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    /P▲         ◆ JPNIC News & Views vol.501【臨時号】2007.12.7 ◆
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◆ News & Views vol.501 です
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2007年10月末~11月初頭にかけて、ロサンゼルスでICANN会議が開催されまし
たが、この会議を受けた恒例の「第20回ICANN報告会」が開催されました。
本号では、そのレポートをお届けします。

なお、伊藤穰一氏は、本報告会にICANN理事としてご講演いただくのは最後と
いうこともあり、参加者から多くの感謝の意が表されていたのが印象的でし
た。

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◆ 第20回ICANN報告会レポート
                                JPNIC インターネット推進部  高山由香利
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2007年11月27日(火)、秋葉原コンベンションホール(東京都千代田区)にて、
JPNICと財団法人インターネット協会(IAjapan)の共催で第20回ICANN報告会を
開催しました。以下に、報告会の内容をご紹介します。


◆ICANNロサンゼルス会議概要報告

筆者であるJPNICの高山より、ICANNロサンゼルス会議(2007年10月27日~11月2
日)の概要を報告しました。本会合でのトピックであった、WHOISに関するPDP
(*1)、新gTLD導入に関するPDP、IDN(*2)の進捗、ドメイン名テイスティングへ
の対応、役員人事について等が主な内容となります。

主なトピックの内容は、vol.498(*1)で報告したため本稿では割愛します。

(*1) Policy Development Process:ポリシー策定プロセス

(*2) Internationalized Domain Name:国際化ドメイン名
     http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glos-ka.html#12-kokusaikadomainmei

(*3) JPNIC News & Views vol.498 [特集]ICANNロサンゼルス会議報告
     http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2007/vol498.html


◆ICANNアドレス支持組織(ASO)報告 ~IPv4アドレス枯渇に関する議論~

JPNICの穂坂より、ロサンゼルス会議で開催されたASOワークショップの様子
や、ASO、RIRでの議論の動向をご報告しました。

ASOワークショップでは、IPv4アドレスの在庫枯渇が主なテーマとなり、在庫
枯渇の状況や、関連するIPアドレスポリシーの策定プロセス等についての説明
とディスカッションが行われたとのことです。技術的な専門用語が飛び交う議
論であったため、一般ユーザーも理解できるような内容にするよう努めてほし
い、とのコメントもあったようですが、IPv4アドレス在庫枯渇関連の問題意識
はICANNの場でも浸透してきたようで、多くの場で議論されるようになったと
の印象が伝えられました。

IPv4アドレス在庫枯渇にまつわる問題は、IPアドレスポリシーの策定、IPv4ア
ドレスの回収再利用、IPv6の採用等だけでは解決できるものではなく、乗り越
えるべき課題は未だ多くあるとのことでした。JPNICでもこの問題に取り組ん
でおり、「IPv4アドレスの在庫枯渇に関して(*4)」のページで関連する情報を
定期的に発信していますので、ご参照ください。

(*4) IPv4アドレスの在庫枯渇に関して
     http://www.nic.ad.jp/ja/ip/ipv4pool/


◆IDN ccTLDの検討状況

IDN ccTLD導入に向けた検討状況について、株式会社日本レジストリサービス
の堀田博文氏よりご報告いただきました。

現在利用されているccTLDには、ISO 3166-1で定めているASCIIの2文字を一律
そのまま用いていますが、今後新たなccTLDを導入していこうとすると、ICANN 
の場において文字列をリスト化する作業が必要となります。ICANNの場でポリ
シーを策定するためにはPDPを経ることになりますが、PDPでISO 3166-1に対応
したIDN ccTLDを策定しようとすると、政治的な問題等も絡んだポリシー調整
が必要になると考えられ、最初のIDN ccTLD導入までに2~7年程度かかるとも
言われています。

しかしながら、IDN ccTLDの早期導入を切実に願うコミュニティが少なからず
あるため、その要望に応えるべく、ccNSOを中心として、正式なプロセスとな
るPDPとは別に、安全に混乱の無い範囲で早期導入を可能とする暫定的なポリ
シーを策定し、1年余りで限定的なIDN ccTLDを導入することを目的として、
並行して検討を行っています。

堀田氏からは、日本語.jpのサービスを提供されてきたこれまでの経験に基づ
き、利用環境が整えば日本語のTLDへの需要は見込めるのではないかとの見解
が示されました。ccTLDとgTLDはともに、2008年第4四半期にはIDN TLDの創設
提案の受け付けを開始するとも言われており、日本のコミュニティにおいて
IDN ccTLDの導入について議論される日は遠くないのではないかと思います。


◆ドメイン名の "Front Running" について

JPNIC理事の丸山より、GNSOの議論の中で興味深かったトピックの一つとし
て、ドメイン名のFront Runningについてお知らせしました。

「ドメイン名のFront Running」とは耳慣れない言葉かと思います。例えば、
あるドメイン名を登録しようとしてWHOISを検索したところ、未登録の状態で
あることが確認できたものの、その数日後に当該ドメイン名を登録しようとし
たところ、既に登録済みであることが判明した、というような状況を経験した
方はいらっしゃるでしょうか。この例のように、ドメイン名を登録しようとす
る人が登録可能性をWHOISでチェックすると、第三者がその検索結果をモニタ
リングして、先行してドメイン名を登録してしまう行為が行われているのでは
ないかと疑われているのです。そうした行為は、証券取引の世界で言われる
「フロントランニング(*5)」の状況と似ていることから、このように言われて
います。

ロサンゼルス会議の直前にSSAC(*6)より提出された報告書(*7)では、ドメイン
名のFront Runningについては確たる証拠が無く、実際に行われていると断言
はしていません。しかしながら、現状ではWHOISの検索結果が漏洩する可能性
は残念ながらあり、苦情が寄せられたり疑念を持たれているという状況は、ド
メイン名事業に対する信頼感を失わせているとされています。SSACではドメイ
ン名のFront Runningについてさらに研究を進めるために、事例の提供を求め
ています。

(*5) フロントランニング(株式会社東京証券取引所グループの証券用語の説明
     より)
     「証券会社またはその役職員が、顧客から有価証券の売買の委託等を受
       けた場合、その売買を成立させる前に、自己の計算において同一銘柄
       の売買を成立させることを目的として、顧客の注文より有利な価格
       (同一価格を含む)で有価証券の売買を行うことをいい、証券取引法で
       禁止されています。」
     http://www.tse.or.jp/glossary/gloss_h/hu_frontrunning.html

(*6) Security and Stability Advisory Committee
     http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glos-kz.html#03-ssac

(*7) Domain Name Front Running (20 October 2007)
     http://www.icann.org/committees/security/sac022.pdf
     P.9~P.10に、事例提供をする際の報告要領が記されています


◆ICANN At-Large諮問委員会(ALAC)報告

財団法人ハイパーネットワーク社会研究所の会津泉氏より、At-Large諮問委員
会(ALAC)の活動報告がありました。

ALACでは、委員メンバー15名中13名が入れ替わったことにより、議論を進める
前に進め方の確認から行う必要があったり、活動方針についてICANNスタッフ
と認識のずれがある等の不安定要素を抱えつつも、ポリシー分野への取り組み
を進めていることが報告されました。

特に、IPv4在庫枯渇に関しては、「IPv4枯渇とIPv6移行に関するコメント」を
提出し、ALACとしてはこれまでRIRが行ってきた取り組みを尊重し、これから
の活動に対し、より積極的に参加していく意向であることが伝えられました。

2007年11月12日から15日まで、ブラジルのリオデジャネイロで開催された第2
回インターネットガバナンスフォーラム(IGF: The Internet Governance 
Forum) (*8)では、JPNICが共催団体の一つとして参画したIPv4在庫枯渇とIPv6移行
に関するワークショップに会津氏も共催団体の代表として参加されたため、そ
の際の様子も報告いただきました。ワークショップでは、IPv4在庫枯渇に関す
る問題の概要のみならず、日本政府の取り組みも紹介し、多くの聴衆が関心を
寄せていたとのことです。

(*8) JPNIC News & Views vol.500 [特集]IGFリオデジャネイロ会合報告
     http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2007/vol500.html



◆ICANN政府諮問委員会(GAC)報告

総務省の柳島智氏より、政府諮問委員会(GAC)での議論の様子について報告が
ありました。

GACでも、IDN ccTLD導入について引き続き検討が進められており、今回の会議
でも考慮すべき検討課題について意見交換が行われたとのことです。文字列や
運用者等は各国政府の決定に従うべきとの基本的考えに基づき、さらに検討を
重ね2008年6月のパリ会議にてGACの考えを取りまとめる予定であること、また
早期導入を実現するための暫定的措置については支持をしており、新gTLD創設
の際に国名と紛らわしい文字列が申請された場合には、必要に応じて申し入れ
をしていくことで合意されたことが伝えられました。

WHOISと各国のプライバシー保護法規との齟齬への対処については、各国の事
情が異なる中で統一的な手続きを策定することは現実的ではないため、個別の
問題は関係国政府に照会されるべきとの考えを表明したとのことです。WHOIS 
データの利用と悪用の実態調査をICANNに対し再度申し入れたということで、
今後のWHOISの議論にも反映されることと思われます。

GACに参加する政府関係者は、電気通信関連の担当である場合もあれば外交担
当の場合もあるなどバックグラウンドが異なるため、IPv4在庫枯渇とIPv6の導
入の話題については捉え方に温度差があったようですが、2008年度の優先検討
課題の一つとして認識されるまでになったそうです。総務省としては、2008年
3月にアクションプランを提出する予定であることが伝えられました。


◆ICANN理事からの報告

株式会社ネオテニーの伊藤穰一氏は、ロサンゼルス会議をもってICANN理事の
任期を終え退任されました。理事の立場で関わるICANNを報告いただく最後の
機会となり、これまでの3年間を振り返り経験談をお話しいただきました。

ICANN理事を務めるためには、会議出席や厖大な資料の読み込みなどに多くの
時間を要し、年の1/4から1/3の時間をICANNの活動に投じているとのことで、
本業とのバランスを保つことが大変難しい様子が窺えました。特に、指名委員
会選出理事となると、ICANNが直接的に関係する業界に対して中立的な立場の
人を選出しようとするため、選出されたメンバーからすると自身の出身組織と
ICANNとの関わりが薄く、ボランティアのような性質になりがちとのことで
す。理事メンバーのモチベーションを維持するためには、ワークロードとリ
ターンのバランスを考えていくことが課題の一つとして考えられるとの見解を
示されていました。会場からは、伊藤氏のこれまでの功績に対して拍手をもっ
て感謝の意が表され、今後、伊藤氏の報告が聞けなくなることを残念がる声も
聞かれました。

ICANNは、予算規模が年々膨らんでいることからも分かる通り、組織として肥
大化しており、機動力の低下が懸念点として指摘されています。そのような状
況において、時にラディカルな意見も投じていた伊藤氏を失うのは惜しいこと
だと思います。


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       わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
            http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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 JPNIC News & Views vol.501 【臨時号】

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