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【 2 】News & Views Column
「DSとインターネット」
NTTコミュニケーションズ株式会社 濱田泰幸
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このコラムのvol.341で松本存史さんが「PSPとインターネット」を書いてます。
その続きというわけでもありませんが、ニンテンドーDSでOperaベースのブラ
ウザが発売されましたので、それについて思うところを書いていきたいと思い
ます。
私には小学生の子供が2人おりますが、ご多分に漏れずテレビゲームが大好き
で、ニンテンドーDSも持っております。
このDSの特徴でもあるのですがWi-Fi通信が出来るので、購入してすぐうちの
ブロードバンドルータでもWi-Fiの設定を入れてみましたが、わりとあっさり
と設定が出来ました。当たり前といえば当たり前なのですが、MACアドレスが
見えたり、DHCPの払い出しが見えたりしたときにはちょっと驚きました。
私もちょうど彼らと同じ年頃、エポック社のカセットビジョンのインベーダー
で初めてゲーム機に触れて四半世紀が経つわけですが、この間、ゲームの画面
も音も内容も格段に良くなっていきます。その中で、携帯用ゲーム機としてゲー
ムボーイが発売されたのは1989年のことでした。当然私もハマッていたわけで
すが、まさか当時はそれがゲーム以外に使われること、例えばテレビを見ると
か、音楽を再生するなどと夢にも思っていませんでした。
さて、DSの話に戻します。このDS、全世界で1300万台以上、国内だけでも600
万台以上を販売したそうです。そのうち国内でWi-Fi通信を行ったのは90万台。
この90万人、国内のDS所有者の約1/6は、基本的にはゲームのために接続を行っ
たと思うのですが、これがブラウザが使えることにより潜在的なインターネッ
ト人口になっていくわけです。
総務省が2006年5月19日に発表した携帯電話経由でのインターネット接続がPC
経由のそれを追い越したというニュースは記憶に新しいと思います。日本に限っ
たことですが、携帯電話から7000万人がインターネット接続し、PCからも6600
万人が接続しています。(携帯電話からがインターネットに接続と言うか?に
ついては微妙ではありますが……)
私の時代のゲームボーイですが、発売から3年で全世界で1億8000万台以上売れ
たそうです。現代のDSはブラウザもあわせても2万円弱でインターネット環境
が手に入ります。このDSがゲームボーイのようになるとは限りませんが、1億8
000万台が売れ、その1/6の3000万台がネットにつながるとすると……
昨今IPv4アドレスの枯渇についての話をよく聞きます。携帯電話は今のところ
IPアドレスは使っていませんが、PC、携帯ゲームを考えると、アドレス消費傾
向はますます強くなっていくように思えます。携帯電話もPDA的な機能を盛り
込むことで、いずれはIPアドレスを必要とするようになるかもしれません。セ
キュリティの問題も気になるところです。
このような状況はネットワークエンジニアとしては頭が痛いところですが、逆
に言えば腕の見せ所でもあります。これからの通信インフラを担うものとして
は「ドンと来い!」という気持ちで、彼らからの接続を受け止めていきたいと
思っています。