━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
__
/P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.2217【定期号】2026.2.16 ◆
_/NIC
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
---------- PR --------------------------------------------------------
┏クラウドの時代は終わった( ゜д゜)ハッ!━━━━━━━━━━━━┓
物理で殴るIP-PBXが新常識
株式会社まほろば工房の『MAHO-PBX NetDevancer series』
https://www.maho-pbx.jp/
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
----------------------------------------------------------------------
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ News & Views vol.2217 です
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
毎月15日(土日祝の場合はその翌営業日)に発行している定期号では、特集記
事のみならず、業界メンバーのコラムや用語解説、統計などもお届けしてい
ます。
本号の特集では、2026年1月23日にJPNICと日本知的財産仲裁センターの共催
で開催したシンポジウム「ドメイン名紛争の解決 ― JP-DRP制定25年 ~ブラ
ンド・商標とインターネットの交錯」のレポートをお届けします。制定から
25年を迎えたJP-DRPの歩みを振り返るとともに、最新の裁定例や国際動向を
踏まえ、商標とドメイン名をめぐる課題と今後の展望について活発な議論が
行われました。
News & Views Columnでは、株式会社インターネットイニシアティブの古賀勇
さんによるコラムをお届けします。大手メールサービスを提供するGoogle社
による送信者ガイドラインの発表をきっかけに進んだDMARC対応の加速や、
サーバ証明書有効期限短縮の議論などを通して、メール運用の現場から見える
インターネットの構造変化について考察。利便性の裏側で進む集中化の動き
と、その先にある課題を問いかけます。
また、インターネット用語1分解説では、ITインフラを支える重要施設として
欠かすことのできない「データセンター」について解説しています。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ 目次
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 1 】特集 「シンポジウム『ドメイン名紛争の解決 - JP-DRP制定25年
~ブランド・商標とインターネットの交錯』開催報告」
【 2 】News & Views Column
「メール運用の現場から見える、インターネットの静かな構造変化」
株式会社インターネットイニシアティブ 古賀 勇
【 3 】インターネット用語1分解説
「データセンターとは」
【 4 】統計資料
1. JPドメイン名
2. IPアドレス
3. 会員数
4. 指定事業者数
【 5 】イベントカレンダー
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 1 】特集 「シンポジウム『ドメイン名紛争の解決 - JP-DRP制定25年
~ブランド・商標とインターネットの交錯』開催報告」
JPNIC インターネット推進部 稲垣紫/是枝祐
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ はじめに
2026年1月23日(金)に、JPNICと日本知的財産仲裁センター(JIPAC)の共催で、
「ドメイン名紛争の解決 - JP-DRP制定25年 ~ブランド・商標とインターネッ
トの交錯」と題したシンポジウムを東京・霞ヶ関の弁護士会館で開催しまし
た。
本シンポジウムは、JPドメイン名紛争処理方針(JP-DRP)の制定から四半世紀
を迎えたことを契機として、これまでの制度運用の成果を振り返るとともに、
今後のドメイン名紛争の在り方について多角的に検討することを目的とした
ものです。当日は、丸一日という長丁場のシンポジウムにもかかわらず、法
曹界や企業の知財担当、インターネット業界などさまざまな分野から、登壇
者・関係者を含み約120名の方にご参加いただきました。
■ 開催概要
ドメイン名紛争の解決 - JP-DRP制定25年
~ブランド・商標とインターネットの交錯
Webサイト:https://www.nic.ad.jp/ja/materials/drp/20260123/
日時:2026年1月23日(金)
場所:弁護士会館 講堂「クレオ」(東京・霞ヶ関)
主催:一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)
日本知的財産仲裁センター(JIPAC)
協力:株式会社日本レジストリサービス(JPRS)
一般社団法人日本インターネットプロバイダー協会(JAIPA)
後援:総務省、経済産業省、法務省、日本弁護士連合会、日本弁理士会
■ 当日のプログラムと登壇者一覧(敬称略)
○第1部 基礎編
「商標とドメイン名のトラブルとその予防、対応、解決策」
モデレータ:中村素典(JPNIC理事)
登壇者:遠藤淳(JPRS)
是枝祐(JPNIC)
山下健一(JAIPA)
山口裕司(大野総合法律事務所 弁護士)
○第2部 応用編
「JP-DRP最前線(新論点の解説と課題)」
登壇者:山口裕司(大野総合法律事務所 弁護士)
「パネルディスカッション」
モデレータ:松本はるか(東京国際法律事務所 弁護士)
登壇者:卜部晃史(瓜生・糸賀法律事務所 弁護士)
小山隆史(大江橋法律事務所 弁護士・弁理士・ニューヨーク州
弁護士)
井上葵(アンダーソン・毛利・友常法律事務所 弁護士)
山内貴博(長島・大野・常松法律事務所 弁護士・弁理士)
二瓶ひろ子(ヒルフォード法律事務所 弁護士)
達野大輔(ベーカー&マッケンジー法律事務所 弁護士・弁理士)
○第3部 発展編
「商標とドメイン名のトラブルの今後 - 世界を見据えて」
モデレータ:早川吉尚(立教大学法学部教授・弁護士)
パネリスト:熊倉禎男(中村合同法律特許事務所 弁護士・弁理士)
佐藤恵太(中央大学法務研究科 教授)
佐藤俊司(TMI総合法律事務所 弁理士)
矢部耕三(御堂筋法律事務所 弁護士・弁理士)
山口裕司(大野総合法律事務所 弁護士)
■ 制度の現在地とこれからを示す導入
シンポジウムの開会にあたり、JPNIC副理事長の曽根秀昭より、主催代表とし
て挨拶いたしました。曽根からは、本シンポジウムの主催者であるJPNICと
JIPACのJP-DRPにおける役割をあらためてご紹介するとともに、制定から25年
を迎えた制度の歩みを振り返りました。ドメイン名がこの四半世紀で「技術
的な識別子」から「企業のブランドを象徴する重要資産」へと進化したこと
に触れ、本シンポジウムを通じてドメイン名紛争の「現在地とこれから」を
皆さまと共に考える場としたいとお伝えしました。
録画:https://youtu.be/L6fPoNNMB6Q
続いて、総務省総合通信基盤局電気通信事業部データ通信課課長の鎌田俊介
氏より、来賓のご挨拶をいただきました。鎌田氏からは、2026年4月に予定さ
れている、ICANNにおける新gTLD次期ラウンドの募集開始についての言及があ
りました。つまりは今後、トップレベルドメイン名がさらに増えていくとい
うことになります。その上で通信行政を担う立場から、国内外でドメイン名
ビジネスの活性化が予想される中、ブランド保護や不正利用防止の観点から、
迅速な紛争解決が不可欠であるとの認識が示されました。
録画:https://youtu.be/TZtpfG_YrDA
■ 第1部 基礎編:商標とドメイン名のトラブルとその予防、対応、解決策
第1部では、ドメイン名トラブルを「未然に防ぐ段階」と「発生後に対応する
段階」の両面から整理が行われました。ブランド保護の観点では、この2段階
を通して制度を理解することが重要になります。
○「未然に防ぐために:ドメイン名トラブルの実態と基本対策」
モデレータ:中村素典(JPNIC理事)
登壇者:遠藤淳氏(JPRS)、是枝祐(JPNIC)、山下健一氏(JAIPA)
本セッションのモデレータはJPNICの中村素典で、登壇者はJPRSの遠藤淳氏、
JPNICの是枝祐、JAIPAの山下健一氏です。ポリシー策定・運用を担う立場、
登録管理を行うレジストリ、そして利用者に近い立場という三者が、それぞ
れの視点からドメイン名トラブルの実態を共有しました。
サイバースクワッティングの代表的事例を起点に、JPドメイン名の特性や仕
組み、WHOIS情報の取り扱い、不正移転やドロップキャッチといった攻撃手法
について説明が行われました。また、JPドメイン名のライフサイクルや登録
回復制度、ロック制度など、事前に講じることが可能な対策について具体的
な紹介がありました。
制度の理解は、紛争発生後の対応だけでなく、日常的な管理体制の整備にも
直結します。今回の議論は、トラブルを未然に防ぐための基礎的知識をあら
ためて確認する機会となりました。
資料:
遠藤:https://www.nic.ad.jp/ja/materials/drp/20260123/material1-1.pdf
是枝:https://www.nic.ad.jp/ja/materials/drp/20260123/material1-2.pdf
山下:https://www.nic.ad.jp/ja/materials/drp/20260123/material1-3.pdf
録画:https://youtu.be/_Zjg8vaQXeU
○「トラブルが発生したらどうする?実践的な対応と解決プロセス」
登壇者:山口裕司氏(大野総合法律事務所 弁護士)
後半では、大野総合法律事務所の山口裕司氏が登壇し、まずはドメイン名紛
争が発生した場合の初動対応、裁判とADR(裁判外紛争解決)の違い、JP-DRPと
UDRPの概要および特徴について整理が行われました。その上で、申立てに際
して必要となる要件や証拠、手続きの流れについても具体的な解説がありま
した。
紛争発生時には、制度の仕組みだけでなく、どの手続を選択するかという判
断も求められます。今回の解説は、その選択肢を体系的に理解するための視
点を示す内容でした。
資料:https://www.nic.ad.jp/ja/materials/drp/20260123/material1-4.pdf
録画:https://youtu.be/ZDdMmENCr1s
■ 第2部 応用編:JP-DRP最前線(新論点の解説と課題)
第2部では、JP-DRPの運用実務における判断の枠組みと、近時の裁定例に見ら
れる論点が取り上げられました。第1部が制度の基礎理解と対応プロセスの整
理であったのに対し、第2部は、実際の裁定を踏まえたより具体的な検討に踏
み込む内容となりました。
○「ドメイン名紛争で問題となる論点の概観」
登壇者:山口裕司氏(大野総合法律事務所 弁護士)
前半では、第1部の後半に続いて山口氏が再度登壇しました。 山口氏からは、
JP-DRPにおける判断の枠組みについて整理が行われ、最新の裁定事例を参照
しながら、申立書や答弁書において主張・立証が問題となる点について解説
がありました。あわせて、過去の裁定例を参照することの重要性が示されま
した。
さらに、改訂作業中の「JP-DRP解説」および「JP-DRP裁定検索システム」に
ついても紹介があり、これらを実務においてどのように活用できるかが説明
されました。
裁定の蓄積が制度運用の予見可能性を高めるという観点から、これらの資料
整備の意義が共有されたセッションでした。
資料:https://www.nic.ad.jp/ja/materials/drp/20260123/material2-1.pdf
録画:https://youtu.be/cu8G6VP-rR8
○「最新事例から学ぶドメイン名紛争の解決と戦略」
後半は、パネルディスカッション形式で行われました。モデレータは東京国
際法律事務所 弁護士の松本はるか氏です。JPNICのドメイン名検討委員会お
よび裁定例専門家チームのメンバー6人が登壇し、最新の裁定事例を題材にし
て、論点の整理や実務上の留意点について、具体的な論点を挙げて議論が行
われました。
今回取り上げられた論点および登壇者は、以下の通りです。
「略称」卜部晃史氏(瓜生・糸賀法律事務所 弁護士)
資料:https://www.nic.ad.jp/ja/materials/drp/20260123/material2-2.pdf
「複数の名称」小山隆史氏(大江橋法律事務所 弁護士・弁理士・ニューヨー
ク州弁護士)
資料:https://www.nic.ad.jp/ja/materials/drp/20260123/material2-3.pdf
「個人の名前」井上葵氏(アンダーソン・毛利・友常法律事務所 弁護士)
資料:https://www.nic.ad.jp/ja/materials/drp/20260123/material2-4.pdf
「不正アクセス」山内貴博氏(長島・大野・常松法律事務所 弁護士・弁理士)
資料:https://www.nic.ad.jp/ja/materials/drp/20260123/material2-5.pdf
「棄却事例」二瓶ひろ子氏(ヒルフォード法律事務所 弁護士)
資料:https://www.nic.ad.jp/ja/materials/drp/20260123/material2-6.pdf
「出訴」達野大輔氏(ベーカー&マッケンジー法律事務所 弁護士・弁理士)
資料:https://www.nic.ad.jp/ja/materials/drp/20260123/material2-7.pdf
後半全体の録画:https://youtu.be/bAnPCEgfqFo
各論点については、それぞれの裁定例をもとに、争点の整理や実務上の留意
点が示されました。略称や複数名称といった表示の問題、個人名に関する判
断、不正アクセスとの関係、棄却に至った事例の検討、さらには出訴に関す
る論点など、多様な観点から議論が展開されました。
具体的事例を通して検討することで、抽象的な制度理解にとどまらず、実務
における判断の幅や難しさが共有される内容となりました。
■ 第3部 発展編:商標とドメイン名のトラブルの今後 - 世界を見据えて
第3部は、JP-DRP制定25年を契機として、商標とドメイン名トラブルの今後を
展望するパネルディスカッションとして行われました。テーマは、「JP-DRP
制定25年を機に、商標とドメイン名トラブルの今後を議論する」です。本セッ
ションでは、制度の運用実務にとどまらず、国際的な制度動向や将来的課題
を視野に入れた議論が展開されました。
本セッションのモデレータは、立教大学の早川吉尚氏です。パネリストとし
て登壇したのは、中村合同法律特許事務所の熊倉禎男氏、中央大学の佐藤恵
太氏、TMI総合法律事務所の佐藤俊司氏、御堂筋法律事務所の矢部耕三氏、そ
して本日三度目の登壇となる山口裕司氏で、研究者、裁定人、実務代理人、
企業実務担当者の立場を持つメンバーが揃いました。
録画:https://youtu.be/a0TX6CLCtWY
○制度設計を振り返る視点
まず矢部氏および佐藤恵太氏からは、制度構築時を振り返る発言がありまし
た。特に、UDRPでは不正の目的を認める要件がドメイン名の「登録かつ使用」
とされているのに対し、JP-DRPでは「登録または使用」という要件を採用し
た経緯について説明がありました。
制度設計当時の判断や背景を共有することで、JP-DRPがどのような思想のも
とで構築されたのかがあらためて示されました。制度の現在を理解するため
には、その出発点を振り返る視点が不可欠であることをあらためて再認識す
るお話でした。
○25年の変遷と今後の論点
熊倉氏からは、この25年の間にJP-DRPがどのように進化してきたかについて
紹介がありました。制度は固定的なものではなく、裁定の蓄積や社会状況の
変化を踏まえながら運用されてきたことが示されました。
また、佐藤俊司氏からは、今後における地理的表示(GI)保護の重要性につい
て言及がありました。ブランドや商標の在り方が多様化する中で、ドメイン
名との関係をどのように整理していくかが課題であることが示されました。
さらに、山口氏からは、アジア圏における紛争解決拠点として日本が果たし
得る役割についての発言がありました。国内制度の成熟を踏まえ、国際的な
文脈の中でどのような位置付けを目指すのかという視点が提示されました。
これらの議論を通じて、JP-DRPは過去25年の実績を有する制度であると同時
に、国際的な制度環境の中で今後も検討を重ね、変化・進化するものである
ことが共有されました。
○知見の継承と人材育成
パネル全体を通じて、制度運用から得られた知見を次世代へどのように継承
していくかという点も重要な論点として示されました。25年の歩みの中で蓄
積された経験や判断の蓄積は、今後の制度運用を支える基盤となります。
世代や立場の異なる関係者が一堂に会し議論を行うこと自体が、制度の持続
的発展にとって意義を持つことをあらためて実感させられました。本シンポ
ジウムはその一端を担う場となったのではないかと考えております。
■ 閉会挨拶
シンポジウムの最後にはJIPACセンター長の杉山一郎氏より閉会の挨拶とし
て、ドメイン名が今や企業のブランドや商標と密接に関わる「重要な資産」
へと変容したこと、また、JP-DRPが25年にわたり日本のインターネット社会
の健全な発展を制度面から支えてきたことについて言及されました。そして、
本シンポジウムで共有された知識や指針を今後に繋げていくと同時に、ドメ
イン名の利活用についての未来を考える新たな契機として欲しいという話で
本シンポジウムが締めくくられました。
■終わりに
本シンポジウムは、JP-DRPが果たしてきた役割を再確認するとともに、シン
ポジウムの後に会場を移して開催された交流会も含め、世代や立場の異なる
さまざまな関係者を結び付け、JP-DRPに留まらず今後のドメイン名や商標保
護の在り方について広く考える場となりました。今回の議論における内容や
さまざまにいただいたご意見を元にして、関係者で力を合わせて問題の防止
や軽減、解決に取り組み、よりよいインターネット社会の実現をめざしてい
きたいと考えています。
本シンポジウムの資料および録画はJPNICのWebサイトで公開しております。
ドメイン名をめぐるトラブルの概要を把握するため、また対応策などを検討
する際の参考として、より深くDRPという制度を理解するための資料として、
ぜひご活用ください。
シンポジウム「ドメイン名紛争の解決 - JP-DRP制定25年
~ブランド・商標とインターネットの交錯」について
https://www.nic.ad.jp/ja/materials/drp/20260123/
なお、第2部で山口氏から言及があったように「JP-DRP裁定例検討報告書」お
よび「JP-DRP解説」の改訂版は近日中に公開される予定です。実際に公開さ
れましたら、改めてJPNICのWebサイトなどでお知らせいたします。
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃ ◆◇◆◇◆ 本特集のご感想をお聞かせください ◆◇◆◇◆ ┃
┃良かった ┃
┃ https://feedback.nic.ad.jp/2217/aaa46a71cb675e8f05366c00ece70172 ┃
┃ ┃
┃悪かった ┃
┃ https://feedback.nic.ad.jp/2217/39f9b13057114414c55b6043b44a3980 ┃
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 2 】News & Views Column
「メール運用の現場から見える、インターネットの静かな構造変化」
株式会社インターネットイニシアティブ 古賀 勇
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「インターネットに繋がらないんだけど!どうして!?」
先日、出社中に妻からこんな連絡がありました。帰宅して調べてみると、無線
LANのアクセスポイントが故障していたのでした。電気・ガス・水道、そして
インターネット。毎日当たり前のように使えているインフラは、いざ使えない
状態にならないと、それを支えている人々の姿に気づかないものです。
2023年10月、大手メールサービスGmailを提供するGoogle社は「メール送信者
のガイドライン」を発表しました。なりすましメールによるフィッシング詐欺
から利用者を保護するため、Gmail宛に送信されるメールには、送信ドメイン
認証による対策を義務付けるものです。Gmailには多くの利用者がいますから、
この発表は世界中を騒がせ、日本国内の送信ドメイン認証DMARCの対応率も飛
躍的に向上するという大きな効果をもたらしました。この動きに東奔西走され
た読者も多いのではないでしょうか。
お客様のメールボックスを守り、安心・安全なメールインフラを支える立場と
して、私自身はこの動きを望ましい方向への取り組みであると肯定的に捉えて
いますが、同時に少々怖さも感じています。なぜなら、今回の一連の動きは、
巨大テック企業の鶴の一声でインターネットの構造が左右され得ることを示し
てしまいました。本来インターネットは、相互扶助の上に成り立つ分散システ
ムであったはずですが、いとも簡単に変えられてしまう現実に危うさも感じて
いるのです。
そして2025年のInternet Weekでもご縁をいただき、メールセキュリティの最
前線に加えて、サーバ証明書の有効期限短縮のお話もいたしました。少々気に
なるのは、メールセキュリティの強化も、サーバ証明書有効期限短縮の議論も、
いずれもGoogle社が深く関わっている点です。3月には講演資料も一般公開さ
れると思いますので、よろしければご覧ください。
https://internetweek.jp/2025/archives/program/c11
私達は便利なインターネットサービスと引き換えに、さまざまな情報をメガク
ラウド事業者に預けており、私自身も例外ではなく、その便利さに支えられて
います。とりわけメールアドレスは、いまや多くのサービスのIDとして機能し
ており、使っていないように見えて実は日常の基盤そのものになっているので
す。
しかし、毎日当たり前のように使っていたサービスが、もし明日使えなくなっ
たら……?
私達は、利便性の陰で見えにくくなっている"構造"について、今一度考える
時期に来ているのではないでしょうか。
■ 筆者略歴
古賀 勇 (こが いさむ)
2007年、株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)入社。メールサービス
の運用業務に従事し、現場でメールに関する動向を調査。お客様のメールボッ
クスを守るため、最新の攻撃手法や、迷惑メールのトレンド、対策情報などを
発信・講演。M3AAWG、WIDE Project、openSUSEなどで幅広く活動中。趣味は大
喜利。はがき職人。Power Automateエバンジェリスト(自称)。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 3 】インターネット用語1分解説
「データセンターとは」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
データセンターとは、多数のコンピュータや通信機器を収容することを前提と
した施設のことです。
まず多数の機材を効率良く搬入搬出可能で、なおかつ収容できる広さが必要で
す。さらに
・機材の重さや各種災害に耐えること
・機材変更に伴う配線の変更を容易にできること
・膨大な熱をスムーズに排出できること
といった条件を満たす必要があります。
そしてデータを外部と交換するにはインターネットに代表される通信回線が必
須です。それに応じてあらかじめ大量の通信回線を用意しておいたり、ケーブ
ルだけを引き込んでおいたり(ダークファイバーとも呼びます)といった対応も
必要です。
機材が集中すれば、それに応じて消費電力も多くなります。またサービス提供
の継続性といった観点からは、停電などにも対応する電源が必要となります。
消火設備も機材を水没させないよう、不活性ガスによるものが選択されます。
セキュリティを強固にするため、出入り口に認証装置を設置したり、複数人が
同時に入退出できないようにしたりもします。
このため一般的なビルとは違った、専用の設計を行うことも多くあります。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 4 】統計資料
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1. JPドメイン名
o 登録ドメイン数(2025年9月~2026年2月)
--------------------------------------------------------------------------------------------
日付 | AD AC CO GO OR NE GR ED LG GEO GA GJ PA PJ TOTAL
--------------------------------------------------------------------------------------------
9/1 | 257 3877 491290 856 41377 12420 5148 6526 1920 2024 1155929 80224 9638 1292 1812778
10/1 | 257 3875 492082 858 41452 12409 5132 6525 1919 2020 1160006 80076 9609 1289 1817509
11/1 | 258 3879 492932 859 41515 12410 5127 6513 1921 2019 1163592 80751 9588 1289 1822653
12/1 | 259 3885 493421 860 41543 12394 5127 6528 1921 2019 1165630 80729 9547 1261 1825124
1/1 | 259 3890 493944 863 41605 12339 5116 6546 1922 2019 1166380 80551 9251 1247 1825932
2/1 | 258 3898 494680 860 41700 12324 5117 6546 1925 2017 1171314 80233 8891 1236 1830999
--------------------------------------------------------------------------------------------
GA:汎用ドメイン名 ASCII(英数字)
GJ:汎用ドメイン名 日本語
PA:都道府県型ドメイン名 ASCII(英数字)
PJ:都道府県型ドメイン名 日本語
2. IPアドレス
o JPNICからのIPv4アドレス割り振りとJPNICへのIPv4アドレス返却ホスト数
(2025年8月~2026年1月)
------------------------------------------
月 | 割振 | 返却 | 現在の総量
------------------------------------------
8 | 0 | 0 | 92253320
9 | 0 | 512 | 92252808
10 | 1536 | 0 | 92254344
11 | 116480 | 116992 | 92253832
12 | 512 | 1024 | 92253520
1 | 655360 | 0 | 92908880
------------------------------------------
□統計情報に関する詳細は → https://www.nic.ad.jp/ja/stat/
3. 会員数 ※2026年2月13日 現在
---------------------
会員分類 | 会員数 |
---------------------
S会員 | 3 |
A会員 | 0 |
B会員 | 1 |
C会員 | 4 |
D会員 | 89 |
非営利会員| 9 |
個人推薦 | 28 |
賛助会員 | 36 |
---------------------
合計 | 170 |
---------------------
会員についての詳細は → https://www.nic.ad.jp/ja/member/list/
4. 指定事業者数 ※2026年2月6日 現在
IPアドレス管理指定事業者数 518
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 5 】イベントカレンダー
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2026.2.16(月) 国内IGF活動活発化チーム第69回会合
(オンライン)
国内IGF活動活発化チーム第11回勉強会
(オンライン)
2026.2.19(木) IETF 情報交換会 - IETF125に向けて -
(東京都、JPNIC会議室 + オンライン)
2026.2.20(金) DMARCハンズオン勉強会・意見交換会
(東京都、JPNIC会議室 + オンライン)
2026.2.26(木) 第38回JPNIC評議委員会 (オンライン)
---------------------------------------------------------------------
2026.3.7(土)~12(木) ICANN85 (Mumbai, Republic of India)
2026.3.14(土)~20(金) IETF 125 (Shenzhen, People's Republic
of China)
2026.3.17(火) 第78回臨時総会
---------------------------------------------------------------------
2026.4.19(日)~22(水) ARIN 57 (Louisville, U.S.A.)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
https://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
◇ ◇ ◇
メールマガジン以外でも、情報を発信しています!
ブログ https://blog.nic.ad.jp/ X(Twitter) https://x.com/JPNIC_info
YouTube https://www.youtube.com/@JPNIC_info
Instagramもはじめました! https://www.instagram.com/jpnic_info/
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
___________________________________
■■■■■ JPNICの活動はJPNIC会員によって支えられています ■■■■■
::::: 会員リスト ::::: https://www.nic.ad.jp/ja/member/list/
:::: 会員専用サイト :::: https://www.nic.ad.jp/member/ (PASSWORD有)
□┓ ━━━ N e w s & V i e w s への会員広告無料掲載実施中 ━━━┏□
┗┛ お問い合わせは jpnic-news@nic.ad.jp まで ┗┛
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━ JPNICへのご連絡/お問い合わせは極力電子メールでお願いします ━━
■ 各種お問い合わせ先:https://www.nic.ad.jp/ja/profile/info.html ■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
JPNIC News & Views vol.2217 【定期号】
@ 発行 一般社団法人 日本ネットワークインフォメーションセンター
101-0047 東京都千代田区内神田2-12-6 内神田OSビル4階
@ 配信先変更・停止 https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/#regist
@ 問い合わせ先 jpnic-news@nic.ad.jp
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
___________________________________
本メールを転載・複製・再配布・引用される際には
https://www.nic.ad.jp/ja/copyright.html をご確認ください
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
◇ JPNIC Webにも掲載していますので、情報共有にご活用ください ◇
登録・削除・変更 https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/
バックナンバー https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/
___________________________________
■■■■■ News & ViewsはRSS経由でも配信しています! ■■■■■
::::: https://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/index.xml :::::
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
■■◆ @ Japan Network Information Center
■■◆ @ https://www.nic.ad.jp/
■■
Copyright(C), 2026 Japan Network Information Center