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    /P▲         ◆ JPNIC News & Views vol.619【臨時号】2009.2.25 ◆
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◆ News & Views vol.619 です
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本号では、2009年1月に高知で開催されたJPNICオープンポリシーミーティング
ショーケース、ならびに2月に東京で行われた臨時JPNICオープンポリシーミー
ティングの報告をお届けします。

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◆ JPOPMショーケース・臨時JPOPMレポート
                                                JPNIC IP事業部  奥谷泉
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本稿では、2009年1月21日に高知にて開催されたJPNICオープンポリシーミー
ティング(以下「JPOPM」)ショーケース、および2009年2月10日に東京にて開催
した臨時JPOPMについてご紹介します。

まずはじめに、それぞれのミーティングの特徴について簡単にご説明します。
「JPOPM」というのは、アドレスに関するポリシー(アドレス管理に関する方
針・ルール)について、議論を重ね、日本での意見を集約しようとする場です。
その中で、「臨時」に開かれるJPOPMというのは、定期的に開催されるJPOPM
以外に、ポリシーワーキンググループチェアのその時々の判断で重要な案件の
ある際に、臨時に開催されるミーティングとなります。

一方、「JPOPMショーケース」は、インターネットの運用に関わるアドレスポ
リシーの最新動向について、特にインターネットのオペレーターに、(議論に
至る前の)理解を深めていただくこと目的として、開催しています。


■JPOPMショーケースについて

今回は、2009年2月にマニラで開催される第27回APNICオープンポリシーミー
ティング(以下「APNIC27ミーティング」)において、IPv4アドレスの移転に関
する提案が注目すべき議題としてあがっていることから、JPOPMショーケース、
臨時JPOPMともに、この提案を中心に議論を行うかたちで企画されました。

「IPv4アドレスの移転に関する提案」について簡単におさらいします。IPv4ア
ドレス在庫枯渇後、引き続き発生するIPv4アドレスへの需要に対応するため、
分配済みのアドレスを互いに融通し合う動きが生じることが想定されています。
しかしルールなしにこうした行為が勝手に行われると、インターネットへの接
続にあたり、数多くの不具合が発生する可能性があります。そういった事態を
防ぐため、APNICまたはJPNICとの契約関係に基づき、IPv4アドレスの分配を受
けた組織間でIPv4アドレスを移転、すなわち譲り合うことをポリシーでも認め
ようとする提案です。APNIC地域では2007年9月より議論が進められ、2009年
2月、マニラで開催されるAPNIC27ミーティングでは、それぞれ趣旨は共通して
いるものの、Geoff Huston氏とRandy Bush氏 & Philip Smith氏という2組の提
案者により、移転の要件が若干異なった提案が提出されています。

JPOPMショーケースは、高知でのJANOG23の前日に同じ会場(高知県民文化ホー
ル)での開催ということで、オペレーターの視点から、移転アドレスを実際に
ネットワークで使うにあたってどういう点を検討しなければいけないのかとい
う観点で、IPv4アドレス移転について議論を行っていただきました。参加者は、
約40名程度でした。

プログラムは以下の通りです。

・イントロ:「アドレスポリシーってなに?オペレーションにどう関わるの?」
・ディスカッション:「IPv4アドレスの移転 ~オペレーターの視点から~」
・アドレスポリシー最新動向
  -4バイトAS番号への移行に向けての提案
  -IPv4アドレスの在庫枯渇に向けての提案
  -アドレスポリシー策定の仕組み  等

このうち「IPv4アドレス移転~オペレーターの視点から~」のディスカッ
ションでは、焦点が2点に絞られ、移転時におけるアドレスの「正しさ」の確
認(移転されるアドレスが正当なものであるのか)、またアドレスの「きれいさ」
の確認(経路フィルタリングリストやブラックリストに載っていないか等)が必
要であるとの指摘がありました。

アドレスの正しさの確認については、RPKI(リソース証明書)が、レジストリが
認めているアドレスであることを示す証明書として利用されればその答えにな
るだろうとの意見があり、大きな異論は表明されませんでした。もう一つの論
点であったアドレスのきれいさの確認については、どこまでレジストリに対応
を求め、どこまでオペレーターが確認を行うのかも議論となり、その点の切り
分けを行った上で、レジストリに求めるものを明らかにしたほうがいいとの意
見も表明されました。レジストリに求めるものとしては、Webページ等でのアド
レス履歴が妥当なところではないかという意見が出ました。

また、提案に関するその他検討要素として、移転サイズ、移転時のアドレス需
要確認、APNIC地域だけに閉じず、他のRIR地域との移転も認めるべきかどうか
について、会場の参加者に挙手による意思表明をしていただきました。結果は
以下の通りです。

・移転の最小単位について
    /24にする                     :17名
    最小割り振りサイズに合わせる  :16名
    定義する必要はない            : 5名

・投機目的を防止する対策がポリシーに必要か?
    必要                          :24名
    不要                          :10名

・APNIC地域だけに閉じずに他のRIR間の移転も認めるべきか?
    認めるべき                    :31名
    認めない(AP地域内のみ認める)  : 4名

以上のように、JPOPMショーケースでは、RIR間の移転は認めるべきということ
について、はっきりとした支持が確認されました。また、移転が円滑に行われ
るためには、アドレスの正しさとアドレスのきれいさを確認する手段の確立が
必要であるということで議論を終えました。移転単位と投機目的の防止対策に
ついては賛否両論があるという結果となりました。

当日のプログラムと資料は、以下のURLよりご覧ください。

  □当日のプログラム・資料
    http://venus.gr.jp/opf-jp/events/showcase2/


■臨時JPOPMについて

JPOPMショーケースの3週間後、東京KKRホテルにて開催された臨時JPOPMでは、
約60名の方にご参加いただいて、IPv4アドレス移転提案以外のAPNIC27ミー
ティングでのポリシー提案も合わせて議論を行い、それぞれに対して挙手によ
る参加者の意思確認を行いました。今回は提案数としては7点あり、うち3点が
IPv4アドレスの移転に関するもの、2点が前回からの継続議論、そして残り2点
が新規の提案でした。

各提案の一覧はこちらをご覧ください。
 http://venus.gr.jp/opf-jp/apnic/apnic27/

IPv4アドレスの移転提案について、臨時JPOPMではAPNIC27ミーティングにて移
転提案で定義されている個々の要件に対して包括的に国内の意見を述べられる
よう、以下のポイントに絞ってディスカッションを進めていきました。

  ・移転サイズ(/24か、あるいは最小割り振りサイズかPI割り当てサイズに合
               わせるのか)
  ・アドレス審議(移転時に審議を行うべきか)
  ・移転範囲(RIR間の移転を認めるべきか、NIRも対象に含めたいか)
  ・「アドレスの正しさ」の証明方法
  ・「アドレスのきれいさ」の確認方法

後者3点については、JPOPMショーケースでの結果と基本的には同じで、RIR間の
移転を認めることを支持すること、アドレスの「正しさ」「きれいさ」を確認
する手段をレジストリとして提供してほしいということ、そしてアドレスのき
れいさの確認については、基本的には移転者間の自己責任ではあるが、リスク
判断やアドレスを使える状態にするために、過去のアドレス利用者の履歴を残
してほしいという要望が確認されました。

移転サイズ、アドレス審議を行うべきかについては、ディスカッションでは最
小割り振りサイズ/割り当てサイズに合わせる立場からの意見、そして審議は
行う必要がないとの意見が多く表明されていました。しかし、ディスカッ
ション後に挙手による意思確認を行ったところ、移転サイズについては/24が
望ましいと意見が多く、審議の必要性については、必要派と不要派がおおよそ
半々という結果になりました。

まず移転サイズについての議論では、オペレーターを中心に経路増加を防止す
る策を優先すべきであり、経路集約を考慮して最小割り振りサイズ(現在は/22)
またはPI割り当てサイズに合わせることが望ましいとの意見をいただきました。
一方、最小割り振りサイズ等ではアドレスを拠出することが難しく、実情に
合ったサイズとして/24が望ましいという意見も出ていました。挙手数は、/24
支持者34名、最小割り振りサイズ/PI割り当てサイズに合わせることを支持す
る人が13名でした。

審議の必要性については、在庫枯渇後、移転を認めることでこれまでのアドレ
ス管理とは枠組みが異なってしまうため、同じ考えに基づいて審議を行うこと
は必ずしも適切ではないこと、レジストリが移転取り引きの間に入ることは望
ましくない等、移転時に審議を行うべきではないとの意見が議論においては中
心でした。一方、投機目的のアドレス移転申請防止のために、実際にアドレス
需要があるのか確認した上で移転を認めるべきとの意見も表明され、挙手では
審議不要派23名、審議必要派21名という結果でした。

このように個々の要素について包括的に、かつ、特定の案を支持している理由
も合わせてディスカッションを進められたことは、非常に有意義だったと思い
ます。


■最後に

APNIC27ミーティングでは、JPOPMショーケースや臨時JPOPMで出たご意見を取
りまとめ、国内からの要望として紹介する予定です。2008年11月の第15回
JPOPMも合わせて、ここまで議論にお付き合いいただいたみなさんにこの場を
借りてお礼を申し上げるとともに、APNIC27ミーティングでの結果はまた別の
号でご報告いたします。


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       わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
            http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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