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JPNICはインターネットの円滑な運営を支えるための組織です

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    /P▲                       ◆ JPNIC News & Views vol.6 2001.12.14 ◆
  _/NIC
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┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃◆ News & Views vol.6 です
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    以前からNews & Viewsでお知らせしております通り、インターネットの
  「今」に触れることのできるJPNIC主催の一大イベント、Internet Week
  2001がJPNICの主催で12月上旬に開催されました。今月はInternet Week
  2001大特集号として、その模様をお届けしてまいります。
    また、11月のICANN Marina del Rey会議のメイントピックスであった「セ
  キュリティ」についても特集で掲載いたします。

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┃◆ 目次
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  【 1 】特集1. Internet Week 2001
           ◇ 1. 全体概要 
           ◇ 2. メインプログラム報告
                   2-1. 日本語ドメイン名解説
                   2-2. DOMAIN-TALKオフラインミーティング
                   2-3. JPドメイン名とDRP
                   2-4. IPアドレスポリシー:世界の状況と日本
                   2-5. IPアドレスポリシー:JPNIC Open Policy Meeting
                                            (IP-USERS)
                   2-6. DNSミーティング
  【 2 】特集2. ICANN Marina del Rey会議レポート - DNSに関するセキュリティ-
  【 3 】News & Views Column
           ◇ ノートPCを持ち歩く生活
        IPアドレス検討委員会委員長 前村昌紀 (イクアント株式会社)
  【 4 】インターネット用語1分解説 「ユビキタスコンピューティングとは」
  【 5 】統計資料
           ◇ 1. JPドメイン名
           ◇ 2. IPアドレス
           ◇ 3. 会員数
           ◇ 4. 指定事業者数
  【 6 】イベントカレンダー
           

◆◆【 1 】特集1  Internet Week 2001
◆
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  ◇ 1. 全体概要

    2001年12月3日(月)~7日(金)の5日間にわたり、パシフィコ横浜でJPNIC主催
  の「Internet Week 2001」が開催されました。今回はその様子を、JPNIC主催
  プログラムを中心にご報告します。

  ▽概要

    今年のInternet Weekは珍しく雨に見舞われました。そんな状況にもかかわ
  らず参加者はのべ9000人を超え、どのプログラムも熱気にあふれていたのが印
  象的でした。

    プログラムは
     - ビギナーズチュートリアル(初心者向け)		 5
     - チュートリアル(一般技術者向け)			23
     - メインプログラム(各参加団体主催)			18
     - ソリューションセミナー(協賛企業によるセミナー)	 9
     - BOF(好きなテーマについて議論し合うミーティング)	 9
     - 懇親会
  という構成で、5日間で60を超える内容と、大変盛りだくさんでした。

    今回はJPNICとしても特に大事な年であったので、Internet Week 2001でも
  皆さまにお伝えしたいこと、議論すべきことが沢山あり、JPNICの主催するプ
  ログラムも過去最多の6つとなりました。また、12月5日(水)のIP Meeting内で
  は恒例の「JPNICからの報告」が行われましたが、理事長 村井純が今年の活動
  報告、ならびにJPドメイン名の移管説明や今後のJPNIC像を語るなど、JPNICの
  活動を皆さまに知ってもらおうという内容が随所に見受けられました。

  ▽Plenary Session

    今年はIP Meetingの前半(午前中)を「Plenary Session」にし、村井純氏の
  キーノートスピーチ「インターネット」に引き続き、「インターネット これ
  までの10年、これからの10年」と題したパネルディスカッションが行われたの
  も一つの特徴です。

    予想にたがわず充実した内容で、延長しても話は尽きないという状況でした。
  パネリストには村井 純氏(慶応大学)、和田英一氏(富士通研究所)、香取啓志
  氏(朝日放送)、近藤邦昭氏(IIJ) 、前村昌紀氏(イクアント)というメンバーで、
  司会進行を後藤滋樹氏(早稲田大学)が担当されました。

    和田氏、香取氏、近藤氏、前村氏からは、それぞれの立場からインターネッ
  トの過去、未来についてのプレゼンテーションが行われました。1960年代には、
  電子計算機ネットワークを作ることが夢として語られていたという昔話に始ま
  り、インターネット資源管理の現状と今後の方向性や、高速・複雑化したネッ
  トワークのオペレーション上の問題点、更にはブロードバンドの今後の展望ま
  で、多岐に渡る内容が語られました。一度にさまざまな角度からインターネッ
  トをとらえることのできる、非常に印象深いセッションとなりました。

  ▽来年のお知らせ

    来年は2002年12月16日からパシフィコ横浜 会議センター(今年と同会場)で
  開催予定です。さらに内容のあるイベントになるよう、実行委員会では参加者
  の皆さまにご協力いただいたアンケート結果を元に検討を進めて参ります。

  #アンケート結果は来年の2月頃、JPNICのWebに掲載予定です。各種メーリング
  #リストやWebでアナウンスいたします。

    それでは、JPNICが開催したプログラムについて、個別に報告して参りましょ
  う。

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  ◇ 2. メインプログラム報告

  ◇ 2-1. 日本語ドメイン名解説

  日時:2001年12月4日(火) 9:30-12:30
  参加者数:66名

  「日本語ドメイン名解説」は、日本語ドメイン名を実現する技術や、その実装
  状況について解説することを目的に、JPNICが主催、JDNA(日本語ドメイン名協
  会)が協力する形で開催しました。

   日本語ドメイン名解説は、まず「インターネット・リソース・ネームの概要」
  と題して、日本語ドメイン名を含む、インターネットにおけるネーミングサー
  ビスの動向について産業技術総合研究所の田代秀一さんからご講演をいただき
  ました。次に「IETF IDN WGでの標準化状況」と題して日本語ドメイン名を実
  現する国際化ドメイン名(Internationalized Domain Name; IDN)の技術標準化
  動向について、JPNICの米谷嘉朗が解説を行いました。

   また、日本語ドメイン名の実装状況について、まず「多言語ドメイン名の実
  装- mDNkit -」と題してJPNICが提供しているオープンソースの実装である
  mDNkitの概要とアプリケーションソフトウェアからの使用法について(株)SRA
  の石曽根信さんから解説をいただきました。次に「IDN SDK from i-DNS.net
  (Internationalized Domain Names Software Development Kit)」と題してIDN
  についての包括的な説明とi-DNS SDKについての解説をi-DNS.net社のJames
  Sengさん(IETF IDN WGのチェアとしても著名です)からいただきました。最後
  に「MDNアプリケーション対応 - MS-IEの場合 -」と題して、Microsoft社の
  Internet Explorerにおける日本語JPドメイン名対応の状況について(株)日本
  レジストリサービスの森健太郎さんから解説をいただきました。

   スピーカーのみなさんの解説終了後、質疑応答をかねて日本語ドメイン名普
  及に向けた今後のアクションや、アプリケーションにおける対応をアプリケー
  ションベンダーにより強くアピールするためにはどうすればよいかといった議
  論が行われました。

   なお、各プレゼンテーションについては、近日中にJDNA Webサイト
  (http://www.jdna.jp/)に掲載予定です。

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  ◇ 2-2. DOMAIN-TALKオフラインミーティング

  日時:2001年12月4日(火) 12:00-17:00 
  参加者数:35名

   2001年12月4日、JPNIC主催のメインプログラムとして、DOMAIN-TALKオフラ
  インミーティングが開催されました。 参加者は35名で、ネットワーク管理を
  されている方の参加が多かったようです。今回は4名の方からドメイン名に関
  する講演を行っていただきました。講演の内容は以下のとおりです。

  ◆ICANN報告 ~ドメイン名に関連するセキュリティ~

   日本レジストリサービス(JPRS)の佐藤新太氏より、11月の Marina del Rey 
  でのICANN会議で議題となったインターネットにおけるセキュリティに関し、
  報告が行われました。今回のICANN会議は、9月11日の米国同時多発テロを受け
  て、ICANN構成メンバーおよび一般の方のDNSセキュリティに関する意識の向上
  を目的に開催されました。セキュリティに関する議論よりも現状の把握に重点
  が置かれた会議となりました。

  ◆新gTLDの動向について

   NTTコミュニケーションズの長尾麻美氏より、.biz、.infoなどの新gTLD誕生
  までの経緯、新gTLDの概要、そして新gTLDの課題についての講演がありました。
  まず、.comなど既存のTLDでは、欲しいドメイン名が取れない、またレジスト
  リの独占などの問題があるとの説明がありました。そして、これらの問題を解
  決する目的で、7つの新TLDが新設されたとのことです。また、新gTLDの次なる
  課題として、マーケットの拡大の問題を挙げ、そのためにはエンドユーザーへ
  の啓発活動、付加価値形成が重要であることを強調していました。

  ◆whoisデータベースにおけるドメイン名情報

   朝日大学経営学部の奥山徹教授より、JPNICおよびNSIなどとのwhoisデータ
  ベースの比較に関する講演がありました。whoisにおけるドメイン名情報は、
  ICANNの原則ではすべてオープンとなっていますが、各国の個人情報保護問題
  との関係で、公開しない裁量はあるとのことです。.comなどのgTLDでは、ほと
  んどのドメイン名情報を公開しているのに対し、ヨーロッパのccTLDは非公開
  とする傾向にあるとのことです。

  ◆多言語ドメイン名の国際調整とは

   JPRSの堀田博文氏より、多言語ドメイン名の導入による問題点や、その問題
  に対する国際的な調整に関し講演がありました。まず、現在問題となっている
  オルタネートルートやゼロレベルドメインの仕組み等の解説が行われました。
  その後、たとえば、「.企業」などのgTLDが設立された場合、これは中国語か
  日本語かといった問題や、その管理をどこの国で行うかといった調整の問題が
  出てくるとの説明がありました。また、ドメイン名に関する紛争が増え、その
  解決も難しくなるのではとの懸念も示していました。

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  ◇ 2-3. JPドメイン名とDRP

  日時:2001年12月5日(水) 14:00-17:00
  参加者数:48名

   2001年12月5日14:00から17:00まで、日本レジストリサービス(JPRS)の黒川
  裕文氏、JPNIC理事 丸山直昌、JPNIC DRP検討委員長 久保次三の三名によりメ
  インプログラム「JPドメイン名とDRP」の講演が行われました。参加者の殆ん
  どは20代と30代のネットワーク関連の仕事をしている人だったようです。前半
  は黒川氏によりJPドメイン名の全般的な説明が、歴史的な側面も含めてなされ
  ました。後半ではまず丸山により、ドメイン名を巡る法律的な争いの歴史を概
  観しながらUDRP(Uniform Domain Name Dispute Resolution Policy, 統一ドメ
  イン名紛争処理方針)、JP-DRP(JPドメイン名紛争処理方針)の形成の歴史を振
  り返りました。最後に久保よりUDRP, JP-DRPの裁定例紹介と分析が述べられま
  した。

   JP-DRPはICANNのUDRPを日本の実情に合うように擦り合わせたものであり、
  両者ともドメイン名と商標権とが対立するような争いに関して「不正の目的」
  (bad faith)という判断基準で裁定を下すこととされています。この判断基準
  は、UDRPやJP-DRPの条文の中で例示付きで説明されており、従来の商標法など
  の枠組での「不正の目的」とはかなり趣が異なったものとなっています。
  UDRP, JP-DRPの「不正の目的」はある意味で新しい判断基準と言えますが、こ
  れを導入した理由は、従来の商標権的な考え方を、そのままではドメイン名を
  巡る法律的な争いに当てはめることができないという事情によるものです。丸
  山の話は、この新しい判断基準が形成された歴史を振り返ることにより、
  UDRP, JP-DRPの「不正の目的」による判断は、商標権をそのままドメイン名の
  世界に持ち込むこととは違うということを説明するのが目標でした。また久保
  の話は、具体的な裁定例を通してUDRP, JP-DRPの「不正の目的」とは何である
  かを説明することに重点を置いていました。出席者から回収したアンケートを
  見る限り、このような狙いはある程度成功したようです。

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  ◇ 2-4. IPアドレスポリシー:世界の状況と日本

  日時:2001年12月6日(木) 9:30-12:30
  参加者数:128名

   グローバルIPアドレスの管理は日本独自に行われているものではなく、世界
  的な方針に基づいているため、グローバルIPアドレスの世界的な状況の説明を
  目的としたプログラムです。なお、当日は以下の流れでプログラムが進行され
  ました。

  1. 挨拶  JPNIC IPアドレス担当理事  荻野 司

  2. JPNICからの報告(IPアドレス事業について)  JPNIC IPアドレス担当理事 
                                              荻野 司

    IPアドレス事業の紹介、IP事業における新規サービスやIPv6ポリシー策定に
    ついての紹介がありました。新規サービスとしてはダイレクトメンバーズア
    ロケーションの導入やIPv6エージェントサービスの拡張などを検討していま
    す。

  3. APNIC Updates, Structure and Policies  APNIC事務局長  Paul Wilson

    APNICの紹介、世界の資源管理の階層構造、資源管理の考え方、統計資料や
    IPv6ポリシー策定の紹介が2時間にわたり行われました。こちらの情報によ
    るとアジア太平洋地域におけるIPv6 subTLAアドレスの割り振りの約半分は
    日本に対して行われています。また、APNICではWebの改訂による広報活動
    の充実や、CAによる申請のセキュリティ強化なども図っているようです。

  4. ICANN ASO Updates  ICANN ASO AC  荒野 高志

    ICANN ASO ACにて最近行われている活動の紹介がありました。現在RFC 2050
    の改訂が行われています。

  5. APNICについて  APNIC EC/NIR Meeting Chair  前村 昌紀

    APNICの紹介、Open Policy Meeting、NIRの仕組みそれぞれにおける問題点
    と今後の課題、NIRとAPNICとの連携などについての説明がありました。アジ
    ア太平洋地域の国々では英語が母国語として使用されていないにも関わらず、
    Open Meetingが英語で行われていることが発言を行う上でハードルになって
    いるのではないか、という点が見直されています。


   このように世界、アジア太平洋地域、NIRそしてJPNIC、と様々な観点から資
  源管理にたずさわる組織に関しての紹介が行われました。

   本プログラムは状況の紹介を目的としており、また、時間の関係もあり、質
  疑応答は1,2問にとどまりましたが、別途ご紹介する関連イベントである「IP
  アドレスポリシー:JPNIC Open Policy Meeting(IP-USERS)」にて参加者も交
  えた積極的な議論が行われました。

   当日のプレゼンテーションおよび議事録は近日中にJPNICのWebに公開される
  予定です。

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  ◇ 2-5. IPアドレスポリシー:JPNIC Open Policy Meeting(IP-USERS)

  日時:2001年12月6日(木) 14:00-20:30
  参加者数:119名

   JPNIC Open Policy MeetingとはIPアドレスのポリシーをテーマとして公募
  されたプレゼンテーションに基づき、参加者による意見交換を行うミーティン
  グです。

   この中で全体のコンセンサスが得られた内容については、必要に応じてアジ
  ア太平洋地域のIPアドレスポリシーを検討する場であるAPNICミーティングで
  報告・提案を行います。なお、「コンセンサス」とは参加者による合意を意味
  します。

   今回はJPNIC IP-WG主査である前村 昌紀氏の議事進行のもと、以下8つのプ
  レゼンテーションが行われ、長時間にかかわらず参加者による積極的な議論や
  質疑応答が見受けられました。

   コンセンサスが得られたプレゼンテーションに関してはその内容を記載して
  います。

   1. JPNICにおけるAS番号割り当て正式サービス化について
       橘 俊男 (JPNIC AS番号割り当て正式サービス化チーム)

       AS番号の正式サービス化を行うことで会場のコンセンサスが得られまし
       た。

   2. プライベートIPv4アドレスとストリーミングメディア
       渡辺 淳 (関西医科大学)

   3. JPNICにおけるIPv4アドレスの初回割り振り基準の変更について
       鈴木 由佳 (JPNIC IPアドレス課)

       マルチホームおよび主要なIXへの接続以外の要件についてはコンセンサ
       スが得られました。

   4. マルチホームのためのIPアドレス割り当てについて
       鈴木 由佳 (JPNIC IPアドレス課)
   
   5. Joint Session

    5-1. 現在のアドレス割り振りポリシーにおける問題点とアドレス有効活
           用に対する提案
       江口 則地((株)富士通青森システムエンジニアリング)

    5-2. 初期割り振り条件の変更に伴う最小割り振りサイズの統一について
       大堀 暢哉 (JPNIC IPアドレス課)

    	   /20の単位での割り振りサイズの統一まではコンセンサスが得られま
           したが、/20以下の割り振りが行われている/19のリザーブブロック
           の扱いは継続して検討していくことになりました。

   6. APNIC CATV/xDSL WGレポート
       荒野 高志 (アジア・グローバル・クロッシング)

   7. IPv6アドレスポリシに関するAPNIC Meetingでの決定事項
       藤崎 智宏 (日本電信電話株式会社)

   8. IPv6の新アドレスポリシー
       荒野 高志 (アジア・グローバル・クロッシング) 

       いただいた意見を参考としながらv6アドレスポリシー策定を検討してい
       きます。

   また、APNICの事務局長であるPaul Wilsonも同席し、IPv6アドレスポリシー
  等についていくつかコメントした場面も見受けられました。

   なお、当日のプレゼンテーションおよび議事録は近日中にJPNICのWebにて公
  開される予定です。

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  ◇ 2-6. DNSミーティング

  日時:2001年12月7日(金) 9:30-12:30
  参加者数:128名

   昨年に引き続き、DNSミーティングが開催されました。今年のDNSミーティン
  グはJPRSとの共催プログラムとして開催され、12月7日の午前中の早い時間に
  もかかわらず、約200名以上という大変多くの方にご参加いただきました。

   当日のプログラムは3部構成で、第1部「DNS technical current topics」で
  は、DNSに関する各種の最新技術動向についてお話をいただきました。
  ・Part1: DNS technical current topics
    - BIND9(神明 達哉氏(東芝))
    - djbdns(森下 泰宏氏(JPRS))
    - Dynamic DNS Service(浅野 新一氏(ZION))

   第2部「DNS operation information exchange」では、実際にDNSを管理され
  ているオペレータの方々から、重要なDNSサーバ、IPv6 DNS、大規模DNSサーバ
  の管理・運用に関するノウハウ等についてのお話をいだだきました。
  ・Part2: DNS operation information exchange
    - M root serverの現状(加藤 朗氏(WIDE Project/東京大学))
    - jp serverの現状(佐藤 新太(JPRS))
    - IPv6 DNSの現状(神明 達哉氏(東芝))
    - DNS on IPv6の現状(松崎 吉伸氏(IIJ))
    - ISPにおける大規模DNSサーバの管理TIPS(山崎 徳之氏(オン・ザ・エッヂ))

   第3部では「DNSの現状と将来」と題して、各スピーカの方々にパネルディス
  カッション形式でさまざまなお話をいただきました。パネルディスカッション
  では、
    - DNSはなぜ成功したのか
      * DNSの仕組みが確立して既に15年近くが経過しているが、現在のインター
        ネットでも広く利用されている
      => シンプルなしくみがインターネットのモデルにマッチしたのではないか
    - 今後の名前のフラット化の要求にどう対応していくか
      * .comドメインの登録が既に1000万を超え、汎用JPドメインの出現により
        今後JPドメインにおいても名前のフラット化が起こってくると考えられ
        る。このままのDNSで対応可能なのか。
      => 当面現在のテクノロジーで対応可能
    - 設定ミスによる無用なトラフィック増加の防止のお願い
      * 設定ミスによってDNSのトラフィックが増え、重要なサーバ(root/JPな
        ど)に無用な負荷がかかることが問題となることがある。DNSサーバの設
        定の際には聴衆のみなさんのところでも注意深く設定してほしい(お願
        い)
    - 他の実装への期待
      * BIND、djbdns以外のより優れた実装が出ることに期待したい
  等が話題となりました。

   今回のDNSミーティングでは、実際にDNSに関する研究を行っている研究者の
  方々や、DNSの管理運用にたずさわっているプロフェッショナルの方々から貴
  重なお話をいただき、有用な情報交換ができました。今後もこのような機会を
  生かし、積極的な情報交換を行っていきたいと考えております。


◆◆【 2 】特集2  ICANN Marina del Rey会議レポート  
◆                  - DNSに関するセキュリティ-
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

   2001年11月12日から4日間にわたり、アメリカのMarina del Rey(以下MdR)に
  て行われたICANN会議は、これまで何度も行われてきたICANN会議とは異なる趣
  きのものでした。

   4日間の会議期間の内、11月12日の1日のみが通常の会議を行う日となり、11
  月13日から11月15日までの3日間は「インターネットのセキュリティと安定性」
  と題して、全体会議が行われました。この構成は2001年9月11日のアメリカ同
  時多発テロ事件があった後に急遽設定されたもので、詳細な議題は会議の直前
  まで決定できなかったようです。また、会議自体のセキュリティに対しても気
  を使うようになっており、MdRホテル内の会場に入るには事前登録が必須、当
  日もパスを受け取るためには写真付のIDカードを見せる必要があり、ガードを
  厳しくしている様子がうかがえました。

   日本からは小坂総務副大臣が出席して基調講演を行い、社会的にも成長した
  インターネットの中でのICANNの重要性を説くことで、その活動の支持を表明
  しました。

   それに続くセキュリティのセッションは、主にパネルを迎えてのトークの形
  式となり、ROOTサーバ、TLDレジストリ/レジストラ等、インターネットの核と
  なる組織からのパネリストにより、それぞれ自分達のシステムの紹介等を通し
  て、セキュリティや安定性に対する配慮が説明されました。なかでもROOTサー
  バに関しては、管理組織、設置場所、OSなど多くの点で多様性を持った構成と
  なっており、これにより災害時などにおいても安定的なサービスを提供するこ
  とが可能であるという点が強調されていました。

   最終日には報告会と理事会が開催され、ここでは「インターネットの安全性
  と安定性に関する常設委員会」の設置が決議されました。また特にROOTサーバ
  に関しては、適切な配置などに関するレポートが、2002年の3月頃までに発表
  されることになりました。

   さて、今回の会議ですが、決議のみを見るとセキュリティに関連する細かい
  決定はあまりありませんでした。しかし、この会議の意義はその場で行われた
  いくつかの決議だけではなさそうです。セキュリティをメインに据えた会議を
  開催することによって、インターネットの基盤となるシステムを安定的に供給
  するという責任に対するICANNの姿勢を見せたこと。また、この取り組みが本
  腰を入れたものであり、この会議がその最初の一歩となっているのだと示すこ
  とにあったのだと思われます。その意味では非常に有意義な会議でした。

  参考資料

  ICANN Meeting in Marina del Rey
  http://www.icann.org/mdr2001/index.html

  ICANN Public Meeting Archives
  http://cyber.law.harvard.edu/icann/mdr2001/archive/


◆◆【 3 】News & Views Column
◆
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◇ ノートPCを持ち歩く生活

   私たちの業界にいる人々の多くは日常的にノートPCを持ち歩いて、暇を見つ
  けてはそれを開いて仕事をしています。また仕事柄ネットワークが欠かせない
  ので、PHSや携帯電話などでアクセスを試みます。そういう類の人々の例に漏れ
  ず、私もノートPCからインターネットにつながりさえすれば、メールの読み書
  き・必要となる資料のダウンロード・重要な関係者とのチャット、ルータのコ
  ンフィグレーションと、ほとんどの仕事を処理できます。

   全く便利になったもので、新幹線に乗っている間にルータの障害対応をした
  こともありますし、通勤途上の京浜東北線の中でドメイン名申請を済ませた、
  なんてこともあります。

  「昔ファックスもなかった頃は、仕上げた設計図が先方に郵便で届くまでの間
  は仕事しなくて良かったのになぁ」と、昔の上司から聞いたことがあります。
  そんな前のことは分からないのですが、数年前から見ても隔世の感があります。

   今週(執筆時点)はインターネットウィークが開催されていますが、会場と
  なったパシフィコ横浜では、会場内で無線LANを利用することができます。LAN
  まで揃うと、オフィスにいるように快適に仕事ができます。

   発表を聞きながら、ちょっとした隙にメールを読み、明日の発表のスライド
  を作り、メールで送ってコメントをもらい、と、ネットワークにつながってい
  ることを前提として仕事が進んでいきます。この原稿も、無線LANからメール
  で入稿したものです。

   無線LANも普及が目覚しく、街中のカフェやハンバーガーショップ、空港な
  ど利用できるところが増えつづけています。ユビキタス・コンピューティング
  (※)などという言葉もかなり現実味を帯びてきました。

   最近発売されるノートPCは、Ethernetのポートやモデム内蔵は当たり前、無
  線LANやPHSまで内蔵されているものもあります。Windows XPも発売されたこと
  もあり、4年間持ち歩いたノートをついに買い換えようと考えています。体の
  一部と言っても過言ではありませんから、自然と選定基準も厳しくなります。

   仕事に追われることを嘆いても始まりません。新しいノートPCがより快適な
  作業環境をもたらしてくれることを願うばかりです。

                                          IPアドレス検討委員会委員長
                                          前村昌紀 (イクアント株式会社)

  ※ユビキタスコンピューティングについてはインターネット用語1分解説を
    ご覧下さい。

 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆◆【 4 】インターネット用語1分解説
◆
  ◇ユビキタスコンピューティングとは

   ユビキタス(ubiquitous)とは、「同時に至るところに存在する」という意味
  であり、ユビキタスコンピューティングとは、社会や生活の至る所にコンピュー
  タが存在しており、ユーザがコンピュータの使用を意識することなく、いつで
  もどこでも情報にアクセスできる環境のことをいいます。

   これは、1989年にゼロックス社のパロアルト研究所が提唱した概念です。当
  時は情報機器が小型化されておらず、またあらゆる場所で手軽にネットワーク
  接続できるような社会環境ではなかったため、実現への動きはありませんでし
  たが、近年のモバイルコンピューティングとインターネットの急激な普及に伴
  い、この概念が大きな注目を集めるようになってきています。

  http://www.parc.xerox.com/parc-go.html


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆◆【 5 】統計資料
◆

 ◇ 1.JPドメイン名

  o 登録ドメイン数(2001年7月~12月) 
 ----------------------------------------------------------------------------
 日付|JP  AD  AC    CO   GO    OR    NE    GR   ED  GEO    GA    GJ   TOTAL
 ----------------------------------------------------------------------------
  7/1| 1 303 2604 212053 664 12851 18114 10567 3110 3942  94085 58719 417013
  8/1| 1 305 3633 215117 674 13082 18344 10687 3330 3987  99155 59505 426820
  9/1| 1 306 2654 217745 686 13309 18552 10787 3467 4029 103926 60237 435699
 10/1| 1 306 2661 220048 693 13524 18740 10869 3523 4057 108402 60662 443486
 11/1| 1 308 2684 222694 690 13741 18937 10946 3584 4108 113547 61100 452340
 12/1| 1 308 2706 225159 696 13973 19101 11020 3636 4143 118039 61289 460071
 ----------------------------------------------------------------------------
 GA:汎用ドメイン名 ASCII(英数字)
 GJ:汎用ドメイン名 日本語 

  登録ドメイン数の詳細は
    → http://www.nic.ad.jp/jp/stat/dom/Allocated_Domains2.html


 ◇ 2.IPアドレス

  o APNICからの割り振り/返却ホスト数(2001年6月~11月)
 ---------------------------------------
  月 | 割り振り |   返却   | 現在の総量 
 ---------------------------------------
   6 |        0 |        0 |   15728640
   7 |        0 |        0 |   15728640
   8 |        0 |        0 |   15728640 
   9 |        0 |        0 |   15728640
  10 |        0 |        0 |   15728640
  11 |  1048576 |        0 |   16777216
 ---------------------------------------


 ◇ 3.会員数  ※2001年12月10日 現在

 --------------------
  会員分類 | 会員数 |
 --------------------
  S会員    |      6 |
  A会員    |      5 | 
  B会員    |      6 |
  C会員    |     14 |
  D会員    |    290 |
  個人推薦 |     60 |
  賛助会員 |     31 |
 --------------------
  合計     |    412 |
 --------------------

  会員についての詳細は 
    → http://www.nic.ad.jp/jp/member/list/index.html


 ◇ 4.指定事業者数  ※2001年12月10日 現在

  o 属性型・地域型JPドメイン名指定事業者数  463
  o IPアドレス管理指定事業者数              285


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆◆【 6 】イベントカレンダー 
◆

 ◆ 2001年12月17日(月)-18日(火)  CENTR
 ◇ 2001年12月21日(金)           IPアドレス管理指定事業者定例説明会(初心者向け)

      == 2001年12月29日(土)-2002年1月3日(木):JPNIC休業 ==

 ◆ 2002年 1月14日(月)-18日(金)  RIPE(Amsterdam)
 ◇ 2002年 2月上旬               第31回理事会(予定)
 ◇ 2002年 2月14日(木)           第5回評議委員
 ◇ 2002年 3月上旬               第16回総会(予定)
 ◆ 2002年 3月 3日(日)- 7日(木)  APRICOT(Bangkok)
 ◆ 2002年 3月10日(日)-14日(木)  ICANN(Accra)

 ◇ JPNIC主催の会議・イベント    ◆ 海外の会議・イベント

_____________________________________
 ■■■■■■ JPNICの活動はJPNIC会員によって支えられています ■■■■■■
  ::::: 会員リスト ::::: http://www.nic.ad.jp/jp/member/list/index.html
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 JPNIC News & Views vol.6  

 @ 発行          - 社団法人 日本ネットワークインフォメーションセンター
                    101-0047 東京都千代田区内神田2-3-4 国際興業神田ビル6F 
 @ 問い合わせ先    - jpnic-news@nic.ad.jp
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登録・削除・変更  - http://www.nic.ad.jp/jp/pr/MailMagazine/


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