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    /P▲        ◆ JPNIC News & Views vol.2248【定期号】2026.7.15 ◆
  _/NIC
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◆ News & Views vol.2248 です
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毎月15日(土日祝の場合はその翌営業日)に発行している定期号では、特集記
事のみならず、業界メンバーのコラムや用語解説、統計などもお届けしてい
ます。

本号の特集では、2026年6月8日~11日にスペイン・セビリアで開催された「第
86回ICANN会議報告」をお届けします。最もコンパクトなPolicy Forumとして
実務的な議論が行われた今回の会議から、新gTLDやDNS不正利用対策などの最
新動向を詳しくレポートします。

News & Views Columnは、LINEヤフー株式会社の鈴木恒平さんに執筆いただき
ました。「王様のいない世界を支えるもの」と題し、鈴木さんが学生時代から
魅了されてきたインターネットの「自律・分散・協調」の精神と、それを支え
る人間コミュニティへの熱い想いを綴っていただきました。

また、インターネット用語1分解説では、ネットワークを流れるデータ量を示
す「トラフィック」を取り上げ、その基本的な意味と増大するトラフィックへ
の対応の歴史をわかりやすく解説しています。

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◆ 目次
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【 1 】特集 「第86回ICANNセビリア会議報告」
【 2 】News & Views Column
       「王様のいない世界を支えるもの」
                LINEヤフー株式会社 鈴木恒平氏
【 3 】インターネット用語1分解説
       「トラフィックとは」
【 4 】統計資料
         1. JPドメイン名
         2. IPアドレス
         3. 会員数
         4. 指定事業者数
【 5 】イベントカレンダー

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【 1 】特集 「第86回ICANNセビリア会議報告」
                                    JPNIC インターネット推進部 山崎信
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第86回ICANN会議(以下、ICANN86)は2026年6月8日(月)から11日(木)まで、ス
ペインのアンダルシア州セビリアで開催されました。これまでのICANN会議と
同様、遠隔からも参加できるハイブリッド形式でした。同地はスペインでも
南西に位置し、夏の暑さで知られています。夕方16時から18時頃が最も暑く
なるように感じ、会議場近くの屋外温度計が摂氏42度を指している日もあり
ました。

ICANNの参加統計によれば、現地参加は1,374名で、遠隔参加は565名の計1,939
名でした。現地と遠隔参加を合計した地域別の内訳では、欧州が725名と最も
多く、次いで北米の491名、アジア・オーストラリア・太平洋の390名と続き
ます。参加者数が最も多かった国は米国の219名で、次いで開催国スペインの
118名、英国の87名、ドイツ66名、フランス63名となっています。アジア太平
洋地域からの参加者数が最も多かったのは次回開催国であるインドネシアか
らの32名で、次いで前回開催国のインドからの27名、中国と台湾がそれぞれ
21名、オーストラリアから18名で、日本からの参加者は17名でした。セッショ
ン数の合計は134でした(*1)。

(*1) https://meetings.icann.org/en/meetings/icann86/ICANN86_by_the_numbers_report.pdf

ICANN86は年3回開催されるICANN会議のうち、最もコンパクトなPolicy
Forumです。Policy Forumは通常大規模セレモニーや理事の交代を伴わない、
実務作業に特化した形式です。主要な内容は、おおむね以下の通りでした。

・RIRガバナンス文書改定
・DNS不正利用(Abuse)対策
・登録データ(WHOIS)アクセス
・ユニバーサルアクセプタンス(UA)

以下、主な支持組織における、および分野横断的な議論について、それぞれ
状況を報告します。


■ ASO

ASO(アドレス支援組織)は、Internet Coordination Policy 2 (ICP-2、地域
インターネットレジストリ(RIR) の新設認定要件文書、改めRIRガバナンス文
書)の更新作業(*2)を継続しており、会期中に15回にわたる作業セッションを
実施しました。今回の作業は草案第2版(*3)に寄せられたコメントに対する対
処を検討した上で、草案第3版の方針を固めるものでした。6月11日(木)には、
この作業に関する報告セッションが開催され、ICP-2見直しの背景、主要な改
訂点、および今後の予定について参加者に共有されました。その後の作業を
経て、執筆時点までにASO ACにおける草案第3版の執筆は完了し、今後、NRO
ECの確認に付され、ICANN理事会への提出と意見聴取という最終段階を迎えま
す。

(*2) 改訂案第2版までの経過は以下リンク先をご覧ください。
     https://www.nic.ad.jp/ja/materials/iw/2025/proceedings/d2/d2-1-maemura.pdf

(*3) JPNICにて和訳を公開しました。
     https://www.nic.ad.jp/ja/translation/nro/20250828.html


■ GNSO

GNSO(分野別ドメイン名支持組織)で議論されたポリシー(*4)のうち、主なも
のとして以下を取り上げます。

(*4) ICANNのポリシー策定プロセスについては、
     https://www.nic.ad.jp/ja/in-policy/policy-report-201308.pdf
     をご参照ください。


○DNS不正利用軽減(DNS Abuse Mitigation) PDP1 (関連ドメイン名点検)

  現行のレジストラ認定契約(RAA)(*5)では、報告された個別の悪質ドメイン
  名への対応のみが義務付けられており、同一の攻撃者やアカウントが保有
  する「他の関連ドメイン名」を調査する契約上の義務がありません。これ
  により、攻撃者は1度に一つずつドメイン名を失うだけで、他のドメイン名
  を使って大規模なフィッシングやマルウェア攻撃を継続できる状態になっ
  ています。

  (*5) https://itp.cdn.icann.org/ja/files/accredited-registrars/registrar-accreditation-agreement-21jan24-ja.pdf


  レジストラに対し、管理下のドメイン名がDNS不正利用に関与していると判
  明した場合、同じ顧客アカウントや登録者情報(メールアドレス等)に関連
  付けられた他のドメイン名もプロアクティブに調査・追跡し、適切に緩和
  策を講じる義務を定めるコンセンサスポリシーを策定することが本PDP(ポ
  リシー策定プロセス)の目的です。

GNSO評議会は2025年8月にDNS不正利用軽減に関する課題報告書を要請し、課
題報告書は同12月に公開されました。2026年1月には本PDPのチャーターが、
GNSO評議会により承認されました。同3月のICANN85にて、本PDPが開始しまし
た。

ICANN86では作業セッションを4回実施し、会議の目的、容認できない点、
チャーター上の論点、および暫定勧告に関する審議を行いました。初期報告
書(Preliminary Report)案の作成に向けて、合意が近づいていると議長は総
括しました。

今回出た意見をもとに、事務局が暫定勧告の文書を更新・共有し、次回以降
のワーキンググループ会議(直近では6月22日)で議論を継続する予定です。

○SSAD補足勧告チーム

  非公開のgTLD登録データへのアクセスを管理する「SSAD(標準化されたア
  クセス/開示システム)」の元々の勧告(EPDPフェーズ2勧告)について
  は、2020年にGNSO評議会にて承認されています。しかしながら、ICANN事務
  局が2022年にSSADの構築・運用に関するコストや複雑性を試算した結果、
  コストがかさむ予測がなされ、実効性に疑問が呈されました。同年GNSOか
  らICANN理事会に対し、同勧告の検討を一時停止するよう要請がありました。

  翌2023年SSADの概念実証として、簡易的でコストを抑えたRDRS(登録データ
  リクエストシステム)の試験運用(2年間)が開始されました。さらにこの試
  験運用に関して、2025年10月の理事会でRDRSの試験運用はさらに2年間延長
  が決まりました。同時にRDRSポリシー整合性分析(Policy Alignment 
  Analysis)が公表され、「レジストラの参加義務化」「緊急時の迅速な対
  応」「プライバシー/プロキシデータへの対応」などを備えた、現実的か
  つ実効性のあるデータ開示システムを構築するために、GNSOとICANN理事会
  がどのようにポリシーを修正・統合していくべきかの道筋を示しました。

  2026年3月12日に、ICANN理事会がSSAD勧告の実現可能性やコスト面を懸念
  し、採択を見送りました。これは、GNSO評議会が働きかけて、ICANN理事会
  によりSSAD勧告を採択しないとなったことで、ICANN定款の付属書A第9条d
  項(*6)に規定される補足勧告プロセスを発動させることで、SSAD勧告の実
  質的な修正を狙った面もあると思われます(*7)。GNSO評議会は、SSAD補足
  勧告チームを通じて補足勧告の策定作業を開始しています。

  (*6) https://www.icann.org/en/governance/documents/bylaws-for-internet-corporation-for-assigned-names-and-numbers-a-california-nonprofit-public-benefit-corporation-30-07-2014-en#AnnexA

  (*7) GNSO Council Dialogue with ICANN Board re: SSAD Recommendations 
     https://itp.cdn.icann.org/en/files/correspondence/payne-to-sinha-02-03-2026-en.pdf


  同チームは開催初日の前日(6月7日)に終日、そして会期中の3回を含め計4
  回会合を開催しました。主に次のSSAD勧告のレビューおよび議論がなされ
  ました。

  ・勧告1および2:認証(authentication)と政府機関の認証統合の是非、認
    証と認可(authorization)の区別、認証された利用者への資格付与
  ・勧告6:優先順位レベルの簡素化(3段階から2段階へ)
  ・勧告8:契約者会議(Contracted Parties)の認可
  ・勧告10:サービスレベル合意(SLA)

○ラテン文字の発音区別符号(diacritics)に関するPDP

  本PDPは、米国標準情報交換コード(ASCII)に基づくgTLDと、そのラテン文
  字の発音区別符号付きバージョンが、互いにバリアントではない状況を検
  証することを目的としています。本PDPワーキンググループは、単一のgTLD
  レジストリ運営者が両方のgTLDを同時に運用できるようにするための、適
  切な仕組みの確立をめざしています。GNSO評議会は2024年11月に本PDPを開
  始し、2025年3月に本ワーキンググループが開始されました。

  会期中セッションが1回開催され、最終報告書に向け、提出されたパブリッ
  クコメントの検討および反映作業を行いました。今後の作業計画では、
  2026 年8月末までに最終報告書をまとめる予定となっています。

  ・レジストリ年間手数料や取引手数料に関する予備勧告に関する理事会と
    の議論
  ・予備勧告の修正と「同一主体(Same Entity)原則」の確認
  ・人権影響評価(HRIA)への提出意見への対応

○レジストラ間移転ポリシー

  1年以上棚上げされていたレジストラ間移転に関するPDP勧告に関して、会
  議初日の前日(6月7日)の理事会で、移転ポリシー見直しワーキンググルー
  プが策定した47件の最終政策提言すべてが正式に採択されました。


■ GNSO評議会

GNSO評議会(Council)は会期中、公開作業セッションおよび月例評議会(6月
10日)を実施しました。主な決議は次の通りです。

○レジストリサービスプロバイダー(RSP)問題のSPIRTへの付託

  2026年ラウンドの新gTLDの基本レジストリ契約(Base RA)では、IANAに登録
  されていないEPP拡張機能の利用禁止条項が削除されました。しかし、RSP
  の評価質問やシステムテスト(RST)の要件には依然としてこの制限が残って
  おり、契約とテスト要件の間で不一致が生じています。

  レジストリステークホルダーグループ(RySG)からの要請を受け、この不一
  致を解消するため、この問題をSPIRT (Stakeholder Policy
  Implementation Review Team、重要政策課題検討チーム)へ付託し、ICANN
  事務局との調整の実施を図る提案です。

  結果は全会一致で付託が承認されました。リエゾンを通じてSPIRTへ通知さ
  れ、解決策がまとまり次第、GNSO評議会へ報告される予定です。

主要な議論および状況報告は、以下の通りです。

○今後のGNSO作業における優先順位付け(Prioritization)のテストラン(Vibe 
Check)に関する議論

  GNSOが抱える膨大なタスクを整理するため、スコアリングによる優先順位
  付けのフレームワーク(パイロット版)を導入する件について、活発な議論
  が行われました。

○IGO(政府間組織)/INGO(国際非政府組織)救済権(Curative Rights)実装レ
  ビューチーム(IRT)の進捗報告

  紛争解決手続き(UDRP/URS)開始後の「IGO側による事前の仲裁手続きへの同
  意義務」を巡りIRTが紛循していましたが、スタッフの妥協案(IGO側への事
  前同意義務は課さず、回答者からの要請ベースとし、IGO側は同意する自由
  を持つ)により合意に至りました。本妥協案に関するパブリックコメントが
  2026年6月30日に開始され、同8月10日まで行われています。これにより、
  関連するgTLD文字列の委任等は、2027年第2四半期頃まで遅れる見込みで
  す。

○付属定款の基本的条項(Fundamental Bylaws)変更に伴う顧客常設委員会
  (CSC)チャーターの改訂

  CSCおよびIANA機能レビュー(IFR)のレビュー周期を3年から5年へ変更する
  ことや、CSCに交代要員(Alternates)を配置可能にする定款変更が2026年5
  月3日の理事会で承認されました。これは、エンパワードコミュニティのプ
  ロセスを通じて承認された場合のみ発効することになっています。そのエ
  ンパワードコミュニティでの承認は、2026年7月3日に完了しました。(*8)

  (*8)https://www.icann.org/en/ec/fundamental-bylaws-amendments-regarding-customer-standing-committee-and-iana-naming-function-review


  定款変更承認から21日以内に、GNSOおよびccNSOの双方でCSCチャーターの
  改訂を承認する必要があります。次回の7月会合では期限に間に合わないた
  め、2026年6月後半にメール投票形式で採決を行うことが確認されました
  (会期終了後、6月30日のGNSO評議会会合でチャーターが承認されまし
  た(*9))。

  (*9) https://gnso.icann.org/en/council/resolutions/2020-current#202607


■ 分野横断的な議論

○新gTLDプログラム2026年ラウンド

  ICANN86の開催期間(6月8~11日)は、4月30日に開始された新gTLD申請受付
  期間(締切は8月12日)と重なっており、申請動向や競合解決戦略についての
  コミュニティ間対話が行われました。特に、「ASP(申請サポートプログラ
  ム)対象の新gTLD向けプラットフォームの実現可能性」についての、コミュ
  ニティ横断対話が開催されました。これは、小規模な新規gTLD申請者が直
  面する技術的・財政的な壁と、その解決策についての議論でした。ASPには
  評価手数料の減額、委任後の基本レジストリ手数料も最初の数年間は段階
  的に減額されるなどの仕組みがあります。また、レジストリサービスプロ
  バイダー(RSP)をICANNが事前に評価し、gTLD申請者が評価済みのリストか
  らRSPを選択できるようにすることで、評価プロセスを効率化しています。

○Review of Reviewsの状況

  Review of Reviews (RoR) Cross-Community Group (CCG)は、ICANNの既存
  のレビュー制度(組織レビューなど)を見直し、より簡素で機能的な新しい
  枠組みを提案するための作業部会です。ICANN86ではCCG内部ワークショッ
  プおよびコミュニティ全体向けの二つのセッションが開催されました。提
  案されている新しいレビューの枠組みの概要は、次の通りです。

  定期的なレビュー

  ・ATR(説明責任・透明性レビュー):5年ごと、延期可
  ・構造レビュー(Structural Review):15年ごと(コンセンサス未達)

  オンデマンド・レビュー(随時レビュー)

  ・特別トピック:数年ごとにコミュニティへ必要性を照会
  ・新興トピック:DNS不正利用、AI、ブロックチェーンなどの新規課題を複
    数のSO/ACの支持があればレビュー発議
  ・結果波及レビュー:あるSO/ACの構造変更が他組織へ及ぼす影響を検討
  ・CIP(継続的改善プログラム)の一時的レビュー:パイロット導入から3年
   後にプロセス自体を検証

  意思決定機関ではなく管理・調整機関であるレビュー範囲委員会の新設が
  提案されており、各SO/ACのリーダー、ICANN理事会・事務局代表等で構成
  されます。

  本稿執筆時点では、2026年6月25日から8月4日まで改訂版報告書について意
  見募集中で、今後8月26日を次のステップの判断の目標日としてSO/AC承認
  および理事会審議へ進むと見込まれます。大枠は固まりつつありますが、
  詳細で未決着のものが複数あるという状況です。

○ユニバーサルアクセプタンス(UA)

  6月9日にUA採用推進に関するセッションが開催され、次の内容が紹介され
  ました。

  ・UNESCOとICANNが共同で作成したポリシーブリーフ(政策概要文書)が発表
    され、各国のデジタルインクルージョン(包摂)推進に向けた具体的な指
    標や提言が示されました。
  ・ICANNの戦略計画に基づき作成された、UA推進のためのガイドラインが紹
    介されました。
  ・2026年5月に世界30ヶ国以上で33のイベントが行われた「UA Day 2026」
    の成果報告が行われました。
  ・大学におけるUAカリキュラムの導入事例が紹介されました。

  6月8日にAt-Largeプレナリーとして、「政策的不可欠事項としてのUA:技
  術的準備と実世界での普及のギャップを埋める」というセッションが開催
  され、以下の点について共有されるとともに議論が行われました。

  ・UNESCOとICANNが共同で作成したポリシーブリーフと、ICANNの作業部会
    がステークホルダー別に策定したガイドラインの紹介
  ・世界各地のUAプロジェクトの実例紹介
  ・パネルディスカッション「実世界での普及を阻む非技術的バリケード」

○国際化ドメイン名(IDN):

  「国際化ドメイン名はどのように機能するのか」という解説セッションが
  6月9日に開催され、IDNを有効にする技術的なプロセス、欧州におけるIDN
  の導入と採用動向などが紹介されました。


■ その他

○NextGen@ICANNおよびフェローシップ

  NextGen(次世代育成)向けは6セッション、フェローシッププログラムは3
  セッションが開催されました。そのうちNextGen向けの解説セッションが2
  回に分けて行われ、ICANN理事会がNextGenおよびフェローシップ参加者を
  歓迎するセッションも開催されました。なお、ICANN86に向けて選定された
  NextGenは12名、フェローは40名でした。

○逝去したコミュニティメンバーの追悼

  5月28日に逝去された、主に番号資源関係のコミュニティメンバーかつ現役
  のICANN理事(ASO選出)であったAlan Barrett氏への追悼セッションが会期
  中に開催されました(*10)。また、アフリカ地域におけるデジタルの包摂性
  と人材育成に尽力され、5月20日に逝去されたArinola Akinyemi氏も、併せ
  てGNSO評議会会合で追悼決議が行われました(*11)。

  (*10) https://icann86.sched.com/event/2Ozp1/in-memoriam-alan-barrett
  (*11) https://gnso.icann.org/en/council/resolutions/2020-current#202606


本稿でカバーできたのは一部に過ぎませんので、ICANN86におけるccNSOや
GACなど、幅広い支持組織/諮問委員会の動向をカバーする、第76回ICANN報
告会を2026年7月31日14時より開催します。ご都合が付く方は、ぜひご参加く
ださい。ご都合が付かない方は、追って資料や録画を公開する予定ですので、
そちらをご覧ください。

  第76回ICANN報告会開催のご案内
  https://www.nic.ad.jp/ja/topics/2026/20260709-01.html


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 ┃     ◆◇◆◇◆  本特集のご感想をお聞かせください  ◆◇◆◇◆     ┃
 ┃良かった                                                          ┃
 ┃ https://feedback.nic.ad.jp/2248/1b24fa7dfd85afc135b969790d436fd6 ┃
 ┃                                                                  ┃
 ┃悪かった                                                          ┃
 ┃ https://feedback.nic.ad.jp/2248/94f202776aa2cab84616b84a52ee39d4 ┃
 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

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【 2 】News & Views Column
       「王様のいない世界を支えるもの」
                                          LINEヤフー株式会社 鈴木恒平
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

学生時代に携わったネットワーク運用や研究活動を通じ、インターネットの
根底にある「自律・分散・協調」という概念に深く魅了されました。絶対的
な王様が不在でも、共通のプロトコルでシステムが自律し、見事に協調する
世界です。

JPNICの支援で参加させていただいたAPRICOT 2019では、この概念が技術だ
けのものではないことを知りました。国籍や立場の異なる人々が議論し、合
意形成を図る。システムを繋ぐのがプロトコルならば、多様な人々を繋ぎ協
調させているのは、オープンでフラットな対話と信頼関係から紡がれるポリ
シーです。そして、そのポリシーを生み出し育む土壌として、インターネッ
トを支える人間とコミュニティが存在していることを肌身で感じました。

その後、ネットワーク機器ベンダーからキャリアをスタートさせた私は、顧
客にネットワークの理想像を提案する立場にありました。やがて事業会社へ
移り、大規模なインターネットサービスを自ら運用する立場となります。そ
こで求められたのは、技術的な理想像を描くだけでなく、費用対効果や実際
の運用工数といった現実的な制約を見極める視点でした。提案する側から運
用する側へ立場が変わると、同じネットワークでも見える景色は変わります。
また、事業者同士も異なる立場を持つ以上、意見や優先順位が異なるのだと
いうことを、まざまざと感じるようになりました。

巨大なプラットフォーマーが強い影響力を持ち、AIなどの技術によって運用
の自動化や省人化が検討される時代にあっても、事情の異なる人々がネット
ワークを通じて協調する営みは、本質的には変わらないと考えています。立
場や利害の異なる人々が同じコミュニティに集い、対話を重ね、ときには折
り合いをつけながら、合意と信頼を少しずつ積み重ねていく。そんな人間同
士の「自律・分散・協調」にこそ、インターネットの真髄があるのではない
かと思います。

このコラムが配信される2026年7月15日からは、愛媛県松山市にてJANOG58が
開催されます。現場のエンジニアが日々の運用知見や課題を共有し合うこの
場には、私が大切にしたい日本のインターネットのコミュニティ文化が息づ
いているように感じています。私自身も、インターネットを利用し、そして
サービスを提供する当事者の一人として、この文化を大切にしながら、日々
の活動に向き合っていきたいと思っています。


■筆者略歴

鈴木 恒平 (すずき こうへい)

1993年6月生まれ。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。
2019年4月にジュニパーネットワークス株式会社へ入社し、大手通信事業者
や公共・学術機関向けの技術提案および導入支援を担当。2025年1月にLINE
ヤフー株式会社へ入社。現在は同社のバックボーンネットワークの設計・運
用に従事。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【 3 】インターネット用語1分解説
         「トラフィックとは」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

トラフィックとは、ネットワークを流れるデータそのもの、もしくは一定時間
当たりに流れるデータ量を指す言葉です。元々は、交通量という意味です。デー
タ量としての単位はビット/秒(bps, bit per second)で、98Mbpsや9Gbpsなど
と表記します。この点では通信速度と同じですが、通信速度は利用可能な上限
や目安を表すことが多いのに対して、トラフィックは実際に流れている量にな
ります。

通信回線やネットワーク機器が処理できる容量を超えるほどトラフィックが集
中すると、通信の遅延や、データの一部が届かない、いわゆるパケットロスが
発生する可能性が高くなります。インターネットの商用化、コンテンツの肥大
化、ブロードバンド回線の普及、P2Pトラフィックの増大、動画配信サービス
の普及など、これまでにトラフィックが爆発的に増大する機会が何度もありま
した。それに対応して、ISPや通信事業者での設備増強、通信経路の最適化、
CDN (Contents Delivery Network)の活用、事業者間接続の拡充、必要に応じ
た混雑制御など、円滑なインターネット運用のためにさまざまな対応が続けら
れています。


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【 4 】統計資料
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

1. JPドメイン名

o 登録ドメイン数(2026年2月~2026年7月)
--------------------------------------------------------------------------------------------
 日付 | AD   AC    CO   GO   OR    NE    GR   ED   LG  GEO    GA     GJ     PA   PJ   TOTAL
--------------------------------------------------------------------------------------------
  2/1 | 258 3898 494680 860 41700 12324 5117 6546 1925 2017 1171314 80233  8891 1236 1830999
  3/1 | 258 3899 495627 855 41750 12314 5117 6563 1925 2017 1175460 80087  8807 1224 1835903
  4/1 | 258 3902 497131 850 41840 12321 5111 6573 1927 2017 1182485 79829  8787 1220 1844251
  5/1 | 258 3909 498469 854 41929 12311 5106 6566 1927 2015 1190331 79700  8876 1214 1853465
  6/1 | 259 3913 499342 855 42035 12286 5103 6575 1927 2009 1196588 79477  8635 1211 1860215
  7/1 | 259 3918 500381 855 42150 12273 5084 6582 1927 2008 1204633 79297  8632 1208 1869207
--------------------------------------------------------------------------------------------

 GA:汎用ドメイン名 ASCII(英数字)
 GJ:汎用ドメイン名 日本語
 PA:都道府県型ドメイン名 ASCII(英数字)
 PJ:都道府県型ドメイン名 日本語


2. IPアドレス

o JPNICからのIPv4アドレス割り振りとJPNICへのIPv4アドレス返却ホスト数
  (2026年1月~2026年6月)
------------------------------------------
  月 |   割振   |   返却   | 現在の総量
------------------------------------------
   1 |   655360 |        0 |   92908880
   2 |     1024 |     4096 |   92905808
   3 |     1024 |     8192 |   92898640
   4 |     1536 |        0 |   92900176
   5 |      512 |        0 |   92900688
   6 |    66048 |        0 |   92966736
------------------------------------------

□統計情報に関する詳細は → https://www.nic.ad.jp/ja/stat/


3. 会員数  ※2026年7月13日 現在

 ---------------------
  会員分類  | 会員数 |
 ---------------------
  S会員     |      3 |
  A会員     |      0 |
  B会員     |      1 |
  C会員     |      4 |
  D会員     |     88 |
  非営利会員|      9 |
  個人推薦  |     28 |
  賛助会員  |     37 |
 ---------------------
  合計      |    170 |
 ---------------------

  会員についての詳細は → https://www.nic.ad.jp/ja/member/list/


4. 指定事業者数  ※2026年7月3日 現在

   IPアドレス管理指定事業者数           522


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【 5 】イベントカレンダー
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  2026.7.15(水)~17(金)         JANOG58 [協賛] (愛媛県、愛媛県県民文
                                化会館)
  2026.7.18(土)~24(金)         IETF 126 (Vienna, Republic of Austria)
  2026.7.20(月)~24(金)         APIGA 2026 (Busan, Republic of Korea)
  2026.7.26(日)~28(火)         SANOG 44 (Kathmandu, Nepal)
  2026.7.31(金)                 第76回ICANN報告会 (オンライン)
---------------------------------------------------------------------
  2026.8.10(月)~14(金)         APAN62 (Auckland, New Zealand)
---------------------------------------------------------------------
  2026.9.4(金)~10(木)          APNIC 62 (Mumbai, Republic of India)
  2026.9.7(火)                  AP* Retreat (Mumbai, Republic of India)
  202.69.14(月)~17(木)         APTLD 90 (Ulaanbaatar, Mongolia)


   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
      わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
  https://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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