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/P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.1051【定期号】2013.1.15 ◆
_/NIC
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◆ News & Views vol.1051 です
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この週末は日本各地で低気圧が急速に発達し、激しい雷雨や暴風などに見舞
われるところが多かったようです。特に関東や東北地方では大雪となり、都
心でも8cmの積雪を記録しました。天候は既に回復していますが、帰宅される
際には路面の凍結などに十分ご注意ください。
さて、JPNIC News & Viewsは昨年ついに1000号を超え、今年で11年目に入り
ました。これからも読者の皆様方に喜んでいただけるような情報提供を心が
けてまいりますので、本年もよろしくお願いいたします。
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◆ 目次
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【 1 】特集 「2013年のインターネットキーワード」
【 2 】インターネット用語1分解説
「標的型攻撃とは」
【 3 】統計資料
1. JPドメイン名
2. IPアドレス
3. 会員数
4. 指定事業者数
【 4 】イベントカレンダー
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【 1 】特集 「2013年のインターネットキーワード」
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皆様にとっての2012年はどのような年であったでしょうか?
JPNICにとっての2012年は、IPv4アドレス移転申請が倍増ペースで増えるな
ど、事業者レベルでのIPv4アドレス在庫の枯渇も顕在化してきたことを実感
し、またWorld IPv6 Launchなどにより、IPv6インターネットへの対応拡大の
機運も確実に高まったことを感じる1年でした。世の中で頻発した各種のセ
キュリティ脅威とも相まり、レジストリとして、そしてインターネットの経
路全体でのセキュリティ強化を図る必要性も再認識しました。
一方、社会的な側面では、インターネットそのものに対する規制につながる
可能性があり、大きな影響を及ぼし得るとして、国際電気通信連合(ITU)によ
る国際電気通信規則(ITR)の改定の動向についても注視されました。また、
Internet Weekでも、さまざまなタブレットを持ち込む参加者が増え、マルチ
スクリーン化とコミュニケーションの多様化を実感しました。
さて、2013年はどのような年になりそうでしょうか。今年も「2013年のキー
ワード」を15名のJPNIC理事/監事に挙げていただきました。
◇ ◇ ◇
┌─────────────────────────────────┐
◆氏名:後藤 滋樹 (JPNIC理事長/早稲田大学 理工学術院 基幹理工学部
情報理工学科 教授)
◆2013年のInternet Keyword:「フラット化しない世界」
[理由]
インターネットを使えば世界のどこにいても誰でも情報が共有できると
いう考え方がある。もちろん情報を共有するのが容易になるのは事実で
ある。ただし世界中の人間が同じ事を考えるわけではなく、同じ仕事を
するのでもない。産業革命の知恵は「分業」であり、それを徹底化する
のが情報通信革命である。分業を言い換えると「他力本願」を意味する。
信頼できる他者を持つことが、何よりも大切である。
└─────────────────────────────────┘
┌─────────────────────────────────┐
◆氏名:江崎 浩 (JPNIC副理事長/東京大学大学院 情報理工学系研究科
教授)
◆2013年のInternet Keyword:「Internet by Design」
[理由]
インターネットのアーキテクチャは、TCP/IPで構築される透明でオープ
ンなグローバル基盤で、エネルギーシステムなどすべての産業セグメン
トの神経系としての導入と、そのシステム構造・産業構造に導入される
段階へと進んでいる。民主導と国家主導、グローカル(GLocal)とClosed、
多様性と均一性に関するコンセンサスの形成に関する重要な局面を迎え
る。
└─────────────────────────────────┘
┌─────────────────────────────────┐
◆氏名:野村 純一 (JPNIC副理事長/株式会社ミライト 取締役常務執行
役員)
◆2013年のInternet Keyword:「個と全」
[理由]
インターネットが社会的基盤として普及した現在および将来において、
運営・利用・活動の源泉たる個々の要素と、機能する仕組みを含んだイ
ンターネット全体が有機的に整合していることが不可欠です。
特に「ボトムアップ/コンセンサスに基づく決定メカニズム」「国家を
超えるグローバルな存在としての価値観」「社会環境や技術革新を反映
しつつ試行錯誤を活かす」といった特色を考えると、インターネットに
とって『個』と『全』の調和・バランスが非常に重要です。
例えば「ネット利用におけるユーザー利益」「ガバナンスにおける国益」
「技術仕様における標準」などさまざまな領域で『個』と『全』に関する
課題に直面しているため、2013年にはこうした視点を大事にしたいと思
います。
└─────────────────────────────────┘
┌─────────────────────────────────┐
◆氏名:石田 卓也 (JPNIC理事/株式会社イプリオ 代表取締役社長)
◆2013年のInternet Keyword:「再び、地方と地域」
[理由]
昨年末の総選挙でも争点のひとつとして挙げられた、地方への権限委
譲。インターネットの世界でも今年、改めて注目されるものとして、こ
のキーワードを選びました。
IPv4の枯渇は、歴史的PIを保持する方や中小の事業者が多い地方に大き
な影響を与えます。IPv6接続サービスをめぐるISP、VNE、キャリアなど
事業者間協議の行方も同様です。他にも、都道府県型JPドメイン名や地
名TLDの導入と利活用、再構築されつつある地域IXの変化など、地方・地
域を取り巻く状況は今年、大きく変わると推測します。私たちJPNICとし
ても、地域の活性化に向けて、一層前向きに取り組んでいかなくてはな
らないと考えます。
└─────────────────────────────────┘
┌─────────────────────────────────┐
◆氏名:石田 慶樹 (JPNIC理事/日本インターネットエクスチェンジ株式
会社 代表取締役)
◆2013年のInternet Keyword:「埋まらない溝」
[理由]
昨年(2012年)末に開催されたWCIT-12においてITRが改正されましたが、
サインした国としなかった国に2分化されました。また、同じく昨年末に
行われた衆議院議員選挙においてインターネット上での選挙活動の解禁
が話題になりはしましたが実現とは程遠い状況でした。いずれにおいて
も「埋まらない溝」を見て取ることができます。このような「埋まらな
い溝」が各場面においてさらに顕在化するのが今年ではないかと考えて
います。この「埋まらない溝」をあくまでも埋めようとする努力をすべ
きなのか、それとも「埋まらない溝」を直視した上で、別の方策を探す
ことにするべきか、その結論を出さないといけないという時期が来てい
るのではないでしょうか。
└─────────────────────────────────┘
┌─────────────────────────────────┐
◆氏名:伊藤 公祐 (JPNIC理事/株式会社ユビテック ユビテックグリーン
ソリューションタスクチーフ)
◆2013年のInternet Keyword:「インターネット端末のあり方」
[理由]
Kindleなどハードウェアの価値からサービス・コンテンツに価値が移り、
ハードウェアはサービスのためのコストとして扱われる時代となりまし
た。ただ、バーチャルな情報を表現するための端末は不可欠で、ユーザー
I/Fとして重要な位置づけには変わりません。
またIPv6時代に来ると言われていたM2Mが現実のものとなり、電力情報か
ら自動車の運行情報までさまざまなセンサーデータがビッグデータとし
てネット上に保存され、その情報を他のサービスが活用するといったイ
ンターネットサービスを形成する端末もさらに多様化していると考える
からです。
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┌─────────────────────────────────┐
◆氏名:宇井 隆晴 (JPNIC理事/株式会社日本レジストリサービス
企画部 部長)
◆2013年のInternet Keyword:「インターネットと国家」
[理由]
これまでのインターネットは、多様な関係者に開かれた枠組みの中で、
自由とスピードを得て、成長・発展してきました。しかし、人が多様で
あるように、国もまた多様であり、世界が国で構成されている以上、こ
の多様性とどう折り合うかという課題は避けられません。
2012年のITUのWCITにおける議論の衝突は記憶に新しいですが、インター
ネットと国家に関する議論は、2013年もさまざまな場で行われる予定で
す。今後もインターネットが発展し、よりよい社会を形成するためには、
どうあるべきか。インターネットが世界を繋ぐものであるが故に、世界
中で考えなければならないテーマです。
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┌─────────────────────────────────┐
◆氏名:岡田 雅也 (JPNIC理事/NTTコミュニケーションズ株式会社)
◆2013年のInternet Keyword:「原点回帰とShare」
[理由]
昨年は"共感とShare"をあげましたが、まさにソーシャルメディアによる
新しいコミュニティや文化が広がってきました。グローバルの波も新し
い展開を迎えています。繋ぐという領域が、パソコンと電話とテレビと
いう従来型のメディアから、タブレットという新しいスクリーンの登場
により生活のスタイルもさらに進化してきています。今後は情報化され
たデータそのものを含め、時間を繋ぐという事が必要になるかもしれま
せん。先を見る。未来を考える。実家に帰り街も寂しくなっており、人
の集まる場所も集約されてきて、サービスもそこが中心になってきてい
ます。しかし、一方で高齢化社会が進んでいることも現実。ネットはこ
ういうところで役に立ってきています。"収束と拡散"。三年前からそう
言ってきましたが、これからはこれらの場を繋ぐことが大事だと思いま
す。リアルとネットを繋ぐ、時間を過去から未来へ繋ぐ、この縦横の関
係をソーシャルメディアネットワーク等のクロスメディアにより、さら
に進化していくことになると思います。物と電子の融合がさらに進んで
いく年。情報化される流れは止まらないと思います。しかし、本当に大
事なのは、人の繋がり、心の繋がりであり、リアルタイムに会話をする
というアナログ的なことなのではないでしょうか。JPNICとしてもIPv6を
推進しながら、IPv4資源をいかにShareしていくか引き続き取り組んでい
きます。
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┌─────────────────────────────────┐
◆氏名:香川 進吾 (JPNIC監事/富士通株式会社 執行役員 (兼)アウト
ソーシング事業本部長 (兼)映像ネットワークサービ
ス事業部長)
◆2013年のInternet Keyword:「サイバーテロと向き合う年」
[理由]
インターネットにおけるセキュリティは古くて新しいテーマであります。
インターネットの高速化と高度化および広がりにより世界をボーダレス
で便利な世の中に変革している反面、個人情報を含めたセキュリティの
問題が大きなテーマになっています。最近ではその問題が社会インフラ、
例えば電気、水道、交通機関の制御システムにまで影響が出始め、国家
レベルでの新たな危機として取り上げ始めています。これはもうサイ
バー空間でのテロ、戦争と言わざるを得ない状況で、世界が連携し対応
を迫られる時代になっていると認識する必要があります。
インターネットは非常に便利である反面、犯罪を誘発する影の部分も併
せ持っています。それはあらゆる人や物が繋がっているからです。
我々JPNICはインターネットを平和で安全な社会インフラにする仕組みの
一部を担っており、ますます重要性は増します。本年も皆様と共に取り
組んでまいりますので、引き続き宜しくお願いします。
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◆氏名:曽根 秀昭 (JPNIC理事/東北大学 サイバーサイエンスセンター
研究開発部 ネットワーク研究部 教授)
◆2013年のInternet Keyword:「ちゃんとつながるインターネット」
[理由]
おととしから去年はネットワークの耐災害性が話題になりましたが、
2013年もその先も忘れてはいけませんし、オペレーションの話からシス
テムやインフラの話まで幅広く、ちゃんとつながるための課題がありま
す。災害の他にも、利用が急増しているWi-Fiで通信しにくいとか、人気
コンテンツのサイトが見られないとかのように、いつでもスムーズにつ
ながることが当たり前になったインターネットが、調子の悪いときにだ
け存在を意識されるようになって、やはりこのキーワードがひそんでい
ると思います。「ちゃんと」にはセキュリティもあって、確かな相手と
確実に安全に気持ち良く通信できるインターネットであり続けてほしい
ものです。もちろん、まだインターネットが普及していない地域や敬遠
している層があることは2010年のこの欄に書いたときよりも深刻になっ
ているような気がします。
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◆氏名:成田 伸一 (JPNIC監事/株式会社ASJ 執行役員 社長室長)
◆2013年のInternet Keyword:「インフラとしてのインターネット」
[理由]
向こう20年間の日本の公共投資で一番支出が見込まれているのが、全国
の小中学校校舎の補修で、耐震補強やインターネット回線の敷設等がそ
の機会に整備される計画とのことです。一方、東北太平洋沿岸地域の
3.11からの復興が本格化するのはこれからですので、東北・北海道両地
方の光ファイバー敷設もこれからといってよいでしょう。首都圏/阪神
圏ではiPhoneやiPadの普及が急である一方で、上述のように「インフラ
としてのインターネット整備」が必要である現状の理解が今後のインター
ネットの発展にとって欠かせないものとなると考えます。
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┌─────────────────────────────────┐
◆氏名:藤崎 智宏 (JPNIC理事/日本電信電話株式会社/ISOC-JP)
◆2013年のInternet Keyword:「マルチステークホルダモデル」
[理由]
2012年は、ITUでの国際電子通信規則(ITR)改定議論等を通じ、インター
ネットのガバナンスについて再考させられた年であった。ISOCやICANNが
表明しているように、インターネットのガバナンスは、関係者が広く集
まった「マルチステークホルダ」により実施されるべきであると思う。
インターネットがここまで発展し、多くの人に利用されてきたのは、理
想を追い求める技術者、革新的で利便性の高いサービスを運用・創造し
てきたサービス提供者、自分の好みに合致するサービスを利用しフィー
ドバックする利用者等、多数の人々がバランスを取りながら、議論・実
装を進めてきた結果である。ITR改定議論から端を発したインターネット
ガバナンス議論は、2013年以降、ますます重要性を増してくる。多くの
方々に興味を持っていただき、日本としての「インターネット」への立
ち位置を明確化できるよう、働きかけていければ、と思う。
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◆氏名:三膳 孝通 (JPNIC理事/株式会社インターネットイニシアティブ
常務取締役)
◆2013年のInternet Keyword:「コミュニケーションのアプリ化」
[理由]
通話/メール/チャット等の基本的なコミュニケーションが、それぞれ
の端末による機能での実現や、ネット上のサービスから、アプリといっ
た端末やサービスから独立して提供されるものが、登場し、普及してき
た。これらはいわゆるオープン化、端末の汎用化やサービスのプラット
フォーム化の方向とは異なる、新しいコミュニケーション・インター
フェースの可能性を提示したと思う。インターフェースの坩堝から、ど
んな新しいものが生まれ出て来るか楽しみ。
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◆氏名:山口 英 (JPNIC理事/奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究
科 教授)
◆2013年のInternet Keyword:「生活力向上」
[理由]
地理情報活用や、クラウドをバックヤードとした多種多様なサービスが
登場し、デスクトップPC、タブレットPC、スマートフォン等を利用者の
状況に応じて使い分け、情報利用を適時適切に行い、劇的に生活改善が
可能になる状況が広がってきた。いままでは、アーリーアダプターとし
ての物知りだけが、その種のサービスを活用していることが多かった。
しかし、これからは、多くの一般の利用者がより積極的に、そのような
サービスを探し出し、生活向上に挑戦することも多くなってくるだろう。
その意味で、インターネットを活用した生活力向上の場面は一般化し、
よりコモディティ化していくと考える。そして、生活力向上により、よ
り豊かな21世紀らしい暮らし方、生き方ができるようになる、その元年
になるのが2013年だろうと考えている。
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◆氏名:山田 茂樹 (JPNIC理事/国立情報学研究所 情報学プリンシプル
研究系 研究主幹・教授)
◆2013年のInternet Keyword:「SDN/OpenFlowの展開」
[理由]
昨年は、SDN (Software Defined Network)/OpenFlowに関わる情報や記事
が世の中にたくさん出てきて、何かと話題になったように思います。こ
の技術には賛否両論があると思いますが、インターネットのさらなる発
展の可能性を考えると言う点で大きな刺激になったのではないでしょう
か? 私も、昨年4月に米国サンタクララで開催された、SDN/OpenFlowに
関する専門カンファレンス「Open Networking Summit 2012」(ONS 2012)
に参加してみたのですが、日本の関係者も含めて多くの参加者が集まり、
会場全体が熱気に溢れていたように感じました。今年は、これらがどの
ように展開していくのか、注目しています。
└─────────────────────────────────┘
◇ ◇ ◇
テクノロジーは均一でも、利用者はそうではないことから、グローバルに多
くのひずみが出て、いよいよ抜き差しならない状況になりつつあることも感
じる一方、「コミュニケーションや生活の進化」という観点では、まだまだ、
範囲も手法も広げられる力強い可能性も感じられるのではないでしょうか。
インターネットと深く関わっている読者の皆様にとって、これらのキーワー
ドが何かしらの示唆になれば幸いです。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ ◆◇◆◇◆ 本特集のご感想をお聞かせください ◆◇◆◇◆ ┃
┃良かった ┃
┃→ http://feedback.nic.ad.jp/1051/20de791a501390476575bedd5f0e633f┃
┃ ┃
┃悪かった ┃
┃→ http://feedback.nic.ad.jp/1051/32c9469522e591a0cdc0416aa950f973┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 2 】インターネット用語1分解説
「標的型攻撃とは」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
標的型攻撃とは、特定の人物または特定の組織に所属する複数の人物を標的
とした、電子メールを用いたオンラインの攻撃方法です。電子メールの受信
者に開くように促す内容の電子メールを用いることで、不正なプログラムを
受信者のパソコンにインストールしたり、不正なWebページにアクセスさせた
りするという手段が用いられます。標的となる人物を対象として、電子メー
ルの内容が巧妙に作られるため、標的型攻撃と呼ばれてます。スピア型攻撃、
またはtargeted attackとも呼ばれています。
標的型攻撃は、2002年頃から行われていたことが報告されており(*1)、国内
では、2005年にメールの差出人として官公庁の職員を詐称した事例が報告さ
れました(*2)。企業等における個人情報や機密情報の漏洩のほか、受信者の
パソコンに不正なプログラムをインストールすることで、そのパソコンを踏
み台にした、さまざまな不正行為を目的として行われます。
この攻撃に使われる電子メールは、社内や知人、官公庁からのメールである
かのような送信者になっているほか、イベントやニュース、人事の話題のよ
うに、受信者に開くことを促すような件名が付けられています。攻撃手法と
して、さまざまなタイプが報告されており、アプリケーションの脆弱性を突
くようなファイルが添付されているもの、不正なWebページのURLが記載され
ているもの、さらに、何通かのメールのやり取りをした後に、不正なファイ
ルが添付されてくるものなどがあります(*2)(*3)。
対策としては、メールサーバにおいてSPF(*4)などを利用して記録を残しつ
つ、特定の添付ファイルを制限する、社内のメールにS/MIMEやPGP/MIMEの電
子署名を付けて、受信者が不信なメールを見分けやすくするといったものが
挙げられています(*5)。また、基本的かつ最も有効な対策として、パソコン
のアプリケーションを更新して、ソフトウェアの脆弱性を減らしておくこと
が挙げられています。
(*1) Trends in Targeted Attacks, A Trend Micro White Paper, Oct, 2011
http://www.trendmicro.com/cloud-content/us/pdfs/security-intelligence/white-papers/wp_trends-in-targeted-attacks.pdf
(*2) 『標的型攻撃メールの分析』に関するレポート、IPA、2011年10月
http://www.ipa.go.jp/about/technicalwatch/pdf/111003report.pdf
(*3) 標的型サイバー攻撃の事例分析と対策レポート、IPA、2012年1月
http://www.ipa.go.jp/security/fy23/reports/measures/documents/report20120120.pdf
(*4) http://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/spf.html
(*5) 標的型攻撃対策手法に関する調査報告書、JPCERT/CC、2008年8月
http://www.jpcert.or.jp/research/2008/inoculation_200808.pdf
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 3 】統計資料
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1. JPドメイン名
o 登録ドメイン数(2012年8月~2013年1月)
------------------------------------------------------------------------------------------
日付| AD AC CO GO OR NE GR ED LG GEO GA GJ PA PJ TOTAL
------------------------------------------------------------------------------------------
8/1| 272 3535 353062 666 28584 16018 7366 4764 1831 2559 760232 121195 1300084
9/1| 271 3531 353497 654 28645 15973 7357 4774 1832 2552 763584 121517 1304187
10/1| 270 3527 354056 659 28714 15917 7332 4786 1834 2551 765223 122154 1307023
11/1| 268 3527 354735 658 28799 15878 7309 4776 1834 2547 767950 121716 1309997
12/1| 268 3535 355406 658 28881 15852 7299 4766 1835 2544 766239 121937 4913 1266 1315399
1/1| 268 3537 355942 656 28948 15820 7281 4777 1836 2541 766263 122394 6537 1915 1318715
------------------------------------------------------------------------------------------
GA:汎用ドメイン名 ASCII(英数字)
GJ:汎用ドメイン名 日本語
PA:都道府県型ドメイン名 ASCII(英数字)
PJ:都道府県型ドメイン名 日本語
2. IPアドレス
o JPNICからの割り振りとJPNICへの返却ホスト数(2012年7月~2012年12月)
------------------------------------------
月 | 割振 | 返却 | 現在の総量
------------------------------------------
7 | 1024 | 0 | 93009854
8 | 5120 | 1024 | 93013950
9 | 1024 | 0 | 93014974
10 | 1024 | 0 | 93015998
11 | 1024 | 0 | 93017022
12 | 1024 | 0 | 93018046
------------------------------------------
□統計情報に関する詳細は → http://www.nic.ad.jp/ja/stat/
3. 会員数 ※2013年1月11日 現在
---------------------
会員分類 | 会員数 |
---------------------
S会員 | 3 |
A会員 | 1 |
B会員 | 2 |
C会員 | 3 |
D会員 | 106 |
非営利会員| 10 |
個人推薦 | 33 |
賛助会員 | 41 |
---------------------
合計 | 199 |
---------------------
□会員についての詳細は → http://www.nic.ad.jp/ja/member/list/
4. 指定事業者数 ※2013年1月11日 現在
IPアドレス管理指定事業者数 412
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 4 】イベントカレンダー
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2013.1.13(日)~18(金) 35th APAN Meeting (Hawaii, U.S.A.)
2013.1.22(火)~23(水) "知っておくべきIPv6対応"セミナー「IPv6
CATVネットワーク編」(東京、アリス・グ
ループ・ジャパン会議室)
2013.1.24(木)~25(金) JANOG31 (東京、東京ミッドタウンホール&
カンファレンス)
2013.1.27(日)~2.4(月) SANOG 21 (Cox's Bazar, Bangladesh)
2013.1.29(火) IPv6 Summit 2013 (神奈川、藤原洋記念
ホール)
--------------------------------------------------------------------
2013.2.4(月)~2.6(水) NANOG 57 (Orlando, U.S.A)
2013.2.13(水) 第94回通常理事会 (東京、JPNIC会議室)
2013.2.19(火)~3.1(金) APRICOT 2013 (Singapore, Republic of
Singapore)
2013.2.25(月)~3.1(金) APNIC 35 (Singapore, Republic of
Singapore)
2013.2.24(日) APSTAR Retreat (Singapore, Republic of
Singapore)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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JPNIC News & Views vol.1051 【定期号】
@ 発行 社団法人 日本ネットワークインフォメーションセンター
101-0047 東京都千代田区内神田3-6-2
アーバンネット神田ビル4F
@ 問い合わせ先 jpnic-news@nic.ad.jp
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