第 5 回 社団法人 JPNIC 運営委員会議事録
開催日時 : 1997 年 9 月 17 日 (水) 10:00 ~ 17:30
場 所 : お茶の水スクエア C館 3F 12号室
出席委員 : 浅羽登志也、 荒野 高志、 奥山 徹(PM)、 河北 隆生、
後藤 邦夫、 後藤 滋樹、 小西 和憲、 佐野 晋、
白崎 博生、 白橋 明弘、 鈴木 亮一、 高田 広章、
高橋 徹(PM)、 谷村 拓也、 中村 順一、 林 一司、
水島 洋
欠席委員 : 相原 玲二、 今津 英世、 岡 敦子、 神山 一恵、
川崎 基夫、 水越 一郎
提出委任状: 相原 玲二、 岡 敦子、 奥山 徹、 神山 一恵、
河北 隆生、 川崎 基夫、 後藤 滋樹、 小西 和憲、
林 一司、 水越 一郎
出席理事 : 村井 純(理事長)(PM)、東田 幸樹
事 務 局 : 丸山直昌(事務局長)、 吉沢 文代、 小島育夫、 志々目幸憲
その他の
出席者 : 室町弁護士
傍聴者 : 8名
配布資料 :
[公開資料]
資料 1-2 第4回 (社)JPNIC運営委員会議事録(案)
資料 2-1 JPドメイン名登録業務に関する報告
資料 2-2 IPアドレス割当に関する報告
資料 2-3 JPNIC データベース/whois/DNS に関する報告
資料 2-5 情報提供業務に関する報告
資料 2-6 統計データ集計業務業務に関する報告
資料 2-8 システム管理業務に関する報告
資料 2-9 JPNIC会員の入退会に関する報告
資料 2-10 手数料に関する報告
資料 2-11 会費に関する報告
資料 2-12 御意見、苦情に関する報告
資料 3-1 JPドメイン名登録検討部会報告
資料 3-2 IPアドレス、AS番号割当検討部会報告
資料 3-15-1 Internet Week 97 に関する報告
資料 4-1 IP Meeting 97 Tutorial Lecture Notes 作成について
資料 ドメイン名登録規則(案) 提案理由
(仮称) ドメイン名登録等に関する規則
議事
佐野(社)JPNIC 運営委員長司会のもと、センター規程第 13 条第 1 項に基
づき、委員総数の 2/3 以上の出席( 委任状 10 通を含めて 22 名 )を確認し、
第 5 回の (社)JPNIC 運営委員会( 以降「運営委員会」という)の 開催が宣言
された。
[公開議題]
1. 議事録の承認
1-1) 電子メイル会議の確認
事務局 志々目より、以下の報告があった。
前回運営委員会以降、電子メイル会議は行われなかった。
1-2) 第 4回 (社)JPNIC運営委員会の議事録承認
事務局 志々目より、資料1-2 に基づき議事録内容の報告があり、承認された。
2. 事務局からの報告
2-1) ドメイン名登録業務に関する報告
事務局 小島より、資料2-1に基づき報告があった。
*8月は申請件数が若干減少し、割当件数も減少した。
*1年未満のドメイン名の変更申請や、変更申請/廃止申請で登記簿謄本等の書類
が提出できず、却下になる申請が多い。
*業務の効率化と適切な処理を遂行するため、必要最小限の書類提出を求めるよ
う、規則の再検討を行っている。
2-2) IPアドレス割当業務に関する報告
事務局 志々目より、資料2-2に基づき報告があった。
*JPNIC への割当申請、JPNIC からの割当件数はあまり変化が見られないが、返
却件数が増加した。
*業務委任会員の割当件数についても、あまり変化は見られないが、サブアロ
ケーションの割合が若干増加している。
[意見]
*IPアドレスの返却に関する集計は、JPNIC直接割り当てのアドレスのものと業務
委任会員割り当てのアドレスのものが混在しているため、非CIDRアドレスから
CIDRアドレスへの変更の状況が把握できない。
→ 集計方法を変更し、改善することになった。
*インターネット上で交換されている経路数のデータ収集を、JPNIC で行った方が
良いのではないか。
→ 統計データ検討部会を含め、別途検討することになった。
2-3) JPNICデータベース管理業務に関する報告
事務局 志々目より、資料2-3に基づき報告があった。
*データベース申請件数は、7月と比べ若干減少したが、約10000件の申請があっ
た。
*whois データベースの大量検索が行うホストが減少した。
*whois 検索は、曜日別では平日、時間帯別では 8 ~20 時に集中している。
*whois 検索の 0 ~ 2 時の検索件数が減少したのは、大量検索が減少したためと
思われる。
*JPドメイン名のネームサーバ新規登録件数は、7月とほぼ同じ程度であった。
2-4) 広報活動業務に関する報告
事務局 小島より、以下の報告があった。
*ニュースレター 10号の発行作業を開始する予定である。
中村 委員より、以下の補足があった。
*No. 9では統計数値の間違いがあり、オンライン版では修正する予定である。
*ニュースレターの発行は、編集等を含め、外注を検討する予定である。
*ニュースレターの発行を、12月のインターネットウィークに間に合わせ
るように、締切の設定を行なう。外注した場合、締切が早め(10月末頃)に
なる可能性がある。
2-5) 情報提供業務に関する報告
事務局 小島より、資料2-5に基づき報告があった。
*JPNICホームページの最新トピックの更新を行った。
・DOMAIN OFFLINE MEETING 開催のお知らせ、配布資料の公開
・1998年度新卒採用について
・ドメイン名に関するアンケートへの協力のお願い
2-6) 統計データ集計業務に関する報告
事務局 志々目より、資料2-6に基づき報告があった。
*1996年11月分のIPアドレス割当申請、ドメイン名登録申請について、アンケート
を行った。
*FTP のアクセス数はあまり変化が見られないが、WWW は急激にアクセス数が増加
している。
*FTP でのアクセスは domain-list.txt、WWW は whois gateway の利用が多い。
[意見]
*WWW のアクセス数の増加は、whois gateway のアクセスが増加したためである
か、ホームページを新しくしたことによるものか、分析しやすい資料を作成し
て欲しい。
→次回から集計方法、資料作成方法を工夫し、改善することになった。
2-7) 国際連携業務に関する報告
特に報告はなかった。
2-8) システム管理業務に関する報告
事務局 小島より、資料2-8に基づき報告があった。
*9月2日の夜から9月3日の朝にかけて、メイルサーバのスプール領域のオーバー
フローが発生した。
*メイルサーバのディスク増設を行い、復旧作業を行った。
[意見]
*一般向けのサービス提供マシン(whois,WWW,FTP,Gopherなど)のリソースが十分
足りているかを把握するための情報が必要である。
→システム全体の説明(ロード・アベレージなどを含む)を、次回以降の運営委員会
で報告をすることになった。
*セキュリティ対策に関して、近日中に関係者でミーティングを持つ予定である。
2-9) JPNIC会員の入退会に関する報告
事務局 吉沢より、資料2-9に基づき報告があった。
*入会 6件、退会 2件、会員名の変更 1件 があった。
*9月11日現在 200会員となった。
2-10) 会費に関する報告
事務局 吉沢より、資料2-10に基づき報告があった。
*若干の未納がある。
2-11) 手数料に関する報告
事務局 吉沢より、資料2-11に基づき報告があった。
*若干の未納がある。
2-12) 御意見、苦情に関する報告。
事務局 吉沢より、資料2-12に基づき報告があった。
*IDの悪用に関する調査依頼があった。
*ドメインに関する未回答の苦情で、2件(161,166)はドメインに関する
ものでり、JPNICドメイン名登録検討部会で対応することになった。
[意見]
*IDの不正使用等について
・インターネットの苦情/相談の窓口(消費者相談センター的なもの)が
あった方が良いのではないか。
・苦情/相談の窓口を作るとすれば、どのような枠組みで作るべきか、
JPNIC が行うべきか、JPNIC 以外が行うべきかなど、検討する必要がある。
→ 企画部会で検討することになった。
2-13) その他
特に報告はなかった。
3. 検討部会からの報告
3-1) JPドメイン名登録検討部会報告
高田 委員より、資料3-1に基づき報告があった。
*8月30日 DOMAIN OFFLINE MEETING を開催した。
・JPNICの割当規則の改訂案・方針、個人ドメインの方針等について説明を
行なった。
*日本弁理士会から、ドメイン名登録規則に関して要望があった。同会の WWWペー
ジにも要望書が掲載されている。
*任意団体に対するドメイン名登録について
・アンケートの結果、もう少し議論すべきとの意見がやや多く、1カ月程度
予定を延期した。
・再アンケートの結果、任意団体のために属性を新設するという意見がやや
多かった。
・アンケートの結果を踏まえ、JPドメイン名登録検討部会で対応の検討を行う。
*ドメイン名登録規則の全面改定に向け、弁護士に作成を依頼した文書に関して
議論を行った。(改訂作業は、3月1日 新ルール施行を目標に作業を進めている。)
[意見]
*ドメイン名登録に関する歴史的な流れが分かる情報が欲しい。
→ JPドメイン名登録検討部会で検討することになった。
3-2) IPアドレス、AS番号割当検討部会報告
浅羽 委員より、資料3-2に基づき報告があった。
*IPアドレス割当業務委任会員から、3つの提案・質問があった。
・割り当てるアドレス空間が狭い場合の手続きの簡素化したい。
→ 前向きに検討を行う。
・1C 未満のアドレスに関しては、プロバイダ自身に割り当てを行い、顧客に
貸与を行いたい。
→ 現行どおり、個別に割り当てを行い、JPNICデータベースに登録を行う。
・委任を受けたアドレスを、国外で割り当てを行いたい。
→ 経路情報やネットワーク構成から判断すべきであり、JPNIC のブロックが
国外で使用されても良い。
3-3) データベース管理検討部会報告
林 委員より、以下の報告があった。
*JPNIC データベースに関して、認証局等も含め、ICATとのミーティング
を行った。
*今後、細部に関しての検討をICATとの間で行う。
3-4) 広報活動検討部会報告
特に報告はなかった。
3-5) 情報サービス検討部会報告
白橋 委員より、以下の報告があった。
*RFCの翻訳に関し、出版社とミーティングを行った。現在は、具体的な手順を
決定する状態にある。
3-6) 統計データ検討部会報告
谷村 委員より、以下の報告があった。
*1996年11月分の IPアドレス、ドメイン名割当申請に関するアンケートの発送を
行った。
3-7) 国際連携検討部会報告
後藤(滋) 委員より、以下の報告があった。
*JPNIC 公開文書を英訳し、APNIC へ提出することに関して、使用目的の確認を
APNICに行う。
*APNIC Executive Council の話題について
・AMI(Access Media International) から Servey の協力依頼があり、討論
の結果、受け入れること決定した。
・各国で Country NIC を立ちあげる際に、その国でのコンセンサスが得られ
ているか否かの判断を、Executive Council に委ねたいとの提案が APNIC
事務局からあった。
・APNIC および RIPE-NCC は、IANA をサポートすることを決定している。
‥RIPE-NCC は、IANA の位置付けについて文書を作成中である。
3-8) 財政問題検討部会報告
特に報告はなかった。
3-9) 教育部会報告
特に報告はなかった。
3-10) 調査研究部会
特に報告はなかった。
3-11) 歴史編纂部会
特に報告はなかった。
3-12) 企画部会
特に報告はなかった。
3-13) JCRN からの報告
水島 委員より、以下の報告があった。
*JPNIC の会員種別(タイプA/B)判定依頼に関し、JCRN に問い合わせがあった。
→ JPNIC が会員種別(タイプA/B)を廃止したことを JCRN に連絡していなかった
ため、JPNIC 事務局から連絡を行うことになった。
(ただし、旧タイプA会員の年会費については97年度限りの移行措置として
30万円を減額。)
3-14) JEPG/IPからの報告
特に報告はなかった。
3-15) その他
後藤(邦)委員より、資料3-15-1に基づき報告があった。
*Internet Week 97 に関する報告
・主催 JEPG/IP, JPNIC
・JPNIC関連チュートリアル
‥ 12/16 IPアドレスとドメイン名(超初級)
IPアドレスとドメイン名(初級)
IPアドレスとドメイン名(中級)
‥ 12/17 gTLDについて
ドメイン名と知的財産
Webコンテンツと知的財産
・チュートリアルの Lecture Note を作成する。
3-16) JPCERT/CC
特に報告はなかった。
4. 審議事項
4-1) IP Meeting 97
後藤(邦)委員より、資料3-15-1、4-1に基づき説明があった。
4-1-1) 割引券の配布について
*JPNIC会員へ、1,000円の割引券を配布する。
*各会員へ、議決件数 X 10枚(合計 約3,000枚)を配布する。
→ 承認された。
4-1-2) チュートリアル Lecture Notes 作成について
*JPNIC の教育活動として、IP Meeting 97 のチュートリアルセッションの
一部を Lecture Note の形式にまとめ、オンラインで公開する。
*Lecture Note 作成は業者委託にする。
*Lecture Note 作成に関して、350~400万円 支出する予定である。
→ 承認された。
4-2) ドメイン名登録規則(案) 提案理由、(仮称) ドメイン名登録等に関する規則
高田 委員より、資料に基づき説明があった。
*ドメイン名登録規則は、ドメイン名登録規則本体、技術細則、申請書式・その他
の細則等の3つの部分から構成される。
*ドメイン名登録規則の解説・用語集を作成する予定である。
*内容に関して意見がある場合、JPドメイン名登録検討部会に連絡を行う。
*さらに JPドメイン名登録検討部会で検討を進め、10月1日を目標に公開したい。
→ 承認された
[意見]
*解説を作成するより、申請手続き流れをを示した方が良いのではないか。
*第29条について
・ドメイン名の譲渡について、全く禁止では現状についていけない。
・代案は、JPNIC に譲渡の立証責任がある。
*第30条について
・3号を不承認の事由にする(1号と統合する)か、3号を削除することができな
いか。
(1) 登録時審査( 3号を1号と統合する場合 )
・ドメインの意味に商標、商号などに近い考えを、予め導入しなければ
ならない。
・ドメイン名は知的所有権とは違うという意味合いが大きく崩れる。
・著名商標、著名商号である立証判断を JPNIC としてどうするか。
・ 登録時に、著名商標、著名商号など全て確認しなければならない。
(世界の商標、商号をすべて把握している必要がある。)
→ 著名商標、著名商号である立証判断は非常に困難であり、実務的に
不可能である。
(2)使用差し止め判決時取消( 3号をそのまま残す場合 )
・メリット:ドメインの使い方が不正競争防止法、商標法に違反しており、
日本の秩序から間違っていることを裁判所が判断した。
→ 裁判所が判断した結果を受け入れる。
(3)無関連( 3号を削除する場合 )
・リスク:JPNICが被告になり、裁判所の判断に従う必要がある。
4-3)運営委員会議事録について
*議事録の承認手続きが適切に進められていない。
→ 検討結果、以下の手順で行うことになった。
1. 運営委員会開催時に、議事録確認の担当者を決定する。
2. 議事録(案)の作成完了後、1週間の確認期間を置く。
3. 確認後、簡易 vote を行う。
4. 承認後、速やかに公開を行う。
4-4)JPNIC からのアナウンスについての体制について
白橋 委員より、以下の説明があった。
*JPNICからの通知文書や依頼文書等を公開する場合、各部会から直接メイリング
リスト等へ配布していたため、宛先や Web への掲示に関して整合性がなかった。
*通知文書等の配布や Web での掲示は、事務局で行うこととしたい。
各部会で作成した文案を事務局へお送りいただきたい。
→了承され、事務局で対応することとなった。
4-5) POC(gTLDポリシ管理委員会)関係者との会合について
*前回の運営委員会で 村井 理事長より報告のあった POC との会合は、
11月7日 開催することに決定した。