1996/07/29 運営委員会
資料3-8
INTL-WG活動報告
1. APNICのアドレス割当状況
[Month:9605]
country Block(256*C) ClassC
AU 2 0
CN 0 40
HK 0 40
ID 0 11
JP 6 0
KR 6 0
SG 0 4
TH 0 4
TW 0 8
US 0 12
TOTAL 14 119
[Month:9606]
country Block(256*C) ClassC
TW 0 4
AU 0 124
CN 4 0
HK 0 12
ID 0 32
JP 0 4
TH 2 0
US 0 16
TOTAL 6 192
[Note]
1996年6月のJPへのC4はゼネラル石油に割当てられたもの。
2. 出張報告
6月24日から30日までモントリオール(カナダ)においてインターネットに関する一連
の会議が開催された。JPNICに最も関係が深いのはAPNICの会合であるが、関連会議等
についても概略を報告する。
2.1 ISOC理事会 (6月24,25日)
・規約(bylaw)を改正して理事(trustee)は原則として全員が選挙で選ばれることになっ
た。従来は15人の理事が選挙で選ばれ、3人の理事は設立時からcharter membersのポ
ストであった。(CNRI, EDUCOM, TERENAの3組織)。これは形式的な変更のように見え
るが、長らくIETFとISOCとの論争の種であった。ISOC側がIETFの主張を受入れたこと
になる。
*米国で主に使われている国際的なトップレベルドメイン(COM, EDU, GOV, ORG,
NET, MILなど)に関して、これ以外にも新規のドメイン名を設けて競争的にすべきで
あるという、いわゆるJon Postel (IANA) の提案を理事会が支持した。米国ではドメ
イン名への課金が昨年秋に開始され、それが契機となってドメイン名の「所有権」に
関する議論が活発に行なわれてきた。
2.2 INET'96 (6月26,27,28日)
・ISOCが主催する国際会議である。本年の特徴として技術的なセッションよりもイン
ターネットの社会側面などが強調されていたように思われる。これはプログラム委員
会の方針かもしれない。
*なお来年(97年)のINETはマレーシアで開催されることに決定した。アジア太平洋
(92,95)→北米(93,96)→ヨーロッパ(94)という順序からすると、本来はヨーロッパで
開催すべきであるが、他の会議との重複を避けてアジア太平洋の番としたものである。
98年はヨーロッパとなる。
2.3 IETF (INETと同じ週、同じ会場)
・今回のIETFは、初めての試みとしてINETと同じ期間に同じ会場で開催された。
Plenary sessionの中ではインターネットの状態表示(パケットロス)やmboneの経路を
図示しようという米国NLANR (National Laboratory for Applied Network Research,
http://www.nlanr.net/)のデモが好評で、次回のIETFでも継続されるということであっ
た。(この項は下記のCCIRNにも関連あり。)
2.4 CCIRN (6月29日)
・CCIRNとはCoordinating Committee for Intercontinental Research Networks (or
Networking)という調整会議である。continentとは北米、ヨーロッパ、アジア太平洋
のことであったが、昨年から南米とアフリカの代表も参加するようになった。
・話題は国際的な協調ということで、米国からはNSFの新ICM/vBNSの国際化、ヨーロッ
パからはTEN-34、アジア太平洋からはAPAN、の各プロジェクトの紹介があった。また
G7 testbed (GIBN)に関してヨーロッパと日本から説明があった。
*技術的な話題としては、IETFでも発表のあったStatictics/Metrics、Caching、
Security and Privacy, Mboneのトポロジーと可視化などである。Cachingに関しては
proxyの存在とヒットカウントの話題も出た。なおNLANRのグループから、各種のデー
タの可視化に関連して、地図上でホストの位置を表示するための情報が不足している
という指摘があった。S後藤はwhoisでドメイン毎の登録を確認して、近似すればよ
いのではないかと答えたが、whoisは(InterNICのデータで確認した限り)必ずしも正
確に更新されていないと反論された。彼らはDNSのレコードに位置表示があれば良い
と考えているようである。
2.5 APNG (6月28午後,29日午前)
・元来はAP-CCIRNとしてスタートした会合であるが、アジア太平洋においてはR =
Research とすると対象が限定されるため、より一般的な名称にしたものである。具
体的な活動はWGごとに行なわれる。今回開催されたWGは、Internet World EXPO,
Disability/Application (以上は28日)。Commercial, AI3/Developing countries,
Education, Internationalization (以上は29日)。
*この他にAPNG-Legal (APLE)が28日午後に別の会場で開催された。(なおモントリオー
ルの会合が終った後で、LegalのグループがAPNGを離れて、メーリングリストもAPNIC
におくことになった。apple@apnic.net)
*次回のAPNGは97年1月に香港で開催される。
2.6 APNIC (6月29,30日)
・これまでは任意団体であったAPNICも、非営利の団体として4月30日にセーシェル共
和国に登記を済ませた。これに付随してExecutive Council (5名)が設置され、組織
としての意思決定が出来るようになった。従来から日本のJPNICはAPNICの活動を支援
してきているが、この度はExecutive Councilに代表を送ることになった(主代表:村
井純センター長、副代表:S後藤INTL-WG主査)。
・Exec. Councilの5名の任期を6ヵ月と18ヵ月に分けた。6ヵ月はインドネシア、スリ
ランカの代表。18ヵ月はオーストラリア、マレーシア、日本。(Exec. Councilにおけ
る抽選で決定)。なおExec. Councilの役員はChair: Geoff Huston (AU), treasurer:
Jun Murai (JP), Secretariat: Tze Meng Tan (MY).
・APNICの会費を分割払い(半年、4半期、毎月)にして欲しいという要望があるため、
年額に基づいて、分割がやや割高になるように設定する。例えば年額が1000の場合に
は半年払は520×2、4半期では280×4、毎月では100×12。(Exec. Council)
・従来は各国に分担してもらっていたWWW, gopher, 逆引DNSなどの仕事を今後は
APNICの事務局で統合的に運用することとなった。(members meeting: 賛成31票、
反対0票)
・会費を含む予算案については、今後メーリングリストによって議論を深めて、12月
1日を目途に原案を作成する。funding-wg(-request)@apnic.net (members meeting:
賛成31票、反対0票)
・APNICとAPNGあるいはAPRICOTなどの会合を順次開催すると出席者の滞在期間が延び
て負担が重くなる。出来る限りはconflictのないように努力するとしても、並行に開
催するのもやむを得ない。(members meeting: 賛成16票、反対9票、保留4票)
・これまでAPNICの会費を払わない場合には割当て処理の優先順位が低い(time
available)という記述があったが、これを削除することとした。(members meeting:
賛成28票、反対2票)
・APNICはAPRICOTの活動を促進(facilitate)するべきである。(members meeting:
賛成26票、反対0票)
・JPNICとAPNICとの間のポータブルアドレスの処理法について紹介をした。ただし
これに伴う課金については、上記のようにメーリングリストでの議論に委ねることと
なった。
・30日の午後には各国の活動の概要の紹介があったが、その詳細はAPNICの議事録を
参照されたい。
・次回のAPNICの会合は97年1月20~24日の頃に香港で開催される。
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