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/P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.920【臨時号】2011.12.22 ◆
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◆ News & Views vol.920 です
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2011年10月下旬にセネガルで開催されたICANN会議を受けて、恒例となりまし
たICANN報告会を2011月11月29日に開催いたしました。
今回のICANN報告会は、Internet Week 2011のプレイベントとして初心者向け
導入セッションと併せて開催するなど、新しい試みを取り入れました。また、
報告会終了後には、ICANN理事を招いて新gTLD周知イベントも行いました。
本号では、その報告会のレポートと、新gTLD周知イベントのレポートをお届
けします。
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◆ 第32回ICANN報告会および新gTLD周知イベントレポート
JPNICインターネット推進部 山崎信
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西アフリカにあるセネガルのダカールで2011年10月に開催された第42回ICANN
会議を受けて、2011年11月29日(火)に第32回ICANN報告会をJPNICおよび財団
法人インターネット協会(IAjapan)の共催で開催しました。本稿では、報告会
およびその後に行われた、新gTLD周知イベントについてもご報告します。
■全体構成
今回のICANN報告会は、Internet Week 2011直前のPre Internet Weekとして
位置づけることで、より多くの参加者に来ていただくことをめざしました。
さらに参加者の理解を助けるため、以下のように午前中に初心者向け導入セッ
ションを行った後、午後に開催するという工夫を加えています。
9:45~10:45:インターネット資源管理の基礎知識(ドメイン名/DNS/IPア
ドレス)
内容:ドメイン名およびIPアドレスの役割・構造、登録・分配の
仕組み、管理構造、ポリシー策定の仕組み
11:00~12:00:ドメイン名最新動向(初心者向け)
内容:ドメイン名の最新動向、インターネットガバナンス、ドメ
イン名紛争処理(DRP)、新gTLD
13:30~15:20:ICANN報告会 (JPNIC/IAjapan共催)
15:30~17:00:ICANN 新gTLD周知イベント (JPNIC主催)
今回は初の試みとして、ICANN報告会のストリーミング中継を行いました。当
日急に参加できなくなった方、および遠隔地の方などにご活用いただけたの
ではないかと思います。
また、ICANN報告会直後に、ICANN理事Kuo-Wei Wu氏をお招きして、2012年1月
から募集が開始される新gTLDについての周知イベントをJPNIC主催で開催しま
した。さらに、この周知イベントに関連して、12月2日(金)のIP Meetingのイ
ンターネットガバナンスセッションにてICANN理事Ray Plzak氏が講演されま
したので、本稿ではそれについても触れています。
■ICANN報告会
ICANN報告会のプログラムは以下の通りです。
- ICANNダカール会議概要報告
社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター 高山 由香利
- ccNSO関連報告
株式会社日本レジストリサービス 堀田 博文
- ICANN政府諮問委員会(GAC)報告
総務省総合通信基盤局電気通信事業部データ通信課 中西 悦子
- ICANN At-Large諮問委員会(ALAC)メンバーからのメッセージ(録画)
ICANN ALACメンバー Sylvia Herlein Leite
- ICANNレジストラ部会の最新動向
株式会社インターリンク Jacob Williams
- ICANN前理事長からのメッセージ(録画)
Top Level Domain Holdings Ltd. Peter Dengate Thrush
2011年6月に新gTLDプログラムが承認されたことで、ダカール会議は以前に比
べ新gTLD一色ではなくなってきています。とはいえ、実装が進んでいること
もあり、依然として新gTLD関連のトピックが目立つ内容となっていました。
主に、以下の点が主要な報告内容でした。
- 申請者ガイドブック最新版の公開(2011年9月19日)
- 発展途上国からの申請者向け支援策
- 利害相反について
新gTLD申請者となり得る組織とのやり取り、および新gTLD関連の議論に
おいてこれまでも注意はされてきましたが、ICANNが公表した監査報告
中で指摘されたことを踏まえ、GACが理事会に対し、役職員の退任・退
職後の再就職などに関する対応策を要求しました。
- 新gTLD導入がルートゾーンに与える影響
- レジストリ・レジストラのクロスオーナーシップ
- 法執行機関(警察など)からの勧告について
新gTLD以外では、JPRSの堀田博文氏よりccNSOおよびccTLDの動向について、
中でもIDN ccTLDファストトラックにおける文字列酷似時の対応に関する提
案、およびIDN variant(等価文字)の課題検討状況についてお話しいただきま
した。
株式会社インターリンクのJacob Williams氏からは、主にレジストラのコン
プライアンスに関する、レジストラ向けトレーニングについてご紹介いただ
きました。ICANNからレジストラへの通知のうち、レジストラ間の移転に関す
るものが最も多いことから、トレーニングはレジストラ間移転ポリシーに最
も時間を割いているとのことです。関連して、レジストラ間移転ポリシー自
体も改良のため策定が進められていることも共有いただきました。
ICANN At-Large諮問委員のSylvia Herlein Leite氏からは、主にラテンアメ
リカ・カリブ海地域のAt-Large組織およびAt-Large諮問委員会について、お
話しいただきました。前ICANN理事長のPeter Dengate Thrush氏には、ICANN
での日々を振り返っていただきました。
■ICANN新gTLD周知イベント
ICANNは、新gTLDの認知度向上に向けたイベントを世界各地で開催中というこ
とで、今回日本でもさまざまなステークホルダーに向けて周知イベントを開
催することになりました。このイベントでは、ICANN理事Kuo-Wei Wu氏(アド
レス支持組織(ASO)選出)より、インターネットが分断されないようにするた
めのICANNによる寄与、および新gTLDプログラムについて、申請のみならず異
議申し立てプロセスを含むプログラム全体の概要を、幅広く説明していただ
きました。Wu氏は英語で講演され、会場では同時通訳を提供しました。
特に、「インターネットが分断されないようにするためのICANNによる寄与」
の部分では、ICANNの歴史と、日本がICANNおよびインターネットガバナンス
に対して行ってきた貢献への言及がなされました。この中で、日本の個人、
企業およびコミュニティが、今後も積極的にインターネットガバナンスに関
わることを後押ししたいというメッセージが感じられました。これはLeite氏
およびThrush氏の講演でも感じられたことです。
また、「新gTLDプログラムについて」のところでは、開口一番、「私は日本
に新gTLDのセールスに来たわけではない」との発言があり、新gTLDの募集は
今回限りではないため2012年1月~4月の募集に駆け込む必要はなく、本当に
gTLDが必要な人だけが申請すればよいと強調されました。また、ICANNにおい
て新gTLDはいくつもある課題の一つであり、唯一の課題ではないとも述べら
れました。
JPNIC理事の丸山直昌の司会進行による、講演直後に行われた質疑応答の中
で、TLDが氾濫するのではないかという懸念に対して、そのために異議申し立
ての手段が4種類用意されていることと、商標データベース(Trademark
Clearinghouse)をはじめとする商標保護策があるとのコメントがありました。
さらに、日は変わって12月2日(金)に開催された、IP Meetingのガバナンス
セッションの中では、ICANN理事Ray Plzak氏(アドレス支持組織(ASO)選出)に
より、ICANNおよび新gTLDプログラムについて、逐次通訳付きで15分ほど講演
いただきました。内容は、前半はICANNの足跡と組織構成、後半は新gTLDプロ
グラムについてでした。セッション最後の質疑応答の中で、違う業界に属す
る2社が同じ名前をgTLDとして申請した場合どうなるかという質問に対し、そ
のようなケースは予想されているため、申請のあったgTLD文字列を可及的速
やか公開したり、異議申し立てプロセスなどのいくつかの対処方法を用意し
ている、という返答がありました。
■終わりに
盛り沢山のイベントを駆け足で報告しましたが、日本からインターネットガ
バナンスへ今まで以上に貢献をしてほしい、という宿題をいただいたように
も感じています。ぜひ、日本の皆様の中から、これに応えられる方が続々と
出てきていただけるよう、JPNICとしても何らかの後押しをしていきたいと考
えています。
◇ ◇ ◇
なお、本報告会の発表資料は、JPNIC Webサイトで後日公開いたします。
また、動画も後日公開予定ですので、ぜひそちらもご覧ください。
次回第43回ICANN会議は、2012年3月11日~16日にコスタリカのサンホセにて
開催される予定です。
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わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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