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    /P▲         ◆ JPNIC News & Views vol.607【臨時号】2008.12.26 ◆
  _/NIC
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◆ News & Views vol.607 です
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本号では、2008年12月3日から6日までインドのハイデラバードで開催された、
IGF会合の報告をお届けします。

なお、このvol.607が2008年最後の発行となります。
本年もご愛読いただきありがとうございました。

これからも読者のみなさまに喜んでいただけるテーマを取り上げていくように
努力してまいりますので、2009年も引き続きJPNIC News & Viewsをよろしくお
願いいたします。

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◆ IGFハイデラバード会合報告
                                             JPNIC IP事業部長 前村昌紀
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今年で第3回となるインターネットガバナンスフォーラム(IGF)が、2008年12月
3日(水)から12月6日(木)まで、インドのハイデラバードで開催されました。

IGF自体がどういうものであるか、現在までの流れに関しては、第1回アテネ会
合、第2回リオデジャネイロ会合に関する、メールマガジンの記事(*1)をご覧
ください。

(*1) JPNIC News & Views vol.408 IGFアテネ会合報告
     http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2006/vol408.html

     JPNIC News & Views vol.421 IGFを振り返る
     http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2006/vol421.html

     JPNIC News & Views vol.500 IGFリオデジャネイロ会合報告
     http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2007/vol500.html


今回のハイデラバード会合は、会期直前の11月26日にムンバイで発生した同時
多発テロの影響で、波乱含みでした。オープニングセッションはテロ被害者へ
の黙祷で始まり、全てのスピーチは被害者に対するお悔やみから始まりまし
た。

日本では多くの企業が社員のインドへの渡航を禁止したため、日本からの参加
予定者の半数以上が出席を取りやめました。欧米からの出席取りやめも少なく
なく、セッション主催者が直前に登壇者の再調整を行っている姿も目立ちまし
たが、全体としてみますと、公式発表による参加者数は94ヶ国から1,280名と
例年並みの水準でした。会場となったHICC - Hyderabad International 
Convention Centreは街中の雑踏が嘘のようで、最新の施設に国連主催会議独
特の厳重な警戒で、テロの危険を感じることはありませんでした。

会議は、一つのメインセッションと複数のワークショップが同時に進行する形
式で進みました。これは過去のIGFと同様です。一方で、メインセッションの
形式は大きく変わりました。

第1回、第2回は、主要テーマ(第2回では五つ。開放性、セキュリティ、多様
性、アクセス、重要インターネット資源)ごとに1セッションで完結するように
構成されていましたが、今回は、午前中をパネルディスカッションとして、パ
ネリストによる発表とパネルの中での議論を中心としたセッションを配置し、
午後はオープンダイアログと称して、午前中のパネルディスカッションで得た
共通認識を前提に、フロアからの意見を数多く集める形式を取りました。

2008 IGF:Hyderabad Programme
http://www.intgovforum.org/cms/index.php/hyderabadprogramme


第1回会合では、パネリスト、聴衆ともに短く簡潔な意見を多数取り上げるよ
うに、モデレータによって注意深くコントロールされている感じがありました
が、今回はもう少しラフな、インターネット系の会合で見慣れた感じとなりま
した。

ワークショップは数が多く、同時に8セッションが並行して開催されるため、
一人で全体像をつかむことは不可能です。私は、重要インターネット資源
(Critical Internet Resource)に関するセッションを選んで見ていくことにし
ました。重要インターネット資源というテーマの下には、IPアドレス、特に
IPv6とIPv4アドレス在庫枯渇の問題、ドメイン名管理、ICANN体制自体といっ
た内容のセッションが並んでいます。

「IPv4からIPv6への移行 Transition from IPv4 to IPv6 」と題されたメイン
セッションには、総務省データ通信課の柳島智企画官が登壇され、総務省研究
会(*2)や、IPv4アドレス枯渇対応タスクフォースなどの取り組みの紹介があり
ました。今までこういうセッションでは、IPv6対応において進んでいる組織が
その対応状況を自慢げに語るか、逆にIPv6対応の難しさを嘆くかの両極端の論
調ばかりが目立っていた感じがありますが、スウェーデンのIXであるNetnod
(http://www.netnod.se/)のKurtis Lindqvist氏、Nokia Siemens社のJonne 
Soininen氏などヨーロッパからの登壇者は、IPv4アドレス在庫枯渇を現実問題
として捉え、どう解決するべきなのかという観点から、IPv6を真剣に考えてい
ることが伺えました。

(*2) インターネットの円滑なIPv6移行に関する調査研究会
     http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/chousa/ipv6/


ICANN体制自体に関しては、ICANNと米国商務省との間のJoint Project 
Agreement(JPA)に関するワークショップが開催されました。ここが正に、WSIS
(世界情報サミット)(*3)で大論争となったテーマであるわけですが、米国政府
の関与に反対意見を示す人はいるものの、紛糾には至らず淡々とセッションが
進んでいきました。

(*3) JPNIC News & Views vol.316 [特集] 世界情報社会サミット(WSIS)報告
     http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2005/vol316.html


最後に、全体を通して印象に残ったことを述べます。

IGFに関して、いくつかの地域ではリージョナルなIGFを組織する動きがあるよ
うです。活発な例が英国のUK IGF(http://www.ukigf.org.uk/)で、国会議員ま
でこれに関与し、今回数名の国会議員がハイデラバード会合に参加するととも
に、フロアから積極的に意見を述べていました。

サイバーセキュリティやグリーンITなど、新たなテーマを付け加えつつも、大
枠としては3年間同じような議論が繰り返されている感じもします。ワーク
ショップは背景説明に終始しているものもあり、IGFが設定した壮大なテーマ
に対する進捗の難しさを感じます。

一方で、チュニスアジェンダによって設定されたIGFの活動期間は5年間であ
り、3年目となる今回は折り返し地点となるため、依然試行錯誤は続いている
ものの、2年後の着地点を意識するような発言も複数見受けられました。これ
からの2年間は、ICANNのJPA満了と合わせて、注視が必要です。


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       わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
            http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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 JPNIC News & Views vol.607 【臨時号】

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