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    /P▲               ◆ JPNIC News & Views vol.7【臨時号】2001.12.26 ◆
  _/NIC
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┃◆ News & Views vol.7 です
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    2001年12月9日~12月14日の6日間にわたり、2002年冬のオリンピック開催
  地でもあります米国ユタ州のソルトレークシティにて第52回IETF Meetingが
  行われました。JPNICからも参加したこの会合では、国際化ドメイン名の標
  準化において大きな前進がありました。今回はこちらの内容を中心に、その
  他IETF最新トピックスも含め、臨時特集号にてお届けいたします!

    本号で、今年の発行は最終となります。ご愛顧ありがとうございます。来
  年も更にパワーアップしてお届けしてまいりますので、引き続きよろしくお
  願い申し上げます。

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┃◆ 目次
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  ◇ IETF特集 ◇

  【 1 】IETFにおける国際化ドメイン名最新動向
  【 2 】第52回IETF最新トピックスレポート
           ◇ 3-1. DNS関連WG、BOFレポート
           ◇ 3-2. DMCA(Digital Millennium Copyright Act)の巻き起こす問題
  【 3 】インターネット用語1分解説 <拡大版> 「IETFとは」

  ◇ JPNIC年末年始の予定 ◇

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  ◇【 1 】IETFにおける国際化ドメイン名最新動向

  ◆ IDN標準化最新動向

   第52回IETF Meetingが米国ユタ州のソルトレークシティにおいて開催され、
  その中で日本語ドメイン名を実現する国際化ドメイン名(Internationalized
  Domain Name)の標準化を行っているIDN WGのMeetingも行われました。

   WG Meetingにおいては、これまで課題として議論が継続されてきた言語や地
  域に依存する補助的な扱いに関した各提案について、それらはWGのスコープ外
  のため作業項目から除外したいという考えがチェアから提示されました。この
  提示は大きな反対もなく合意され、課題が解決したため、標準化に向けて大き
  く前進しました。今後の作業項目は

  - IDNA
      IDNの処理(NAMEPREPとACE)をアプリケーションで行うアーキテクチャ
  - NAMEPREP
      表示上同一のドメイン名(ホスト名)の比較が正しく行われるよう、コンピュ
      ータ内部の表現形式を統一する方式
  - AMC-ACE-Z
      ASCII以外の文字をASCII文字のみを使って表現する(ASCII Compatible
      Encoding)方式
 
  の三つの提案を、WG Last Callと呼ばれる1週間程度の最終確認期間を経て、
  数週間以内(来月中旬までをめど)に順次WGの最終案としてまとめることになり
  ます。まとまり次第各提案はIESG(Internet Engineering Steering Group)に
  送られ、IESGのレビューを経てProposed Standard RFC化されます。

   WGの最初の活動項目であった要求条件を取りまとめたRequirementsドキュメ
  ントについては、内容が古く技術的な誤りもあるため破棄することにし、別途
  IDN WGの活動を総括する新しいドキュメントを作成することになりました。


  ◆ IDN関連BOF

   今回のIETFでは、IRNSS(Internet Resource Name Search Service)というイ
  ンターネット上のリソース名を、ドメイン名(第1層)、ディレクトリ(第2層)、
  サーチ(第3層)を連携させて解決するフレームワークの検討を行うことについ
  てBOFが開催され、検討を継続することが合意されました。IDN WGではスコー
  プ外となった言語や地域に依存する処理は、今後はIRNSSの第2層および第3層
  へ継続して検討されることになります。

   また、INTLOC(Internationalization and Localization of Internet
  Protocols)という、Internet Protocolの国際化を行う際のガイドラインや用
  語の定義などを提供する作業についてのBOFも開催され、こちらはWGではなく
  メーリングリストを中心として活動が行われることが合意されました。


  ◆ 今後のJPNICの取組み

    今回のIETFの進捗を受けて、早ければ来年春にもRFC化が見込まれます。
  この標準化に基づき、ブラウザやメーラ等の各種アプリケーションの開発が
  可能となり、いよいよ本格的な日本語ドメイン名利用環境が整うこととなり
  ます。私たちは、インターネット全体の整合性をとりつつ、ユーザのニーズ
  に基づいた技術革新を推進していかなければなりません。特に技術的整合性
  は重要な点となります。JPNICはこのような立場から、IETFの標準を尊重し、
  また、標準化を積極的に推進することで、日本語ドメイン名利用環境の整備、
  普及を行っていきます。


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  ◇【 2 】第52回IETF最新トピックスレポート

  ◇ 2-1. DNS関連WG、BOFレポート

  ◆ DNSEXT (DNS EXTension: DNSの機能拡張) WG

   今回のDNSEXT WGでは、DNSSECの機能拡張に関する発表が多く行われました。
  DNSSECは1999年にRFC 2535として標準化され、DNSに関するセキュリティの強
  化を行うためのしくみを提供しています。しかし、実際にDNSSECによる運用を
  実現するためには、親ゾーンのDNSサーバとの間の鍵の交換、親ゾーンにおけ
  る鍵の保守、大きなデータを持つゾーンにおけるデータファイル作成のための
  オーバーヘッドといった、運用上問題となる考慮点が多くあり、普及に至って
  いません。

   これらの問題を解決するため今回のIETFでは、Delegation Signer(DS)とい
  う新しいリソースレコードを定義し、それを利用して親が子の鍵を署名するこ
  とでゾーンの委譲と鍵更新を簡略化するための提案(*1)や、巨大なゾーンにお
  いて徐々にDNSSECを展開していくためのしくみを提供するOpt INという仕組み
  の提案(*2)などが行われました。

   また、DNSEXT WGの終了後、NAI Labs.のEd Lewis氏の呼びかけで、DNSSECに
  興味を持つ技術者が集まって、DNSSEC Interest Group meetingが開催されま
  した。これには約30名ほどが出席し、自己紹介と簡単な現状の情報共有が行わ
  れました。

  (*1)http://www.ietf.org/internet-drafts/draft-ietf-dnsext-delegation-signer-04.txt
  (*2)http://www.ietf.org/internet-drafts/draft-ietf-dnsext-dnssec-opt-in-01.txt

  ◆ DNSOP (DNS OPeration: DNSのオペレーション) WG

   今回のDNSOP WGでは、root serverおよびCOM/ORG/NET TLDのDNS サーバを管
  理運用しているオペレータから、これらのDNSサーバの状況を監視した結果、
  該当するDNS サーバに対し多くの「再問い合わせ」(同内容の問い合わせが短
  時間の間に繰り返し発信されること)が観測されていることが報告され、その
  原因の考察および再問い合わせを減少させるためにとるべき方策について報告
  されました(*3)。

   また、IPv6が今後普及するにあたり、IPv6環境におけるDNSのオペレーショ
  ンに関する要求事項をまとめた提案(*4)や、IPv6への移行にあたりDNSの階層
  を移行する際に予想される問題点をまとめた提案(*5)が行われました。

  (*3)http://www.ietf.org/internet-drafts/draft-ietf-dnsop-bad-dns-res-00.txt
  (*4)http://www.ietf.org/internet-drafts/draft-ietf-ngtrans-dns-ops-req-03.txt
  (*5)http://www.ietf.org/internet-drafts/draft-ihren-dnsop-v6-name-space-fragment-00.txt

  ◆ DNSMEAS (DNS MEASurement: DNSに関する計測) BOF

   今回のIETFではIRTF(Internet Research Task Force)の主催により、DNSに
  関する計測に焦点を当てたBOFが開催されました。このBOFでは、root/TLD
  server、あるいは組織内のDNSキャッシュサーバ等に対する各種の計測結果を
  もとに、DNSトラフィックの解析やDNSの負荷に対する考察、DNSキャッシュの
  有効性等についての議論が行われました。

   今後インターネットの利用がさらに普及するにあたり、DNSサービスの設計
  や、ネットワーク上におけるDNSサーバの配置設計等を行う場合、DNSに関する
  計測や考察は今後重要となってくると思われます。


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  ◇ 2-2. DMCA(Digital Millennium Copyright Act)の巻き起こす問題

   IDRM-RG(Internet Digital Rights Management Research Group)で、DMCAの
  もたらす問題について議論が起こっていました。IDRMは、IETFではなく
  IRTF(Internet Research Task Force)に設けられたリサーチ・グループで、今
  年春に設立されました。設立以来毎回IETFの場で会議を開いています。インター
  ネットでやりとりされるディジタル・コンテンツの著作権管理技術について議
  論するのが目的です。

   DMCAは、1998年10月28日に米国で施行された法律で、デジタル化された情報
  の著作権保護やその取り扱いを規定しているものです。

   その中に、著作権保護に関連する技術の弱点を公表するような行為を禁止す
  る項目があり、それが著作権管理技術の規格化の議論にとって致命的な効果が
  ある、という問題です。規格化議論のなかでは当然、いくつかの技術の得失に
  ついて比較を行う必要があります。その過程では、ある技術の弱点について明
  らかにするとことも出てくるでしょうが、それはDMCAに違反する行為となり、
  訴訟されてしまう可能性があるというわけです。公表どころか、こういった研
  究を行う行為自体も訴訟の対象となるのではないかという意見も出ていました。

   DMCAは研究者や規格検討グループに対してだけでなく、ISPに対しても強力
  な効果を持ちます。著作権保護技術に対抗する技術や、弱点を公表するような
  コンテンツが WWW等に掲載された場合、それを削除する義務を課しているから
  です。

   DMCAのように対象範囲の広い法律は今のところ米国だけにしかありません。
  そのため、著作権管理技術や、さらにはその基礎となる暗号技術の研究や規格
  化議論は米国で行えなくなり、ヨーロッパ等を基盤とするような組織へといっ
  せいに逃げてゆくことになるかもしれません。また、DMCAを、言論の自由を侵
  す、憲法違反の法律であるとした訴訟も起きているようです。

   1998年施工の法律なのですが、その効果は今になってじわじわと実感されつ
  つあるようです。この行方について注目しておく必要があるでしょう。


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  ◇【 3 】インターネット用語1分解説 <拡大版> 「IETFとは」

   IETFは、インターネット技術の標準化を推進する任意団体です。コンピュー
  タシステムを相互接続するため、共通の技術仕様策定を議論するグループから
  発展したものです。IETFへの参加は企業等の代表としてではなく、個人として
  参加することになっています。参加者は自由にIETFの会合やメーリングリスト
  での議論に参加することができます。IETFにおける技術標準化の議論はワーキ
  ンググループ(WG)を単位にして推進されます。

   IETFにおける技術仕様は、RFC(Request For Comments)という名前で文書化、
  保存され、広くインターネットを通じて参照することができるようになってい
  ます。RFCとして標準化されるまでのプロセスは、下記のとおりです。

  ・Internet-Draftを投稿
         ↓     
  ・6ヶ月間IETFのFTPサーバ、WEBサーバに置かれる
         ↓
  ・個人、WGがインターネットに有用と判断すると、RFCにするよう
    IESG(Internet Engineering Steering Group:標準化に関する責任を負うグ
    ループ)に申請
         ↓ 
  ・申請が承認されると、ドキュメントにはRFC番号が割り当てられ、公式に
   IETFのftpおよびwebサーバを通じて恒常的に参照可能なドキュメントとなる

   IETFにおける技術仕様の策定は、ラフコンセンサス(Rough Consensus)、ラ
  ンニングコード(Running Code)という点が特徴として挙げられます。標準は変
  わらないという前提の元、最初から詳細な技術仕様を決定し、この仕様通りに
  実装していくのが、従来型のプロセスでした。これに対してIETFでは、まずラ
  フな仕様を作成し、それから相互接続実験や実運用を通じて、工夫、改善を加
  えながら詳細な仕様を実装していくという、非常に柔軟な仕様策定プロセスと
  なっています。

    参考:「IETFって何?」江崎 浩 (Hiroshi Esaki)
             http://rfc-jp.nic.ad.jp/what_is_ietf/ietf_abstract.html


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  ◇ 年末年始のJPNIC業務予定

    年末年始のJPNIC業務予定は下記の通りとなります。

    休業期間  :2001年12月28(金)18:00~2002年1月4日(金)10:00

    休業の範囲:休業期間中、下記「対象業務」および電話やメールでの問合
                わせ対応を休止いたします。

    対象業務  :ドメイン名に関する業務 
                IPアドレスに関する業務 
                データベースの更新に関する業務 
                入会申請・会員情報変更に関する業務 

    おことわり:申請処理、受理通知および質問への回答につきましては 
                2002年1月4日(金)10:00以降とさせていただきます。
                1月5~6日は通常の休日扱いになります。

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  ::::: 会員リスト ::::: http://www.nic.ad.jp/jp/member/list/index.html
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 JPNIC News & Views vol.7【臨時号】 

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