標の第三者によるドメイン名登録問題の対策について着手するためである事はあまり知られていません。
一方、1年ほど前、 弁理士会からJPNICに対して以下のような提案がなされて います。

http://www.asahi-net.or.jp/%7Egv8h-mtkr/jpnic1.htm

1.地理的名称・一般名称・公序良俗に反する用語をドメイン名 申請時に拒否すること 2.周知または著名な商標と同一か類似のドメイン名の申請を拒絶すること 3.ドメイン名取得者と商標権者の争いを工業所有権仲裁センターを経由して解決すること

JPNICが、これらの提言を率直に受けとめて、 何らかの動きを示せば今日のような政府や裁判所が動く必要というような問題は生じなかったわけです。 JPNICは、その社会的な使命に照らすと、 みずからの周知著名でない商標をインターネット上でJPGやGIFファイルで図形商標として流す事をのみ防護する商標登録に取り組んでいる場合ではないわけで、 道義的に考えていかがなものか、疑問が残るわけです。

*1 JPNICは社団法人ネットワークインフォメーションセンターの登録商標です。

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