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    /P▲         ◆ JPNIC News & Views vol.731【臨時号】2010.3.31 ◆
  _/NIC
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◆ News & Views vol.731 です
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2010年の3月1日から5日までにわたり、マレーシアのクアラルンプールで開催
されたAPNIC29ミーティングのレポートを、本号より3回の連載でお届けしま
す。

まず[第1弾]として、本号ではアドレスポリシーの話題を中心に、ミーティン
グの全体報告をお届けします。

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◆APNIC29ミーティング報告 [第1弾] 全体報告
                                                 JPNIC IP事業部 奥谷泉
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APNIC29は、2010年3月1日(月)~5日(金)の5日間にわたって、マレーシアのク
アラルンプールで開催されました。

この時期のミーティングとして例年通りAPRICOTとの併催という形式をとり、
マレーシアは国際カンファレンスの誘致に積極的なのか、過去10回の
APRICOTのうち、クアラルンプールでの開催は今回で3回目となりました。毎
回政府の支援とともに、マレーシアのICT業界を代表する非営利組織である
PIKOM(Persatuan Industri Komputer dan Multimedia Malaysia)がローカル
ホストを務めています。

APRICOTも含めたカンファレンス全体の参加者は、733名と2009年よりも100名
程度多い結果となりました。日本からの参加者も全体の約1割を占めており、
これは国別の参加としては高い比率と言えます。


◇今回のミーティングの特徴

アドレスポリシーに関する議論では、在庫枯渇後の対応として大きな注目を
集めていたIPv4アドレスの移転が既に2010年2月に施行されたこともあり、今
回大きく紛糾する議論や特筆すべき決定はありませんでした。

一方、参加者が議論を行う「コミュニティコンサルテーション」と呼ばれる
セッションが開催され、ITU(国際電気通信連合:International
Telecommunication Union)で議論が行われているアドレスの分配方式につい
て、IPアドレスコミュニティとしての意見が取りまとめられました。こういっ
たガバナンスをテーマとして参加者が議論を行うセッションは初の試みでし
たが、Plenaryと同程度の参加者が会場に集まり、地域外の参加者もITUに向
けたIPアドレスコミュニティとしての意見を述べるとの意識で議論に参加し、
関心も高かったようです。

本稿では、(1)ITU IPv6 GroupへのIPアドレスコミュニティとしての声明文、
(2)APNIC29においてコンセンサスの得られたアドレスポリシー提案3点、
(3)EC選挙の結果を中心にご紹介します。


(1)コミュニティコンサルテーション

ITU IPv6 Groupが2010年3月15日~16日に初の会合を開き、ITUを介した国ベー
スのIPv6アドレス分配方式について議論が行われる状況を受け、その会合に
向けアドレスコミュニティとしての意見を取りまとめるべく、セッションが
開催されました。

IPv6 Groupは、「IPv4アドレスの分配が先進国に偏っており、IPv6でも同様
の現象が起きるとの懸念が、一部の発展途上国から表明されている」との
ITUの見解のもと、対策検討のために立ち上げられたグループです。その検討
の一環として、ITUをインターネットレジストリとし、国ベースに設置する
CIR(Country-based Internet Registries)を介したIPv6アドレスの分配方式
も視野に入れ、その実現性と妥当性の調査を専門家に依頼していました。

その調査結果として、NAv6(*)のSureswaran Ramadass氏により、ITUがRIRと
並行してIANAからIPv6アドレスの割り振りを受け、CIRに分配する方式とそれ
に対する分析がペーパーとしてまとめられ、本セッションでもその概要が紹
介されました。

パネリストを交えた議論(当初90分の予定が、90分延長されて180分となりま
した)では、問題対処方法としてITUで検証されている分配方式の必要性への
疑問や、施行に伴うリスクに関する質問が中心に表明されました。

セッションの終わりに、本セッションでの議論をまとめた文書が共有され、
ITU IPv6 Groupへ提示するコミュニティからの意見として、コンセンサスが
得られました。その後、2010年3月5日に、以下のコミュニティ声明文がITU
IPv6 Groupに提出されています。

  □ITU IPv6 Groupへのコミュニティ声明文

   http://www.apricot2010.net/__data/assets/text_file/0005/18923/Kuala-Lumpur_Community-Statement.txt

  1.現行と並列した別のアドレス分配方式の施行は大きなリスクを伴うにも
    関わらず、NAv6から提示されている文書では、施行に伴う詳細なリスク
    分析、その他必要な情報が不足している。ITU IPv6 Groupでの検討材料
    としては十分でないと考える。

  2.ITUにおける懸念がIPv6アドレスの枯渇であるように見受けられるため、
    この点に関するさらなる調査を推奨する。

  3.ITU IPv6 Group において必要な文書を公開し、(会員に限定しない)マル
    チステークホルダー方式の対応を求める。

   (*)NAv6 http://www.nav6.usm.my/index.php



(2)アドレスポリシー提案の結果

今回は、6点のアドレスポリシー提案のうち、3点の提案でコンセンサスが得
られましたが、国内のアドレスの分配管理に大きな影響を及ぼす決定はあり
ませんでした。

施行されれば影響を及ぼすものとして、APNICにおける最後の/8の在庫からの
分配方法を変更する提案も2点行われましたが、「現在の最後の/8からの分配
要件を変更する必要はない」として、どちらも支持されず、否決されていま
す。

コンセンサスの得られた提案については、2010年5月3日まで引き続きメーリ
ングリストでの意見も受け付けています。

  □コンセンサスの得られた提案

  ・prop-079:abuse-cの新設

    abuse対応効率化のため、WHOIS上で提供される連絡窓口として、abuse専
    門窓口の登録を義務付けた提案です。国内の施行については別途JPOPM
    (JPNICオープンポリシーミーティング)での提案が必要となります。

  ・prop-080:IPv4プリフィクス交換ポリシーの撤廃

    日本国内では施行していないため、影響はありません。APNICでは連続し
    ない複数プリフィクスを、それに相当するサイズの単一プリフィクスと
    交換するポリシーを施行しています。しかし、在庫枯渇に伴い、当該プ
    リフィクスの確保を保障できなくなるため、これを撤廃する提案です。

  ・prop-082:IPv6初回割り振りにおける経路集約要件の撤廃

    日本国内のアドレスフォーラム運用を行っている機関である、ポリシー
    WGのメンバーから行われた提案です。

    現在のIPv6の初回割り振り要件の中で、割り振りアドレスの経路集約を
    義務付けた要件を撤廃する提案です。経路集約は、要件として規制する
    のではなく、運用者の判断に委ねることが適切とし、ポリシーでは推奨
    に留める表現に変更となります。現在もポリシー上、定義はされていま
    すが、APNIC/JPNICへの申請における影響はありません。

  □コンセンサスの得られなかった提案

    prop-078:APNIC最後の/8在庫からの分配に対するIPv6実装要件
    prop-081:APNIC最後の/8からの割り当て資格
    prop-083:IPv6追加割り振りにおける別要件の新設

    参考:APNICフォーラムにおけるポリシー提案一覧
          http://www.apnic.net/community/policy/proposals


(3)EC選挙

今回は3名の現職ECの任期満了に伴う選挙が行われ、JPNICの前村昌紀を含め
た現職ECが3名とも再選されました。

    Ma Yan (CERNET、CN)
    前村昌紀 (JPNIC、JP)
    Che-Hoo Cheng (The Chinese University of Hong Kong、HK)

APNIC総会中、第三者による開票の立ち会い資格をめぐって、立候補者の関係
者と、選挙運営を務めるECとの間に認識の不一致があり、開票作業が一時中
断する事態も生じましたが、運営方針を共有し、総会参加者へ今後の対応の
理解も得た上で、開票作業を再開しました。選挙結果自体に影響を及ぼすも
のでないことは確認されています。


◇ミーティングを振り返って

APNIC29に特化した報告は上記の通りですが、今年は特にAPRICOTとAPNICミー
ティングとの垣根をなくす方向でWebサイトが統合され、参加者もプログラム
の区別を強く意識することなく参加できる構成となっていたように思います。

全体としては、IPv6、DNS、ルーティングやインターネット計測等、インター
ネット基盤の運営にあたって必要な分野がカバーされ、数年前と比べて随分
技術的なセッションも充実してきている印象です。

オペレーショナルなセッションにおいても、APNICに2010年1月に新たに割り
振られた1.0.0.0/8の経路到達実験や、レジストリが発行するアドレス証明書
を利用したルーティングセキュリティの実装等、アドレス管理に関わる発表
も数点見受けられました。これらにトピックスについては、別号のJPNIC
News & Viewsにてレポートします。


◇次回のAPNICミーティング

次回のAPNICミーティングは、2010年8月23日~27日まで、タイのバンコクで
開催されます。

http://www.apnic.net/events/whats-on/meetings/calendar/events/2010/apnic-30


◇参考:

  APNIC29
  http://meetings.apnic.net/29

  Meeting Report
  http://www.apricot2010.net/report


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       わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
            http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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 JPNIC News & Views vol.731 【臨時号】

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