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JPNICはインターネットの円滑な運営を支えるための組織です

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    /P▲        ◆ JPNIC News & Views vol.1151【定期号】2013.12.16 ◆
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◆ News & Views vol.1151 です
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今年も残すところ、あと2週間あまりとなりました。皆様にとって、2013年は、
どのような年であったでしょうか。

2013年最後の定期号は、11月26日から29日までに開催されたInternet Week
2013の開催レポートを中心に締めくくります。コラムも、Internet Weekの定
番プログラムである「DNS DAY」への思いをつづったものが寄せられました。

2014年がさらに実り多い年となりますよう、来年も引き続きNews & Viewsで
の情報充実を図ってまいりたいと思います。引き続き、ご支援をよろしくお
願いいたします。

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◆ 目次
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【 1 】特集 「Internet Week 2013 ~荒ぶるインターネットを乗りこなす~
              開催レポート」
【 2 】News & Views Column
       「1年の振り返りにInternet Week」
        株式会社日本レジストリサービス  坂口智哉氏
【 3 】インターネット用語1分解説
       「名前衝突(Name Collision)とは」
【 4 】統計資料
         1. JPドメイン名
         2. IPアドレス
         3. 会員数
         4. 指定事業者数
【 5 】イベントカレンダー


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【 1 】特集 「Internet Week 2013 ~荒ぶるインターネットを乗りこなす~
              開催レポート」
                                   JPNIC インターネット推進部 坂口康子
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2013年11月26日(火)から29日(金)まで、JPNICは今年もInternet Weekを開催
しました。

■ 合計41プログラムに延べ2,600人が参加

当日参加なども含めた今年の最終的な参加者は、昨年を400名程度上回り、
約2,600名(延べ人数)となりました。

また、今年の総プログラム数は、41(有料プログラム28、無料プログラム10、
懇親会1、同時開催イベント2)でした(*1)。この41というプログラム数が、
Internet Weekが東京開催になって以来最多であることは、以前このメールマ
ガジンでもご紹介しました(*2)が、数が多いというだけでなく、どのプログ
ラムも多くの方にご参加いただきました。

(*1) https://internetweek.jp/program/
(*2) https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2013/vol1133.html#feature


■ 「荒ぶるインターネットを乗りこなす」をテーマに

今年のテーマは「荒ぶるインターネットを乗りこなす」。これはInternet 
Week 2013事務局とInternet Week 2013プログラム委員の有志で検討し、決定
したものです。

テーマを決めた当初は、「荒ぶる」という言葉が少し強すぎないだろうかと
心配したものでした。しかしながら、会期終了後の今改めて考えると、(後づ
けかもしれませんが)今年のテーマにふさわしかったのではないかと思いま
す。インターネット関連で「荒ぶっている」と言うと、真っ先にセキュリティ
関連の話題が思い浮かびますが、トラフィックの増加、SDN (Software 
Defined Networking)、NFV (Network Functions Virtualization)、HTML5な
ど、今年のInternet Weekで取り上げるべきトピックが多数あったこの1年を、
良い意味で象徴しているのではないでしょうか。


■ 定番以外も注目を集めた有料プログラム

2011年頃から徐々に、営業職や企画職などエンジニア以外の方のご参加が増
えていますが、Internet Weekの参加者は、まだまだネットワークの構築/設
計や運用/保守に携わる方が多いです。そのため、人気プログラムと言えば
IPv6、DNS、ルーティングなどネットワーク運用に関するものが中心ですが、
今年はそれ以外のプログラムでも多く参加者を集めました。

顕著だったのはセキュリティ関連で、昨年好評だった標的型攻撃やサイバー
犯罪に関するプログラムの他、DDoS攻撃や組織におけるセキュリティ対策を
扱ったプログラムでは、会場内で最も大きいアキバホールが多くの参加者で
埋まりました。また、法律や会計、著作権・プライバシーなどいわゆる「文
系科目」が今年も堅調で、特に昨年満席となり今年も開催した財務会計のプ
ログラムは、そろそろInternet Weekの定番プログラムの仲間入りをするので
はないでしょうか。


■ 無料プログラムもバラエティ豊かに

初日(11月26日)午前中に開催した「ドメイン名・IPアドレス管理の基礎知識」
は、JPNICの自己紹介とも言うべきプログラムです。アンケート結果や参加者
の当日の反応を参考に、少しずつマイナーチェンジを繰り返して今年で3回
目。すっかりInternet Weekのオープニングプログラムとして定着しました。

11月27日を除く各日のお昼休みには、ランチセミナーが開催されました。毎
年真っ先に満席になる株式会社日本レジストリサービスの他、海外からの講
演者を迎えて自らのサービスをアピールしたICANNと、TATA Communications
の講演は、日本のインターネット関係者への注目度の高さをうかがわせまし
た。

また、最終日(11月29日)を除き、夕方からは公募によって選ばれたプログラ
ムであるBoFが開催されました。毎年Internet Weekの場をご活用いただいて
いるおなじみのBoFに加え、インターネットの歴史、迷惑メール対策や若手エ
ンジニア間の意見交換などが今年新たに開催され、「常連」BoFの主催者から
は、これらに負けないよう(?)、自分たちのBoFも魅力あるものにしたいとい
う声もありました。


■ 三つのSSIDが並んだ会場ネットワーク接続情報

会場ネットワークの構築・運用を担当するネットワークチームは、JPNIC事務
局の技術部職員を中心に、ボランティアのサポートメンバーで構成されてい
ます。

サポートメンバーには、ICT教育推進協議会(ICTEPC)のご協力でお手伝いいた
だいている専門学校生の皆様に加え、今年はJPNICでも独自にメンバーを募集
しました。ネットワークチームのメンバーも約2倍に増え、毎年提供している
Dual Stack接続に加えて、今年はIPv4/IPv6共存技術である464XLAT接続、
MAP-E接続も提供することができました。会場ネットワークの詳細について
は、後日このメールマガジンで別途ご紹介する予定です。


■ 会場に巻物!インターネット歴史に関する情報提供を求めて

実際に手に取られた方もいらっしゃるかもしれませんが、総合受付の近くに
は大きな「巻物」が置いてありました。JPNICが今年9月に正式版を公開した
「インターネット歴史年表(*2)」を、実際に紙に印刷し製作したもので、そ
の全長は20メートル近くあります。

昔からインターネットに関わっている方が多数来場するであろうInternet 
Weekの場をお借りして、不足する情報を記入していただきたくて作ったもの
です。

(*3) https://www.nic.ad.jp/timeline/


■ 最後のプログラムは懇親会 ~JPNIC20周年を記念して~

Internet Week 2013の締めくくりは、最終日(11月29日)に開催した懇親会で
した。

今年はJPNIC設立20周年の年にあたります。JPNICの主な事業の一つである
Internet Weekを支えていただいていることに感謝し、IP Meetingの参加者
と、有料セッションに三つ以上お申し込みいただいた方を、この会に無料で
ご招待しました。後藤滋樹JPNIC理事長の開会挨拶の言葉を借りれば、これら
の方々は「いつもInternet Weekにご参加いただいている常連さん」と言えま
す。この他に講演者、スポンサーの皆様、Internet Weekプログラム委員、
JPNIC役職員などが参加しました。また会の中ほどでは、今年ISOC (Internet 
Society)インターネットの殿堂入りを果たした、JPNIC顧問でもある村井純氏
が駆けつけました。

会場は多少窮屈なところもあったかもしれませんが、Internet Week 2013の
最後に旧交を温めていただける場になったとしたら、うれしい限りです。


■ 最後に

Internet Week 2013の講演資料、参加者アンケート結果とBoF開催報告書は、
今後公式Webサイト(*4)にて公開予定です。ご参加いただいた方はもちろん、
ご事情によりご参加いただけなかった方も、ご覧いただければ幸いです。

(*4) https://internetweek.jp/

今年の6月から本格始動したInternet Week 2013も、いよいよ年明けに開催す
るプログラム委員会をもって、大きな活動は終了となります。参加者の皆様
をはじめ、ご講演いただいた皆様、プログラム委員の皆様、スポンサーの皆
様、後援団体の皆様など、Internet Week 2013にご協力いただいたすべての
方々に感謝申し上げます。

来年もInternet Week 2014を開催予定です。また来年も多くの皆様のお越し
をお待ちしています。

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■ Internet Week 2013 開催概要
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  【会期】 2013年11月26日(火)~29日(金) 4日間
             [同時開催イベント]
             IPv6 Summit in TOKYO 2013 (11月25日)
             第25回JPNICオープンポリシーミーティング (11月26日)
  【会場】 富士ソフト アキバプラザ
           東京都千代田区神田練塀町3 富士ソフト秋葉原ビル
           http://www.fsi.co.jp/akibaplaza/cont/info/access.html
  【URL】  https://internetweek.jp/
           Twitter   https://twitter.com/InternetWeek_jp
           Facebook  https://www.facebook.com/InternetWeek
  【主催】 一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)
  【企画】 Internet Week 2013プログラム委員会
  【協賛】 株式会社日本レジストリサービス
           TATA Communications
           Internet Corporation for Assigned Names and Numbers(ICANN)
           IP Mirror Japan株式会社
           NTTコミュニケーションズ株式会社
           株式会社SRA
           日本インターネットエクスチェンジ株式会社
  【ネットワークスポンサー】
           シスコシステムズ合同会社
           富士ソフト株式会社
           日本インターネットエクスチェンジ株式会社
           株式会社インターネットイニシアティブ
  【後援】 総務省
           文部科学省
           経済産業省
           ICT教育推進協議会(ICTEPC)
           IPv6普及・高度化推進協議会(v6pc)
           一般財団法人インターネット協会(IAjapan)
           Internet Society Japan Chapter(ISOC-JP)
           仮想化インフラストラクチャ・オペレーターズグループ(VIOPS)
           一般社団法人クラウド利用促進機構(CUPA)
           一般社団法人 コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)
           一般社団法人JPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC)
           一般社団法人情報サービス産業協会(JISA)
           独立行政法人情報通信研究機構 (NICT)
           一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)
           一般社団法人日本インターネットプロバイダー協会(JAIPA)
           日本シーサート協議会(NCA)
           日本DNSオペレーターズグループ(DNSOPS.JP)
           一般財団法人日本データ通信協会(Telecom-ISAC Japan)
           日本ネットワーク・オペレーターズ・グループ(JANOG)
           特定非営利活動法人日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)
           日本UNIXユーザ会(jus)
           フィッシング対策協議会
           WIDEプロジェクト(WIDE)


 ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
 ┃     ◆◇◆◇◆  本特集のご感想をお聞かせください  ◆◇◆◇◆     ┃
 ┃良かった                                                          ┃
 ┃→ http://feedback.nic.ad.jp/1151/4c23c82bfb96a75cf1fa0f1323d41b40┃
 ┃                                                                  ┃
 ┃悪かった                                                          ┃
 ┃→ http://feedback.nic.ad.jp/1151/f4886f779c788a9b9284ec0ad4a9f2c9┃
 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

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【 2 】News & Views Column
       「1年の振り返りにInternet Week」
                               株式会社日本レジストリサービス 坂口智哉
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◆ 社会人初のDNS DAY

2013年11月26日~29日の4日間、秋葉原でInternet Week 2013が開催されまし
た。私は2012年からプログラム委員としてInternet WeekのDNS DAYのコーディ
ネーションを担当させていただいており、今年も引き続き担当させていただ
きました。DNS DAYは、DNSサーバやドメイン名の運用管理に携わっておられ
る方と最新のDNS運用状況や関連動向について情報共有をするとともに、DNS
の運用管理全般に関する意見交換の場を提供することを目的としたプログラ
ムで、Internet Weekにおいて2002年から開催されている老舗のプログラムの
一つです。このようなプログラムを担当させていただいていることは大変光
栄に思っています。

昨年、今年とDNS DAYのプログラムを企画するにあたって、気をつけているこ
とが2点ありました。それは、DNSにおける1年間の動きを俯瞰(ふかん)し、振
り返ることのできる内容とすること、そして、来年につなげられる内容とす
ることです。

例年、Internet Weekは年末に近い時期に開催されます。そのため、今年1年
がどんな年であったか、そして来年はどんな年になるのかということをうか
がい知ることができるイベントです。1年間のおさらいにInternet Weekに参
加するという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

大変恥ずかしい話なのですが、実は、私はDNS DAYに最初から最後まで参加し
たのは社会人になってから今年が初めてなのです。私がDNS DAYに初めて参加
したのは、社会人になる直前の2007年でした。ちょうどInternet Weekの開催
場所が横浜から秋葉原に移動した年です。コーディネーターを務めさせてい
ただいた今年のDNS DAYにあらためて参加してみて、学生時代に参加した時と
は自分の知識も考え方も発表内容の捉え方も当時とは大きく変わっていると
実感しました。また、インターネットそのものやそれをとりまく情勢も当時
と現在とでは大きく変化していることにあらためて気づかされました。


◆ 生々しさから現場に響く内容を

今年のDNS DAYでは主なトピックとしてオープンリゾルバについての話題を取
り上げました。オープンリゾルバとは、不適切な設定内容やデフォルト設定
の不備などにより、適切なアクセスコントロールがされていないキャッシュ
DNS サーバのことを指します。こうしたオープンリゾルバはインターネット
上に数多く存在しており、悪意ある者にDDoS攻撃の踏み台として悪用されう
ることがインターネット全体にかかわる大きな問題となっています。また、
昨今では、オープンDNSプロキシやオープンフォワーダーと呼ばれる、DNSに
対するWAN側からのアクセスコントロールが実施されていないホームゲート
ウェイなども存在します。

いくつかの調査により、日本国内でも数多くのオープンリゾルバやオープン
DNSプロキシが存在することが報告されています。オープンリゾルバの問題は
インターネット全体で取り組んでいかなければならない、大きな課題の一つ
となっています。

今年のDNS DAYでは、ISP、製品ベンダー、ホスティング事業者の方々にご登
壇いただき、それぞれの立場でオープンリゾルバに対する捉え方と対策状況
について語っていただきました。そして、今回ご登壇いただいた講演者の方々
には、企画側の想定をはるかに超える有益、かつ生々しい内容を語っていた
だくことができました。講演者の方々も発表の端々で口にしておられました
が、オープンリゾルバが存在すること自体、あまり表立って言いたくないこ
とであるのにもかかわらず、それぞれの組織やISPにおける状況をお話しくだ
さり、かつこれまでに実現できたこと、まだできていないことを現場担当者
の立場から参加者の皆様に共有いただきました。それぞれの組織やISPにおい
て、現在、オープンリゾルバの問題に対応しておられる方々にとっても貴重
な講演になったと思います。今回の講演をきっかけに多くの組織でオープン
リゾルバの問題に対する取り組みがさらに活発になっていくとよいと願って
います。


◆ インターネットの発展とともに

今年のDNS DAYではもう一つのトピックとして"DNSの評価と計測"をテーマに
3名の方にご講演いただきました。実は、企画段階では4~5名の方々にご講演
いただきたいと考えていたのですが、なかなかご登壇していただける方が見
つかりませんでした。今回ご登壇いただいた3名の方々には、ツール、性能検
証、機能評価についてかなり詳しい内容をお話しいただき、充実したプログ
ラムとなりましたが、今回の企画では私の力不足によるところも多々ありま
した。

ただ、その一方で、今回取り上げた"DNSの評価と計測"というテーマについ
て、発表をしようという方が以前よりも減っているようにも感じられました。
その理由として、昨今の統計情報の取り扱いに関するセンシティブな状況や、
より過激な意見として、成熟段階を迎えた現在のインターネットには新味の
ある技術はもう存在しないのではないか、といった声も聞かれます。

しかし、DNS-OARCやIETFなどの議論状況を見る限りインターネット、特にDNS
のような基盤技術においても技術的な発展の余地は十分にあり、現段階にお
いても解決すべき問題点はまだまだたくさんあるのではないかと私は考えて
います。私自身もこのような場で発表することは苦手なのですが、こうした
会議やカンファレンスの場で自らの思うところを発表し、世の中に疑問を投
げかけるだけでもインターネット全体の技術はまだまだ進歩していくものと
信じています。

今年のInternet Weekは終わったばかりですが、もし来年も担当の機会をいた
だけるようでしたらさらに盛り上がるDNS DAY、そしてさらに盛り上がる
Internet Weekを企画していきたいと思っている次第です。

最後に、お忙しい中今年のInternet Weekにご来場くださいました方々、ご登
壇くださいました方々、本当にありがとうございました。

来年のInternet Week 2014に乞うご期待!

■筆者略歴

坂口 智哉(さかぐち ともや)

2008年株式会社日本レジストリサービス入社。社内DNSサーバの運用を行うと
ともに、JP DNSサーバやM-Rootサーバおよびその周辺ネットワークの管理運
用に従事。Internet Week 2013プログラム委員。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 3 】インターネット用語1分解説
         「名前衝突(Name Collision)とは」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

名前衝突(Name Collision)とは、ある組織内のネットワークで利用している
名前と、パブリックなDNSで利用しているドメイン名が、衝突してしまう状態
を指します。

もともと、組織の内側に閉じた内部ネットワークにおいては、既存のgTLDと
重複しない任意の名前を、社内のサーバやプリンタなどの機器にホスト名や
ドメイン名として付ける運用自体は、決して珍しい慣習ではありません。

しかし、新gTLDの導入に伴い1,000を超えるgTLDが新たに委任されることによ
り、「実在のTLDには存在しない文字列だから問題無い」として組織内のネッ
トワークで利用している名前と、新gTLDの名前が、衝突する可能性があるこ
とが明らかになりました。(*1)

名前衝突が生じると、組織内ネットワーク内で通信したい機器へのホスト名
による指定や、DNSなどによる名前解決の結果が、本来意図していたものと異
なる結果になり、「通信ができなくなる」「目的以外の機器と通信をしてし
まう」ことなどが懸念されています。

このような名前衝突が起こった場合に想定される影響の例としては、以下が
挙げられます。

・Webサーバの認証において、パブリックなドメイン名と一致する名前を利用
  した内部利用目的での証明書を利用してフィッシングを行う等の悪用によ
  る、セキュリティ上の脅威(*2)

・内部向けの情報がインターネット上で同一の名前を利用しているネットワー
  クに流出することによる、セキュリティ上のリスク

・VPN (Virtual Private Network)の利用、その他特殊な環境において、社内
  のサーバに対してパブリックなDNSを検索する、またはその逆の挙動が生じ
  た場合、目的の機器に到達できないという通信上の問題

内部ネットワークでの名前の利用形態は、インターネット上から調査するこ
とはできないため、実際の影響は、個別の事例を収集しない限り、現時点で
確かなことはわからないと言われています。

なお、新gTLDとして申請されたドメイン名のうち、特に.homeおよび.corpは、
ルートゾーンへの検索件数が上位15位に入っていることから、衝突に伴う影
響が大きいと考えられ、ICANNではこれらのドメイン名の委任を無期限で保留
とすることを決定しています。(*3)

(*1) Name Collision in the DNS
     http://www.icann.org/en/about/staff/security/ssr/name-collision-02aug13-en.pdf

(*2) 新gTLDの導入に伴う「内部利用目的での証明書への影響」に関するSSAC
     による勧告について
     https://www.nic.ad.jp/ja/in-policy/policy-report-201307.pdf

(*3) NEW GTLD COLLISION OCCURRENCE MANAGEMENT
     http://www.icann.org/en/groups/board/documents/resolutions-new-gtld-annex-1-07oct13-en.pdf


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 4 】統計資料
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1. JPドメイン名

o 登録ドメイン数(2013年7月~2013年12月)
-------------------------------------------------------------------------------------------
日付|  AD  AC    CO    GO   OR    NE   GR   ED   LG   GEO   GA     GJ     PA   PJ   TOTAL
-------------------------------------------------------------------------------------------
 7/1| 264 3541 359067 626 29617 15569 7177 4773 1838 2510 777411 125407  9571 3062 1340433
 8/1| 263 3535 359634 621 29736 15543 7158 4781 1840 2504 778817 125678  9815 3123 1343048
 9/1| 262 3536 360245 620 29804 15467 7145 4796 1840 2502 780714 125743  9988 3304 1345966
10/1| 261 3532 360702 625 29889 15454 7125 4807 1840 2494 782811 125821 10347 3351 1349059
11/1|261  3537 361218 622 29991 15424 7106 4814 1840 2490 785559 126188 10696 3397 1353143
12/1|261  3540 361764 622 30051 15386 7106 4810 1840 2488 787278 126241 9452  3130 1353969
-------------------------------------------------------------------------------------------

 GA:汎用ドメイン名 ASCII(英数字)
 GJ:汎用ドメイン名 日本語
 PA:都道府県型ドメイン名 ASCII(英数字)
 PJ:都道府県型ドメイン名 日本語


2. IPアドレス

o JPNICからの割り振りとJPNICへの返却ホスト数(2013年6月~2013年11月)
------------------------------------------
  月 |   割振   |   返却   | 現在の総量
------------------------------------------
   6 |     1024 |        0 |   93025470
   7 |     3072 |        0 |   93028542
   8 |        0 |        0 |   93028542
   9 |     4096 |     2048 |   93030590
  10 |        0 |    14336 |   93016254
  11 |        0 |    11264 |   93004990
------------------------------------------


□統計情報に関する詳細は → https://www.nic.ad.jp/ja/stat/


3. 会員数  ※2013年12月16日 現在

 ---------------------
  会員分類  | 会員数 |
 ---------------------
  S会員     |      3 |
  A会員     |      1 |
  B会員     |      2 |
  C会員     |      2 |
  D会員     |    102 |
  非営利会員|     10 |
  個人推薦  |     33 |
  賛助会員  |     41 |
 ---------------------
  合計      |    194 |
 ---------------------

□会員についての詳細は → https://www.nic.ad.jp/ja/member/list/


4. 指定事業者数  ※2013年12月16日 現在

   IPアドレス管理指定事業者数           409


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 5 】イベントカレンダー
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  2013.12.20(金)               IETF報告会(88thバンクーバー)(東京、株
                               式会社インターネットイニシアティブ本社)
 --------------------------------------------------------------------
  2014.1.13(月)~21(火)        SANOG 23 (Thimpu, Bhutan)
  2014.1.17(金)                IPv6早わかりセミナー[後援]
                               (香川、高松センタービル)
  2014.1.20(月)~24(金)        37th APAN Meeting (Bandung, Indonesia)
  2014.1.23(木)~24(金)        JANOG33
                               (大分、別府国際コンベンションセンター)
  2014.1.24(金)                IPv6早わかりセミナー[後援]
                               (広島、広島国際会議場)
  2014.1.28(火)                IPv6早わかりセミナー[後援](愛知、
                               TKP名古屋栄カンファレンスセンター)
 --------------------------------------------------------------------
  2014.2.4(火)                 IPv6早わかりセミナー[後援]
                               (大阪、大阪アカデミア)
  2014.2.7(金)                 IPv6早わかりセミナー[後援]
                               (沖縄、ホテルオーシャン)
  2014.2.10(月)~12(水)        NANOG 60 (Atlanta, U.S.A.)
  2014.2.14(金)                IPv6早わかりセミナー[後援]
                               (福岡、九州ビル)
  2014.2.17(火)                IPv6早わかりセミナー[後援](宮城、
                               TKPガーデンシティ仙台)
  2014.2.18(火)~28(金)        APNIC 37 (Bangkok, Thailand)
                               APRICOT 2014 (Bangkok, Thailand)
  2014.2.25(火)                IPv6早わかりセミナー[後援]
                               (長野、JA長野県ビル)
  2014.2.27(木)~28(金)        情報セキュリティシンポジウム道後2014
                               [後援](愛媛、松山市立子規記念博物館)


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