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/P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.1975【定期号】2023.1.16 ◆
_/NIC
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◆ News & Views vol.1975 です
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毎月15日(土日祝の場合はその翌営業日)に発行している定期号では、特集記
事のみならず、業界メンバーのコラムや用語解説、統計などもお届けしてい
ます。
2023年最初の定期号となる本号では、新春恒例企画であるJPNIC役員による
「2023年のインターネットキーワード」をお届けします。インターネットの
重要性がますます認識される昨今において、インターネットとの関わりをお
考えいただく上での参考になりますと幸いです。
また、インターネット用語1分解説では、昨年2022年11月に活動再開が観測さ
れニュースでも注目された「Emotet(エモテット)」について解説しています。
2023年もよろしくお願い申し上げます。
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◆ 目次
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【 1 】特集 「2023年のインターネットキーワード」
【 2 】インターネット用語1分解説
「Emotetとは」
【 3 】統計資料
1. JPドメイン名
2. IPアドレス
3. 会員数
4. 指定事業者数
【 4 】イベントカレンダー
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【 1 】特集 「2023年のインターネットキーワード」
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2023年を迎え、今年も読者の皆さまにご活用いただける情報を、News & Views
を通じてお届けする所存です。引き続きご愛読のほど、お願い申し上げます。
さて、本年最初の定期号の特集では、恒例のJPNIC役員による「2023年のイン
ターネットキーワード」をお届けします。昨年来の政治的・経済的インパク
トは今なお予断を許さない状況ではありますが、2023年は国内においてイン
ターネット関連の大型イベントが、オンサイトで複数開催予定であるなど、
前向きな動きが大きく期待される年となりそうです。皆さまが2023年を見通
す上で、キーワードを参考にしていただけますと幸いです。
◇ ◇ ◇
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◆ 江崎 浩 (JPNIC理事長/東京大学大学院 情報理工学系研究科 教授)
◆ 2023年のInternet Keyword:「The Global Infrastructure」
[理由]
GlobalizationとGlobalとの違いは、多様性の尊重にあるのではないだろ
うか。インターネットは、地球上で構成される"The"(唯一の)
infrastructureであり、多様な技術と所有者/運用者が構築・運用する
ハードウェア資源の上に共通のWeb/IPを用いたインフラが形成され、そ
の上に、多様なコミュニティー(メタバースやWeb3)が形成されている。
Globalの意味を再確認し、2023年に日本でたくさん開催されるイベント
に参画したい。
└─────────────────────────────────┘
┌─────────────────────────────────┐
◆ 曽根 秀昭 (JPNIC副理事長/東北大学 データシナジー創生機構
特任教授)
◆ 2023年のInternet Keyword:「次世代・次々世代」
[理由]
インターネットに限らず世代交代と継続は大切ですが、インターネット
は立ち上がりと普及が世界規模で急速だったので、当時のキーパーソン
がある程度の年代に集中しているようです。いま、その年代の引退時期
がピークに近づいてきているらしいので、JPNIC含め、インターネット関
連のあらゆるところでそのことを考えなければと思う年です。
└─────────────────────────────────┘
┌─────────────────────────────────┐
◆ 野村 純一 (JPNIC副理事長/株式会社ゲンザイ)
◆ 2023年のInternet Keyword:「広義のセキュリティ・リスク」
[理由]
インターネットへの信頼を揺るがす要因として、広い意味での「セキュ
リティ・リスク」が挙げられると思います。インターネットは人間のあ
らゆる活動・行動に深く関係するインフラとなったため、善用のみなら
ず悪用する事態が懸念されます。サーバやネットワークへの攻撃などに
留まらず、国際政治や軍事利用の目的でインターネットを悪用して、意
図的に他者を陥れたり欺くといった行為が懸念されます。これが常態化
すると、インターネットは信頼できないといった見方・考え方が拡がる
ことになるでしょう。そこで《インターネットの信頼性を確保する》観
点から、こうした事態に適切に対応できるかが、すべての関係者に問わ
れることになると思います。
└─────────────────────────────────┘
┌─────────────────────────────────┐
◆ 岩谷 理恵 (JPNIC理事/株式会社日本レジストリサービス 総務本部
本部長)
◆ 2023年のInternet Keyword:「国際イベントの開催」
[理由]
新型コロナウイルスの拡散により、各種イベントが中止されていました
が、徐々にイベントも再開しつつあり、海外からの旅行者も多くなって
きました。今年は日本でAPNIC ConferenceやInternet Governance
Forum、IETF等の国際イベントが開催される予定です。各種イベントでの
議論、交流がどのように行われるか、とても楽しみです。
└─────────────────────────────────┘
┌─────────────────────────────────┐
◆ 宇井 隆晴 (JPNIC理事/株式会社日本レジストリサービス 取締役
システム本部長)
◆ 2023年のInternet Keyword:「フラグメント/スプリンターネット」
[理由]
インターネットは世界をひとつにつなぐもので、グローバルなネット社
会の成長基盤となるものと、多くの人や組織が信じています。その一方
で、インターネットを分断する動きもあります。
従来、権力が対外接続を制限することで情報統制をするという動きはあ
りましたが、ウクライナ紛争など最近の国際情勢における新たな動きと
して、グローバルの側からある一部分を切り離すような、制裁的・攻撃
的とも言える分断の動きが見られるようになりました。
IGFをはじめ、多くのイベントが日本で開催される2023年、大きなテーマ
です。
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┌─────────────────────────────────┐
◆ 荻野 司 (JPNIC理事/(一社)重要生活機器連携セキュリティ協議会
代表理事)
◆ 2023年のInternet Keyword:「マルチステークホルダーとインター
ネット」
[理由]
年末、年始の報道番組で、第二次世界大戦後の冷戦期でさえも米国と
ソ連は、対話できるホットラインを維持し、考え方の違いを乗り越える
努力がなされていたことが取り上げられていました。一方、昨年、始まっ
たロシアとウクライナの戦争では、安全保障上の戦略的な見地からイン
ターネットを分断するような動きがありました。社会体制や思想・宗教
の違いによる世界の分断を、インターネット=通信を戦略的な道具とし
て利用するような動きは、今後も続いていくでしょう。インターネット
が社会インフラになっている今日、安心・安全でかつ安定したインター
ネット基盤の維持・拡充が必要であり、(経済)安全保障上も重要な位置
づけになっています。インターネットに関わる多くのステークホルダー
の意見を遮断するのでなく、自由に言い合える、そして議論できる「場」
が大切だと思います。
└─────────────────────────────────┘
┌─────────────────────────────────┐
◆ 金井 俊夫 (JPNIC理事/エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ
株式会社 執行役員 プラットフォームサービス本部
クラウド&ネットワークサービス部長)
◆ 2023年のInternet Keyword:「不確実性に対応する基盤」
[理由]
世界各地において地政学的リスクが高まり、経済的にもインフレが拡大
するなど不確実性が高まってきています。このような社会において大事
なことの一つは、「国民一人一人がさまざまな情報にアクセスでき、何
が正しいかを自分自身で判断できる環境がある」ことだと思います。イ
ンターネットの自由度が悪化した国が増え、また悪意や意図を持ったフェ
イクニュースも巧妙さを増している状況ですが、民主主義や健全な社会
の基礎となる「自由で公正、公平、中立なインターネット」の重要性が
ますます高まっていると感じます。
└─────────────────────────────────┘
┌─────────────────────────────────┐
◆ 後藤 滋樹 (JPNIC理事長/早稲田大学 名誉教授)
◆ 2023年のInternet Keyword:「没有什麼是完美的」
[理由]
このキーワードは西遊記の終盤にあります。天竺(西天)で釈迦如来から
仏教の経典(真経)を受取った三蔵法師(唐僧)一行が唐に戻る途中で河に
落ちます。真経の巻軸が濡れてしまい、河原の岩の上に広げて乾かしま
す。それを巻き取るときに紙の一文字が岩に付いて剥がれます。それを
見た唐僧は驚愕します。
孫悟空が次のように言います。天上天下どこにも完璧(完美)なものはあ
りません(没有)。あなたも私も完美ではありません。真経を唐に持ち帰
れば、人々を善に向かわせ痛苦から救うことができます。ただし人々を
完美にするものではありません。真経が完美でなくても良いのです。
このキーワードは簡体字中国語の西遊記(児童向)から引用しました。麼
の簡体字が日本の漢字に無いために繁体字に変えています。完美な引用
ではありません。なお真経の現物は中国のどこにも残っていません。西
安の大雁塔は真経を保存するための建物ですが、その中にも無いそうで
す。
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◆ 関谷 勇司 (JPNIC理事長/東京大学 大学院 情報理工学系研究科 教授)
◆ 2023年のInternet Keyword:「インフラの再認識」
[理由]
昨年は「インフラ」というものの役割を考えさせられる1年でした。新年
を迎え、今年はさらにこの言葉の意味、そして役割がより重視されるべ
き状況を迎えるのではないかと思います。インフラは社会生活を支える
ものであり、インフラとなったインターネットは誰が支配するものでも
なくグローバルに通信環境を提供する、そんな理念を再度確認する必要
があるのではないでしょうか。不自由なくインフラを使っている人々が。
└─────────────────────────────────┘
┌─────────────────────────────────┐
◆ 鶴 昭博 (JPNIC理事/株式会社JPIX)
◆ 2023年のInternet Keyword:「双方向で重要性を増すブロードバンド」
[理由]
2023年1月末に、フレッツADSLサービスが一部エリアを除いてサービス提
供終了となります。FTTH時代の到来が予測されていた中、ADSLにどこま
で投資するべきかいろいろな議論がありましたが、ADSLサービス登場か
ら始まった定額・常時接続アクセスによる新たなインターネット利用用
途の広がりを考えると、その役割は大変大きかったのではないでしょう
か。
今後のIoTデバイス拡大や社会のデジタル化により、下りだけではなく上
りデータのトランザクションも重要になってきます。さまざまなデバイ
スからクラウドやエッジクラウドに向けて、多種多様なデータがそれぞ
れの特性による通信形態、トラヒックフローでインターネット上を流れ
ることになります。いよいよFTTHの本領発揮となるのではないでしょう
か。
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┌─────────────────────────────────┐
◆ 中村 素典 (JPNIC理事/京都大学 情報環境機構 教授)
◆ 2023年のInternet Keyword:「パスワードレス認証時代の到来」
[理由]
簡単に破られる脆弱なパスワードの使用、使いまわしパスワードの漏え
い等によるアカウント乗っ取りへの対策として、多要素認証の必要性は
広く認識されたものの、その導入方法は多岐にわたるため、企業等への
導入においては今一つ決め手に欠ける状況が続いていた。次世代の多要
素認証、特にパスワードレス認証の手段として、スマートフォンの急速
な普及と機能高度化の流れにのってFIDOは有力な選択肢であるが、それ
でもパスワード認証からの完全な移行には時間がかかると思われていた。
このような中、認証用デバイス間の同期機能を持ったパスキー(Passkeys)
が登場し、Apple、Google、Microsoftも2022年にサポートを表明した。
厳格な認証としてはまだ課題が残されているが、セキュリティの底上げ
という意味において急速に利用環境が変化する1年になるだろう。
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◆ 橋川 和利 (JPNIC理事/ケーブルテレビ徳島株式会社)
◆ 2023年のInternet Keyword:「デジタルと人材育成」
[理由]
デジタルの力を活用して地方の活性化を図る方針が示され、具現化への
取り組みが行われています。今や、リモートワークは働く一つの形となっ
ていますが、地方でデジタル基盤を整備するには、ハード・ソフトの両
面で人材の確保が重要であり、専門的な知識を身につけるだけでなく、
人と交流できる環境を整えて人を育てていく必要があります。人材還流
を促進することにより、デジタルによる豊かな暮らしができる環境がで
きていくことを期待します。
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◆ 長谷部 克幸 (JPNIC理事/日本電信電話株式会社 技術企画部門
担当部長)
◆ 2023年のInternet Keyword:「日本開催」
[理由]
インターネットが日本で商用化されてから30年が経ちました。直近3年間
の技術の進化と社会生活への浸透は、新型コロナウイルス感染症禍での
社会生活の変化もあり、この20数年での進化と同じような進化が3年間で
起こるなど、目覚ましいスピードで進化しています。この進化のスピー
ドは今後も継続し、世の中のあらゆるものへ、その領域を広げ変化して
いき始めています。
2023年はIETF Meeting(3月)、G7群馬高崎デジタル・技術大臣会合(4月)、
G7サミット(5月)、APNIC Conference(9月)、Internet Governance Forum
(10月)と多くの重要な会議が日本で開催されます。レジリエントなデジ
タルインフラ・システムとしてのあるべき姿をこれらの会議を通じて、
日本から世界に向けて発信する年になります。
この機会にぜひともこれら会議に積極的に参加・注目し、一緒にインター
ネットのあるべき姿について考え、議論を行い、発信していきましょう。
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◆ 馬場 聡 (JPNIC理事/北海道総合通信網株式会社)
◆ 2023年のInternet Keyword:「ネットワーク強靭化へ」
[理由]
政府が掲げる「デジタル田園都市国家構想」が本格化してくると考えて
います。有事やパンデミックが身近に感じるようになった昨今、有事の
際の対策が重要不可欠になる。ネットワークの強靭化もその対策のひと
つ。特に国内ではネットワークの末端になるここ北海道では、重要な課
題。データセンタの分散化、地域IX、海底ケーブル整備によるインフラ
強化、Beyond 5Gなどなど。ネットワークの強靭化により、地域社会の活
性化が実現する第一歩になるのではないでしょうか。
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┌─────────────────────────────────┐
◆ 藤崎 智宏 (JPNIC理事/NTTコミュニケーションズ株式会社
情報セキュリティ部)
◆ 2023年のInternet Keyword:「IPv6は普及推進から利用高度化へ」
[理由]
IPv6は、利用しようと思えば、日本中ほぼどこでも利用可能となりまし
た。2022年に開催されたサッカーのワールドカップでも、IPv6によるイ
ンターネット配信による視聴が既に過半を超え、IPv6インフラがなけれ
ばインターネットを利用した高精細な画像配信は実現できなかったと思
われます。
しかしながら、利用したい環境でIPv6が必ず利用できるか、IPv6の特質
を活かした使い方がされているかという観点では、さらなる取り組みが
必要です。2023年に日本で開催される数々の国際イベントを盛り上げな
がら、IPv6の高度利用を進展させていきたいと考えています。
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◆ 穂坂 俊之 (JPNIC理事/株式会社QTnet 執行役員 経営戦略本部
経営企画部長)
◆ 2023年のInternet Keyword:「変容と回帰」
[理由]
DX(デジタルトランスフォーメーション)の掛け声のもと、デジタル技術
の社会への浸透は今後ますます進むことが期待されます。資本主義社会
に身を置く我々は否応なく競争優位の確保のためこの流れに乗ることに
なりますが、一方では、デジタルの力を使って「変革」を果たした組織
が「その次」に何を目指すのか、それぞれの組織の存在意義を原点回帰
してもう一度考える時期が来ているのではないかと感じます。
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◆ 松崎 吉伸 (JPNIC理事/株式会社インターネットイニシアティブ)
◆ 2023年のInternet Keyword:「グローバルコミュニティ」
[理由]
インターネットでは、分野や技術に応じてさまざまなコミュニティが多
層的に形成されており、そうしたコミュニティが相互に影響しあってい
ます。2023年は、グローバルなコミュニティの会議がいくつか日本で開
催されることが予定されています。こうした機会にみなさんとともに積
極的に参加し交流することで、さまざまな刺激と影響を受け、また他の
参加者に影響を与えて、より良いインターネットを目指す契機となれば
良いと考えています。
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◆ 青木 邦哲 (JPNIC監事/株式会社ASJ 代表取締役専務 最高執行責任者)
◆ 2023年のInternet Keyword:「働き方改革の進化」
[理由]
働き方改革関連法は2019年4月1日に施行され、業種・職種・地域・企業
規模問わずさまざまな企業が働き方改革に着手するようになりました。
「長時間労働の是正」、「正規・非正規間の格差解消」、「多様で柔軟
な働き方の実現」の3つの柱が意識されています。「働き方改革」におけ
る「多様な働き方」の例としては、テレワーク(リモートワーク)であり、
ICT (情報通信技術)をはじめとしたITの活躍により大きく進化すること
になりました。2024年には医療業界・建設業界・物流業界などに労働時
間の規制が予定されています。この規制により2023年の働き方改革のデ
ジタル化は大きく進化し、新たな工夫された事例が紹介されてくると考
えています。
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┌─────────────────────────────────┐
◆ 高宮 展樹 (JPNIC監事/ビッグローブ株式会社)
◆ 2023年のInternet Keyword:「転換期」
[理由]
2000年前後のインターネット普及開始期を支えたダイヤルアップ接続が、
いよいよサービス終了を迎える。利用者のトラフィック需要の高まりと
ともにADSL~光回線・モバイル接続と、主要なアクセス回線は変遷して
きたものの、POSレジ・銀行ATMなど企業利用を中心にダイヤルアップ接
続は四半世紀にわたって使われてきた。一方で、Starlink社は2022年に
日本にて広く遍く衛星通信サービスを開始した。電話線が終わり衛星通
信が個人で利用できる時代の到来である。まさにインターネットの転換
期であり、これからの新たな可能性について考えていきたい。
└─────────────────────────────────┘
◇ ◇ ◇
インターネットの最先端で活躍しているJPNIC理事/監事による、今年注目す
べきポイントは、いかがでしたでしょうか。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ ◆◇◆◇◆ 本特集のご感想をお聞かせください ◆◇◆◇◆ ┃
┃良かった ┃
┃ https://feedback.nic.ad.jp/1975/560d2bf5e857cce4c2f4e5189f33a29d ┃
┃ ┃
┃悪かった ┃
┃ https://feedback.nic.ad.jp/1975/b3b7499be7bc4d1572c553a2e854e778 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
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【 2 】インターネット用語1分解説
「Emotetとは」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
Emotetはマルウェアの1種で、トロイの木馬ないし後述のローダーとして機能
します。典型的には、MS-WordやExcelのファイルにマクロとして組み込まれ、
メールで送られてきたファイルをマクロ実行可能な状態で開くことで感染し
ます。感染するとその端末はボットネットの構成要素とされ、メールアドレ
スやログインパスワードが盗まれたり、Emotet自体の感染拡大に利用された
り、より強力なマルウェアに感染したりといった被害が確認されています。
Emotetの特徴は、他のプログラムを実行するための土台(ローダー)であるこ
とで、Emotet自身には悪意あるプログラムが含まれておらず、検出が難しい
ことです。実行するプログラムはhttpsを用いてダウンロードされるため、
これも検出を難しくしています。
またマルウェアとしては珍しく、一旦は2021年1月にEUROPOL(欧州刑事警察機
構)により拠点ごと一掃されました。ただし、同年11月には再度活動が見られ
るようになり、その後も活動休止と再開を繰り返しながら、より巧妙な手口
を用いるように変化しています。2022年には、再び大規模な活動が観測され
るようになりました。
■参考情報
IPA Emotet(エモテット)と呼ばれるウイルスへの感染を狙うメールについて
https://www.ipa.go.jp/security/announce/20191202.html
JPCERT/CC マルウエアEmotetへの対応FAQ
https://blogs.jpcert.or.jp/ja/2019/12/emotetfaq.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 3 】統計資料
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1. JPドメイン名
o 登録ドメイン数(2022年8月~2023年1月)
--------------------------------------------------------------------------------------------
日付| AD AC CO GO OR NE GR ED LG GEO GA GJ PA PJ TOTAL
--------------------------------------------------------------------------------------------
8/1|250 3799 463801 741 39535 12690 5436 6308 1898 2097 1072161 86436 9733 1586 1706471
9/1|249 3803 464624 750 39604 12673 5430 6330 1898 2096 1075252 86080 9533 1493 1709815
10/1|250 3805 465470 754 39638 12860 5561 6340 1898 2093 1077904 85908 9438 1484 1713403
11/1|251 3806 466163 769 39685 12857 5550 6350 1898 2092 1079533 85758 9372 1465 1715549
12/1|251 3810 467030 774 39735 12860 5542 6351 1899 2092 1082126 85641 9302 1407 1718820
1/1|251 3816 467842 773 39811 12839 5543 6348 1898 2091 1083725 85536 9264 1400 1721137
--------------------------------------------------------------------------------------------
GA:汎用ドメイン名 ASCII(英数字)
GJ:汎用ドメイン名 日本語
PA:都道府県型ドメイン名 ASCII(英数字)
PJ:都道府県型ドメイン名 日本語
2. IPアドレス
o JPNICからのIPv4アドレス割り振りとJPNICへのIPv4アドレス返却ホスト数
(2022年7月~2022年12月)
------------------------------------------
月 | 割振 | 返却 | 現在の総量
------------------------------------------
7 | 0 | 0 | 92233352
8 | 1536 | 512 | 92234376
9 | 2560 | 0 | 92236936
10 | 0 | 0 | 92236936
11 | 1536 | 640000 | 91598472
12 | 1024 | 0 | 91599496
------------------------------------------
□統計情報に関する詳細は → https://www.nic.ad.jp/ja/stat/
3. 会員数 ※2023年1月12日 現在
---------------------
会員分類 | 会員数 |
---------------------
S会員 | 3 |
A会員 | 0 |
B会員 | 1 |
C会員 | 3 |
D会員 | 92 |
非営利会員| 9 |
個人推薦 | 28 |
賛助会員 | 42 |
---------------------
合計 | 178 |
---------------------
□会員についての詳細は → https://www.nic.ad.jp/ja/member/list/
4. 指定事業者数 ※2023年1月12日 現在
IPアドレス管理指定事業者数 491
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 4 】イベントカレンダー
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2023.1.24(火) IETFの歩き方 (ハイブリッド)
2023.1.25(水)~27(金) JANOG51 [協賛] (山梨県、ふじさんホー
ル)
---------------------------------------------------------------------
2023.2.9(木)~10(金) IPv6対応セミナー (山梨県、山梨県立図
書館)
2023.2.13(月)~15(水) NANOG 87 (Atlanta, U.S.A.)
2023.2.20(月)~3.2(水) APRICOT 2023/APNIC 55 (Manila,
Republic of the Philippines)
2023.2.21(火)~22(水) APTLD83 (Vientiane, Laos)
2023.2.26(日) AP* Retreat (Manila, Republic of the
Philippines)
---------------------------------------------------------------------
2023.3.9(木) 2023 CENTR Annual Meeting
2023.3.11(土)~16(木) ICANN76 (Cancun, United Mexican
States)
2023.3.13(月)~17(金) APAN55 (Kathmandu, Nepal)
2023.3.25(土)~31(金) IETF 116 (神奈川、パシフィコ横浜)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
https://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
◇ ◇ ◇
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JPNIC News & Views vol.1975 【定期号】
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101-0047 東京都千代田区内神田2-12-6 内神田OSビル4階
@ 問い合わせ先 jpnic-news@nic.ad.jp
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