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/P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.376【臨時号】2006.8.10 ◆
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◆ News & Views vol.376 です
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2006年7月9日~14日の6日間にわたりカナダ・モントリオールで開催された、
第66回IETFのレポートを連載でお届けします。
今号では、[第一弾]として全体会議の報告をお送りします。
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◆ 第66回IETF報告 [第1弾] 全体会議報告
JPNIC 技術部 木村泰司
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◆概要
2006年7月8日、モントリオール国際空港に降り立つと、清潔感のあるロビーと、
英語とフランス語が混ざったざわめきに迎えられました。冬には気温がマイナ
ス30度にもなる都市ながら、この時期はTシャツだけで過ごせる快適な気候で
す。
今回のIETFはカナダ・モントリオールのPalais des Congres de Montreal (モ
ントリオール・パレ会議場)で開かれました。会場は市の中心部から徒歩10分
程のところで、同じ規模の国際会議を同時に2つ以上は開けそうな巨大な会場
です。
今回の参加登録者数は1,257名で、参加国は44ヶ国でした。米国・ダラスで行
われた前回のIETFの時に、いくつかの国からの参加者が米国への入国ができず、
IETF の働きかけによって急遽ビザが発行されるという出来事があったようで
すが、今回は、そのような事態への配慮がなされてカナダで開催された模様で
す。
IETFでは、WGの会議とPlenaryと呼ばれる全体会議が行われます。WGの会議で
は主にRFCになる前のドキュメント(Internet-Draft)に関する議論が行われま
す。議論は基本的にMLで進められますが、IETF期間中にオフラインで打ち合わ
せることでコンセンサスを確立したり、その場で実装をしてつきあわせたりし
て(!?)、RFC化を目指します。一方、Plenaryは会期中2回だけ行われます。
"IETF Operations and Administration Plenary"はIETFの運営面の全体会議で、
7月12日(水)に開かれました。"Technical Plenary"という技術面の全体会議は
7月13日(木)に開かれました。
◆IETF Operations and Administration Plenary
IETF Operations and Administration Plenaryは、IETFの活動全体の運営に関
する報告と議論を扱う全体会議です。今回はミーティングのホストを務める
Ericsson社のプレゼンテーションとNOC(Network Operation Center)の報告、
IAOCやIASA、TOOLSチームといったIETFを支える活動の報告と、IETFにおける
標準化プロセスの再検討に関する議論などが行われました。
はじめにIETFチェアのBrian Carpenter氏からチェア報告がありました。前回
のIETF以降、4つのWGが新設され13WGが終了、RFCが138出されたそうです。
IASA(IETF Administrative Supporting Activity)報告の中では、RFC Editor
の活動報告や前回のIETFの会計報告などが行われました。RFC EditorはRFCの
校正を行い、体裁を整えるチームで、2年程前より体制を建て直し徐々に作業
効率の向上を図っています。2006年度は2005年度よりもRFC編集作業のペース
が58%近く向上しているそうです。
前回のIETFの会計報告によると、ケータリングでの赤字や送迎サービスを予算
に入れていなかったことなどが原因で、全体として$55,000程の赤字となってし
まったそうです。しかし今回はケータリングのモデル化と改善を進めたとのこ
とでした。これによって休憩時間に出るクッキーがすぐになくなってしまった
り、逆に余ったりすることを避けられるようになってきたとのことです。
IETFにおける標準化プロセスの再検討は、2004年以降、IETFチェアのBrian氏
自身によって進められてきました。これに関するInternet-Draftは、
draft-carpenter-newtrk-questions-00.txtです。これまでWGの会議が何回か
開かれてきましたが、方向性が決められず、今回のPlenaryで全体の意見を聞
くことになったようです。しかし会場からは再検討の議論自体に意義を見いだ
せないといった意見が挙げられていました。
□ New IETF Standards Track Discusion (newtrk)
http://www.ietf.org/html.charters/newtrk-charter.html
◆Technical Plenary
Technical PlenaryはIETFの活動の中の技術的な議論を扱う全体会議です。
IRTF(Internet Research Task Force)の活動報告、IRTFのSAM(Scalable
Adaptive Multicast) RG(Research Group)の紹介、IABのチェア報告などが行
われました。
IRTFは長期的な観点で技術を捉え、リサーチと議論・検討を行うグループです。
必要性が認められるとIETFでの標準化作業を行います。前回のIETF以降、
Scalable Adaptive Multicast (SAM) RGが結成されました。SAM RGは、複数の
マルチキャスト・プロトコルの利点をそれぞれ生かし、展開・普及を図ること
を目的としています。IPマルチキャストだけでなくアプリケーション層に分類
されるようなものや、中間的な分類(Hybrid)に入るプロトコルも議論の対象に
入っています。IPマルチキャストとして分類されるものはXCASTのみとなって
います。
□ SAM Research Group
http://www.samrg.org/
□ XCAST
http://www.xcast.jp/
IABのチェア報告では、IAB主催のBoFやワークショップの紹介とRFC Editorの
あり方の検討に関する発表がありました。これまで2005年10月のNANOGや2006
年3月のAPRICOTで開いてきたIPv6 Multicast BoFが、2006年4月に行われた
RIPE Meetingでも行われたそうです。また秋には"Routing and Addressing"ワー
クショップを開催するというお知らせがありました。
□ IAB-Sponsored Open Meetings (IAB主催のオープンミーティング)
http://www.iab.org/documents/open-mtgs/index.html
IABでは今後30年という長期的な視点で、RFC Editor のあり方について検討し
ています。(ちなみに、最初のRFCであるRFC1 が出たのは1969年4月7日で今年
で36年経ったことになります)特にRFC Editor のプロセスの中でIABやIAOC、
そしてIETFがどのように関わっているべきかといったことを議論しており、そ
のために、RFCの目的やミッション、RFC化の役割分担についての整理をしよう
としています。またIABではIAOCと共にRFC EditorのRFP(Request for
Proposal - 提案依頼書)の作成を進めているそうです。会場からはRFC Editor
に関する議論に対して時間をかけ過ぎているといった意見が出ていましたが、
ドキュメント(Internet-Draft)の著者の主旨を正確に組み入れ、かつRFC化の
作業がコミュニティの必要に応えるようなスピードで行われるための効率化を
図るため、慎重な検討が進められている様子がうかがわれました。
この他に、IDN(Internationalized Domain Names)とIDNA(Internationalizing
Domain Names in Applications)を組み合わせて使うことの問題点、例えば類
似する文字でspoofing(だます行為)が行われてしまうこと等について、DNSの
アーキテクチャの中で取り組む考え方などについて紹介されていました。
◇ ◇ ◇
今回のIETFではEricsson社の提供でsocial event(参加者を対象とした会議以
外のイベント)が行われました。会場の近くを流れるローレンス川でのディナー
クルーズです。会場から離れ、技術以外の話題で交流することで、IETFが多様
な国からの参加者によって成り立っていることを改めて実感しました。
次回のIETF(第67回)は、2006年11月5日~10日、米国のサンディエゴで開かれ
る予定です。
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わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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