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    /P▲        ◆ JPNIC News & Views vol.1444【臨時号】2016.10.25 ◆
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◆ News & Views vol.1444 です
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2016年9月下旬から10月上旬にかけて、スリランカのコロンボにてAPNIC 42カ
ンファレンスが開催されました。前編では全体概要およびアドレスポリシー
に関する報告をしましたが、後半となる本号では、技術関連の動向をご紹介
します。

前編でお届けした内容については、下記のバックナンバーをご覧ください。

□APNIC 42カンファレンス報告
  [前編] 全体概要およびアドレスポリシー関連報告(vol.1442)
  https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2016/vol1442.html

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◆ APNIC 42カンファレンス報告 [後編] 技術動向報告
                           JPNIC 技術部/インターネット推進部 木村泰司
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APNICカンファレンスでは、IPアドレスポリシーの議論が行われるPolicy SIG
や、APNICの総会であるAMMの他に、技術的なセッションが開かれています。
これまで、これらのセッションはAPOPS (The Asia Pacific OPeratorS forum)
と呼ばれていましたが、今回のAPNICカンファレンスでは、テーマごとに個別
のセッションが開かれていました。

(APNIC 42で開催された技術的なセッションのテーマ)

 1日目 … https://conference.apnic.net/42/program#/schedule/day/6
  - IPv6移行ストラテジー(チュートリアル)
  - ネットワークの性能
  - DNSとインターネット番号資源(INR)のセキュリティ

 2日目 … https://conference.apnic.net/42/program#/schedule/day/7
  - IoTイントロダクション
  - ネットワーク運用
  - IXPデザインと運用のベストカレントプラクティス
  - ネットワークSSR
  - IPv6対応計測BoF

 3日目 … https://conference.apnic.net/42/program#/schedule/day/8
  - FIRSTテクニカル・コロキア

これまでのAPNICカンファレンスでは、DNSやIPアドレス・ルーティングを中
心とした、技術的な話題がAPOPSで取り上げられてきましたが、今回はインシ
デント対応により重点を置いたプログラム構成に変わってきたようです。

例えば、3日目に国際的なCSIRTをメンバーとする非営利のFIRSTによるセッ
ションが開かれており、また、インシデントに関する調査研究で知られる米
国の非営利組織、Team CYMRU所属の方による講演が注目を集めていました。

本稿では、3日間のセッションに加えて、国別インターネットレジストリ(NIR)
の動向を踏まえて3点報告します。


■ FIRSTテクニカル・コロキア

FIRSTテクニカル・コロキア(TC)は、FIRST主催のセキュリティに関するセッ
ションです。テクニカル・コロキアとは技術的なセミナーの意味で、APNIC
42の参加者も参加できるという位置づけで開催されました。

(FIRST TCの講演タイトルと資料URL)

 - Meet Remaiten: LinuxベースのルータやIoTデバイス用のボットネット開
   発, Afifa Abbas氏, Banglalink Digital Communications Limited
   http://cgi1.apnic.net/conference_data/files/APSr107/afifa-apnic-change_1475632543.pdf

 - DDoSMon.net: グローバル DDoSモニタリングシステム, Yiming Gong氏
   http://cgi1.apnic.net/conference_data/files/APSr107/ddosmon-apnic-42_1475580565.pdf

 - 技術/運用/ポリシーの枠を超えた情報共有による協力について
   Merike Kaeo氏, FARSIGHT Security
   http://cgi1.apnic.net/conference_data/files/APSr107/information-exchange-collaboration-across-technical-operational-policy-boundaries.pdf

この他に、フィッシングを行うグループにとっては、Webページを使った
フィッシングと、自動預払機(ATM)におけるスキミングが、金銭をだまし取る
「手段」として同列に位置づけられていることから、スキミングの実態を映
像で紹介する講演もありました。


■ インターネットにおけるIPv6の性能

国際的に導入が進められているIPv6の信頼性や通信速度に注目した調査が、
APNICで行われています。チーフサイエンティストのGeoff Huston氏によって
講演されました。世界のIPv6のネットワークに信頼性はあるのか、IPv6のネッ
トワークは「速い」のかという、素朴な疑問に応える調査です。前回のAPNIC
41に続いて、さらに蓄積されたデータを分析した結果が報告されました。

信頼性については、TCPのコネクションがすべて確立するのかどうか、通信速
度については遅延(RTT)を比較して調査されています。具体的には、Google社
のAdwordsに登録された小さな画像を、あらかじめデュアルスタックのサーバ
に置いておき、ユーザーのWebブラウザから取得される様子を観測します。

その結果、アクセスされたユニキャストのIPv6アドレスの1.5%が、TCPコネク
ションの確立に失敗していることがわかります。単純に比べられるデータで
はありませんが、同じ調査でIPv4が0.2%と示されており、また前回の2015年
の調査結果と大きく変わっていません。6to4のネットワークは、コネクショ
ン確立の成功率が低いことも、変わらず観測されました。通信速度について
は、IPv6のパケットがIPv4と違って、ネットワーク的に遠いルータを経由し
ていると考えられるアドレスも見つかりました。

講演のスライドには、国別の比較結果なども入っています。

  IPv6 Performance (revisited)
  Geoff Huston氏, APNIC
  http://cgi1.apnic.net/conference_data/files/APSr107/ipv6-performance-revisited.pdf


■ RPKIの動向 ~APNICの五つのCAとNIRの動き~

リソースRPKI (RPKI)は、IPアドレスなどのアドレス資源の割り振り/割り当
ての証明書を発行する公開鍵基盤(PKI)です。インターネット経路制御のセ
キュリティ技術である、BGPSECなどで利用することができます。現在、アジ
ア太平洋地域では、APNICとJPNICでRPKIのリソース証明書発行サービスが提
供されており(JPNICは試験提供)、他のNIRでも調査研究やシステム開発が進
められています。

APNICでは、MyAPNICで提供されているRPKIのGUIを改良し、IRR (Internet
Routing Registry)のrouteオブジェクトを同じ画面に表示して比較できるよ
うになりました。しかし、以前から大きな課題になっている、JPNICとAPNIC
のRPKIシステムが連携していない点については、進展がありませんでした。
APNICのHuston氏は、APNICのRPKIシステムが複雑になっていて、JPNICとの接
続を妨げる要因の一つになっていることと、APNICの五つの認証局(CA)につい
て説明し、これを一つにすべきかどうかを問いかけていました。

  RPKIトラストアンカー
  Geoff Huston氏, APNIC
  http://cgi1.apnic.net/conference_data/files/APSr107/2016-10-3-rpki-ta_1475113158.pdf

NIRの中では、中国のNIRであるCNNICの取り組みが活発です。テストベッドを
運用しており、ISPを交えた技術検証を行っています。またCNNICは、RPKIの
標準化活動を行っているIETF SIDR WGでも、RPKI運用上の課題を指摘する
Internet-Draftを発表するなどしています。現在、RPKIシステムの開発を行っ
ており、2016年12月までに一旦完了するとしています。その他のNIRでは、韓
国のKRNICやインドのIRINNも、RPKIのサービス提供に前向きで情報収集をし
ていました。

              ◇               ◇                ◇

APNIC 42が開催されたスリランカは、インド、バングラデシュ、ミャンマー
などが面する、ベンガル湾にある島国です。ベンガル湾地域の人口を約13億
人と計算すると、米国の約3億人を大きく上回ることから、インターネット人
口も米国のそれを大きく上回ると考えられています。この地域のコネクティ
ビティを支えるのは、インドの東岸とバングラデシュの南岸、ミャンマーの
南岸を結ぶ海底ケーブルです。現在のスリランカの経済成長に見られるよう
に、今後この地域が経済発展していくことを踏まえると、インターネットの
物理的な接続の施策も、重要な位置づけになると考えられます。地政学的な
視点を交えた興味深い発表が、APNIC 42のオープニング・プレナリで行われ
ましたので、ご紹介しておきます。

  Connectivity in the Bay of Bengal
  Rohan Samarajiva氏
  http://cgi1.apnic.net/conference_data/files/APSr107/samarajiva_presentation_apnic_oct16_1474455927.pdf

              ◇               ◇                ◇

次回のAPNIC 43は、APRICOT 2017との共催にて、ベトナム・ホーチミンシティ
で行われます。ワークショップの期間は2017年2月20日(月)~24日(金)、カン
ファレンスが2017年2月27日(月)~3月2日(木)です。


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       わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
             https://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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 JPNIC News & Views vol.1444 【臨時号】

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