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JPNICはインターネットの円滑な運営を支えるための組織です

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【 1 】特集1 「Internet Week 2003レポート」
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1. Internet Week 2003 全体概要
                                JPNIC インターネット推進部  岡部ちぐさ
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冬の風物詩になりつつあります(?)Internet Week、今回は2003年12月2日(火)
から5日(金)までの4日間、パシフィコ横浜で開催しました。6000名を超す多く
の方々にご参加いただきましてありがとうございました。今年のInternet
Weekはいかがでしたでしょうか。

2003年は34プログラムという過去最多のチュートリアル開催、展示コーナーの
設置、書籍販売の実施、スポンサーによるソリューションセミナーのオープン
スペース開催など、主催としてはチャレンジの年でもありました。特にソリュー
ションセミナー、展示、書籍、アクセスコーナーを設置した会場3F海側のホワ
イエは、休み時間ともなると人でごったがえし、非常に盛況であったのが印象
的でした。Internet Weekのミッションの一つである「場」の提供が実現でき
たといえるのではないでしょうか。

また、チュートリアルに関していえば、「そう、そういう質問を期待していた
んだ」というような質問が会場から寄せられてよかった、というような講師の
声も例年以上にお聞きしており、開催・講演側としては予想以上の反応に満足
しています。参加された皆さまのお声は、現在やや緊張しながら集計している
最中です。

今回、共にInternet Weekを支えてきたコミュニティに大きな動きがありまし
た。今まで日本のインターネットを根付かせ、引っ張ってきた日本インターネッ
ト技術計画委員会(JEPG/IP)が会期中にに解散を発表したことです。JEPG/IP
が主催していたIP Meetingを軸に、1997年から複合イベントとしてInternet
Weekが誕生したことを考えると感無量であり、インターネットの一時代の終焉
を感じる出来事でした。IP MeetingはJPNICが引き継いで今後も開催していき
ます。

こうしたボランタリのコミュニティに支えられてきたInternet Weekの精神や
魅力を維持しつつ、来年はさらに磨きをかけたイベントにせねばと気をひきし
めております。参加された皆さま、また参加されなかった皆さま、それぞれの
お立場からコメントをいただければと思います。下記メールアドレスまでお寄
せ下さい。

   コメント送付先:  jpnic-news@nic.ad.jp 
   Subjects:        IW2003について

会場でご記入いただきましたアンケートの集計結果、またはチュートリアルの
資料、講演ビデオは後日JPNICのWebサイトで公開予定です。過去のコンテンツ
に関しては下記URLをご参照ください。

□Internet Week 資料
  http://www.nic.ad.jp/ja/materials/iw/

さて、来年のInternet Week 2004は2004年11月29日(月)~12月3日(金)にかけ
て同じくパシフィコ横浜で開催予定です。2004年2月にみなとみらい線が開通
しますので、アクセスは今までより大幅に向上するでしょう。ぜひお誘い合わ
せの上、ご参加くださいますよう、よろしくお願いいたします。

また来年も横浜でお会いいたしましょう!


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2. DNS DAY
                                                JPNIC 技術部  小島育夫
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●日時:2003年12月2日(木) 9:30-17:00
●参加者数:123名

2002年に引き続きInternet Week 2003のメインプログラムの一つとしてDNS
DAYを開催しました。今年は、「DNS運用レポート」「DNSの実装とその比較」
「DNSセキュリティ」の3部構成としました。

◆午前の部
  1) DNS運用レポート
      ・Root DNS update         加藤朗氏(WIDE Project/東京大学) 
      ・JP DNS update           白井出氏((株)日本レジストリサービス
                                          (JPRS))
      ・DNSQC-TF report (1)     小島育夫(JPNIC)
      ・DNSQC-TF report (2)     藤原和典氏(JPRS)
      ・ENUMトライアル          米谷嘉朗氏(JPRS)

◆午後の部
  2) DNSの実装とその比較
      ・BIND/djbdns/NSD         森下泰宏氏(JPRS)
      ・Nominum ANS/CNS         田村俊明氏(住商エレクトロニクス(株))
      ・Cisco Network Registrar(CNR)
                                山崎年正氏(シスコシステムズ(株))
  3) DNSセキュリティ
      ・DNSサーバ・セキュリティ 神明達哉氏((株)東芝)
      ・DNSの安全な設定         民田雅人氏(JPRS)

DNSに関する各種の運用レポートに引き続き、「DNSの実装とその比較」では数
年前までは唯一の実装であったBINDに加え、最近利用するサイトが増えてきて
いるdjbdnsや、ルートネームサーバの一つで運用が行われているNSDとの実装
比較について解説いただき、商用製品の実装についても紹介いただきました。

「DNSセキュリティ」では、DNSを管理・運用するものにとって必要不可欠なセ
キュリティ関する事項を詳しく解説いただきました。

アンケートの結果は大変好評で今後もぜひ継続してほしいとのご意見を多数い
ただきました。プレゼンテーションをお引き受けいただいた講師の方々、活発
な議論・意見交換により本会議を盛り上げてくださった全ての参加者の方々に、
この場をお借りしてお礼を申し上げたいと思います。ご協力ありがとうござい
ました。

来年もぜひご参加いただきますようよろしくお願いいたします。


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3. ドメイン名に関する最新動向
                                      JPNIC ドメイン名事業部  二瓶竜史
……………………………………………………………………………………………

このプログラムではccTLD(country code Top Level Domain:国コードトップ
レベルドメイン)、IDN(Internationalized Domain Name:国際化ドメイン名)、
Whois、ICANN、DRP(Domain Name Dispute Resolution Policy:ドメイン名紛
争処理方針)、gTLD(generic Top Level Domain:分野別トップレベルドメイ
ン)等ドメイン名についてさまざまな角度からこの1年の動向と最新情報の提
供を行いました。

◆ccTLDについて

JPNICの是枝祐よりccTLDの概要と動向について説明がありました。ccTLDの登
録数、ICANNとccTLDの関係、ICANNとccTLDレジストリとの契約の進捗状況、ま
たkids.usドメイン名など最新のトピックについてプレゼンテーションがあり
ました。JPドメイン名に関しては(株)日本レジストリサービス(JPRS)の長谷
川早苗氏より、利便性向上を図るための登録規則改訂、安定性向上を図るため
のJP DNSの分散稼動の開始等の諸施策についての説明がありました。また登録
数が50万件を超えたJPドメイン名の現状やRFCに準拠した日本語.JPサービスの
開始等について述べられました。

◆IDNについて

JPRSの米谷嘉朗氏より日本語.JPにおける動向、RFCをはじめとするIDNを支え
る技術仕様について、また文字の混用から生ずるため技術だけでは解決できな
い諸問題について、その解決策としてのIDN-admin(*) Guidelineによる対応が
挙げられました。諸外国のccTLDにおいてもIDNのサービスを開始、もしくは開
始予定としているところが増えてきていることに触れ、IDNの本格的な普及開
始を象徴する1年であった旨の説明がありました。

◆Whoisについて

JPRSの草場明子氏より、まずWhoisの機能について説明がありました。その後、
Whoisに対するコミュニティの要求の変遷について触れ、Whoisの情報の正確性、
プライバシー保護と情報公開とのバランスという視点からとられてきた、ここ
1年のWhoisに関する施策が、.JP、gTLD、全TLDに分けて説明されました。

◆ICANNについて

JPNICの入交尚子より、まずICANNの概要、役割、組織構成について説明があっ
た後、2年間に渡り実施されてきたICANN改革に関して述べられ、移行期を経て
新体制へ移ったこの1年の動きについて説明がありました。また、ポリシー策
定活動の動きとして、gTLDにおける統一手続き手段が制定された例として、レ
ジストラ間のドメイン名移転やレジストラによるドメイン名の削除手順が挙げ
られました。

◆DRPについて

JPNICの丸山直昌理事よりICANNでのUDRP関連の動きとしてUDRP Reviewと
Second WIPO Internet Domain Name Process(WIPO II)ついての説明があり
ました。また、JP-DRPに関連する動きとしては先般、政府の司法制度改革の一
環として発表のあったADR(Alternative Dispute Resolution:裁判外の紛争
解決手続)についてJPNICより意見書を提出した旨の発表がありました。

◆gTLDについて

(株)国際調達情報(PSI-Japan)の梅津美恵子氏よりgTLDの概要やトピックス、
各gTLDの動向などについてプレゼンテーションがありました。その後、来日し
たgTLDレジストリ2社による動向の発表がありました。

まず今回が2回目の参加となるAfilias社(.info)のRoland LaPlante氏と
Desiree Miloshevic氏よりプレゼンテーションがあり、.infoをはじめとする
新gTLDはこの1年順調な増加を示しており今後も登録数の増加が望めること、
ドイツ語を用いたIDNのサービスを開始すること等の紹介がありました。続い
て、今回初参加したNeuLevel(.biz)のFernando Espana氏よりNeulevelの概
要、事業説明の後、中小規模の会社をターゲットとして今後日本での営業を一
層展開していくこと、また.bizではIDNに関して慎重に取組む方針であること
が語られました。


(*) IDN-adminの詳細は下記をご覧ください
    http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2003/vol068.html


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4. 第5回JPNICオープンポリシーミーティング
                                                JPNIC IP事業部  奥谷泉
……………………………………………………………………………………………

●日時:2003年12月5日(金) 9:30-14:15
●参加人数:105名

Internet Week 2003メインプログラムの一つとして、第5回JPNICオープンポリ
シーミーティング(以下、JPOPM)を開催しました。

今回は7月の単独開催の時とはまた違った方々からご意見をいただくことがで
き、大変よかったと思っています。また、一部の議題ではマイクの前で数名待
つ方が見受けられるほど活発な議論が行われ、主催者としては喜ばしい状況と
して受け止めています。

また、これまではAPNICオープンポリシーミーティング(以下、APOPM)での決
定事項を中心にご紹介してきましたが、このミーティングでは、事前に次回の
APOPMで予定されている、APNICからの提案内容の一部をご紹介することができ
ました。

その結果、JPNICからの提案事項に限らず、その他の提案についても、決定前
にJPコミュニティの意見をお伺いすることが可能となったことが、これまでと
の大きな違いです。そして、今後はJPNIC単体としてではなく、JPコミュニティ
がコンセンサスの形成へ能動的に参加できることにつなげていきたいと考えて
います。

今回行われた7点のプレゼンテーションの内容で、大きな議論を呼んだテーマ
は、以下の3点でした。

  ・Whoisでのネットワーク情報の公開任意化
  ・IPv4初回割り振りサイズの変更
  ・IPv4における特殊用途PI割り当てサービスの提供について

このうち、「Whoisでのネットワーク情報の公開任意化について」の内容を簡
単にご紹介いたします。

近年の個人ユーザーへの固定IPアドレスの割当ての増加に伴い、現在は個人ユー
ザーへの割り当てであってもネットワーク情報(IPアドレスの割り当て先の情
報。住所、連絡先に関する情報を含む)の登録が必要とされるケースが決して
少なくありません。そこで、個人情報保護の観点から、2003年8月のAPOPMでネッ
トワーク情報のWhoisデータベースでの公開を任意化することが決定しました。

しかし、ネットワーク情報のすべての項目が個人のプライバシーに関わるわけ
ではなく、また、ネットワーク情報そのものを非公開とした場合、ネットワー
ク情報の登録の有無さえ確認できなくなるため、Whoisの利便性が低下すると
JPNICは考えています。そこでJPNICは個人のプライバシーに関わる項目は非公
開とし、ネットワーク情報そのものは公開するという方法をご紹介しました。

この中で、個人への割り当ての場合、運用責任者をISPで代行可能とした案に
ついては、第三者であるISPがユーザーのネットワークについて判断を行うこ
とは望ましくない等、何点か懸念を示すご意見をいただきました。最終的には
ISPによる運用責任者の代行はあくまで任意であり、個人ユーザーの場合に限
定するということをご理解いただいたうえで、実装という結論に落ち着きまし
た。

この意見交換を通して、本来の運用責任者の役割を再確認することができ、私
は非常に有意義な意見交換であったと感じました。参加者の皆様にとっても有
益な議論となったのであれば幸いです。

この他のテーマも含め、当日行ったプレゼンテーションは以下のURLからご参
照いただけます。

□プレゼンテーション資料
  http://www.nic.ad.jp/ja/materials/ip/20031205/

また、今回のミーティングではAPNICからの提案事項についてのご意見も多数
いただきました。これらのミーティング当日のご意見はもちろんのこと、
ip-usersのメーリングリストへのご意見も、APNICコミュニティへ紹介してい
く予定です。皆様からのコメントをお待ちしています。

□IP-USERSメーリングリスト
  http://www.nic.ad.jp/ja/profile/ml.html#ip

                  ◇              ◇              ◇

現状のJPOPMはまだまだ発展途上ではありますが、開催当初は質疑応答の場面
でもJPNIC関係者による発言の方が多かったことを振り返ると、少しづつでも
コミュニティの皆様からご意見をいただけるかたちに近づいているのではない
かと思いました。

このように定期開催を重ねていきながら、今後はミーティングでのプレゼンテー
ションもコミュニティの皆様からいただけるようにしていきたいと考えていま
す。次回のJPNICオープンポリシーミーティングは2004年夏に開催を予定して
おりますので、今後もよろしくお願いいたします。


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