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    /P▲        ◆ JPNIC News & Views vol.2053【臨時号】2024.1.26 ◆
  _/NIC
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◆ News & Views vol.2053 です
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第118回IETFミーティングは、2023年11月上旬にチェコ・プラハで開催されま
した。本号から、この第118回IETFミーティングの話題を連載にてお届けしま
す。

第1弾となる本号では、第118回IETFミーティングの全体概要やBOF、tigress 
WGでの話題に加え、ミーティング後に公開された記事なども取り上げつつ、
国際動向をご紹介いたします。

本号の内容は、JPNICブログでもお読みいただけます。発表資料などへのリン
クも辿りやすくなっておりますので、ぜひブログでご覧ください。

  JPNICブログ:IETFアップデート - 第118回IETF [第1弾] 
  全体概要、BOF、tigress WG
  https://blog.nic.ad.jp/2024/9459/

連載第2弾となる次号では、TLS WGやSML WG、MLS WD、sidrops WGなどの各WG
での議論、HotRFCでの話題のほか、IETF118を取り上げた他組織のブログ記事
などをご紹介する予定です。

なお、2024年2月5日(月)にISOC-JPとJPNICの共催で「IETF 118報告会/座談
会」の開催を予定しています。IETF 118の話題だけではなく、中期的な観点
での動向をお届けする予定です。今回はJPNIC会議室(東京・神田)とリモート
での、ハイブリッド開催となります。ぜひご参加ください。

  IETF 118報告会&座談会
  https://www.nic.ad.jp/ja/topics/2024/20240124-01.html

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◆ IETFアップデート - 第118回IETF [第1弾] 全体概要、BOF、tigress WG
                           JPNIC 技術部/インターネット推進部 木村泰司
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2023年11月にプラハで行われた第118回IETFミーティング(IETF 118)の話題を
通じて、IETFにおける国際動向をお届けします。IETF 118が開催されて以降、
IETFの国際動向に関するさまざまなブログ記事が出ていますので、それらを
参照しながら国際動向を紹介していきます。


■ 概要

新型コロナウイルスの影響で控えられてきた海外渡航が徐々に活発になりつ
つあるのと同期して、IETF 118の参加者もここ2年間では増加傾向にありま
す。IETF 118の全体会合"プレナリー"の自由討論の時間であるオープンマイ
クでは、初日の開会に伴う懇親の場であるレセプションが混雑していたこと
を指摘する声が上がり、また初日と2日目に行われたハッカソンは会場の中を
歩いて通るのもままらないような混みようでした。IETF 116以降、全体の参
加者は純増傾向にあります。ハッカソンの活動チームは30にも上り、会場は
前回、前々回と比べても広い部屋でした。

IETF Newsブログ(*1)で取り上げられているように、IETF 118はID管理と認証
情報"クレデンシャル"に関わるBOFがいくつか行われていました。Webに関す
る標準化団体であるW3Cで取り上げられている、検証可能なクレデンシャル
(VC)などと合わせて横断的な議論になっています。

(*1) "IETF 118 Hightlights", Christopher A. Wood, IAB Member,
     28 Nov 2023, IETF News, 
     https://www.ietf.org/blog/ietf118-highlights/


■ IETF 118で行われたBOF

IETF 118ではBOF (*2)が三つ開催されていました。

(*2) Birds of a feather flock together(同じ羽を持つ鳥は一緒に群れる
     ≒類は友を呼ぶ)に由来する、一つのテーマについて興味を持つ人が集
     まり議論するインフォーマルなミーティングのこと。IETFではWG設立を
     前提とする場合、2回開催できるとされている。WG設立を前提としない
     "Non WG-Forming BoF"も多く行われている。

○ インターネットにおけるクレデンシャルのためのセキュアなパターン/
   Secure Patterns for Internet CrEdentials (SPICE) BOF

  IETFにおけるoauth (*3)、cose (*4)、privacypass (*5)といったWGでの議
  論と、W3Cにおいて議論されている、検証可能なクレデンシャル(Verifiable
  Credentials (*6)、集中型ではない識別子(Decentralized IDentifiers
  (*7))の技術的な範囲や連携方式に関するギャップを明らかにして、相互運
  用性向上を目指すための議論が行われた。会場では、WG設立を目指すとし
  た場合、その扱う範囲について共通認識が得られている様子がまだないた
  め、趣意書案を見直してメーリングリストで議論することになった。

  spice BOFのページ:https://datatracker.ietf.org/group/spice/about/

  (*3) Web Authorization Protocol (oauth)
       WG趣意書:https://datatracker.ietf.org/group/oauth/about/

  (*4) CBOR Object Signing and Encryption (cose)
       WG趣意書:https://datatracker.ietf.org/group/cose/about/

  (*5) Privacy Pass (privacypass)
       WG趣意書:https://datatracker.ietf.org/group/privacypass/about/

  (*6) 身分証明書のような情報に電子署名を施すことで閲覧する者が検証で
       きるデジタル・データのこと。内容を検証可能な形でデジタル表現す
       る"データ・モデル"とそれを検証する方式などについて、W3Cにおい
       て議論、文書化するための作業が行われている。

  (*7) 中央集権的な管理主体を必要としない形でユーザー等のエンティティ
       を一意に識別できる識別子DID (Decentralized identifiers)に関す
       る概念。大手IT企業等によって集権的に管理されるIDをさまざまな
       サービスで利用すると、そのIDを使ってユーザーをトラッキングでき
       てしまうというモデル上の問題を解決する位置付けにある。

○ 複数のクラウドサービス等のシステム環境を利用するためのIDシステム/
   Workload Identity in Multi System Environments (WIMSE) BOF

   認証連携やアテステーション(*8)に関わるさまざまな標準がある中、相互
   運用できる形で複数のクラウドサービス等に利用できるように、カバー範
   囲を整理するなど、議論を始めるためのBOF。WG設立を目指したBOFではな
   く、趣意書案はまだない。

   (*8) 文書やデータの真正性を確認できるようにするために、その作成に
        おいてあらかじめ定められたプロセスが踏まれたことを証明するこ
        と。

○ 意図しない位置追跡の検出BOF 2回目 /
   Detecting Unwanted Location Trackers (DULT) BOF

   Bluetooth等を使う小さなデバイスを使って他者によって位置の追跡が行
   われてしまうことに対する検出技術。趣意書の議論。WG設立の賛成多数。

   趣意書案:https://datatracker.ietf.org/group/dult/about/


■ IETF 118で行われたWGより

前述の認証連携に関わるWGに、tigress WGがあります。tigress WGは2022年
から活動しています。

○ セキュアなクレデンシャルの転送 /
   Transfer dIGital cREdentialS Securely (TIGRESS) WG

   あるユーザーのクレデンシャルを、他の人のデバイスにセキュアに転送す
   る仕組みを検討しているWG。例えば、個人のクレデンシャルがセットされ
   た自動車を、友人や家族が使えるようにするようなケースが挙げられてい
   る。

   趣意書:https://datatracker.ietf.org/wg/tigress/about/

近年のIETFでは、認証連携やデバイスにおける署名技術を用いたプログラム
実行のセキュリティに関する取り組みが活発に行われています。

次号では、IETF 118で行われたWGミーティングとHotRFCの中から、ピックアッ
プして話題をお届けします。


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      わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
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