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    /P▲         ◆ JPNIC News & Views vol.964【特別号】2012.4.27 ◆
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◆ News & Views vol.964 です
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『ネトボラ宮城』は、宮城県を中心に「ネトボラ=ネットボランティア」を
行う団体です。本号では、2012年2月に続いて現地での二度目のボランティア
活動に参加した、JPNIC職員のレポートをお届けします。

なお、ネトボラ宮城活動レポートのバックナンバーについては、以下のURLか
らご参照ください。

□ ネトボラ宮城活動レポートバックナンバー
   http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/net-volunteer.html

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◆ ネトボラ宮城活動レポート [第10回]
   ~モノではない支援を~
                                   JPNIC インターネット推進部 根津智子
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2012年2月に、2日間岩手にボランティアに行き、レポートを書く機会をいた
だきました。

    ネトボラ宮城活動レポート [第8回]
    ~ネトボラ宮城に触発され、ボランティアに行ってみた~
    http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2012/vol940.html

その経験はとても有意義なものでしたが、期間が短すぎて、被災地について
も、ボランティアについても、自分の理解が中途半端だと感じていました。
そのため、先だって再び、岩手県宮古の地を踏みました。

その時に感じた「モノではない支援を」。このことについて、簡単に記しま
す。

                       ◇          ◇          ◇

今回も、宮古市内のある仮設住宅での「サロン活動」に参加しました。サロ
ン活動とは、仮設住宅の一角に設けられた集会室にいらっしゃった住民の方々
との会話や交流を通じて、コミュニケーションを図るものです。

今回は「集会室に設置されたパソコンでの簡単な書類作成ができるボランティ
アを求む」という具体的オーダーに基づいて出向いたもので、その地区の自
治会総会に向け、決算報告書および事業報告書の文字入力のお手伝いをしま
した。

この集会室に設置されていたPCとプリンタは、少なくとも私がオフィスで使っ
ているものよりも新しく、高スペックで、しかもそれにLTEが使えるように
なっており、インターネット環境もとても快適でした。正直、ちょっとびっ
くりしました。

しかし残念ながら、このパソコンを扱える人がいないそうなのです!!自治会
長さんもワープロ作業は外注しているとのこと、「外に頼むと、でき上がる
までに2週間かかるんだよね。総会までに間に合わないかと思った。ありが
とう」とおっしゃっておられました。また「プリンタで出席人数分の資料を
印刷できますよ」と伝えたところ、「コピーする必要が無いの?」とさらに
喜ばれ、撮った写真を大きくプリントアウトできることにも、皆さん「そう
なんだ~」と目を輝かせていらっしゃいました。被災地に限らず、ITの普及
への支援については、我々JPNICとしても、もう少し目を向けられる余裕が
できると良いのではないかと感じます。

集会室で何人かの方といろいろお話をしていくうちに、その地区の住民に障
害を抱えている方がおり、困っているその方を、自治会としてさまざまな局
面で助け、また行政などに対しても代わって折衝していかなくてはいけない
ため、スキルも労力も必要だ、ということも聞きました。私は、その障害を
抱えた方の、制約のある仮設住宅の中でのご苦労を図りかねましたが、そう
やって、自治会の方々という心強い味方がいることは、とても幸いなことだ
と思いました。

正確な数は分かりませんが、宮古市には60地区程の仮設住宅があり、約2,000
人がお住まいだとのことです。その60地区のうち、集会室があるのが1/3程度
ではないかと、別の機会に聞いていました。自治会がきちんと機能している
地区は、当然集会室が設置されている地区の数よりももっと少ないはずです。
集会室や自治会が無い地域は、集まる「場」が無いわけで、社会福祉協議会
の方やボランティアが出向ける環境もあまり無いことになります。もしそう
した地域で、住民同士で助け合わなければならない状況があったら、どのよ
うに対処されているんだろうか、と想像してみました。

書類上では、「どこの住宅に」「どういうお名前の」「何歳の」「こういっ
たご職業の方が住んでいる」ことは、把握されているはずです。しかし、そ
の誰かがどう毎日を送り、とりわけ、比較的無事に過ごしているのか、それ
ともそうでもないのかについては、紙からはうかがい知ることができません。
問題が無い人ばかりであれば、もちろん問題はありませんが、書類の上だけ
では知れないことを誰かが上手に把握し、何か困ったことあるのであれば、
手を差し伸べられる雰囲気があるかないかでも、ちょっとした「格差」にな
ります。実際、訪問先では必要最低限のコミュニケーションしか取らず、引
きこもっている方が多いと聞きました。一朝一夕に状況が打破ができるよう
な生易しいことでは決してない、そういう難しい分野の支援が必要な段階に
入っていることを感じました。

その自治会長さんも、「モノは生きていければもう十分、心のケア、スキル
などと、支援してもらえるとありがたいものの質が変わってきている」とおっ
しゃっておられました。

                       ◇          ◇          ◇

ボランティア活動の後、レンタカーを1日借りて、宮古市から釜石市まで走っ
てみました。人がお住まいになっていた地域をどう形容して良いか、すべき
かをとても悩むところですが、現状としての被災地の風景は「海沿いにぽっ
かりできた砂漠」に見えました。砂埃が舞い、本来見えるはずの無い地点か
らも海がすっかり見渡せます。今は大方の瓦礫も瓦礫置き場に移動されてい
ますので、何もありません。駅があったというところには、駅舎どころか線
路すらありませんでした。この衝撃は、もしご自身の目でご覧になる機会が
あれば、必ずやそれぞれなりの感慨が生まれることだろうと思うところです
が、言葉という不自由なツールで言い表すのが難しい上、そうすべき性質の
ものではないものかもしれません。

宮古から盛岡に向かう列車の中で、一人のおばあさまと向かい合わせに座り、
「そんなに大きな荷物を持っているのは、ボランティアさんでしょう。ここ
に来てくれて、ありがとう」と話しかけられました。宮古市の商店街で洋品
店を営んでいるその方は、やはり地震の時には、「ここまで津波が来るはず
は無い」と思っていたそうです。しかし実際に津波はやって来たし、そして
それがやって来た時には怖くて怖くて、近所の人が無理やり連れ出してくれ
なかったら逃げられなかった、とおっしゃってました。

また、最近の状況として、「お店にこの1週間、まったくお客さんが来ない
の。こんなことは店を開いて30年間で、初めてよ」と話されました。子供服
から婦人服まで幅広く扱っているようなのですが、なじみのお友達の何人か
に「どうして来てくれないの?」とさらっとたずねてみたところ、「支援物資
をもらえるから、特別なことでもない限り、買い物する必要が無いのよね」
と答えたのだそうです。既にいろいろなところでも言及されていることです
が、「物資」の支援は上手にしないと、地元の経済を破壊することにもつな
がっているようです。モノを送るくらいならお金を送る、もしくは旅行でも
して、地元の経済を回すことに寄与する方が、我々の行動としては望ましそ
うです。

明日から、待望のゴールデンウィークが始まります。もし皆様のご予定に、
ぽっかりと空いた時間ができたりしたら、のんびり、東北地方を訪れて、今
まだ残る美しい桜を眺めてみたり、美味しいものを堪能してみたりするのも
良いかもしれません。それで、もし気が向けば、被災地の現状を自分の目で
見てみるのも良いかもしれません。

JR東日本の回し者ではありませんが、何やら楽しげなキャンペーンも行われ
ているようです。

    いわてディスティネーションキャンペーン
    http://www.jr-morioka.com/iwate_dc/


     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
       ネトボラ宮城の詳細については、http://netvol-myg.w3m.jp/
                                              もご覧ください。
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 JPNIC News & Views vol.964 【特別号】

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