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    /P▲        ◆ JPNIC News & Views vol.1061【臨時号】2013.2.18 ◆
  _/NIC
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◆ News & Views vol.1061 です
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JANOGは、日本国内のインターネットを支えるネットワークオペレーターが集
まる団体です。

そのJANOGで半年に一度開催されるオフラインの会合が、JANOG31ミーティン
グとして、2013年1月下旬に東京で開催されました。この会合の様子を、本号
より前後編の2号に分けてお届けします。

前編となる本号では、会合の全体概要とともに、ユーザー側におけるIPv4ア
ドレスの在庫が枯渇した時に、どういうことが予想されるのかをテーマにし
たプログラムである、「本当の枯渇後の世界」について取り上げます。

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◆ JANOG31ミーティングレポート [前編]
   ~プログラム「本当の枯渇後の世界」を中心に~
                                                 JPNIC 技術部 岡田雅之
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■ JANOG31ミーティング全体概要

JANOG31ミーティングは、2013年1月24日(木)と25日(金)の2日間にわたり、グ
リー株式会社様のホストにより開催されました。会場は、東京・六本木の東
京ミッドタウンホール&カンファレンスという、日本のIT産業の中心ともい
える場所での開催でした。

東京での開催という理由に加え、プログラムの内容も興味深いものであった
からと推測しますが、会期中は733名という多数の参加者があり、議論の会場
だけでなく展示スペースなども常に人が溢れており、盛況なミーティングで
した。

今回のJANOGミーティングは複数の特色がありますが、特に、前日にチュート
リアルイベントとして、ルーティングやIPv6/IPv4共存技術の入門者向けプロ
グラムが提供されたことや、会場にさまざまな最新技術を活用したネットワー
クが提供されたこと等、多彩な取り組みがなされていました。

このような特徴的な取り組みの一つとして、私は前日のチュートリアルイベ
ントの一環として開催された、ルーティングに関係する"RPKIハッカソン"に
おいて、このハッカソンに参加する皆さんが少しでも快適に"走る"ためのお
手伝いを担当しました。今回のハッカソンは、3時間という限られた中で「リ
ソースPKI(RPKI)ソフトウェアのインストールから、参加者手作りのROA(*1)
をルータへ食べさせるところまで」というコースを準備していました。限ら
れた時間の中で、私たちが至らなかった面もあったかもしれませんが、参加
者の中にはROAを作成し、ルータが認識するところまで文字通り完走できた方
もいらっしゃいます。RPKIハッカソンの詳細や今後については、別途お知ら
せしますのでご期待ください。

(*1) http://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/roa.html

なお、第2回のハッカソンを2013年2月20日(水)に、JPNIC会議室にて開催する
予定です。詳細についてはvol.1058か、「JANOG RPKIルーティングを試す会」
のWebサイトをご覧ください。

vol.1058「RPKIハッカソン2回目やります!」
http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2013/vol1058.html

JANOG RPKIルーティングを試す会 - RPKIハッカソン2
http://www.janog.gr.jp/wp/rpki-routing-wg/rpki-hachathon-02/


■ 一参加者として

JANOG31のプログラムはどのプログラムも力作ぞろいで、どのプログラムも紹
介したいというのが本音です。その中で、あえて私が一つだけJANOG31のプロ
グラムを一参加者として紹介するとすると、楽天株式会社の堀内克昌さんに
よる「『品質』はbuzzwordだ!! 経路情報を活用した世界規模でのトランジッ
トISP選定」を挙げたいと思います。

堀内さんのプログラムは、インターネット上で収集された経路情報を複数視
点から定量的に分析し、これまで語ることができなかった(語りづらかっ
た?)、トランジットISPから提供される経路情報の品質を測定しようという
試みに関するプログラムです。私の認識ではこれまで、経路情報を基にした
隣接関係の調査やネットワーク安定性などの研究、発表は世界でも複数行わ
れていましたが、このような試みを目にしたことはあまりありませんでした。
一見"品質"というキーワードから堅い印象を受けるプログラムですが、堀内
さんの人柄などから、思考実験の内容や想定は本当に楽しい内容でした。詳
細なプログラムの内容については、JANOG31 Webサイトの事後資料をご参照く
ださい。

JANOG31ミーティング プログラム
http://www.janog.gr.jp/meeting/janog31/program/

ここからは私の所感になります。私は業務の関係からRIPE NCCが提供するRIS 
(Routing Information Service)の経路情報データや、オレゴン大学が提供す
るRouteViewsの経路情報データに接していました。これらの経路情報は日時
で蓄積され、インターネットの規模が拡大するにつれデータ量が増大するた
め、その解析に日々苦労していました。このような情報の解析ではテキスト
データを用いての実施は難しく、独自にSQLデータベースへ投入するなどの作
業を行っていましたが、同じような悩みを堀内さんや他の参加者も抱えてい
たことを知り、このような経路を見つめる人々の悩みを共有する場があって
もいいのでは、等と考えました。

今後も、経路情報に関係したプログラムには注目していきたいと考えていま
す。


■ 発表者として

参加者である一方、今回のJANOGミーティングにおいて、私は「本当の枯渇後
の世界」と題したプログラムを、インターネットマルチフィード株式会社の
吉田友哉さんとともに発表させていただきました。

当初の予定では、前回のJANOG30で発表した「BGPセキュリティーの動向と日
本の現状 ~RPKI時代のルーティング~」に引き続き、RPKIやROA (Route 
Origin Authorization)に関する議論のプログラムとする予定でした。しかし
ながら、いざJANOGへ応募する際に、2人にわいた疑問がありました。

  「RPKIやROAの準備はできつつあるけど、IPv6のROAなどがあまり存在し
    ない。まだまだIPv4のROAが多い。」

仮にこのままRPKI等の基盤が整備されたとしても、そもそものIPv4がこのま
ま使われている状態が継続した場合、突き詰めていくと何が起こるのだろう?
という疑問が発生したのです。そのため、プログラムの応募をする直前段階
にて吉田さんと相談し、「本当の枯渇後の世界」として、発表の準備を進め
ました。

IPv4アドレスは有限な資源です。過去有限な資源を使い切ってしまい、残念
な結末になってしまった文明は複数知られています。このような例え話から、
IPv4の現状を私が説明し、では無くなったらどうなるのかの思考実験を吉田
さんがお話しする流れで、プログラムを作成しました。

発表後の議論では、IPv4アドレスの再利用の事例やアドレス移転のエージェ
ント側から見た現状など、今まで表には出にくかった事例が複数会場に共有
されました。この議論の内容については、可能な範囲でJANOGのWebなどに掲
載される予定となっています。


■ 終わりに

今回の発表内容とは直接関係しませんが、当日の発表開始の際、私の発表PC
が登壇後に数度固まるトラブルが発生しました。そのため、本来数十秒で終
了するはずの過去の例え話の時間に、8分もかかってしまいました。壇上では
本当に心が凍る思いをしつつ、後になって考えてみると、その例え話の部分
だけが強調される印象となってしまったことが、本当に申し訳なかったと思
います。

発表時には、トラブルがあった場合にも速やかに対応できるよう準備するこ
とはもちろん、そのような時にも平然と対応できるように、精神修練を継続
しなければと新たに思いました。

最後になりますが、発表にご協力いただいたJANOGの皆さま、共に発表した吉
田さんや議論にご参加いただいた皆さまに感謝いたします。

次回のJANOG32以後も、ネットワークオペレータが集まる場に積極的に参加
し、議論や情報収集などに活用したいと考えております。ありがとうござい
ました。


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       わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
             http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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 JPNIC News & Views vol.1061 【臨時号】

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