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【 3 】News & Views Column 「社会インフラとしてのインターネット」
                                         JPNIC IRR専門家チームメンバー
                                                      日本テレコム(株)
                                                              松本順一
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私が学生時代(1996年くらい)、大学で初めてインターネットというものを知
りました。まだアナログ回線でのダイアルアップ形式で、定額電話としてNTT 
のテレホーダイサービスが始まったころです。夜11時少し前からパソコンの前
に座り、加入者数より明らかに少ないダイアルアップ先に何度も繋がるまで電
話をかけていたものです。

当時はインターネットといえばつながらない、突然切れる、何をするにも時間
がかかる、さらにお金もかかる……と散々な状況でした。利用者も、好奇心旺
盛な人やゲーム好きな人、学術系の人等、少し偏った人々だったと感じていま
す。そんなインターネットもブロードバンド時代に突入し、すっかり市民権を
得ました。もう「うちに帰ってインターネットする」とみんなに言っても恥ず
かしくありません。老若男女、どの世代にもある程度浸透しているようになり
ました。

インターネットは「一般家庭で情報を得る・発信するメディア」と考えた場合、
同様の物は何があるでしょう。新聞、ラジオ、テレビ、ビデオ、電話ですよね。
これらすべてがインターネットの上で実現されようとしています。新聞は毎朝
必ず店頭に並んでいます。電話は、火事や救急の際にも利用され、日本全国ほ
とんどの地域で提供される信頼性・完成度の高い社会インフラです。テレビは
受信地域やアンテナの方向により画質が落ちたりもします。ラジオも同様です。
これらがすべてインターネット上で実現される時……どのレベルの品質が求め
られるのでしょうか?

以前から、日本の物は精密で正確、高品質というイメージがありました。第二
次世界大戦中、ムッソリーニがドイツに行き「電車の到着時間が正確なことに
驚いた」そうですが、精密・正確なものが当然でない文化の人にとっては、正
確であることは驚きに値するようです。日本の場合、ドイツ同様正確が当然の
文化なので、もちろんきっちりとこだわりを持った高品質の物が求められるで
しょう。「常に使えて当然」「綺麗に見れて当然」「安全が確保されていて当
然」「簡単に使えて当然」と考える方が多いと思っています。インターネット
もそうなるでしょう。

ですが、インターネットのインフラはまだその域には完全には達していません。
元々限られた人々が始め、それがなし崩し的に(という表現が適切か判りませ
んが)広がったものであるインターネットは、そのような設計思想を持ちませ
んでした。電話やテレビを提供する装置に比べインターネットを提供する機器
の安定性は不十分ですし、安定性を確保するプロトコルも改良されているとは
言え5年前から大きくは変わりません。また、それを運用する立場の人も急激
な要求レベルの変化に戸惑いを感じている方が多いでしょう。

「そもそもすべてをインターネットで提供することが正しいの?」という疑問
もあります。ですが、今インターネットが社会のインフラとして日本で定着し
ようとする大きな波が来ているのかもしれません。私はインターネット社会の
一員として、またサービス提供者の立場からも「安全で高品質なインターネッ
ト」が普及し、その上でさまざまなサービスが高いレベルで利用されるように
なれば良いと考え、また努力していきたいと考えています。

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