1996/05/24 運営委員会
資料7-5-3
IPアドレスの別組織との共有について
以下のような質問が最近かなり多くあります。これに対する明確な回答方針を
審議して頂きたく存じます。なお、今まで丸山がこれに対して答えてきた典型
的な回答を、参考までに添付します。
1996.5.24 事務局長 丸山
Date: Thu, 16 May 1996 20:31:03 +0900
To: query@nic.ad.jp
Subject: (JPNIC Query 696) d
*********と申します。
割り当てられたIPアドレスの別組織との共有について質問させていただきます。
ある組織Aが、IPアドレス割当業務委任会員であるプロバイダPから
Class C 1個の IPアドレスの割当を受けた後、
そのIPアドレスの一部を、組織Aと関連のある組織Bのドメイン名に
関連づけて、組織Bのドメイン名でアクセスできるようにしたい場合、
組織AのIPアドレスの逆引きゾーン
組織Aのドメイン名ゾーン
組織Bのドメイン名ゾーン
の設定変更により技術的には可能と思われますが、
手続き的には、組織Aおよび組織Bの運用責任者の権限のみで上記の
ような設定を行っても支障はないでしょうか?
JPNIC もしくはプロバイダPに申請もしくは届出などが必要でしょうか?
この点に関してはプロバイダPに依るのでしょうか?
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(丸山の回答例)
一方では、 「IP アドレスの譲渡禁止」という原則から、そのようなことはす
べきではない、という見方がありますが、他方では「IP アドレスの有効利用」
という観点から、ある程度これを認めるべきであるという見方があります。
組織A が割り当てを受けているネットワークアドレスの一部を、A以外の組織B
が使うことは、慣例では、B が使うアドレス数がわずかであり、かつ A のネ
トワーク管理者の監督のもとに使用されるのであれば構わないとされています。
ただしこれはあくまでも前例であって、どこにも明文化はされていません。一応
この前例に習って対処してください。
なお、上記の答えはあくまでも IP アドレス割り当ての考え方という意味での
回答です。組織 B の通信は、外部から見れば当然のことながら組織 A の通信
と区別することは困難ですから、もう一つの問題として、組織 A が契約して
いるプロバイダが組織 B の通信を許すか、という問題もあります。これはプ
ロバイダと A,B 両組織間の契約上の問題ですので、 JPNIC では関知しません。