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/P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.756【特別号】2010.6.29 ◆
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┃ JPNICはIPv4在庫枯渇の問題に取り組んでいます ┃
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┃★Webサイト:「IPv4アドレスの在庫枯渇に関して」 ┃
┃ http://www.nic.ad.jp/ja/ip/ipv4pool/ ┃
┃ ┃
┃★バックナンバー: ┃
┃ http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/ ┃
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◆ IPv4アドレス在庫枯渇関連レポート [第30回]
IPv4アドレス枯渇に関する素朴な疑問 ~Interop Tokyo 2010のブースから~
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Interop Tokyo 2010が、2010年6月7日から5日間の日程で幕張メッセにて開催
されました。今年も、IPv4アドレス枯渇対応タスクフォース(以下IPv4枯渇
TF)ではブースを出展し、多くの方にご来場いただきました。また、アンケー
トだけでも1,500超の回答をいただきました。ご協力いただきました皆様、ど
うもありがとうございました。
ブースでは、2010年6月9日から3日間の展示期間中、大きく四つのテーマ
「IPv4アドレス枯渇とは」「IPv6移行モデル」「2011インターネットモデル」
「IPv6アクセスサービス」に分けて、パネルとデモ展示を行い、また、中央
の特設ステージではその3日間を通じて、合計20以上のプレゼンテーション
セッションおよびハンズオンセッションを実施しました。
http://www.interop.jp/pavilion/ipv4.html
本稿では、その中でも「IPv4アドレス枯渇とは」の展示エリアで多く聞かれ
た質問を中心に、今一度、初歩的な疑問を確認してみたいと思います。
◆一般ユーザーの方から多かった質問
Q1. 今まで何度も枯渇、枯渇と聞いてきましたが、枯渇しませんでした。本
当にIPv4アドレスの在庫は枯渇するのでしょうか?
A1. はい、現在の消費ベースですと、中央の在庫は2011年の夏ごろ、また地
域インターネットレジストリや国別インターネットレジストリの抱える
在庫は、2012年の第1四半期ごろに枯渇する予定です。詳しくは
http://www.kokatsu.jp/blog/ipv4/whats-exhaustion.html#graph2
もご覧ください。
Q2. 通信事業者やシステムインテグレーターなどは、この問題に対し、どの
程度、精通しているのでしょうか?
A2. ISPなどのサービス事業者にとってIPv4アドレスの在庫枯渇は、死活問題
になる場合もあるため、多くの事業者が真剣に取り組んでいます。特に
2011年4月に予定されている、NTTフレッツ光ネクストのサービス開始を
目途にしている事業者が多いのではないでしょうか。システムインテグ
レーターの場合、専門が分かれるため、現状ではISPなどを顧客としてい
る事業者が先行しています。しかし、IPv4アドレスの在庫枯渇時期が近
づくにつれて、その他事業者のビジネスとしての取り組みも進むと考え
られます。
Q3. IPv4アドレス在庫枯渇によって、家庭で利用しているインターネット接
続サービスへ何らかの影響はありますか?
A3. 少なくともすぐに大きな影響はないと考えられています。ただし、お使
いのISPのIPv4アドレス在庫枯渇への対応策によっては、サービス内容、
サービス品質あるいは料金等が変更される可能性もあります。また、PC
やブロードバンドルータなどにおいて、ISPのサービス内容の変更に応じ
た設定変更が必要となる可能性がありますので、詳しくはISPにお問い合
わせください。今後、新たにISPと契約するユーザーの方は、IPv4アドレ
ス在庫枯渇に対応したサービスを契約することになり、ISPのサービス内
容によっては何らかの制約が発生する可能性があります。
◆一般企業の方から多くいただいた質問
Q4. 企業でインターネットを利用しているユーザーには、どのような影響が
ありますか?
A4. 既にISPなどと契約して利用しているインターネット接続について、既存
イントラネットなどの通信への影響はすぐにはないと考えられます。
しかし、企業内の新たな拠点の接続や、インターネット内のIPv6ユーザー
の接続などに影響が出てくる可能性があります。特に、IPv4アドレス在
庫枯渇後は、以下のような点への考慮が必要になります。
* インターネット内にIPv6のみで接続するユーザーが出現するため、企
業の公開Webサーバなどは、IPv6によるアクセスを考慮する必要があり
ます。
* 社外からのリモートアクセス時に、IPv6しか使えない環境となること
があります。また、新規の拠点(海外を含む)などを企業が開設する場
合、IPv4アドレスの割り当てを受けることができない可能性もありま
す。
Q5. 企業や企業のシステム管理者にとって、どのような影響がありますか?
A5. インターネット内にIPv6のみで接続するユーザーが出現してきますので、
企業の公開Webサーバなど、インターネットと直接接続している領域
(DMZなどのインターネット側からアクセスが行われるネットワーク)は、
IPv4だけでなく、IPv6でもアクセスできるようにする必要があります。
また、在庫枯渇の直接的な影響ではありませんが、最近のPC等の端末は、
デフォルトでIPv6通信が可能となっています。そのため、イントラネッ
ト内に「予期せぬIPv6による通信」が行われる可能性があります。シス
テム管理者としてはその点に対する考慮も必要になります。
どのようなアクションをすべきかのアクションリストは、以下もご覧く
ださい。
http://kokatsu.jp/blog/ipv4/news/ActionPlan_20100607.pdf
Q6. インターネットVPNを利用しているのですが、枯渇によって何か影響が出
ることはありますか?
A6. 既存の接続については影響はないと思われます。ただし、新規の拠点と
インターネットVPNで接続する際には、新たにIPv4(グローバル)アドレス
が調達できなくなる可能性があります。
Q7. 現在会社では外部のホスティングサーバを利用していますが、何か考慮
することはありますか?
A7. サーバの増設時などには影響を受ける可能性があります。ホスティング
サービスを提供している事業者にご確認ください。
Q8. 弊社では来年度ネットワーク設備の更新時期ですが、どういった対応を
行うのが望ましいでしょうか?
A8. 今後調達するネットワーク機器については、基本的にIPv6にも対応する
機種を選ぶべきだと考えます。
◆今後の、IPv4アドレスの取り扱いについて
Q9. 現在会社で使っているIPv4アドレスが回収されてしまうことはあります
か?
A9. JPNICなどのインターネットレジストリ(NIR、RIR)から直接取得したアド
レスが回収されることはありません。また、ISPから取得したアドレスの
場合はそのISPの考え方によりますが、強制的にアドレスを回収する可能
性は低いと考えます。
Q10. JPNICで、IPアドレス等の料金体系の変更が検討されており、来年から、
PIアドレスのホルダーにも課金がされると聞きました。IPv4アドレスの
在庫が枯渇するから、課金を始めるのでしょうか?また、使っていない
アドレスを返す効果も狙っているのでしょうか?
A10. それは違います。IPv4アドレスの在庫枯渇は不可避であり、アドレスの
返却によって必要なアドレスをまかなうという対処は限定的であるた
め、JPNICとして、それは意図していません。今回の課金は、PIアドレ
スを管理するためのシステムコストを応分に負担して欲しいということ
および、JPNICの保有するPIアドレスにAPNICから課金が開始されるた
め、その分の費用負担をして欲しいということからお願いを始めようと
しているものです。しかしながらこの案は、JPNICの総会でもまだ承認
されていません。皆様からのご意見を拝聴し、議論を重ね、皆様にご納
得いただける内容をめざし、今後提案を作成していきたいと考えていま
す。
◇ ◇ ◇
いかがでしたでしょうか。Interopの場では、枯渇に関する素朴な質問が数多
く聞かれました。ここに記載されていない内容でお知りになりたいことがあ
りましたら、IPv4枯渇TFのWebサイト http://kokatsu.jp/blog/ipv4/faq/ に
もFAQをご用意していますので、ぜひご覧ください。
なお、Interopの特設ステージで行ったプレゼンテーション資料は、以下の
ページで公開していますので、こちらもあわせてご覧ください
http://kokatsu.jp/blog/ipv4/data/interop-tokyo-2010.html
また、ブースでご回答いただいたアンケートの結果も、集計の上、後日の公
開を予定しています。この結果を基に、枯渇TFでも今後の活動を推進してい
きます。
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わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
IPv4アドレス在庫枯渇関連のQ&Aは特集ページをご覧ください。
http://www.nic.ad.jp/ja/ip/ipv4pool/
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