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    /P▲         ◆ JPNIC News & Views vol.458【臨時号】2007.6.7 ◆
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◆ News & Views vol.458 です
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ラテンアメリカとカリブ海地域のRIRであるLACNICのミーティングに、JPNIC
IP事業部の穂坂俊之が参加してきました。本号では、そのレポートをお届けし
ます。

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◆ 第10回LACNICミーティング報告
                                               JPNIC IP事業部 穂坂俊之
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第10回LACNICミーティングが、5月21日から25日まで、ベネズエラのマルガ
リータ島で、25ヶ国から約300人の参加を得て行われました。LACNICは世界に
五つあるRIRの一つで、ラテンアメリカおよびカリブ海地域を管轄するRIRで
す。会場のホテルは町中から隔絶され、隣の建物まで数km離れているという、
実に会議に集中できる環境でした。

LACNICミーティングにJPNICの職員が出席するのは、今回が初めてということ
になります。また、全参加者の中でも日本人は私1人でした。プレゼンテー
ションはほとんどスペイン語で行われますが、ミーティング全体でスペイン
語・英語・ポルトガル語の三言語相互同時通訳がつきますので、英語での質疑
応答が可能でした。

LACNICにおいても、提案は事前にメーリングリスト(ML)に提出され、MLおよび
実際の会議での議論を経て、コンセンサスを得るという大きな流れは、他の
RIRにおけるIPアドレスポリシー策定プロセスと同じです。

今回の会議では、IPアドレスポリシーを議論する場として、1時間半のセッ
ションが4日間に渡り、合計5セッション設けられました。そこで行われた議論
の内容を、以下に報告いたします。


■IPv4アドレス消費に関するパネルディスカッション

最近注目を浴びているIPv4アドレス枯渇問題ですが、LACNICミーティングで
も、この問題と議論の内容を紹介するパネルディスカッションが行われまし
た。私もパネリストの一人として招かれ、最新のIPv4アドレス枯渇予想や、こ
の問題に対応するためのアドレスポリシーが、各地域で議論されていることな
どを紹介しました。

パネリストと会場のいずれからも「IPv4アドレス枯渇に対する長期的かつ根本
的な解は、IPv6の利用であるという」コメントが聞かれ、IPv6の普及に向け
て、レジストリやコミュニティがやるべきことを早急に検討する必要がある、
ということが確認されました。


■ポリシー提案

今回のミーティングで議論された、IPアドレスポリシー提案の概要と結果を、
以下にご紹介いたします。

●IPv4アドレス関連

(1) IPv4アドレスの枯渇に向けたポリシー

前回のAPNICミーティング(APNIC23)、ARINミーティング(ARIN XIX)、RIPEミー
ティング(RIPE 54)で提案されたものと同じ内容で、以下の四つの要素からな
るものです。

・IPv4アドレスの枯渇に対しては世界的に調整の上取り組みを進める
・延命のためのルール変更は行わない
・分配済みアドレスの回収は別の議論とする
・割り振り終了日を前もって決めた上で周知する

会場では、「割り振り終了日を決めてしまうと駆け込み申請が起きてしまうの
ではないか」「RIRに未割り振りアドレスがある限りは割り振りを続けるべ
き」などのコメントが出て、コンセンサスには至らずMLで継続議論することと
なりました。


(2) IANAからRIRへのIPv4アドレスの最終割り振りに関するポリシー

IANAにおける/8の在庫が25個になった時点で、その25個を5個ずつ、五つのRIR
へ割り振ってIANAからRIRへのIPv4割り振りを終了するという提案です。IANA
からRIRへの割り振りポリシーは「グローバルポリシー」と呼ばれ、全RIRの
ミーティングでコンセンサスを得た後、さらにICANN理事会の承認を得る必要
があります。

会場では、「25個もの/8を一度に割り振り切ってしまうのは乱暴ではないか」
「一律に5個ずつではなく、人口比で分けてはどうか」等のコメントが出まし
たが、細かい数値は他RIRの議論を反映して修正し、再度ミーティングでコン
センサスを得るものとする条件付きでコンセンサスとなり、45日間の最終コメ
ント期間(Last Call)に付されることとなりました。


(3) マルチキャストアドレスのRIRからの割り当て

現在、IANAで行っているマルチキャストアドレスの割り当てを、RIRから行う
ように変更するという提案です。賛否両論ありましたが、提案者が自ら、今後
さらに議論することを望んだため、MLで継続議論されることとなりました。



●IPv6アドレス関連

(4) IPv6プロバイダ非依存(PI)アドレスの割り当て

IPv4のPIアドレス割り当て要件を満たしていれば、IPv6のPIアドレス(/48)に
ついても、割り当てを受けることができるとする提案です。ARINやAPNICで
は、既にPIアドレスの割り当てを認めるポリシーが施行されていますが、割り
当ての要件をもう少し明確に記述する必要がある等のコメントが出てコンセン
サスに至らず、MLでさらに議論することとなりました。


(5) IPv6アドレスにおける2回目の割り振り(初回の追加割り振り)を受ける要
    件の変更

IPv6アドレスの初期割り振りを受けた組織が、初めての追加割り振りを受ける
とき、初期割り振りで受けたアドレスを6ヶ月以内に返却する場合に限り、追
加割り振り要件ではなく、初期割り振りの要件を適用して、割り振りアドレス
のサイズを決定する、という提案です。

現在のポリシーでは、それまでに受けた総アドレス量と同じだけのサイズが、
追加割り振りとして割り振られますが、この提案では、より多くのアドレスの
割り振りを受けることが可能となります。

この提案はコンセンサスに至り、Last Callに付されることとなりました。


(6) 同一サイトへ複数の/48を割り当てる際の審議不要化

現在のポリシーでは、同一サイトへ複数の/48を割り当てる際には、RIR/NIRに
対し審議申請を行うことを求めていますが、これを不要とする提案です。
APNIC、ARINでは却下となった提案ですが、ミーティングでは特に反対は無く
コンセンサスに至り、Last Callに付されることとなりました。


(7) IPv6アドレスポリシー文書からの「暫定的」という言葉の削除

現在のポリシーでは「このポリシーは暫定的(Interim)であるものとしてみな
され、将来IPv6の運用に関するより幅広い経験に従って見直される」という記
述がありますが、既にIPv6の運用の経験は十分蓄積されたとの理由で、この部
分を削除するという提案です。先のARINミーティングではコンセンサスとなっ
た提案ですが、今回のLACNICミーティングでもコンセンサスとなり、Last 
Callに付されることになりました。


(8) IPv6アドレス広報に関するポリシー変更

現在のポリシーでは、割り振りを受けたIPv6アドレスは、集成して一つのブ
ロックとして広報することという記述がありますが、トラフィックコントロー
ルのためにいくつかのブロックに分けて広報するニーズがあることから、この
要件を削除しようとする提案です。

ミーティングでは、この要件の削除に関して否定的なコメントが複数なされた
こともあり、MLで継続議論することとなりました。


(9) IPv6アドレス初期割り振り要件の変更

現在のポリシーではエンドサイトへの割り振りを認めていませんが、エンドサ
イト内で/48を割り当てる計画があれば、割り振りを認めるという提案です。

ミーティングでは特に反対も無くコンセンサスに至り、Last Callに付される
こととなりました。


(10) IPv6ユニークローカルアドレス割り当てに関する提案

現在、IETFでも議論されているIPv6ユニークローカルアドレスの割り当てを、
RIRで行うという提案です。現時点では、このアドレスに関するRFC自体が成立
していないこともあり、今後も継続して議論するという結論になっています。


●その他のポリシー

(11) IANAからRIRへのAS番号割り振りポリシー

このポリシーも「グローバルポリシー」として提案されているもので、IANAか
らRIRへは、1,024個単位でAS番号を割り振ることを定めるポリシーです。提案
者からは、現在取られている割り振り方法を明文化するものだという説明があ
り、IANAの担当者からも同様のコメントがありました。

この提案に関しては特に反対のコメントは無く、コンセンサスとしてLast 
Callに付されることとなりました。


LACNICミーティングは年一回開催のため、次回は2008年5月の開催(場所は未
定)となります。


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