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    /P▲        ◆ JPNIC News & Views vol.1152【臨時号】2013.12.17 ◆
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◆ News & Views vol.1152 です
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2013年11月上旬にカナダのバンクーバーで開催された、第88回IETFミーティ
ングのレポートを、本号より連載にてお届けします。

連載の第1弾となる本号では、全体会議報告をお送りします。明日発行の次号
ではIPv6関連WGのレポートを、以降セキュリティ関連WG、DNS関連WGと、順次
ご報告していく予定です。

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◆ 第88回IETF報告 [第1弾] 全体会議報告
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第88回IETF Meetingは、2013年11月3日(日)から11月8日(金)の間、カナダの
バンクーバーにて開催されました。

11月の初め日本はまだ暖かく、「バンクーバーは最低気温3度、最高気温9度
です」と聞いて、「何を着て行こうか?冬の用意かな」という状態でした。
到着してみるとバンクーバーはすっかり秋、きれいな紅葉でした。さすがに
日本の装いのまま来た人は慌ててコートやマフラーを現地調達していました。
会議が終わって、バンクーバーから日本に戻ってくると日本も寒くなり、私
たちにはIETF会議がちょうど耐寒訓練になったようでしたが、日本にいた人
からは「バンクーバーから寒さを持ってきた」と言われてしまいました。

さて、ここでは11月6日(水) に開かれた「IETF Operation and 
Administration Plenary」と「Technical Plenary」の様子について、感想を
交えて報告します。今回は午前中に「Technical Plenary」、夕方に
「Operation and Administration Plenary」という、1日にPlenaryが集中す
るスケジュールとなっていました。


◆ Technical Plenary

午前中の「Technical Plenary」では、IAB (Internet Architecture Board) 
Chair、IRTF (Internet Research Task Force) Chair、RSE (RFC Series 
Editor) and RSOC (RFC Series Oversight Committee) Chairの報告と、
「Technical Topic: Internet Hardening(インターネットのセキュリティ強
化)」の発表がありました。

○IAB Chair Report

はじめにIAB ChairのRuss Housley氏より、2014年のICANN Nominating 
Committee (NomCom; 指名委員会)にRuss Mundy氏を指名したとの報告があり
ました。

IABは、ISOC (Internet Society)、IEEE (The Institute of Electrical and
Electronics Engineers, Inc.)、W3C (World Wide Web Consortium)ととも
に、OpenStand主義(*1)への支持を表明しました。これらの団体は、技術革新
や国境を越えた商取引のために、効果的かつ効率的な標準化プロセスを作り
出してきましたが、今後はこのような「標準化原則」の重要性を掲げ、グロー
バルなオープンスタンダードの新たな枠組みの確立を目指すとのことです。

(*1) http://open-stand.org/

また、IABチェアは九つの他のインターネット団体とともに、"モンテビデオ
宣言"(*2)に署名しました。

(*2) https://www.nic.ad.jp/ja/topics/2013/20131008-01.html

それ以外にIABが最近発行したその他の文書としては、RFC 6950:
"Architectural Considerations on Application Features in the DNS"が
報告されました。

続いて、IABの主催するワークショップの予定が発表されました。2013年12月
に英国ケンブリッジで「インターネット技術の採用と移行に関するワーク
ショップ(Workshop on Internet Technology Adoption and Transition; 
ITAT)」が、2014年2月に英国ロンドンで「インターネットのセキュリティ強
化に関するワークショップ(Workshop on Internet Hardening)」が開催され
るそうです。

それから、IABが執筆したRFCとして、2013年には以下のものが発行されまし
た。

 RFC 6852: Affirmation of the Modern Paradigm for Standards
 RFC 6912: Principles for Unicode Code Point Inclusion in Labels in 
           the DNS
 RFC 6943: Issues in Identifier Comparison for Security Purposes
 RFC 6949: RFC Series Format Requirements and Future Development
 RFC 6973: Privacy Considerations for Internet Protocols
 RFC 6950: Architectural Considerations on Application Features in 
           the DNS

上記のRFC以外にも、インターネットドラフトも複数執筆中ということです。


○IRTF Chair Report

IAB Chair Reportの次には、IRTF ChairのLars Eggert氏より、IRTF Chair 
Reportがありました。

IETF Meetingの期間中に開催されるIRTF Meetingは、Network Complexity
(NCRG; ネットワーク複雑性研究グループ)、Software-Defined Networking 
(SDNRG; ソフトウェア定義ネットワーク研究グループ)、Internet Congestion
Control (ICCRG; インターネット輻輳制御研究グループ)、
Information-Centric Networking (ICNRG; 情報セントリックネットワーキン
グ研究グループ)、Network Management (NMRG; ネットワーク管理研究グルー
プ)、Network Coding (NWCRG; ネットワーク符号化研究グループ [提案])の、
六つの研究グループ(Research Group; RG)です。これ以外に、IRTF Open 
Meetingを5日(火)の午後に開催しました。

IRTF関係のRFCとして、Scalable Adaptive Multicast (SAMRG; スケーラブル
適応マルチキャスト研究グループ)からRFC 7019: "Application-Layer 
Multicast Extensions to REsource LOcation And Discovery (RELOAD)"が発
行されました。

続いて、2013年度のネットワーキング研究賞(Networking Research Prize) 
4本のうちで、今回の発表分になっていたIdilio Drago氏の受賞が発表となり
ました。また、2014年度のNetworking Research Prize候補の募集をしている
そうです。


○ RSE and RSOC Chair Report

RSE and RSOC Chair Reportでは、RSEメンバーの紹介がありました。

それから報告として、IAOC (IETF Administrative Oversight Committee)が
RFC Production Center and RFC Publisher Statementsの作成および契約と、
RFC Series Editor契約のレビューと助言のまとめを完了したそうです。その
他には、RFC Style Guideの議論が続いており、RFC format WGで作業がされ
ています。


○ Technical Topic: Internet Hardening

続いて、今回のテクニカルトピックは「Internet Hardening」でした。IABの
Alissa Cooper氏が司会を務めました。

この話題は、米国国家安全保障局(NSA)の盗聴問題に端を発して、「インター
ネットを敵の監視から守ることができるのか?」「誰/どのような組織が働か
なくてはならないのか?」という課題について考えてみようというものでし
た。

最初にBruce Schneier氏がイントロダクションとして、現在のインターネッ
トを取り巻く状況について話をしました。次にBrian Carpenter氏は、これま
でのIETFで何があったかを話しました。1990年代半ばにはEコマースのために
強い暗号が必要となりましたが、多くの政府はより強力な暗号の使用を制限
したがりました。IETFでも、この束縛について議論を重ねました。その後、
政府機関の方がIETFに来たこともありました。Stephen Farrell氏は、IETFア
クティビティのポテンシャルについて話をしました。IETFはHTTPやTLS、ある
いはIPsecを使い、技術的なアプローチがあることを示しました。オープンマ
イクでも「国ごとのポリシーの問題もあるが、技術的に取り組んでいくこと
も重要である」といった発言がありました。


◆ Operation and Administration Plenary

夕方の「IETF Operation and Administration Plenary」では、最初にスポン
サーのHuawei社より挨拶がありました。今回のスポンサーTシャツには、IETF
のキーワードを組み合わせたデザインが使われていましたが、それを見せて
「これがIETFです」と笑わせていました。

続いてIETF ChairのJari Arkko氏より、今週(今回のIETF)のトピックとして、
これからのトランスポートプロトコル、WebRTCの重要な決定、広がる監視と
可能なセキュリティ、その他の進展、HTTP2.0やTLS1.3の作業が継続している
ことが挙げられました。

その次には、参加者の内訳や新しい取り組みの報告がありました。今回は54
の国と地域から1,142人が参加しました。初めての参加者は123人でした。前
回のフロリダでは1,407人でしたので、少し減っています。地域ごとの集計で
は、米国、中国と続き、日本、カナダの順ですが、日本とカナダは同じぐら
いでした。

今回、新たにビデオ中継とソーシャルメディア活用の試みをしました。
YouTubeでは最大276人が見ていました。トータルでは、7日(木)の15:30まで
で748人が見ていたそうです。Twitterでは「#IETF88」のタグがついたものが
827ツィート、Facebookでは327の「いいね!」がつきました。

また、IETFとしてのアンチハラスメントポリシーを作ろうとしているそうで
す。前回に引き続き実施されているメンタープログラムには、58人が参加し
ました。それから「Top 10 Things to Know Before Your First IETF 
Meeting」という、IETF入門ビデオが作成されているそうです。

次に、IAOCチェアのChris Griffiths氏とIADのRay Pelletier氏から、報告が
ありました。今回は参加費を払った参加者とスポンサーが若干予定より多く、
収支見通しも予定より上回りそうだと報告がありました。ベルリンの収支決
算の最終報告では、参加者は予定より多かったのですが、ホストがつかなかっ
たことや、付加価値税を支払わなければならなかったことにより、若干のマ
イナスとなりました。次回第89回のミーティングは、ICANNがホストになるこ
とが発表されました。

次回のIETF Meetingは、2014年3月2日(日)から3月7日(金)にかけて、英国ロ
ンドンにて開催されます。


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       わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
             https://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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