メインコンテンツへジャンプする

JPNICはインターネットの円滑な運営を支えるための組織です

ロゴ:JPNIC

WHOIS 検索 サイト内検索 WHOISとは? JPNIC WHOIS Gateway
WHOIS検索 サイト内検索
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
    __
    /P▲        ◆ JPNIC News & Views vol.2002【臨時号】2023.6.1 ◆
  _/NIC
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ News & Views vol.2002 です
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

2023年3月下旬に、第116回IETFミーティングが横浜で開催されました。先日
発行したvol.1998では、連載第1弾として会合の全体会議についてのレポート
をお届けしましたが、第2弾となる本号では、JPNIC理事であり、IETF 116の
運営委員長を務めた浅井大史氏による、本会合の振り返りをお届けします。

なお、本号の内容は、JPNICブログでもご覧いただけます。発表資料などへの
リンクも辿りやすくなっておりますので、ぜひブログでご覧ください。

    JPNICブログ:第116回IETF参加報告 [第2弾] ~IETF横浜会合を終えて~
                 https://blog.nic.ad.jp/2023/8882/

また、第116回IETFの全体概要については、下記のURLからバックナンバーを
ご覧ください。

  □第116回IETF報告
    ○[第1弾] 全体概要
       https://blog.nic.ad.jp/2023/8832/

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ IETF116参加報告 [第2弾] ~IETF横浜会合を終えて~
                                IETF 116運営委員長/JPNIC理事 浅井大史
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■ はじめに

2023年3月25日(土)から31日(金)にかけて、第116回IETF (IETF 116)が横浜で
開催されました。第94回会合(IETF 94、2015年11月・横浜)から、約7年半ぶ
り(4回目)の日本開催となりました。また、COVID-19によるオンライン・ハイ
ブリッド化以降では、ウィーン、フィラデルフィア、ロンドンを経て、初の
アジア開催でした。IETF 116では、オンサイト993名、オンライン586名の参
加者があり(*1)、第115回会合(オンサイト849名、オンライン666名(*2))と比
べてもオンサイト参加者の割合が増え、COVID-19まん延前の第106回会合
(2019年11月・シンガポール)の参加者数である998名(*3)とほぼ同じ水準まで
戻りました。最近の傾向としては、ハッカソンの参加者が増加しており、今
回もハッカソン会場は多くの参加者で非常に盛り上がっていました。このあ
たりも"We believe in: rough consensus and running code."という、Dave 
Clark博士のIETFにおける格言をまさに体現している特徴的なものだと思いま
す。

(*1) IETF 116 Proceedings
     https://datatracker.ietf.org/meeting/116/proceedings

(*2) IETF 115 Proceedings
     https://datatracker.ietf.org/meeting/115/proceedings

(*3) IETF 106 Proceedings
     https://datatracker.ietf.org/meeting/106/proceedings

IETF会合は、年3回開催され、原則としては北米、欧州、アジアでそれぞれ1
回ずつ開催されています。IETF 94からの大きな変化としては、IETF会合自体
は長らくInternet Society (ISOC)が主催していましたが、現在はIETF運営改
革の一環として2018年に設立された、IETF Administration LLC (IETF LLC)
が主催しています(RFC 8712)。それぞれの会合は「ホスト」がスポンサーと
なり、会議開催費用(ホスト費用)を負担することで成立しています。また、
ソーシャルイベント、Tシャツおよび名札のネックストラップはホストで企
画・製作しています。これらに加えて、IETF 116ではIETF会合を最大限有意
義なものとすべく、IETF LLCと交渉してHost Equipment Demos (IETF 94にお
けるBits-N-Bitesと同様のイベント)をホストの企画イベントとして開催しま
した。


■ IETF 116の振り返り

今回のIETF 116は、IETF 94と同様にWIDEプロジェクトがホストとなり、22社
のスポンサー企業にご協力いただき、無事に開催することができました。日
本以外での会合では、通常1社がホスト・スポンサーとなりますが、日本では
このようなコンソーシアム形式でIETF会合をホスト・スポンサーしています。
私は、スポンサー企業の皆様から構成されるIETF 116運営委員会にて運営委
員長に選任いただき、IETF 116の準備から運営まで携わらせていただきまし
た。今回は、IETF 116運営委員長としてIETF 116を振り返りたいと思います。

IETF 116の開催地が発表されたのは、フィラデルフィアで開催された第114回
会合(2022年7月)のプレナリーでした。IETF 94の際はホストが会場を手配す
る形式でしたが、現在はIETF LLCが全体の運営を担っており、IETF会合の開
催地を選ぶにあたってはさまざまな基準(RFC 8718)を満たす場所を探し、選
定しています。しかし、COVID-19による不確実性が高い状態での調整・交渉
であり、またCOVID-19による渡航制限のため現地調査も制限されていたため、
開催場所の決定に至るまでの道のりは非常に困難なものであったことは想像
に難くありません。そのため、開催地の決定・発表が8ヶ月前となってしまい
ました。

(後述のNOCボランティアとして)開催地の決定・発表前から現地調査等の一部
準備はしていましたが、IETF 116実行委員会・運営委員会を組織して本格的
な準備が始まったのは2022年9月からでした。実行委員・運営委員の皆様に協
力いただき、急ピッチで準備を進め、無事にIETF 116が開催でき、COVID-19
以降初のアジア開催であったにもかかわらず、COVID-19まん延前とほぼ同じ
参加者数で大きなトラブルもなく終えることができました。また、長い渡航
制限で現地参加が難しかった、日本や他のアジア諸国からの参加も非常に多
くありました。オンサイト参加として登録した参加者のうち、29.3%が日本か
らの参加(CountryをJPとして登録した参加者)であり(*1)、日本開催の意義が
極めて大きなものであったとあらためて実感しました。


IETFの運営においては、さまざまな場面でボランティアが活躍しています。
代表的なものとしては、Internet Architecture Board (IAB)やIESG候補者の
選出を行うNomCom (Nominating Committee)の委員やワーキング・グループの
座長(チェア)もボランティアです。また、IETFで必要なツール類(datatracker
など)もボランティアによって開発・運用されています。日本での開催におい
ても、ホスト・スポンサーの皆様にボランティアとしてIETFの準備・運営に
参加していただきました。道案内などにも協力いただき、日本のホスピタリ
ティを表すとともに、非常に満足度の高い会合となったのではないかと考え
ています。


■ NOCボランティアと会場ネットワーク

ボランティアの中でもIETF会合の大きな特徴として、Network Operations 
Center (NOC)ボランティアがあります。IETF会合におけるネットワーク(会議
場とメインのホテル)は、NOCボランティアを中心に構築・運用されています。
私自身も、第90回会合からNOCボランティアとしてIETF会合のネットワーク運
用に携わっているので、今回のIETF 116におけるNOCボランティアと会議ネッ
トワークについても振り返りたいと思います。

ニュースレターNo.82(2022年11月発行)(*4)でも紹介したように、IETF会合の
ネットワークへの要求事項には、「フィルタされていないネイティブなIPv4
およびIPv6によるインターネットアクセス」という特徴的な要件があります
(RFC 8718)。このためにIETFでは、AS番号とIPアドレスを確保し、機材を開
催地に持ち込み、複数のISPとBGPを用いて相互接続して、ネットワークを構
築しています。今回は、Connectivity SponsorとしてAS4713 (NTT 
Communications Corporation)、AS2516 (KDDI CORPORATION)の2社に、回線と
トランジットサービス(IPv4, IPv6)をご提供いただきました。

(*4) https://www.nic.ad.jp/ja/newsletter/No82/0110.html

IETF会合のネットワークについて、IETF 94では、WIDEプロジェクトやスポン
サー企業などからボランティア(人材)と機材を募り、会議ネットワークをゼ
ロから作るという試みを行いました。この取り組みは、ゼロから作るためホッ
トステージ(事前構築・検証)が必要であったり、その構成での運用知見が乏
しくなることなどから大変ではあるものの、若手を育成したりコミュニティ
間(オペレータやエンジニアとIETFの標準化コミュニティなど)の新たな関係
を作ったりという観点では、非常によかったと考えています。しかし、今回
はハイブリッド化への対応などのため、会議ネットワークでカバーするサー
ビスとその重要性が増しており、構成が変わった場合にオンライン参加者が
混乱する可能性が高かったため、通常のIETF機材を用いることとしました。

一方で、約7年半ぶりの日本開催で、若手の育成やコミュニティ間の関係性の
醸成もしたいという気持ちが強かったため、日本からのNOCボランティアも募
集し、13名の方にIETF 116 NOCローカルボランティアとして参加していただ
きました。その結果として、他のNOCボランティアがIETFネットワークの構成
や設定、運用、さらにはインターネットアーキテクチャを若手(学生)に詳し
く教える機会があったり、日本のエンジニアがNOC活動やIETF会合のWGを通じ
て自発的にコミュニティをつなげたりというようなことが起こり、改善の余
地はあるものの、初の試みとしては大成功と言えると思っています。また、
NOCチームのうち数名が急遽来日・参加できなくなるアクシデントがあったの
ですが、それでも無事に終えられたことは、NOCローカルボランティアが初の
IETF NOCボランティアであったにもかかわらず、高いクオリティで仕事を達
成したおかげであると思います。

私自身も、第90回会合から第93回会合までは、第94回横浜会合の準備(要件や
構成、運用などの勉強)のためにNOCボランティアとして参加していました。
しかし、自らがリーダーシップを取って構築、運用したIETF 94を経て、
Internet-DraftなどのIETFへの直接的な貢献だけでなく、国際的なコミュニ
ティ活動に興味を持ち、第95回会合以降も継続してNOCボランティアとして参
加することになりました。今回のNOCローカルボランティアの活動から国際的
なコミュニティ活動を通じて、グローバルなインターネットの発展に貢献す
るエンジニアが出てくることを期待しています。

最後に、余談ではありますが、IETF NOCの興味深いところとしては、運用で
課題に思ったことはInternet-Draftを書いてRFCにしてしまうというプロセス
を、IETFの中でできてしまうことだと思っています。例えば、IETFのネット
ワークは、AS番号やIPアドレスブロック、無線LAN基地局を持ち歩いているた
め、これらの情報に基づいた位置情報(Geolocation)が正常に動作しないこと
があります。このような問題の解決策の一つとして、RFC 8805 (A Format
for Self-Published IP Geolocation Feeds)は、IPアドレスブロックに対し
て位置情報を公表するためのフォーマット・手法を定義しています。このよ
うな活動はIETFならではと言えると思います。


■ おわりに

IETF 116を振り返り、私個人としては、IETF 116運営委員長として、IETF
NOCボランティアとして、今回の会合が無事に終わって一息ついているところ
ですが、IETFの"make the Internet work better"という目標に向けて、
Internet-DraftやWG参加など、さまざまな形態でIETFコミュニティに参加し
て、今後も貢献していきたいと思っています。今回の日本開催で、多くの方
が日本から参加するきっかけになったかと思うので、今後もIETFとのつなが
り・活動を継続していただき、また何年後かに日本で開催する機会があった
際には、IETF 116の参加者・関係者がより多くの次の世代を巻き込んで、さ
らに盛り上がることを期待しています。


     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
      わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
             https://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
                  ◇              ◇              ◇
            メールマガジン以外でも、情報を発信しています!
             JPNICブログ  https://blog.nic.ad.jp/
                 Twitter  https://twitter.com/JPNIC_info

      YouTubeでは各種セミナー資料や解説動画などを公開しています
                 https://www.youtube.com/@JPNIC_info
     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃     ◆◇◆◇◆   本号のご感想をお聞かせください   ◆◇◆◇◆     ┃
┃良かった                                                          ┃
┃ https://feedback.nic.ad.jp/2002/e08a6c477ac0cd52536d39fa5894f98a ┃
┃                                                                  ┃
┃悪かった                                                          ┃
┃ https://feedback.nic.ad.jp/2002/c210dbf8f2510299fe838d50c76f0f81 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
___________________________________
■■■■■  JPNICの活動はJPNIC会員によって支えられています  ■■■■■
  :::::  会員リスト  ::::: https://www.nic.ad.jp/ja/member/list/
  :::: 会員専用サイト :::: https://www.nic.ad.jp/member/ (PASSWORD有)
□┓ ━━━  N e w s & V i e w s への会員広告無料掲載実施中 ━━━┏□
┗┛          お問い合わせは  jpnic-news@nic.ad.jp  まで          ┗┛
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  ━━ JPNICへのご連絡/お問い合わせは極力電子メールでお願いします ━━
  ■ 各種お問い合わせ先:https://www.nic.ad.jp/ja/profile/info.html ■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 JPNIC News & Views vol.2002 【臨時号】

 @ 発行  一般社団法人 日本ネットワークインフォメーションセンター
          101-0047 東京都千代田区内神田2-12-6 内神田OSビル4階
 @ 問い合わせ先 jpnic-news@nic.ad.jp
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
___________________________________
            本メールを転載・複製・再配布・引用される際には
        https://www.nic.ad.jp/ja/copyright.html をご確認ください
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   ◇ JPNIC Webにも掲載していますので、情報共有にご活用ください ◇
登録・削除・変更   https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/
バックナンバー     https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/
___________________________________
■■■■■     News & ViewsはRSS経由でも配信しています!    ■■■■■
::::: https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/index.xml :::::
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

■■◆                          @ Japan Network Information Center
■■◆                                     @  https://www.nic.ad.jp/
■■

Copyright(C), 2023 Japan Network Information Center
            

このページを評価してください

このWebページは役に立ちましたか?
よろしければ回答の理由をご記入ください

それ以外にも、ページの改良点等がございましたら自由にご記入ください。

回答が必要な場合は、お問い合わせ先をご利用ください。

ロゴ:JPNIC

Copyright© 1996-2024 Japan Network Information Center. All Rights Reserved.