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【 2 】News & Views Column
      「人・運用・インターネット」  
                                 JPNIC IPアドレス検討委員/ JANOG 会長/
                                        株式会社インテック・ネットコア
                                                             近藤 邦昭
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私、インターネットと関係を持ち始めて約13年になり、インターネットの運用
や技術開発に携って約10年になります。日本のインターネット創成期から関係
している諸先輩方に比べるとまだまだ若造なわけですが、私とインターネット
とのつきあいは、この10年で相当変化を遂げてきました。たとえば、私が主に
関係してきたインターネット経路制御です。この経路制御というのは、広大な
インターネットという仮想空間に解き放たれたデータを正しく目的のパソコン
などに送り届けるために、データをどのような道筋で送り届けるかという経路
情報をISP同士で交換し、それをいかに制御するかという技術で、インターネッ
トを支える上で非常に重要な技術のひとつです。この経路制御技術というもの
に私が初めて触れたのが10年ほど前で、そもそもインターネットというものに
なじみが無かった私にとって、正に右も左もわからないままインターネット経
路制御を行っていたということになります。

今思えばなんともインターネットもいい加減な時代でした。昨今では、ISPの
間で経路の情報を交換する場合、経路の乗っ取りなどの危険性を考慮して必要
な経路情報しか交換しないようにかなり厳しめに制限をかけますが、当時は
ISP同士の付き合いも人に頼っていたこともあり、あまり厳しい制限などはな
く、時には「あの人のところなら、制限はかけなくても大丈夫!」というよう
な運用さえありました。

それから10年、インターネットは「知っている人が使う」時代から、「だれも
が利用する」時代に変化し、ネットワークの規模も速度も向上し、少しのトラ
ブルが思いがけない影響を出すようになりました。このような利用者の拡大は、
そこを狙った攻撃も多く引き起こすようになりました。こうなってくると、昔
のような「人を信用した運用」はできなくなり、「まずは疑ってかかる」運用
が必要になり、綿密な運用にはある程度の技術者も必要になります。しかし、
インターネットの急速な拡大は、運用技術者不足という問題も引き起こしまし
た。これらのことは、インターネットを安全にかつ安定して運用するという社
会的ニーズに応えるために深刻な問題を引き起こしていると私は考えています。
運用者不足は、運用技術の質の低下をもたらし、オペレーションミスを誘発し、
発生したトラブルは近隣ネットワークに連鎖、近隣ネットワークは、このよう
な障害連鎖を防ぐためにより厳しい制限で相互接続することを要求する。そし
て、この要求に応えるためにさらに運用技術者が必要となる……という人的な
連鎖も引き起こす可能性があり、いい加減だった10年前よりも不安定な状況に
なりかねません。

運用技術者育成は、インターネットの安定のために急務ではありますが、それ
だけでは問題は解決しません。やはり、このようにネットワークが複雑になっ
たからこそ、運用技術者ひとりひとりがインターネットという広大なネットワー
クを運用する一員として、互いに協力しあい、互いに技術を磨き合い、小さな
問題を解決してゆくことで複雑な運用形態をシンプルで安定したものにしてゆ
く必要があるのだと考えています。

今は昔、友人であり同じインターネットオペレーターである人々と夜な夜な酒
を酌み交わし、インターネットというものについて話し合った日々を思い出し
ます。思えば私の活力であり、今の私を作り出した環境でもあります。育てて
もらった恩返しに微力ながらも、新しい運用技術者の役に立ちたいものです。


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