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    /P▲        ◆ JPNIC News & Views vol.1329【臨時号】2015.8.5 ◆
  _/NIC
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◆ News & Views vol.1329 です
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2015年6月下旬にアルゼンチンのブエノスアイレスにて、第53回ICANN会議が
開催されました。

本号では、今回の会議でも引き続き話題の中心となった、IANA監督権限の移
管に関する提案の取りまとめと、ICANNの説明責任強化に関する議論の動向を
中心にご報告します。また、新gTLDプログラムについては、第2ラウンドに向
けた動きを取り上げています。

なお、IANA監督権限の移管に関しては、本号でも取り上げているコミュニティ
からの提案をまとめた統合提案が2015年7月31日に公開され、9月8日まで40日
間の意見募集が実施されています。詳しくは下記のトピックスをご覧くださ
い。

  IANA機能の監督権限移管に向けた統合提案への意見募集のご案内
  https://www.nic.ad.jp/ja/topics/2015/20150805-01.html

その他にも、JPNICではIANAの監督権限移管に関する情報を、Webサイトにて
掲載しています。これまでの経緯なども含めてご確認いただけますので、こ
ちらも併せてご参照ください。

  IANA機能の監督権限の移管について
  https://www.nic.ad.jp/ja/governance/iana.html

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◆ 第53回ICANNブエノスアイレス会議報告
                                     JPNIC インターネット推進部 奥谷泉
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■ 今回の会議の特徴

2015年6月21日(日)から25日(木)にかけて、アルゼンチン・ブエノスアイレス
にて第53回ICANN会議が開催されました。この会議での特筆すべき成果は、
IANA監督権限移管に関するドメイン名コミュニティからの提案が、分野別ド
メイン名支持組織(GNSO)、国コードドメイン名支持組織(ccNSO)の両評議会に
承認されたことです。これによって、IANAが管理する、ドメイン名、番号資
源、プロトコルパラメータの、3資源すべてのコミュニティからの提案が出揃
い、米国商務省情報通信局(NTIA)へ提出する統合提案の内容が、具体的に見
えてきました。

これに加え、IANA監督権限移管に併せてNTIAに提出が求められている、ICANN
の説明責任強化に関する提案策定を取り巻く議論も着目されていました。こ
ちらは、ブエノスアイレス会議では対策の実装案においてやや迷走していま
したが、その後2015年7月にフランスのパリで開催された、各支持組織(SO)、
諮問委員会(AC)からの代表者により構成される、CCWG (Cross Community
Working Group)個別会議の議論を経て、提案ドラフトが作成されました。

IANA監督権限移管に関する統合提案は2015年7月31日(金)から、ICANNの説明
責任強化に関する提案は8月3日(月)から、40日間の意見募集が実施されてい
ます。

IANA機能の監督権限移管とICANNの説明責任の関係は、vol.1217(*1)で紹介し
ていますので、詳しくはそちらをご覧ください。

(*1) https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2014/vol1217.html

その他新gTLDについては、いくつか残されている継続課題が議論される一方
で、早速次回ラウンドの申請受付に向けた検討も、始まりつつある状況です。

今回の会議で特徴的だったこれらのトピックについて、IANA機能の監督権限
の移管に関しては統合提案の提出に向けた今後の見通しなどを、ICANNの説明
責任強化に関しては、重要決定にコミュニティ代表を関与させるという検討
などについて、以下に詳しくご紹介します。また、新gTLDに関しては、第2ラ
ウンドに向けた動きを取り上げます。


■ IANA機能の監督権限の移管

今回のICANN会議では、提案提出後の実施に向けた流れに目が向けられて、
オープニングセレモニーでは以下のような見通しが示されました。

 第1段階: コミュニティによる提案の策定・NTIAへの提出  2015年10月頃
 第2段階: NTIAによる提案内容の審査・米国議会での承認  2016年1月頃
                                                       ~2016年3月頃
 第3段階: 提案の実装・移管完了                        2016年7月頃

現在は第1段階にあります。IANA機能の管理する三つ資源のうち、提案が未提
出であったドメイン名コミュニティからの提案に関しては、IANA機能をICANN
の完全子会社として分社化する「Post Transition IANA (PTI)モデル」に基
づく提案ドラフトが、今回のICANN会議中にIANA stewardship transition
Coordination Group (ICG)に提出されました。

これによって、NTIAへの提案提出を担っているICGが、ドメイン名、番号資
源、プロトコルパラメータの3資源の統合に向けて、作業を進められる段階と
なりました。この3提案は、IANAの商標やiana.orgドメイン名など知的財産権
の扱いで若干の食い違いが残るものの、本流の部分で噛み合わない点はない
という状況です。

また、NTIAから移管の実装スケジュール提出が求められるなど実装を意識し
た動きもあり、実際、番号資源コミュニティは、提案の実装準備に着手して
います。

なお、今後の見通しについては、米国の政治状況とも無関係ではなく、大統
領選を前にして審議が滞り始める時期までに議会での承認を完了し、選挙後
政権交代があった場合は方針が不透明になることに備えて、2016年の末には
実装を完了していることが望ましいというのが関係者の共通認識です。米国
政府や議会でも、既にIANA監督権限移管に関する検討が進んでおり、ICANN
CEOのFadi Chahade氏やNTIA長官のLarry Strickling氏も、議会公聴会に証人
として召喚されています。今後、政治的な判断が行われる段階に近づくにつ
れ、策定された提案を米国議会関係者に受け入れてもらえるよう、政治的な
状況を踏まえたメッセージングも重要となってくると考えられます。


■ ICANN説明責任の強化

NTIAは、IANA機能の監督権限が移管された後も、ICANNが組織として信頼に足
り得る運営が可能であることを示す必要があるとして、IANA監督権限移管と
同時に、ICANNの説明責任機構強化に関する提案の提出を求めています。

この提案に関する議論は、各支持組織(SO)、諮問委員会(AC)からの代表者で
構成されるCCWGで提案の策定が進められています。筆者はアドレス支持組織
(ASO)代表の一員として、この活動に関わっています。

説明責任機構強化に関しては、理事会がICANNにおける重要な決定をすべて担
う構造にある現状から、特に重要な決定に関しては、コミュニティ代表に理
事会を優越する権限を与えることを前提に検討が進みました。ここで、特に
重要な決定とされる事項は、以下のものです。

・重要な定款条項(Fundamental Bylaw)の変更承認
・その他の定款変更に関する理事会決定の棄却
・予算・戦略・運営計画に関する理事会決定の棄却
・理事の退任
・理事会の解任

ここでの争点は、コミュニティ代表の法的位置づけです。ブエノスアイレス
会議では、コミュニティ代表体の構成に関して二つの案が議論に上っており、
カリフォルニア州法上の位置づけから、コミュニティ代表体がICANNを訴訟で
きる権限をどの程度持てるかという観点から、活発な議論が行われました。
この議論はICANN会議の会期中には収束を見なかったものの、パリのCCWG個別
会議では、既存のSO・ACが共同設立する法人格を持つ組織を唯一の会員と定
義することで、理事会に対して訴訟を可能とする方法が支持を得ました。


■ 新gTLD

今回の新gTLDプログラム第1ラウンドのオークション収入は、13件で5,880万
米国ドルに上ります。この公正な管理をコミュニティワーキンググループで
検討するために、そのチャーターの起草グループが構成されており、起草に
向けた現状把握などのセッションが持たれました(*2)。

(*2) https://community.icann.org/display/gnsocouncilmeetings/Pre-CWG+Workshop+on+new+gTLD+Auction+Proceeds

また、TLD Universal Acceptance (*3)に関しては、前回会議でコミュニティ
によるステアリンググループ(UASG)が組成されていますが、UASGの作業進捗
や、事業者における取り組みを共有するセッションが持たれました。

(*3) https://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/tld-universal-acceptance.html

一方、新gTLDプログラムの第2ラウンドに向けて、第1ラウンドにおける課題
を洗い出すべく、事務局に課題報告書作成を求めることが、GNSOで承認され
ました。課題報告書は、ポリシー策定プロセス開始検討のために供されるも
ので、第2ラウンドへの準備が始まったということができます。


■ 次回のICANN会議

第54回ICANN会議は、アイルランド・ダブリンで2015年10月18日(日)~22日
(木)に開催される予定です。今後の工程が円滑に進めば、IANA機能の監督権
限移管に向けてNTIAへ提出する提案が確定する、大きなマイルストーンにつ
ながる会議になると考えられます。興味のある方は、リモートでも参加可能
です。

  https://comlaude.com/events/icann-54-dublin


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       わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
             https://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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 JPNIC News & Views vol.1329 【臨時号】

 @ 発行  一般社団法人 日本ネットワークインフォメーションセンター
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