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    /P▲          ◆ JPNIC News & Views vol.356【臨時号】2006.5.17 ◆
  _/NIC
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◆ News & Views vol.356 です
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3月末にニュージーランドのウェリントンで開催されたICANN会議を受けて、恒
例となりました「第15回ICANN報告会」が開催されました。本号では、そのレ
ポートをお届けします。

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◆ 第15回ICANN報告会レポート
                                JPNIC インターネット政策部  高山由香利
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2006年4月25日(火)、東京都港区の虎ノ門パストラルにて、JPNICと財団法人イ
ンターネット協会の共催で第15回ICANN報告会を開催しました。以下に、報告
会の内容を項目別にご紹介します。

◆ICANNウェリントン会議概要報告

JPNICの穂坂俊之より、ICANNウェリントン会議(2006年3月25日~31日)の概要
報告を行いました。会議スケジュールの紹介の後、トピックであった新gTLDの
導入促進及び進捗、VeriSignとICANNとの和解(.com契約)、SSACからの報告(オ
ルタネート・ルート、DNSの再帰検索を利用したDDoS攻撃)について、IDNの議
論、ICANN戦略計画(Strategic Plan)についてご報告しました。

  □詳細は、下記をご参照ください。
    JPNIC News & Views vol.349【定期号】2005.4.17
    ICANNウェリントン会議報告
    http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2006/vol349.html


◆ccTLDの動向

株式会社日本レジストリサービス(JPRS)の大橋由美氏より、ウェリントンでの
国コードドメイン名支持組織(ccNSO)会合で話し合われた議題について、次の5 
つのトピックが報告されました。

まず、ccNSOが要求していたICANN付属定款改定要求について、全8項目のうち
の1点(ccNSO関連条項についてはccNSOの勧告により修正される)については、
ICANNガバナンスの根本を崩すものであるとの理由により否決され、内容とし
て支障ない他7項目も含めて決議が保留されました。否決された項目は、ccNSO 
への加入を渋るヨーロッパccTLDの要求であっただけに、今後のccNSO加入数の
増加も難しいのでは、との見方があります。

ccTLDとICANNとのフォーマルな関係構築を目指すAccountability Frameworkに
ついては、2種類の文書(2者間契約用と書簡の交換用)が作られ、これらを利用
しすでに契約を進めている組織もあると聞かれます。

ICANNとの関わりについてはもう1点、資金拠出の面で検討されており、ccTLD 
がICANNから受けているサービスとそのコストを積算するため、現在調査を実
施中です。

4つ目のトピックは、IANA業務の検討に関する内容です。これまで、IANAへ情
報変更申請を行うと、変更実施までに1週間以上も時間がかかるという現状が
あり、不満を持つccTLDもありました。そこで、ポーランドのccTLDレジストリ
などにより処理の自動化、迅速化をサポートする仕組みが開発されました。
IANAは、この仕組みも使いつつ、さらに処理を迅速化し、レジストリの満足度
を向上させる施策を図っていくとのことです。

最後に、最近活発化しているIDNの議論について、最新状況の共有が行われま
した。gTLDとの合同作業部会設立が合意され、今後はIDN導入についての課題
の洗い出しや施策の検討が進められるものと思われます。


◆gTLDの動向

JPNIC理事の丸山直昌より、「whoisについて - gTLDの最近の話題から -」と
題しgTLDに関する最近の動向について報告がありました。GNSO評議会では、い
くつかあるトピックのうち「WHOISの目的」に関する議論に長い時間が割かれ
ました。WHOISについては情報の取り扱いに数々の問題があり、これまでの議
論は、「プライバシー擁護派」と「情報公開派」の水と油とも言える対極的立
場に二分された終わりなき戦いと言えます。お互いの立場を譲らずに不毛な議
論が繰り返されてきましたが、そもそもWHOISの目的を明確にしなければ議論
が成立しないとの認識に至り、2005年6月にはWhois Task Forceへの委任事項
が提示されました。

それ以降、議論の成果として認められるものもありますが、やはり意見対立の
根本的解決には程遠いと言える現状にあります。WHOISの役割をどう定義する
かで議論が異なる問題であり、ICANNの役割を問われる問題であるだけに、理
事会の今後の決定が注目されるとのことです。


◆ICANN政府諮問委員会(GAC)報告

総務省の糸将之氏より、政府諮問委員会(GAC)についての報告がありました。
議論の中心となった2つのトピックは次の通りです。

1つ目は、今後のGAC事務局についてです。欧州委員会(European Commission、
EC)の任期が6月末で期限をむかえるのを受け、インド政府とICANNがホスト受
け入れを提案し、今回の会合ではインド政府によるの事務局運営の受け入れが
合意されました。なお、インド政府は運営費が各国から拠出されることを希望
しており、今後議論されるとのことです。

2つ目は、GACの在り方についてです。新WG7が組織され、ラトビア大使(前WSIS 
準備会合議長)のカークリンス氏を中心に引き続き中長期的なGACの在り方が議
論される模様です。事務局ホストが短期的に変わらぬような体制整備について
も議論の対象となります。最重要事項として、(1)途上国からの参加促進を含
めたGACメンバーの拡大、アウトリーチの発展、人材育成及び国際参加の拡大
(2)ICANNフレームワークに関連し、WSISの結果を考慮する形で公共政策課題を
より効率的に扱うための改善があげられます。

また、ICANN理事会はピサンティ理事、GACはカークリンス氏を調整役として
GAC Joint Working Groupを組織し、今後「enhanced cooperation」を念頭に
おいた定期的な意見交換の場を持つことが検討されているとのことです。


◆ICANN At-Large諮問委員会(ALAC)報告

At-Large諮問委員会(ALAC)の活動に関して、財団法人ハイパーネットワーク社
会研究所副所長の会津泉氏より報告がありました。

今回は選挙による委員長交替があり、アネッタ・ミュールベルグ(Annette
Muehlberg)氏が選ばれました。ミュールベルグ氏は元フランクフルト市会議員
で現在は労組に勤務しており、実に市民派の委員長が選出されました。

ポリシー分野の活動に大きな動きはなく、全体としても大きな進展は見られな
かったのが今回の会議の特徴と言えます。RALO(Regional At-Large
Organization : 地域別At-Large組織)作りについても、ALS(At-Large
Structure)として認証されたのは38団体(前回33)ですが、近隣の国・地域の政
治的問題などが絡んでくることもあり、発展が容易ではない現状があるそうで
す。

前回に引き続き、友好的な雰囲気の中でICANN理事会との会合を持つことがで
きたそうで、今後もコミュニケーションを強化していくことが合意されました。
ICANN理事会からは、ユーザー参加に対して前向きで、個人利用者の声を聞き
たいとの意向が示されたそうです。しかしながら、ALACサイドではVeriSignと
の.com契約に対する意見がほぼ無視されており、決議のみならず審議プロセス
を示してほしいと感じているなど、対応に不満を感じる部分があるのも実情の
ようです。

ALACでは、活動内容が見える形となるよう、意識した取り組みをしているのが
印象的です。ICANNと契約し開設した独自Webページ
(http://www.icannalac.org/)のみならず、ICANNとは別にスポンサーにより運
営され230人が参加するICANN Wiki (http://icannwiki.org/)も開設し会議議
事録などの情報公開をしており、コンセンサス作りの場としても活用していく
意向にあるそうです。最近では、ICANN内部で権利を拡大してきていますが、
ALAC内部の考え方に対立が見られたり、内部評価の土壌が整っていないなど
ALAC自身の課題も抱えています。今後のALACの在り方やIGFにどう参画してい
くか、といった内容が今後の検討課題となるようです。


◆伊藤ICANN理事からの報告

株式会社ネオテニー代表取締役社長の伊藤穰一氏より、ICANN理事会内の議論
の様子について報告がありました。

最初の報告は、多くの方々が関心を寄せるVeriSign Settlementについてでし
た。理事会メンバー15名中、賛成9名、反対5名(伊藤氏も含む)、棄権1名とい
うことで、理事会の結論としては賛成となりました。理事会メンバーは、コメ
ントなどを含め1000ページを越す資料を読んだ上で出した結論とのことで、十
分な検討が重ねられているはずですが、周囲からはプロセスがクリアではない
という意見が多く聞かれます。これは、レジストラの業界団体CFIT(The
Coalition for ICANN Transparency http://www.cfit.info/)との訴訟中で、
"discovery(証拠開示手続き)"の期間中であったことから、情報開示や発言に
敏感になっている時期であったことが影響しているようです。賛否の結果を見
ても分かる通り、理事会の議論でも最後の15分まで判断はグレーな状況であっ
たそうですが、最終的な理事会決議は承認としたので、今後はその調整に注力
していくとのことでした。

続いて、Webページ上の理事会決議の内容
(http://www.icann.org/minutes/resolutions-31mar06.html)に沿って報告が
ありましたので、いくつかのトピックをお伝えします。

引き続き議論されている新sTLD「.xxx」の契約案ですが、GAC(Governmental
Advisory Committee:政府諮問委員会)より3月30日にコミュニケ
(http://gac.icann.org/web/communiques/gac24com.pdf)が提出され、契約不
履行時の対応について明記されていないなどGACのコメントを反映した内容と
なっておらず、決議は見送られました。今後は、GACからのコメントを反映し
た契約書の内容が提出されれば、議論が進む可能性も否定できないとのことで
す。

また、ICANNは新gTLD設置をサポートする意向があり、ICANN付属定款のポリシー
策定プロセス(PDP)に沿う形で、次回6月開催予定のマラケシュ会議までにGNSO 
より新gTLDに関する第一次報告書が提出されれば、パブリックコメント、
ICANN理事会やコミュニティの検討を経て、2007年1月1日以前には新gTLDプロ
セスを進める意向にあるとのことです。これが実現すれば、VeriSignの独占と
も言える現状を崩すことが期待できるのではないか、とのことでした。

最後に、ICANN理事長をはじめ理事会メンバーの交替時期が近づいているので、
今後の役員人事についてインプットがある場合には、伊藤氏や指名委員会
(NomCom)へお知らせいただくよう要請がありました。ICANNの今後をコミュニ
ティ全体で考える良いタイミングなので、コメントがある方は是非ともコンタ
クトしていただければと思います。

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       わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
             http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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