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JPドメイン名の歴史

.JUNETから.JPへの移行

JPドメインが広く使われるようになる以前は、学術研究機関を中心に構成さ れるJUNETというネットワーク内で、トップレベルが「.JUNET」となっている ドメイン名が利用されていました。JUNETは、1984年10月に東京大学、東京 工業大学、慶應義塾大学にあるコンピュータを電話回線経由で接続すること から始まったUUCP(Unix to Unix CoPy:UNIXマシン同士でファイル転送を 行うための方法のひとつ)ベースのネットワークでした。

最初は3台のコンピュータを接続するところから始まったJUNETですが、参加 組織が増えるとともに民間企業の研究所等も接続されるようになり、また 1986年1月にはアメリカのCSNETとの接続も開始され、海外とのメールや ニュースの交換なども、日常的に行われるようになってきました。

このようなUUCPネットワークの展開の一方、TCP/IP接続をベースとしたネッ トワークを指向する人達も国内に出始め、IPネットワークの優位性であるDNS を使用するために.JUNETから国際的な基準に沿ったJPドメイン名への移行を 望む声が出てきました。その結果、1989年4月に「.JUNET」から「.JP」への 移行が行われました。

また、高エネルギー物理学研究所(KEK:現在の高エネルギー加速器研究機構) などを中心として運用されていた、HEPNET-JなどのJUNET以外のネットワーク に関しても同じく「.JP」への移行が行われていきました。

このように、JPドメイン名の本格的な利用は1989年から始まることになります。

移行にあたっては、セカンドレベルに属性が設けられ、従来の.JUNET の左側にあたる部分(サブドメイン名・ホスト名にあたる部分)をそのまま残して、 .JUNET部分を.CO.JPや.AC.JPといった属性付きのドメイン名に置き換える形での 移行が、一部の例外を除いて行われました。

また、.JPへの移行と相前後して、1988年にWIDE、1989年にはJAINやTISNと いったネットワークプロジェクトがスタートします。これらのネットワーク では、プロトコルとして主にTCP/IPが用いられ、また、回線も専用回線での 常時接続となるなど、より現在のインターネットに近い形のネットワークと なりました。


JNICの設立

.JPへの移行が行われた後も、しばらくの間はJUNET時代の.JUNETと同様に、 junet-adminと呼ばれるJUNET内のボランタリーな管理者グループによって .JPの管理は行われていました。しかしながら、ネットワークが加速度的に 発達するに従い、従来の有志による登録管理に頼るという状況には限界が見 えてくるようになります。そこで、ネットワーク運営組織や学会などに呼び かけて作られたJCRN(研究ネットワーク連合委員会)での検討の結果、.JP のスタートから2年後の1991年12月にJCRNを母体として、現在のJPNICの前身 であるJNIC(Japan Network Information Center)が組織されることになりま した。

JNICは、主に当時IP接続に力を入れていた組織(WIDE,JAIN,TISN,日本BITNET 協会など)に所属する人々の協力によって運営され、発足と同時に junet-adminからJPドメイン名の登録管理の引き継ぎを受けました。

junet-adminがJPドメイン名の管理を行っていた時と、JNICが管理を行うよ うになってからの大きな違いは、ドメイン名の登録のためのルールが明文化 されたことです。ルールが明文化されたことにより、登録者から見て、ドメ イン名の登録管理のための方針がより明確に示されるようになりました。


JPNICによるJPドメイン名の登録管理

1991年に設立されたJNICは、1993年3月に任意団体JPNICへと改組され、1997 年4月には任意団体から社団法人となりました。JPNICによるドメイン名登録 管理が行われていた時代の大きな出来事は、ドメイン名空間の新設、ドメイ ン名に対する課金の開始、ドメイン名に関する紛争処理方針の策定、そして JPドメイン名登録管理業務の民間企業への移管です。

まず、ドメイン名に対する新しい取り組みとして、1995年6月からドメイン名 の新規登録に対して登録料の徴収を開始しました。これは後に導入された維 持料制度と併せて、受益者負担の仕組みを作り上げるとともに、レジストリ としての業務をより安定的・継続的に行うために、世界的に見ても大きな意 義があることでした。

また、ドメイン名空間の新設については、1989年4月の.JUNETから.JPへの移 行時には、CO,OR,AC,AD,GOの5つの属性から構成されていたJPドメイン名に、 1996年11月にはNEが、1997年12月にはGRが、1999年2月にはEDが追加され、全 部で8つの属性となりました。また、これらの属性型JPドメイン名とは別に、 1993年12月には地域型JPドメイン名(実験プロジェクトとしてスタート、1996 年4月から本格運用開始)が導入されました。(その後、「地域型」も一種の 属性であることから、従来「属性型」と呼んでいたものは「属性型(組織種 別型)」という呼称になりました。)

1990年代の終わり頃になると、インターネットユーザの増加、Webサイトの増 加と相まってドメイン名の利用形態も多様化してくるようになります。これ に伴いユーザからは一つの組織で複数のドメイン名を登録出来るようにして 欲しいであるとか、ドメイン名の移転が自由にできるようにして欲しいとい った要望が出てくるようになりました。しかし、JPドメイン名は「一組織一 ドメイン名の原則」「ドメイン名の譲渡禁止原則」などによって、不正の目 的による登録・使用を未然に防止していたところもあり、これらの原則を緩 和あるいは撤廃するためには、不正の目的による登録・使用を防止あるいは 解決するための別の手段が必要でした。

そこで、2000年10月には、JPドメイン名に関する紛争処理の仕組みである 「JPドメイン名紛争処理方針(JP-DRP)」およびその処理手続きについて定 めた「JPドメイン名紛争処理方針のための手続規則」が策定されました。こ のJP-DRPは、ICANNが策定した「統一ドメイン名紛争処理方針(UDRP)」を モデルにして策定されたもので、JPドメイン名の不正の目的による登録・使 用を解決することを目的としたものです。

JP-DRPの策定後、JPNICは「ドメイン名の譲渡禁止原則」を撤廃しました。そ して、2001年2月には、一つの組織(個人)で複数のドメイン名が登録できる 汎用JPドメイン名の導入にふみきることになります。また、この汎用JPドメ イン名では、初めて日本語文字の使用も可能とするなど、ユーザの多様なニ ーズに応えるものとなっています。

なお、この汎用JPドメイン名の導入時には、紛争の未然の防止を目的として、 属性型・地域型JPドメイン名の登録者や商標権者のための優先登録の仕組みが 採用されるなど新しい試みも取り入れられ、汎用JPドメイン名のスタートに先 立って策定されていたJP-DRPと併せて、その後の紛争防止に役立ちました。

そして、2002年4月にはJPNICから株式会社日本レジストリサービス(JPRS)へ と、JPドメイン名の登録管理業務の移管が行われました。

なお、JPRSへ移管後の2002年10月には、属性型JPドメイン名としてLGが新設 されており、現在の属性型(組織種別型)JPドメイン名は全部で9つの属性と なっています。

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