1994/01/21
資料 2-6
「CHARGE-WG来年度会費案に対するJPNIC各会員へのヒアリング結果報告」
JPNIC CHARGE-WG
1. 概要
CHARGE-WGでは,すでに運営委員会メイリングリストで報告した来
年度以後の会費素案について,非公式にJPNIC会員に対し意見を求
めた[付録1].23ネットワーク中,13のネットワークから公式/ま
たは代表者からの回答を得た.また個人的な意見として4人より回
答を得た.
今回の案の一番の論点はタイプAとタイプBの会費の比率を2:5とす
ることであったが,タイプAの地域ネットワークを中心に 7 ネット
ワークより反対の主旨回答があった.おもな理由は
* 経済的に困難,
* 検討時期として,すでに遅過ぎる,
* ネットワークメンバのコンセンサスを得ることが困難,
* 現在の活動で十分であり,会費を増額する必要性を感じない.
などである.今回のヒアリングの結果,CHARGE-WGとしては以下の
結論に達した.
* 地域型ドメインの数え方の問題を除き,94年度会費は現行通りの
算出方法による.
* 95年度以降の会費および未検討項目について速やかに方針を検討し,
94年度の総会で各会員に提示する.
* JPNICの現活動,状況について,各会員の理解を高めてもらうための
活動を速やかに開始する.
* 3000万円の会費収入が見込めないので,3000万円の予算を前提とした活動を
行なうためには資金調達方法についての検討が必要である.
地域型ドメインについては,CHARGE-WG原案は試行期間中はカウン
トしないということであるが,細則等の修正を含め本日の運営委員
会における決定に委ねたい.
理由: タイプAを2倍とすることについて,変更案の提示時期が
遅かったこともあり,今から会員の了承を得ることは困
難である.地域型ドメインについては,会費負担を減ら
す方向の案であったためか異論がなかった.
2. 意見の要約
各会員における委員会等からの意見と,個人としての意見を含み要約する.個人の
意見と言っても,各会員ネットワークプロジェクトの運営に携わる人の意見であり,
かなりの重みがあると思われる.
・logカーブより,ドメイン数などの比例のほうがすっきりする: 5(A)
(3万円/ドメイン程度ですむ? log方式の正当性に疑問,logカーブは
小さい組織に不公平,など)
・タイプBの値下げを考えるべき.
・会費変更は初年度決算前に行なうことは不適当: 2(A)
・年度の終り頃になっての会費変更は無理: 2(A)
・単純に2,3,4,5と比例して会費が増額するとJPNICを退会せざるを得ない: 2(A)
・急な変更はJPNICの信頼を失う: 2(A)
・極端ではないにせよ,アカデミックディスカウントという考えは残る: 2(A)
・今後会員になるであろう人たち(潜在的ネットワーク)を含めて議論すべき.
・地域ネットワークを圧迫する.
・JPNICの活動資金を会員に転嫁すべきでない.
・APNICなどの活動については会員の総意のもとに行なうべきである.
・会員単位をドメインにし,個々に会費を納入することも考えられる.
・ネットワークプロジェクトのAUPではなく個々の組織(ネットワーク)
の営利/非営利を区別すべきだ.
・95年度の会費変更を継続して審議すべき.
・会費の分納等を検討して欲しい.
・小さいネットワークプロジェクトを大切に.
・会費算出基準の論理的根拠が弱い.
・学術とその他の判定基準があいまい.
・複数ネットワーク・プロジェクトに参加する組織が複数にカウントされる問題は?
・賛助会員を増やす,会員へ業務の協力を要請したらどうか.
・会費の無料化も検討してはどうか.
3. 所感
今回の調査では,CHARGE-WG素案の了解を得ることには不成功であっ
たが,会員のJPNICの活動,資金に関する関心を非常に高めた.
問い合わせ時には,公開しているはずの運営委員会議事録の内容が周知されて
いない.今までの運営委員会およびWGを中心とするJPNICの活動の苦労と方向が,
ドメイン名,IPアドレス割り当て,管理以外については十分理解されていない.
今後,可能な範囲で,newsletterの発行など,会員,一般への一層の広報活動が
望まれ,CHARGE-WGとしても協力を惜しまない.
付録1:
各会員に出した会費案には次の通りです.ヘッドレターについては
若干異なります.
XXXXネットワーク YYYY殿
今,JPNICの94年度の会費について検討していますが,会費を検討
しているワーキンググループでは,後述するような案を作成しています(*)。
この案でXXXXとして一番影響のあるのはタイプA(非商用)の
ネットワークプロジェクトの会費のレートが倍になることです。
(12月9日の実績をベースに推定するとXXX万円)。
これは,
* JPNICを独立した組織にするための布石
* 商用と非商用の格差を少しづつでも是正したい
* APNIC等の国際関係での費用が増大する
からです。
- XXXXは支払い可能か?
- JPNICのこの方向性がXXXXとして了承できるものか?
ご意見をおきかせください。なお、1月21日の運営委員会で案を決める予定ですので
年末年始のお忙しい時期ではありますが、できるだけ早くご意見を賜りますよう
お願い申し上げます。
XXXXX/JPNIC Charge-WG
XXXXX
------------------
(*) 現在,案の状態で運営委員会で検討している最中ですので,
内容は変更される可能性は十分にあります.
◇
1994年度年会費案
JPNIC Charge-WG
1993年12月24日
来年度の会費について,charge-wg で検討した結果をご報告します.
◇ 結論
0) 94年度のJPNICの主な収入は,93年度と同様に会員からの会費を
基本とします.
1) 94年度の年会費はタイプAについては93年度の倍の口数とし,
タイプBについては93年度と同じとします.
2) 一口あたり会費(10万円),区分/委員数については変更しません.
3) 地域ドメインについては,パイロット期間中はドメイン名として
カウントはしません.この扱いはパイロット期間中に決定します.
4) 10月1日以降に入会した場合は,その年に限って,通常の年会費の
半分を年会費とします.
----
注) 93年度 1:5 であった タイプA,タイプBの会費の比率を徐々に
縮めていき,1997年をメドにタイプA,タイプBの区別をなくします.
94年度も93年度と同様に一口10万円としますが,95年以降は
随時,これを見直します.
◇ 理由
ボランティアの負荷を軽減し,現在の東京大学および東京理科大の特別の支援
を前提としない体制を作る必要があります.さらに,学術インタネットだから
ボランティアが期待でき,商用インタネットからボランティアが期待できない
という状況は,今後必ずしもなりたたない状況にあります.
また,政府の特別な資金導入や法人化に関しては,94年度はないと
思われるので,JPNICの主な収入元は,93年度と同様に会員からの
会費となるでしょう.
そこで,将来の法人化もスコープにいれ,今後の方向として,
- タイプAとタイプBの会費差をなくす
- 事務局やスタッフの人件費,事務所代を含めた,JPNICの活動に係る
経費については,JPNICで支払うこと
が必要です.しかし,来年度からこの体制にすることは困難です.そこで来
年度から徐々に移行する必要があります.94年度は移行への最初の年となりま
す.タイプA/Bの比率は以下の通り3年かけて是正します.
93年度 1:5
94年度 2:5
95年度 3:5
96年度 4:5
97年度 5:5
一口当たりの会費は94年度は93年度と同様に10万円としますが,95年度以降は
各会員の組織規模の増加などが期待できるため,(多分小さくなる方向で)一口
当たりの会費を調整することになるでしょう.
来年度,タイプAの会員の会費を倍にすることで,全体の収入は概算で,
タイプAの会員会費の総額 … 1500万円
タイプBの会員会費の総額 … 1500万円
-------------------------------------
計 … 3000万円
となります.93年度の活動費が1400万円ですので,常勤およびアルバイトのス
タッフの人件費(1000万円),APNICに関連する追加費用(500万円),サーバ類の
運用に関わる経費を追加すると概ね3000万円となります.予算案の詳細につい
ては事務局で作成し,後日報告される予定です.
新しい年会費の表と,来年度予想される各ネットワークの区分は次
の通りです:
-----------------------------------------------------------
区分 タイプA タイプB 12/9現在の接続数をもとに区分
-----------------------------------------------------------
1 4 10 IIKK*,JIX,NCA5, RIC-Tsukuba, GDBnetJP, TiA|
2 6 15 JOIN,JAIN
3 8 20 NORTH, TOPIC, CSI
4 10 25 TRAIN,KARRN
5 12 30 SNET*,TISN,TRENDY,WINC*,ORIONS
6 14 35 NACSIS
7 16 40 IIJ*,SPIN*,BITNETJP,WIDE
8 18 45
9 20 50 JUNET
10 22 55
11 24 60
----------------------------------------------------------
*)タイプB
地域ドメインについては通常のドメインと運用管理上の扱いJPNICにかかる |
負担が変わらないので,通常ドメインと同等に扱うのがという意見もありま |
した.しかし,そもそも地域ドメインについては,パイロットプロジェクトで |
あり,また,地域ドメインの実施方法,地域トメインの管理とJPNICの関係, |
地域ドメインの位置付けに対するネットワークコミュニティのコンセンサス |
などがまだ必ずしも明確になっていないなどの理由により,パイロット期間 |
中はドメイン名としてカウントしないことにします.この地域ドメインの扱い |
については,パイロット期間中に検討を重ね決定することにします. |
年度途中の入会の場合の入会年次の年会費については,現在は1年分を支払っ
ていただくことになっていますが,月割りで計算して欲しいという意見が今年
度の途中入会の会員よりでています.月割りは事務局の手間が多くなるので,
半年単位に年会費を計算するように改めます.すなわち,10月1日以降に入会
した場合は,その年に限って,通常の年会費の半分を年会費とします.ただし,
年度途中の脱退時には,すでに支払われた会費は一切返還しません.
◇ 今後の検討スケジュール
運営委員会での検討と並行して,各会員に対して非公式にこの方針案を打診し,
合意の可能性を調べます.これらの結果をもとに必要に応じて本案を修正し,
1月の運営委員会で報告・審議いたします.
◇ 未検討項目
- タイプA/Bの判定基準.現在,JCRNにこの判定をお願いしているが,JCRNと
しては,この判定をJPNICで行なって欲しいという意向を持っているようです.
- 法人化に向けた各種検討
- 95年以降の会費収入の予測
- 会費滞納時の処置
以上