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    /P▲          ◆ JPNIC News & Views vol.281【臨時号】2005.8.24 ◆
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◆ News & Views vol.281 です
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2005年7月31日~8月5日の6日間にわたりフランス・パリで開催された、第63 
回IETFのレポートを4回に分けてお届けします。

今号では、[第一弾]として全体会議の報告をお送りします。
まずは本号で今回のIETFの全容をつかんでください。


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◆ 第63回IETF報告 [第1弾]  全体会議報告
                                                 JPNIC 技術部 木村泰司
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◆概要

2005年7月31日(日)~8月5日(金)、フランスのパリにあるLe Palais des
Congress de Paris(パレ会議場)にて、第63回IETFが開催されました。

今回のホストはFrance Telecom、協賛はCisco Systems、Juniper Networks、
Renatorの3社で、フランスの大手通信企業とネットワーク機器ベンダの大手企
業が占めていることになります。

IETF Chairの発表によると今回のIETFの参加登録者数は1,454名でした。前回
のIETFまで参加人数が減少傾向にありましたが、今回は大幅に増加しました。
近年参加者の間で「IETFの参加者数が減っている」と言われていますが、実際
の傾向を見てみるため、ここ2年間の参加登録者数をまとめてみました。下に
示します。

-第63回(2005年7月31日~8月5日) 1,454名 36ヶ国 フランス・パリ
-第62回(2005年3月6日~11日)    1,133名 28ヶ国 アメリカ・ミネアポリス
-第61回(2004年11月7日~12日)   1,311名 26ヶ国 アメリカ・ワシントンD.C.
-第60回(2004年8月1日~6日)    1,460名 40ヶ国 アメリカ・サンディエゴ
-第59回(2004年2月29日~3月4日) 1,390名 32ヶ国 韓国・ソウル
-第58回(2003年11月9日~14日)  1,233名 29ヶ国 アメリカ・ミネアポリス

1,500名を毎回越えていた2000年頃に比べると少ない状況ですが、ここ2年間は
1,100名~1,500名の間で推移していることがわかります。減少し続けているわ
けではないようです。一方、人数が多い回は参加国数も多いことから、多様な
国から参加している様子が伺えます。開催地の気候なども関係しているかも知
れません。

  □Past Meetings of the IETF (過去に行われたIETFミーティング)
    http://www.ietf.org/meetings/past.meetings.html
    ※参加者数に関するIETFミーティングでの発表と事後の集計結果
     が異なることがあります。

今回のIETFではチュートリアルを除いて116のセッションが開かれました。こ
のうち、13セッションがBoFでした。BoFはWGが結成される前の段階で、新しく
活動を始める為の議論を行うセッションです。

1つ目の"Operations and Administration Plenary"は8月3日(水) の夕方に、2 
つ目の"Technical Plenary"は8月4日(木)の夕方に行われました。

◆Operations and Administration Plenary

Operations and Administration Plenaryは、IETFの活動全体の運営に関する
報告と議論を扱う全体会議です。

この会議ではIETFチェアによるIETFミーティングの参加状況などの概況、ホス
トであるFrance Telecomによるプレゼンテーション、ポステルアワード
(Postel Service Award)の発表、IAOCの活動報告、TOOLSチームの活動報告な
どが行われました。

ポステルアワードはデータ通信のコミュニティで、持続的な技術的貢献をした
方や、リーダーシップを発揮した方に送られる賞です。1999年に故Jonathan
B. Postel氏に対して贈られて以降、毎年一人ずつ選出されてきました。今回
はJPNIC理事(前理事長)の村井純に対し、彼のビジョンと先駆者としてのアジ
ア太平洋地域におけるインターネット普及活動の推進をたたえて贈られました。

  □ Postel Awards (ISOCのポステルアワードのWebページ)
     http://www.isoc.org/awards/
  □ JPNIC News & Views Vol,280 
     http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2005/vol280.html

IAOC(IETF Administrative Oversight Committee)の活動報告では、メンバー
紹介やこれまでに行われたミーティングについて報告されました。IAOCは2004 
年初頭から行われている、IETFの運営管理体制の再編の活動の一環として作ら
れた委員です。IETFの予算や活動計画、契約などに関するIAD(IETF
Administrative Director)の提案に対してレビューを行い、また活動の方向性
を示す役割を担っています。

TOOLSチームの活動報告では、これまでに開発されたツールの紹介が行われま
した。TOOLSチームは2004年の中頃に当時のIETFチェアであるHarald氏などに
よって提案されたもので、IETFにおけるドキュメント化活動を支援するツール
の開発などを行うチームです。開発されたツールは下記のWebページから利用
できます。

  □IETF TOOLS
    http://tools.ietf.org/

ドキュメントのステータスやWGのマイルストーンをリアルタイムに表示するツー
ルの他にInternet Draft(以下、I-D)の書式をチェックするツールなどがあり、
WGチェアやI-Dの著者の助けになりそうなものが多く見られます。

今後はIETF Last Callとなっている全てのI-Dを表示するツールなどが開発さ
れるようです。このツールができると、次にRFCになるI-Dを比較的簡単に探せ
るようになります。RFCに則ったプログラムの開発を行っている開発者に役立
つツールと言えるでしょう。

◆Technical Plenary

Technical PlenaryはIETFの活動のなかで技術的な議論を扱う全体会議です。
前エリア・ディレクターのSteve Bellovin氏によるプレゼンテーションや、
IABの活動報告、IRTFの活動報告などが行われました。

Steve Bellovin氏のプレゼンテーションでは、"Application Security:
Threats and Architecture"と題して、プロトコルのアーキテクチャ(設計上の
考え方)に起因するセキュリティ上の問題点とその仕組みが解説されました。
後半ではセキュアなネットワーク・アプリケーションを設計するためのポイン
トなどが整理して紹介されました。このプレゼンテーション資料は下記のWeb 
ページに掲載されています。

 □"Steven M. Bellovin -- Talks"
    http://www.cs.columbia.edu/~smb/talks/

IABの報告では、IABで作られているドラフト・ドキュメントの紹介や今年、
フォーカスする話題についてプレゼンテーションが行われました。

IABでは、ドメイン名が商標やネットワーク・サービスの存在の推定に使われ
てしまうことの問題についてまとめたドキュメント
(draft-iab-dns-assumptions)や、データリンクの状況がインターネット・アー
キテクチャに対して持つ役割に関するドキュメント
(draft-iab-link-indications)の編纂(へんさん)が進められています。一方プ
ロトコルのレビューをする立場の人にわかりやすいモデルの記述方法をまとめ
た"Writing Protocol Models"がRFC4101になりました。このように、IABでは
IETFにおける仕様策定活動に共通するトピックのドキュメント化活動が行われ
ています。IABのドキュメント活動と現在の活動内容については下記のWebペー
ジをご参照下さい。

 □IAB Documents and Current Activities
   http://www.iab.org/documents/index.html

またIABの概要については下記のWebページをご参照下さい。

 □About the IAB
   http://www.iab.org/about/description.html

今年、IABでは以下の3つにフォーカスして活動するとのことです。
  - IPv6の利用のため実装上のソリューションに関するドキュメント
  - インターネット・エンジニアリングの上で共通の知識となるような"原理" 
    に関するドキュメント
  - 望ましくないトラフィックが起こる可能性を減らしたり、悪影響を小さく
    するためのツールを提供することを想定したプロトコルやインフラに関
    するドキュメント

IRTF報告では、新しく設置される見込みとなっているResearch Groupの紹介が
行われました。その中で新設が検討されているInternet Congestion Control
Research Groupとしてフォーカスする技術としてXCP(eXplicit Control
Protocol)が紹介されました。この他のIRTFのResearch Groupについては下記
のWebページをご覧下さい。

 □ IRTF Research Groups
    http://www.irtf.org/groups

Technical Plenaryは、最後に"Town Hall Meeting"と呼ばれる参加者同士の自
由討論が行われ、会場の都合で19時半という早い時間に終了しました。


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       わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
             http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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