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    /P▲        ◆ JPNIC News & Views vol.1285【定期号】2015.3.16 ◆
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◆ News & Views vol.1285 です
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本号の特集では、2015年2月8日(日)から12日(木)にかけてシンガポールで開
催された、第52回ICANN会議の模様をお伝えします。今回の会議でも引き続
き、IANAの監督権限移管に関する議論と、それに付随したICANN自身の説明責
任に関する議論が注目されたようです。そこで本号では、それら2点が議論さ
れた状況を詳しくお伝えします。

JPNICでは、IANAの監督権限移管に関する情報をWebサイトにて掲載していま
す。これまでの経緯なども含めてご確認いただけますので、ご参照ください。

  IANA機能の監督権限の移管について
  https://www.nic.ad.jp/ja/governance/iana.html

また、ICANNによる新gTLDの委任も引き続き進められており、株式会社ブライ
ツコンサルティングの村上嘉隆さんが、新gTLDに関連したコラムを寄稿して
くださいました。

ICANNでは、WHOISに関する議論が再燃する兆しもあり、本号のインターネッ
ト用語1分解説では「Thin WHOIS/Thick WHOISとは」を取り上げています。

なお、第52回ICANN会議については、4月14日(火)13:30より開催予定の第42回
ICANN報告会でも詳しくご報告いたします。詳細は近日中に公開いたしますの
で、まずは日程を確保していただけますと幸いです。

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◆ 目次
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【 1 】特集 「第52回ICANNシンガポール会議報告」
【 2 】News & Views Column
       「ドメイン名は「文字列」から「単語」の時代へ」
        株式会社ブライツコンサルティング  村上嘉隆氏
【 3 】インターネット用語1分解説
       「Thin WHOIS/Thick WHOISとは」
【 4 】統計資料
         1. JPドメイン名
         2. IPアドレス
         3. 会員数
         4. 指定事業者数
【 5 】イベントカレンダー


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【 1 】特集 「第52回ICANNシンガポール会議報告」
                                     JPNIC インターネット推進部 奥谷泉
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■ はじめに

2015年2月8日~12日までシンガポールで開催された「第52回ICANN会議(以下、
ICANN 52)では、2014年3月の米国商務省電気通信情報局(National
Telecommunications and Information Administration; NTIA)による発表(*)
以降継続している傾向は変わらず、今回も「IANA機能の監督権限移管」およ
び「ICANNの説明責任強化」に向けた提案に関する議論が最も着目されまし
た。

(*)米国商務省電気通信情報局がインターネットDNS機能の管理権限を移管す
   る意向を表明
   https://www.nic.ad.jp/ja/topics/2014/20140317-02.html

当初のスケジュールでは、ICANN 52の時点で、IANAにおける三つの機能(ドメ
イン名、番号資源、プロトコルパラメーター)について、機能ごとに移管に向
けた提案が出そろい、これらの提案に関する議論、調整を行うことが想定さ
れていました。

しかしながら、ドメイン名については、移管後の体制を提案する検討に責任
を持つICG(IANA Stewardship Transition Coordination Group)への提案の提
出が期日までに間に合わず、3機能それぞれの提案に対する議論には至りませ
んでした。ただし、ドメイン名のコミュニティにおける検討状況を踏まえた
全体スケジュールへの影響、ドメイン名のコミュニティを中心とした今後の
提案の方向性を含めて、IANA機能の監督権限移管が依然着目された議題であっ
たことに、変わりはありません。

また、米国政府においても、ICANN 52の前後に政府関係者への状況報告の機
会が設けられ、NTIAとして重視する事項を強調すると共に、コミュニティに
よる検討状況を共有している動きが見られました。

こういった状況の中で開催されたICANN 52について、本稿ではIANA監督権限
およびICANNの説明責任に関する議論の状況をさらに詳しくご紹介します。


■ ICANN 52までの状況

IANA機能の監督権限移管とICANNの説明責任について、ICANN 52の時点で明ら
かになっていたこととしては、以下の3点が挙げられます。

・ドメイン名に関する提案提出は延期:
    2015年1月15日の期限までにまとまらず、最短で2015年6月になる見込み

・ICGへ提出済みの2機能の提案だけをNTIAに提案することは認められない:
    プロトコルパラメーターおよび番号資源の2機能は、ICGへ提案提出済み
    しかし、この2機能だけ先立ってNTIAに提案を提出することは認められ
    ず、IANAの3機能同時に提案をそろえて提出する必要があるとNTIAが公言

・ICANNの説明責任に関する提案提出も同時に必要:
    IANA機能に関する提案の提出と同時に、移管までに対応を必要とする、
    ICANNの説明責任に関する課題についての提案提出も必要となるとNTIAが
    公言

上記に加え、米国議会が移管を受け入れる上で、ICANNの説明責任においては
ストレステスト(移管後の体制に伴い想定される問題、異常事態に耐え得るか
のシミュレーション)も重視されています。

今後は、ドメイン名のコミュニティにおける検討と、ICANNの説明責任に関す
る検討が遅滞なく進み、提案提出の目標としているICANNとNTIAの契約更新時
期となる2015年9月までに間に合うのかが、IANA機能監督権限移管のプロセス
が進展するかどうかの鍵を握ることになります。


■ ICANN 52での議論

◇ 全体状況の共有

ICANN 52では、NTIAへの提案提出を取り巻く状況、並行して行われている検
討プロセスの相関関係を整理したセッションや、三つのIANA機能におけるそ
れぞれの提案/検討状況を報告するセッションが開催されました。

筆者も、番号資源のコミュニティにおける提案を取りまとめた、CRISP
(Consolidated RIR IANA Stewardship Proposal)チームのチェアとして登壇
しています。各提案やプロセス間の連携について特に踏み込んだ議論はあり
ませんでしたが、現状を包括的に確認したい方は、発表資料や動画をご確認
ください。

IANA Stewardship Transition/Enhancing ICANN Accountability Information
Session
  http://singapore52.icann.org/en/schedule/sun-iana-stewardship-accountability

Responses to the ICG RFP Regarding the IANA Stewardship Transition
  http://singapore52.icann.org/en/schedule/mon-icg-rfp-iana-stewardship

◇ ドメイン名に関する検討

ドメイン名に関する検討においては、NTIAが現在ICANNを監督している役割に
置き換わるものとして、IANA機能におけるICANNの説明責任を担保する仕組み
の検討が大きく着目されています。

これを担保する上で、以下の四つの要素から成る仕組みを検討しており、a.
の対応策が争点となっています。

  a. IANA機能運営者の委託
       ICANNが適切にIANA機能を運営しない場合に、ICANNとIANAの名前機
       能を切り離し、他の組織にIANA機能を委託できる組織/機構
       External Solution案:ICANN外に「契約法人」(Contract Co.)の設立
                            (法人の持つ権限を最小限とする案と信託機関
                            とする二つの案)
       Internal Solution案:ICANN内部の機構
                            (定款の強化または信頼を守る仕組みの設立)
  b. マルチステークホルダーによるレビューチーム(MRT)
       契約法人の重要要素の決定やIANA機能における予算のレビュー、IANA
       機能運営者の再契約・再入札プロセス管理等、実質的な責任を担う判
       断を行う
  c. レジストリによる顧客常設委員会(CSC)
       サービスレベルに関してMRTに助言を行う
  d. 独立抗議パネル(IAP)
       ドメイン名紛争処理と同様、裁判外紛争解決手続の手法ですべての紛
       争を処理

ご覧の通り、a.への対応としてICANN 52の時点では、External Solution案と
して2点、Internal Solution案2点、合計四つの対応案のうちどれが望ましい
か議論している状況でした。基本的にはこの対応の議論に集中し、現在NTIA
が担っているルートゾーンの更新承認の役割を、移管後にどう置き換えるの
かについての議論には至っていないようです。

ICANN 52でのドメイン名に関する提案検討を行うセッションでは、そもそも
NTIAによる監督権限の移管は進めるべきなのかといった前提に立ち戻った内
容を含む、九つの質問がコミュニティに問いかけられ、今後の進捗が一部関
係者から危ぶまれました。新たな検討課題が多いとして、「契約法人」のよ
うな別組織を立ち上げるのではなく、現在のICANNの組織構成を前提としてド
メイン名に特化した検討を進める方向に、現在は議論の重点が置かれている
ようです。

◇ ICANNの説明責任に関する検討

ICANNの説明責任に関する検討については、移管時までに対応を必要とする課
題への提案を、3月中にまとめるスケジュールで検討が進んでいます。こちら
については、全体のNTIAへの提案提出の遅延につながる要因は今のところ見
受けられません。

◇ NTIAの見解

NTIAのLarry Strickling長官は今回のICANN 52では珍しく、「ドメイン名のコ
ミュニティにおける検討状況は、直接IANA機能に関係のない要素を検討しよ
うとするあまり物事を複雑にしており、説明責任について検討しているワー
キンググループと同じ課題を重複せずに検討を進めていくことが重要」といっ
た踏み込んだ発言をしていました。提案策定にあたりNTIAが重視する事項は、
Strickling長官による2015年1月27日のState of the Net Conferenceでのス
ピーチにおける「コミュニティが考慮すべき事項」で確認することができま
す。

  http://www.ntia.doc.gov/speechtestimony/2015/remarks-assistant-secretary-strickling-state-net-conference-1272015

◇ 全体スケジュール

ICANN 52において、移管後の体制を提案する検討に責任を持つICG (IANA
Stewardship Transition Coordination Group)の会議では、ドメイン名のコ
ミュニティにおける検討状況を踏まえて、どの程度程度全体スケジュールを
遅らせるべきか検討が行われました。しかし、どの程度他のプロセスでドメ
イン名のコミュニティにおける検討の遅れが吸収できるのか合意に至らなかっ
たこともあり、ICANN 52会議中に結論は出ませんでした。


■ 米国政府関係者への状況報告

ICANN 52開催後の2月25日に開かれた米国上院通商・科学・交通委員会の公聴
会には、Strickling長官およびICANN CEOのFadi Chehade氏が証人として召喚
されました。ビデオも公開されており、質疑から米国の立場が見て取れます。

  http://www.commerce.senate.gov/public/index.cfm?p=Hearings&ContentRecord_id=683924ae-83d7-4bf4-922a-cdecb9556ba9&ContentType_id=14f995b9-dfa5-407a-9d35-56cc7152a7ed&Group_id=b06c39af-e033-4cba-9221-de668ca1978a


■ 提案の提出に向けて

「契約更新のタイミングに、NTIAへの提案提出が間に合わなかったらどうな
るのか」ということは度々問われる質問ですが、仮に間に合わずとも、NTIA
が契約更新を行うことになるため、米国政府による監督のもと、IANA機能の
運営は現状通り継続します。従って、運用上、影響が及ばないことから、期
日に囚われすぎずに、十分に関係者が満足するまで議論をすることを重視す
る意見もあります。

実際、提案の提出期日については、2015年9月とされているIANA契約の有効期
限に間に合わなくとも現在の契約は期限延長が可能であるため、現在のIANA
機能に影響はなく、期日はあくまで目標であり、締め切りではないというこ
とがNTIAの長官からは度々強調されています。

一方、できるだけ目標期日までの提案策定を支持する人の中で、最もよく言
われていることは、これはインターネットにおいて一般的なボトムアップベー
スのプロセスに対する試験であるというものです。コミュニティが提案をま
とめられなければ、「政府主導で決定しないと物事が進まない」と主張をす
る人々に、格好の理由を与えてしまうことが懸念として挙げられています。

米国の情勢を見ると、大統領選挙が2016年に予定されており、現在の民主党
から共和党に政権が変わった場合、米国政府の意向が変わり、監督権限移管
の話が白紙に戻る可能性も、現実味をもってICANN参加者の中では語られてい
ます。米国政府の元職員であった業界の関係者によると、2016年に入ると、
議会は選挙対応で積極的な変更につながる動きは控える傾向にあるとのこと
から、タイミングを逃すと、提案を策定しても受け入れられるのか未確定の
要素が増えていくという状況のようです。

見通しを立てづらい状況ではありますが、筆者はIPアドレスおよびAS番号の
管理に関わっている番号資源コミュニティの立場から、できる限り目標期日
である2015年9月に沿って提案の策定が進むことを重視して、議論に参加して
います。


■ 次回のICANN会議等

次回のICANN会議は、2015年6月21日~26日にアルゼンチン・ブエノスアイレ
スで開催が予定されています。

  http://buenosaires53.icann.org/en/

また、JPNICでは今回のICANN 52の報告会を2015年4月14日(火)13:30から開催
予定です。詳細が決定次第、JPNICのWebサイトでご案内いたします。


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 ┃     ◆◇◆◇◆  本特集のご感想をお聞かせください  ◆◇◆◇◆     ┃
 ┃良かった                                                          ┃
 ┃→ http://feedback.nic.ad.jp/1285/bfc937d9c4b7410b540fd639e07ac0c9┃
 ┃                                                                  ┃
 ┃悪かった                                                          ┃
 ┃→ http://feedback.nic.ad.jp/1285/fe4b3b66b261cea58b43418090bad472┃
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【 2 】News & Views Column
       「ドメイン名は「文字列」から「単語」の時代へ」
                             株式会社ブライツコンサルティング 村上嘉隆
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ドメイン名の新しい時代が始まります……というか、既に始まっています。
これまでは「.com」等、主に3文字で構成されるジェネリック・トップレベル
ドメイン(gTLD)と、「.jp」等のように2文字で構成されるカントリー・コー
ド・トップレベルドメイン(ccTLD)で運営されていましたが、今後は文字数が
多いトップレベルドメイン(TLD)が出てきます。また、1バイトである「.(ドッ
ト)」と、2バイトである「多言語(ASCII以外の)文字列」が組み合わさった、
多言語TLDもどんどん増えています。そこで、文字数が多いTLDや多言語TLDに
よるアクセスは、不便ではないのかを考えてみました。

新gTLDのエンドユーザー教育やマーケティングを促進するDomain Name
Association (DNA)のコーホート分析では、写真に関連したTLD
(「.photography」、「.photos」、「.photo」、「.pics」、「.picture」)
において、どのような登録トレンドがあるのか調査、報告をしています。

  Feb 2015, State of the DomainsDomain Name Association (参照: Issue2)
  http://www.thedna.org/documents/DNA_State_of_the_Industry_2_NewsLetter_Final_2015-2-04-1.pdf
  ※ なお、P.7~の「Trademarks」では筆者のインタビューも取り上げられ
     ています

上記のTLDを比較した場合、セカンドレベルへの登録数では「.photography」
が一番多く登録されており、2位以下を大きく引き離しています。その他四つ
の文字列とは異なり、「photography」は写真そのものを表す単語ではなく、
写真を通じた創造活動を指す言葉です。つまり、文字の長さよりも、単語が
持つ意味やエンドユーザーにより訴えかける文字列が、好まれる結果となっ
ています。そして、「.photography」は紛れもなく「単語」です。

また、1バイトである「.(ドット)」と2バイトの文字列が混在する、多言語
TLDも多くマーケットに出てきます。Google社は、ASCIIである「.google」の
他、カタカナの「.グーグル」と、中国語の「.谷歌(グーグルの意味)」を
取得しています。既にインターネットやASCIIによるドメイン名が浸透した日
本のユーザーから考えると、「果たして使いやすいのだろうか」等といった
疑問も湧きますが、中国では十分有用性があるようです。ただ、Google社が
「利用者が多いから」といった、単純な理由でこれら三つのTLDを取得すると
は思えません。私の個人的な考えですが、たとえば、スマートフォンの音声
認識等を利用することで、各国特有のアクセント(発音)を聞き分け、各国の
Googleサイトにアクセスできるような技術、例えば日本人が日本人のアクセ
ントで「グーグル」と言った場合、「.google」ではなく「.グーグル」サイ
トにアクセスされるものを開発しているのでは、とも思ってしまいます。
Google社が、既に開発に着手していても驚かないですよね。話は戻りますが、
ここで私が言いたいのは、こちらも文字列ではなく、固有名詞ではあります
が「単語」によるWebサイトへのアクセスとなります。

これまでは、「.com」等ドメイン名での利用を目的として作られた、「文字
列(String)」によるWebサイトへのアクセスでしたが、今後は、TLDがより「単
語(Word)」として、認識される時代になっていくのではないのでしょうか?

■著者略歴

村上 嘉隆(むらかみ よしたか)

著作権への興味から2002年より知的財産業界に飛び込むも、以来一貫してド
メイン業務に従事。2005年より株式会社ブライツコンサルティング在職。現
在は新gTLDプロジェクトを中心に、さまざまなドメイン業務に関わる。日本
語生成パネル(http://j-gp.jp/)に参画。北海道出身。ファイターズをこよな
く愛す。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 3 】インターネット用語1分解説
         「Thin WHOIS/Thick WHOISとは」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「Thin WHOIS」および「Thick WHOIS」とは、ドメイン名のレジストリ(登録
管理組織)が、ドメイン名の登録情報をどのように管理・公開するかというモ
デルです。

「Thin WHOIS」とは、「Thin (薄い)」という言葉の通り、レジストリは当該
ドメイン名のネームサーバや管理レジストラ(登録事業者)といった最低限の
情報のみを管理・公開し、その他の詳細な情報はレジストリではなくレジス
トラが管理・公開するWHOISのモデルです。2015年3月時点ではgTLDの「.com」
および「.net」のみに採用されています。一方「Thick WHOIS」は、「Thick
(厚い)」という言葉の通り、レジストラと同様にレジストリも詳細な登録情
報を管理・公開するモデルです。上記の「.com」「.net」以外のgTLDや、
「.jp」などのccTLDでは、このThick WHOISが採用されています。

このように異なるWHOISのモデルが存在している理由ですが、gTLDに競争環境
を導入するという目的で1999年当時のgTLD (.com、.net、.orgの三つ)に導入
された、レジストリとレジストラの分業を徹底する「レジストリ・レジスト
ラモデル」が挙げられます。このモデルではレジストラに対し、より大きな
業務・責任範囲を分担させたことで、レジストリは業務遂行に必要な情報だ
けを持つことになりました。一方、gTLDと違い各国・地域に管理が任されて
いるccTLDでは、Thin WHOISは導入されませんでした。

しかしながら、ドメイン名の登録管理という観点からは、登録情報をレジス
トリが一元的管理できるThick WHOISの方が、情報の統一性が期待できます。
また、ドメイン名の登録情報を調べたいユーザーから見た場合、Thin WHOIS
を採用している「.com」や「.net」では、まずレジストリのWHOISを検索して
当該ドメイン名を管理しているレジストラを調べ、次にそのレジストラの
WHOISで登録情報を調べるという、Thick WHOISでは不要な手間が発生します。

そのため、現在はThick WHOISを支持する考え方が大勢を占めており、2000
年以降に追加されたgTLDではすべてThick WHOISが採用されています。また、
当初はThin WHOISを採用していた「.org」も、VeriSign, Inc.からPIR
(Public Interest Registry)へのレジストリ移管に伴い、Thick WHOISへと移
行しています。さらに、Thin WHOISを採用している「.com」と「.net」につ
いても、2014年2月にICANN理事会において「Thick WHOIS」への移行が決議さ
れているため、将来的にはThin WHOISを採用するレジストリは無くなる予定
です。

なお、2015年3月時点においては、「次世代WHOIS」とも呼ばれる、そのあり
方も含めたWHOISの根本的な見直しが、ICANNやIETFにおいて行われています。
プライバシーに配慮した形での情報公開や、全TLDの情報を1ヶ所に集積する
モデルへ変更すべきかどうかなど、さまざまな議論が続けられています。

■ 参考

インターネット1分用語「次世代WHOISとは」
https://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/next-gen-whois.html


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 4 】統計資料
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1. JPドメイン名

o 登録ドメイン数(2014年10月~2015年3月)
--------------------------------------------------------------------------------------------
日付|  AD  AC    CO    GO   OR    NE   GR   ED   LG   GEO   GA     GJ     PA   PJ   TOTAL
--------------------------------------------------------------------------------------------
10/1| 260 3534 368897 604 30989 14968 6918 4954 1841 2443 814988 121934  9141 3022 1384493
11/1| 261 3532 369620 605 31086 14938 6904 4968 1841 2438 817616 121776  9182 3048 1387815
12/1| 260 3531 369163 603 31116 14808 6848 4972 1841 2429 818346 121287  8649 3139 1386992
 1/1| 259 3525 369071 600 31179 14710 6807 4976 1841 2422 819626 120801  8567 3117 1387501
 2/1| 259 3533 368601 600 31262 14595 6761 4974 1841 2414 821046 120020  8627 3035 1387568
 3/1| 259 3543 369419 601 31430 14543 6745 4997 1841 2411 823925 119353  8725 3033 1390825
--------------------------------------------------------------------------------------------

 GA:汎用ドメイン名 ASCII(英数字)
 GJ:汎用ドメイン名 日本語
 PA:都道府県型ドメイン名 ASCII(英数字)
 PJ:都道府県型ドメイン名 日本語


2. IPアドレス

o JPNICからの割り振りとJPNICへの返却ホスト数(2014年9月~2015年2月)
------------------------------------------
  月 |   割振   |   返却   | 現在の総量
------------------------------------------
   9 |     1024 |        0 |   93022910
  10 |     7168 |     4096 |   93034174
  11 |     3072 |        0 |   93037246
  12 |    26624 |    24576 |   93039294
   1 |    40192 |    37888 |   93041598
   2 |     6144 |        0 |   93047742
------------------------------------------


□統計情報に関する詳細は → https://www.nic.ad.jp/ja/stat/


3. 会員数  ※2015年3月13日 現在

 ---------------------
  会員分類  | 会員数 |
 ---------------------
  S会員     |      3 |
  A会員     |      1 |
  B会員     |      2 |
  C会員     |      2 |
  D会員     |     99 |
  非営利会員|     10 |
  個人推薦  |     33 |
  賛助会員  |     37 |
 ---------------------
  合計      |    187 |
 ---------------------

□会員についての詳細は → https://www.nic.ad.jp/ja/member/list/


4. 指定事業者数  ※2015年3月12日 現在

   IPアドレス管理指定事業者数           408


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 5 】イベントカレンダー
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  2015.3.18(水)~19(木)        53rd CENTR General Assembly
                               (Copenhagen, Denmark)
  2015.3.20(金)                第55回臨時総会(東京、アーバンネット神
                               田カンファレンス)
                               第108回臨時理事会(東京、JPNIC会議室)
  2015.3.22(日)~27(金)        IETF 92 (Texas, U.S.A.)
 --------------------------------------------------------------------
  2015.4.2(木)                 第6回日本インターネットガバナンス会議
                               (IGCJ)会合(東京、JPNIC会議室)
  2015.4.12(日)~15(水)        ARIN 35 (California, U.S.A.)
  2015.4.14(火)                第42回ICANN報告会(東京、シスコシステム
                               ズ合同会社 東京本社会議室)
  2015.4.17(金)~24(金)        JPNIC技術セミナー(東京、JPNIC会議室)
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  2015.5.11(月)~15(金)        RIPE 70 (Amsterdam, The Netherlands)
  2015.5.18(月)~22(金)        LACNIC 23 (Lima, Peru)
  2015.5.24(日)~6.5(金)       Africa Internet Summit (Tunis, Tunisia)


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 JPNIC News & Views vol.1285 【定期号】

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