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/P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.479【特別号】2007.8.27 ◆
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┃ JPNICはIPv4在庫枯渇の問題に取り組んでいます ┃
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◆ IPv4アドレス在庫枯渇関連レポート [第2回]
~IPv4アドレス在庫枯渇に関係するアドレスポリシー提案~
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IPv4アドレス在庫枯渇関連レポート第1回(*)では、主にこの問題に関して
JPNICが発足させたワーキンググループ(WG)での議論の概要をご紹介いたしま
した。今回は各RIRに続々と提出されている、IPv4アドレス在庫枯渇に関係す
るアドレスポリシー提案についてご紹介いたします。ここでは、直接的に在庫
枯渇対応をうたっていなくても、IPアドレスの回収など間接的に在庫枯渇対応
に関係すると思えるものまで幅広く取り上げました。
(*)JPNIC News & Views vol.474 IPv4アドレス在庫枯渇関連レポート [第1回]
http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2007/vol474.html
◆ APNICミーティング(2007/09/03~2007/09/07)への提案
(1) 残存IPv4アドレスのIANAからRIRへの割り振りポリシー(LACNIC)
LACNIC地域の有志からの提案で、概要は以下の通りです。
- IANAの在庫が/8 25個となったタイミングで各RIRに/8 5個ずつを分配し、
IANAからの分配を終了する。
本提案は既にLACNICではコンセンサスを得ており、APNICが本提案を議論する2
番目のRIRとなります。
(2) 残存IPv4アドレスのIANAからRIRへの割り振りポリシー(JPNIC)
JPNICが発足させたアドレス管理政策のWGが作成した提案です。内容は前回も
ご紹介いたしましたが、概要は以下の3点となります。
- IANAの在庫が/8 5個となったタイミングで各RIRに/8 1個ずつを分配し、
IANAからの分配を終了する。
- 各RIRは事前にこの分配終了期日を公式に予測し公開する。この予測につ
いては、常にアップデートする。
- この分配終了期日以降の、RIRからLIRに対する分配に関するポリシーは
各RIRに委ね、各地域の事情に応じて制定する。
(1)と(2)の提案内容が類似していることから、議論の方向次第ではこの二つの
提案の中間解的なものに今後修正される可能性もあります。
(3) APNICにおけるIPv4アドレスの移管ポリシー
現在原則として認めていないIPアドレスの移管を、ある一定の条件を満たすこ
とを条件に、APNICが正式に移管を認めるというものです。
これは、今後、IPv4アドレスの在庫が少なくなっていくに従って起こる可能性
のあるIPv4アドレスの譲渡を、APNICのアドレス管理ルールの下で可能とし、
その譲渡をAPNICが把握できるようにするための提案です。
条件は以下の通りです。
- 移管元、移管先ともにAPNICのアカウントを持っていること。
- 移管の最小単位は/24である。
また、移管を行う場合は以下の条件が適用されます。
- 移管後のアドレスは「歴史的経緯を持つ」アドレスを含め、全てAPNICポ
リシーが適用され、課金される。
- 移管元は、移管を行ってから2年間はAPNICから追加割り振り、割り当てを
受けることができない。2年経過後も、追加申請が必要な理由の説明が必
要である。
- 移管元、移管先、移管日、移管されたアドレス空間はAPNICによって公開
される。
- 移管に際しては手数料が発生する。
(4) 240.0.0.0/4(クラスE)のプライベートアドレスへの転用
これは正確にはRIRへの提案ではなく、IETFへインターネットドラフトとして
提出されているもので、今回参考としてプレゼンテーションが行われるもので
す。表題の通り、現在使われていない240.0.0.0/4の空間を、大規模プライ
ベートアドレス空間として転用してはどうかというものです。
◆ ARINミーティング(2007/10/17~2007/10/19)への提案
(5) 歴史的PIアドレスの逆引きDNS委譲を停止
2009年6月30日以降、ARINと覚書を締結していない組織に割り当てられた歴史
的PIアドレスの逆引きDNSレコードを順次削除し、2009年12月31日までに削除
を完了させるという提案です。歴史的PIアドレスの割り当て先明確化をめざす
ものです。
(6) ARINによるIPアドレス利用状況の調査
ARINにLIRのIPアドレス利用状況を任意に調査する権限を与え、ポリシーで定
められている利用率を著しく下回る利用しかしていない場合、IPアドレスを返
却させることを定めるものです。
(7) 歴史的PIアドレスの返却推奨提案
歴史的PIアドレスを一部もしくは全部返却した者は以下の特典を得ることがで
きるとする提案であり、歴史的PIアドレスの返却推進を目的としています。
- 一部返却後のサイズと同等の集約されたアドレスへのリナンバが可能。
- 現在課金されていない場合、引き続き課金対象から除外する。
- 現在課金されている場合、年間のIPアドレス維持料を減額する。
- IPv6の割り振りを受ける場合、5年間課金が免除される。
(8) IPv4ソフトランディングポリシー
IPv6への円滑な移行を図るため、IANAのIPv4アドレス在庫が減少するに従い、
LIRへのIPv4割り振り要件を順次厳しくしていくというものです。IANAにおけ
る/8の在庫がそれぞれ40、25、10を切った時で三つのフェーズに分けられてお
り、最も厳しいケース(10を切った時)の要件は以下のように提案されていま
す。
- IPv6の移行計画に関する調査に対し回答すること。
- 過去に割り振りを受けたアドレスの100%を効率的に使っていること、かつ、
直近に割り振りを受けたアドレスの90%を使用していること。
- 割り当てを行う場合、その割り当ての75%を直後に、90%を1年後に使うこ
と。
- 自社インフラに使用しているグローバルアドレスのプライベートアドレス
もしくはIPv6への移行計画を提示すること。移行不可の場合、その理由を
提示すること。
- IPv6インフラおよび接続サービスを提供していること。
(9) 残存IPv4アドレスの割り振り量制限
IPv4アドレスが今後10年在庫が保つよう、ARINのIPv4アドレス在庫残に応じて
IPv4アドレスの分配量を制限するというものです。IPアドレスの返却があった
場合は、その返却量に応じて分配量も再計算されます。
このほか、上記で紹介した(1)、(2)の提案がARINにも提出されています。
JPNICでは、APNICミーティングをはじめとする各RIRでの議論への積極的な参
加、各地域の動向の把握、日本の皆様へのフィードバックを行っていきます。
お気づきの点がありましたら、本件お問い合わせ窓口、
ipv4exh-comment@nic.ad.jpまでお知らせください。
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わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
IPv4アドレス在庫枯渇関連のQ&Aは特集ページをご覧ください。
http://www.nic.ad.jp/ja/ip/ipv4pool/
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