メインコンテンツへジャンプする

JPNICはインターネットの円滑な運営を支えるための組織です

ロゴ:JPNIC

WHOIS 検索 サイト内検索 WHOISとは? JPNIC WHOIS Gateway
WHOIS検索 サイト内検索
===================================
    __
    /P▲         ◆ JPNIC News & Views vol.699【臨時号】2009.12.10 ◆
  _/NIC
===================================
---------- PR --------------------------------------------------------
企業の事業所間ネットワークやインターネット接続ならトークネットに。
法人・官公庁向けに13,000回線を超える実績があるサービスの紹介はこちら↓
                       http://www.tohknet.co.jp/
◆○◆○ 東北電力企業グループ 東北インテリジェント通信株式会社 ◆○◆
○◆○◆○◆○◆○◆ 略称:TOHKnet(トークネット)◆○◆○◆○◆○◆○
----------------------------------------------------------------------
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ News & Views vol.699 です
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

2009年11月8日から13日の6日間にわたり、広島市で開催された、第76回IETFの
レポートを、本号より6号連載でお届けします。

まず[第1弾]として、本号では全体会議報告をお送りします。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ 第76回IETF報告 [第1弾]  全体会議報告
                            JPNIC 技術部/インターネット推進部 木村泰司
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆概要

山陽新幹線の改札口を出ると、正面に立っている看板「Welcome -76th IETF
Meeting Hiroshima」の文字が目に入ってきました。ホテルに向かう途中の
アーケードには、IETFミーティング開催の横断幕がかかっています。市内のこ
のような掲示は、私が参加したことのあるIETFミーティングでは見たことがあ
りませんでした。IETFが日本の広島で開催されるという実感とともに、ホスト
であるWIDEプロジェクトの力の入れように驚き始めた開催前夜でした。

第76回IETFミーティングの開催概要は以下の通りです。

       開催期間:2009年11月8日(日)~13日(金)
           会場:ANAクラウンプラザホテル広島
   参加登録者数:1,155名
       参加国数:44ヶ国
         参加費:$635(早期割引料金)、$785(通常料金)、$200(一日料金)
         ホスト:WIDEプロジェクト

全体会議(Plenary)での発表によると、日本からの参加人数は363名と最も多
く、全体の34%を占めていました。米国は304名で27%、中国は99名で9%、続い
てフランス4%、韓国4%という内訳でした(2009年11月10日時点)。

初日の11月8日(日)はチュートリアルとレセプションが開かれ、2日目から最終
日にかけて、各WGのミーティングとBoFが開かれました。

◆Operations and Administration Plenary概要

Operations and Administration Plenaryは、IETFの運営などに関する全体会
議です。3日目の11月11日(水)16:30から3時間程行われました。ホストである
WIDEプロジェクトのプレゼンテーションと、新設されたItojun Service Award
の発表、NOCレポート、IETFチェアの活動報告などが行われました。


○WIDEプロジェクトのホストプレゼンテーション

WIDEプロジェクトのプレゼンテーションでは、WIDEプロジェクト代表で、
JPNICの理事でもある村井純氏によって広島市内の広告や、第76回IETFのロゴ
やTシャツのデザイン、RFID(Radio Frequency Identification)の利用実験な
どについて説明が行われました。

会場のホテルが面している平和大通りでは、数多くのイルミネーションが飾ら
れるイベント「ひろしまドリミネーション」が毎年行われていますが、今回は
IETFの開催期間に合わせ、イベントの開始が例年よりも早められたとのことで
した。また、ロゴとIETFで恒例となっているTシャツは、広島市立大学の及川
久男教授によってデザインされたそうです。

RFIDは、以下の二つの実験で使われました。

   - 発言者の情報表示システム
       マイクの前に立って発言する際、マイクスタンドにかかっているRFID
       リーダーにタグをかざすと、発言者の氏名などがスクリーンに表示さ
       れます。タグは、首から下げる名札入れに入っているため、人によっ
       てはマイクに近づくだけでタグが認識されます。
       議論中に発言者の名前を確認できる他、Jabberや議事メモの作成に役
       立っていました。

   - E-bluesheet

       ブルーシート(Bluesheet)とは、WGなどで参加者自身が記入する形式の
       参加者リストです。今回のIETFでは、ブルーシートに加えてRFIDリー
       ダーが座席にまわってきました。タグをRFIDリーダーにかざすだけで
       よいため、紙に氏名やメールアドレスを記入するよりも楽になってい
       ます。

RFIDタグは、1,121名中、889名によって使用されました(2009年11月10日時
点)。RFIDの利用実験で印象的だったのは、その運用とサポートです。RFIDタ
グは、ユーザーが登録しなければ有効にならないオプトインの形で配布され、
また意図せずに他人に読み取られるのを防ぐ、"スキミングプロテクション"
カードも一緒に配布されていました。会場にはヘルプデスクが設けられ、常時
スタッフが対応できるようになっていました。

この他に、ソーシャルイベントの参加者向けに、「PASPY」と呼ばれるFelica
カードが配布されていました。PASPYは広島市内の交通機関で使えるだけでな
く、平和記念資料館の入場などにも使うことができます。


○Itojun Service Award

Itojun Service Awardは、KAME(*1)の実装などで知られる萩野純一郎氏の功績
をたたえ、萩野氏の家族と有志の寄付を基にして設置された賞です(*2)。この
賞は、インターネットに関わる開発や運用などの技術的貢献を行った人に贈ら
れます。

第1回のItojun Service Awardは、Google社のLorenzo Colitti氏とErik Kline
氏に贈られました。両氏は、GoogleのWebサービスを、IPv6を使って利用でき
るように尽力したことが認められ、受賞に至りました。

(*1) The KAME project
     http://www.kame.net/

(*2) Internet Society (ISOC) - Itojun Service Award
     http://www.isoc.org/itojun/


○NOCレポート

NOCレポートは、IETFのために設置されたネットワークに関する、ネットワー
クオペレーションチームからの報告です。WIDEプロジェクトのメンバーでもあ
る東京大学の加藤朗氏によって行われました。概要は以下の通りです。

   - ネットワークのデザイン

      "Simple but robust"という原則の下、どのネットワークでもIPv4と
      IPv6が使えるようになっていました。

      会場のみならず、会場以外の五つのホテルでもIETFのネットワークが提
      供されました。一般の宿泊客も使えるようになっており、ボトルネック
      になると考えられるNATが介在しない、高速なネットワークが提供され
      ました。

   - ネットワーク回線

      会場のANAクラウンプラザホテル広島は1Gbps、他のホテルは100Mbpsで
      NTT西日本の回線に接続され、その先はSINET、JGN2+、NSPIXP3、JPNAP
      に各々1Gbpsで接続されました。主にAlaxala社とCisco社の機器が使わ
      れました。NSPIXP3とJPNAPから先では、NTTコミュニケーションズ、
      KDDI、IIJの3社によって接続サービスが提供されました。

   - 無線LAN

      これまでのIETFと同様に複数の規格で提供されました。クライアント数
      を以下に示します(2009年11月11日時点)。最大で854クライアントが接
      続しました。

           802.11g: 324     802.11n: 255
           802.11a: 149     802.11b: 10

      会場1階のレストランでは、ガラス張りのワインセラーの中に基地局が
      設置され、カバー範囲を広げるとともに、NOCチームのユーモアが現れ
      ていました。

   - IPv6

      総トラフィックのうち約7%がIPv6でした。これにはGoogleのDNSサーバ
      で、WebサーバのAAAAレコードが返されるような設定変更が会期中に行
      われたことが影響したようです。

今回のネットワークは、特に障害が発生せず大変安定していたことから、IETF
参加者のメーリングリストでNOCチームに感謝する旨のメールが数多く飛び
交っていました。


○IETFチェア報告など

IETFチェアのRuss Housley氏からは、RFCの公開状況などについて報告があり
ました。

   - RFCの作成状況

      前回(IETF-75)以降、RFCは104公開されました。合計で約3,077ページあ
      るそうです。

   - Code Sprint

      ミーティングの前日に、IETFのWebページなどのプログラミングを行う
      セッション"Code Sprint"が今回も行われました。今回は、IETFのコン
      テンツ管理に使われている、Djangoの1.1へのバージョンアップが行わ
      れました。

IAOC(IETF Administrative Oversight Committee)とIAD(IETF Administrative
Director)のレポートは、Bob Hinden氏とRay Pelletir氏によって行われまし
た。

   - 2009年のIETF運営状況

      今のところ参加者数は計画の範囲内ではあるものの、当初予算に比べて
      収入が減りました。一方、会議費における飲料費の低減化を図るなど
      し、支出も減りました。ISOCからの追加補助は不要である見込みです。

   - 2010年の予算

      2010年度の予算が承認されました。IETFミーティングの参加費は635ド
      ルに据え置かれる予定です。


◆Technical Plenary概要

Technical Plenaryは、ミーティング参加者全体で技術的な議論を行う全体会
議(Plenary)です。11月12日(木)の16:30から3時間ほど行われました。

   - IRTF(Internet Research Task Force) Chair's report

      二つのResearch Group(RG)の紹介が行われました。Anti-Spam Research
      Group(ASRG)は、スパム対策のRGで、現在はブラックリスト管理に関す
      るドラフトの作成が行われています。Scalable, Adaptive Multicast
      Research Group(SAMRG)は、複数の方式のマルチキャストに関するRG
      で、"ハイブリッドマルチキャスト"と呼ばれる複数の方式が組み合わさ
      れたマルチキャストの、テストベッドの構築が行われています。

   - IAB(Internet Architecture Board) Chair's report

      逆引きに使われるTLDである「.ARPA」おける署名レコードの提供が計画
      されています。2009年第4四半期に一時的なセットアップが行われ、
      2010年第2四半期にルートゾーンを管理するためのアーキテクチャへの
      組み込みが行われるスケジュールとなっています。


○ドメイン名や識別子の国際化に関する議論

今回のTechnical Plenaryにおける議論のテーマは、ドメイン名や識別子の国
際化(Internationalization in Names and Other Identifiers)です。はじめ
に、アルファベット以外の文字列がドメイン名やパス名で使われるケースを紹
介し、文字列同士の比較やマッピングなどの処理が持つ複雑さが説明されまし
た。

IABでは、ドメイン名と文字列のエンコーディングに関する考察の結果をド
キュメントにまとめる作業が行われています。

会場では、複数のコード体系がある中でbackward compatibility(後方互換性)
を保つにはどうすればいいのかといった疑問が投げかけられたり、誤認しやす
いURLを使ったフィッシングを防ぐためにどうすればいいのか、といった議論
が行われました。

□IAB Thoughts on Encodings for Internationalized Domain Names
  http://tools.ietf.org/html/draft-iab-idn-encoding-01


◆IETFミーティングに合わせて行われたイベント

今回のIETFでは、会期中以下のイベントがありました。いずれもランチの時間
を使ったセッションで、会場のホテルで行われました。

    - ISOC Briefing Panel: "Internet Bandwidth Growth: Dealing with
      Reality" - 11月10日(火)

       近年のさらなる広帯域化の影響と広帯域アプリケーションの影響など
       について、トラフィックの統計をとっている研究者などによるパネル
       ディスカッションが行われました。

    - Challenges to the Future in WIDE Project - 11月12日(木)

       ホストであるWIDEプロジェクトによる最新動向の紹介が行われまし
       た。同プロジェクトの村井純氏、江崎浩氏に加え、パナソニック電工
       株式会社と日本放送協会のスピーカーによる、さまざまなIPの適用場
       面について発表が行われました。


◆今回のIETFについて

今回、ミーティング参加者用のMLのやりとりが、とても活発でした。通常は
"本MLは稼動していますか?"といった質問が投げられることがあるほど静かな
MLですが、今回は、広島への行き方に始まり、市内のサッカー/フットサル場
や、空手道場がどこにあるかといった質問、さらに広島という地名の由来、
RFIDの活用法など、さまざまな情報交換に使われました。質問には、WIDEプロ
ジェクトのメンバーが、一つ一つに丁寧に対応していたのが印象的でした。

                ◆                ◆                ◆

次回の第77回IETFは、2010年3月21日~26日、米国のアナハイムで開催され
る予定です。


     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
       わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
            http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
___________________________________
■■■■■  JPNICの活動はJPNIC会員によって支えられています  ■■■■■
  :::::  会員リスト  :::::  http://www.nic.ad.jp/ja/member/list/
  :::: 会員専用サイト ::::  http://www.nic.ad.jp/member/ (PASSWORD有)
□┓ ━━━  N e w s & V i e w s への会員広告無料掲載実施中 ━━━┏□
┗┛          お問い合わせは  jpnic-news@nic.ad.jp  まで          ┗┛
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
===================================
 JPNIC News & Views vol.699 【臨時号】

 @ 発行         社団法人 日本ネットワークインフォメーションセンター
                 101-0047 東京都千代田区内神田2-3-4 国際興業神田ビル6F
 @ 問い合わせ先   jpnic-news@nic.ad.jp
===================================
___________________________________
           本メールを転載・複製・再配布・引用される際には
       http://www.nic.ad.jp/ja/copyright.html をご確認ください
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
登録・削除・変更   http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/


■■◆                          @ Japan Network Information Center
■■◆                                     @  http://www.nic.ad.jp/
■■

Copyright(C), 2009 Japan Network Information Center
      

このページを評価してください

このWebページは役に立ちましたか?
ページの改良点等がございましたら自由にご記入ください。

このフォームをご利用した場合、ご連絡先の記入がないと、 回答を差し上げられません。 回答が必要な場合は、お問い合わせ先をご利用ください。

ロゴ:JPNIC

Copyright© 1996-2020 Japan Network Information Center. All Rights Reserved.