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    /P▲        ◆ JPNIC News & Views vol.1325【臨時号】2015.7.23 ◆
  _/NIC
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◆ News & Views vol.1325 です
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JPNICブログの記念すべき最初のエントリでも速報としてお知らせしましたが、
2015年7月10日に広島でIPv6 Summit in Hiroshima 2015が開催され、JPNICも
IPv6普及啓発の委員会に携わる立場から参加をしてまいりました。今回は、
それに関わる詳細なレポートをお届けします。

写真を含めた雰囲気については、JPNICのブログおよび主催者である広島地域
IPv6推進委員会のレポートもぜひご覧ください。

  - IPv6 Summit in Hiroshima 2015 参加レポート(JPNICブログ)
    https://blog.nic.ad.jp/blog/ipv6summit-hiroshima/

  - IPv6セミナー2015 Summer/IPv6 Summit in HIROSHIMA 2015を開催しまし
    た(広島地域IPv6推進委員会)
    http://www.supercsi.jp/ipv6deploy/?p=431

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◆ IPv6 Summit in Hiroshima 参加レポート
                                                 JPNIC IP事業部 佐藤晋
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2015年7月10日に広島で、IPv6 Summit in Hiroshima 2015が開催されました。
JPNICは、主催団体の一つである一般財団法人日本インターネット協会
(IAjapan)のIPv6デプロイメント委員会のメンバーも務めており、JPNICとし
ても検討を進めているIPv6の地方におけるプロモーションの参考にしたいと
考え、今回参加をしてきました。

当日は、それまでのジメジメした気候とは打って変わり、広島でも一気に30
度を超える真夏日となりました。

本稿では、その暑い広島で行われたIPv6に関する熱い議論についてレポート
します。


■IPv6 Summit in Hiroshima 2015とは

本イベントは、一般財団法人日本インターネット協会(IAjapan)のIPv6デプロ
イメント委員会が、毎年各地で開催している「IPv6地域サミット」の一つと
して開催されました。特に今回は、地元の広島地域IPv6推進委員会の定期イ
ベント「IPv6セミナー2015 Summer」と一体となっての開催となりました。

   https://www.iajapan.org/ipv6/summit/HIROSHIMA2015.html

広島地域IPv6推進委員会は、日本のインターネット黎明期に各地で誕生した
地域インターネットコミュニティの一つである、中国・四国インターネット
協議会(CSI)を母体としています。早期からIPv6の普及に取り組んできた組織
で、この7月で設立からちょうど10年となり、今回の開催はその10周年記念の
意味合いも含むものでした。

会場となったのは、広島県民文化センター内にある、県立広島大学のサテラ
イトキャンパス広島の大講義室で、150人以上の収容力があるところでした。
今回はそこに80名程度の参加があったと聞いています。これは、昨今のIPv6
地域サミットの中でも盛況であったと言えそうです。


■第1部講演

広島地域IPv6推進委員会の委員長である、広島大学の西村浩二先生によるご
挨拶に続き、総務省データ通信課企画官山口修治氏による「グローバルなイ
ンターネット政策について」というタイトルの講演が行われました。山口氏
は、ICANNの政府諮問委員会(GAC)にも参加しており、ICANN報告会でも毎回報
告していただいています。

インターネットの資源管理とガバナンスに関する基本的な解説からはじまり、
ICANNに関する議論の遷移、国際電気通信連合(ITU)や国連による動き、そし
てIANA機能監督権限移管に関する議論や、NETmundial Initiativeの動きをは
じめとする最新動向まで、かなり俯瞰的、網羅的にインターネットガバナン
スとそれにまつわる議論についてお話をしていただきました。

ICANN報告会や日本インターネットガバナンス会議(IGCJ)などは、どうしても
東京での開催になってしまい、東京以外の地域において、インターネットガ
バナンスに関する話を聞く機会は限られるため、IPv6の技術的な状況とは直
接の関係はないものの、状況の周知という点でも今回はとても良い機会だっ
たと思います。

会場からは、インターネットガバナンスの動向が、ドメイン名を利用してい
るユーザー等にも直接的な影響が出てくる可能性があるのか、あるいは、ド
メイン名に比べIPアドレスなどについてはあまり大きな動きはないのか、と
いった質問がありました。

約3週間後の2015年7月28日に開催する第8回IGCJの案内も、最後に行われ、マ
ルチステークホルダープロセスへの参画を促す意味でも有意義であったと感
じました。


■第2部講演

第2部では、JPNICの常務理事でもある日本電信電話株式会社の藤崎智宏氏が、
「IPv6の過去・現在・未来」として、1990年代前半からの、IPv4アドレス在
庫枯渇を見据えた新プロトコル開発の必要性とIPv6仕様の標準化までの歴史、
国内外におけるIPv6普及促進のための取り組みと挫折、IPv4アドレス在庫枯
渇以後から現在まで、統計データを交えた最新動向について紹介しました。

さらに今後に関して、現在IPv4アドレス枯渇タスクフォースでまとめている
提言と、解決していく必要のある技術面の課題について、例を挙げた解説も
行われました。

質疑においては、IPv6への移行が完了した場合、不要になったIPv4アドレス
の取り扱いが決まっていない点についての指摘がありました。また、SOHOや
中小企業など、個人ユーザーに近いレベルの対応に関する質問には、現状通
信キャリアおよびISP側がユーザーに意識させることなくIPv6対応を行ってお
り、何もせずにいつの間にかIPv6対応が完了する状況にあることを説明して
いました。

その他、現在進行形でユーザー規模が驚異的に拡大しているインドや中国に
おけるIPv4アドレスの不足状況、IPv6の普及状況についての質問もありまし
た。


■パネルディスカッション

最後に「IPv6 20年とこれから」というタイトルで、広島地域IPv6推進委員会
の初代の委員長も務められた、広島市立大学の前田香織先生をコーディネー
ターにパネルディスカッションが行われました。

パネリストは、前述の西村先生と藤崎氏、それにIPv6デプロイメント委員会
委員でもあるアラクサラネットワークス株式会社の新善文氏、株式会社イン
ターネットイニシアティブ(IIJ)の松崎吉伸氏の4名です。

パネルの前半では、それぞれがIPv6のこれまでを振り返る形で、西村先生は、
広島地域IPv6推進委員会の設立経緯から、これまで行ってきたさまざまな活
動などの紹介を、藤崎氏は前述の講演内容の補足などを、新氏からはIETFを
中心としたIPv6の標準化と実装に関する経緯を、そして松崎氏はIIJにおける
IPv6の関わりとサービス展開についてお話をしていただきました。あらため
て感じるのは、IPv6もその誕生から現在まで、長い時間とさまざまな紆余曲
折があり、(IPv4の)インターネットの発展にも大きな影響を与えてきたのだ
ということです。

後半では、IPv6あるいはインターネットの「これから」という観点で議論が
行われ、IPv6の普及、技術面でもまだまだ課題がある、といった点の他、や
はり経路数、アドレス数的にもIPv4の限界は近づいているため、今後のイン
ターネット接続サービスはIPv4/IPv6という区別なく、両方あわせて「イン
ターネット」として扱う必要があるといった指摘もありました。

IPv6で実現すると言われていた本当のエンドツーエンドの通信が、現状のイ
ンターネットの利用環境において是か非かといった議論や、またIoTなど膨大
な端末がインターネットあるいはIPネットワークに繋がってくるという局面
を迎え、未知の課題が増えていく可能性があるなど、今後もコミュニティが
一体となり、連携協調しながら、そして若い人たちをも巻き込みながら、イ
ンターネットを発展させていく必要があることを確認し、パネルディスカッ
ションは終了となりました。


■最後に

サミット終了後は、会場を移して、広島地域IPv6推進委員会の10周年記念
パーティを兼ねた懇親会も開催されました。

設立時から10年間にわたるさまざまな活動の写真がスライドショーで投影さ
れる中、設立時から関わってきた方々が代わる代わるご挨拶をされていまし
た。大学や研究機関だけではなく、地元の産業界や行政とも連携しながら、
インターネットはもとよりIPv6の普及を進めてきた地域コミュニティという
のは、かなり稀有な存在だと思います。しかしそういった足腰の強さがある
ことで、10年の歴史を重ねてくることができたのだと感じました。

IPv6地域サミットは、どちらかというと情報が十分に行き渡らない地域に対
して情報提供することで、その地域における普及や啓発に繋げていくことを
目的としていますが、今回の広島では逆に、地域における活動実績という力
強いフィードバックをいただいたような印象でした。


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       わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
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