1999/11/24 運営委員会
資料 5-4
情報サービス検討部会審議事項
RFC日本語化プロジェクト推進にあたり、以下の二点について承認をいただき
たい。
1. RFC翻訳に際し、編集、査読を外注委託するという方針
「RFCを1つ翻訳するまで」の作業フローは以下のようになる。
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翻訳者 編集者 査読者 専門家
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RFC原文 1次訳
■ => (翻訳) <======> (編集) ====> ■ ====> (査読) <=========>
やりとり 専門的部分のやりとり
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訳洩れ 技術的正確さの検証
日本語チェック
用語チェック
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通常の出版作業では、この作業は編集者が全体のとりまとめ役と作業の進行管理
を行なう。このフローを実装するためには、以下のような方式が考えられる。
(1)JPNIC事務局で編集責任者を雇用し、全体の管理と編集責任を負わせる
(2)翻訳、編集、査読をそれぞれ業務委託する
(3)翻訳、編集、査読を含め、一括して業務委託する
日本語的なゆらぎや品質の安定性を考慮すると(1)の手法が望ましいが、
事務局の作業負荷を考慮し、RFC-JPプロジェクトでは(3)の手法を採択したい。
結果として、間接的な形で従来承認されていなかった編集、査読といった
作業に対して対価が支払われることになる。
2. 利用許諾、著作権表示
(1)利用許諾に関する方針
RFCプロジェクトとしては、成果物を少しでも多くのユーザに利用してもらい
たいと考える。一方で、翻訳物は JPNIC の成果物であるということは主張
すべきなので、
文書表示(後述)、内容に改変を加えてはならないという条件を満たす限り、
再配布、利用の仕方には一切の制限をつけない
という方針で行ないたい。
(2)RFC-JPプロジェクトの文書表示
オリジナルのヘッダに加えて、以下のような情報を含めたヘッダを作成し、
弁護士のチェックを受けた後に正式版とし、全ての成果物に添付する。
・このRFCはJPNICのRFC翻訳プロジェクトにの成果物である
・翻訳物のヘッダ情報、本文に変更を加えてはならない
・翻訳物の配布、利用は無制限とする
・翻訳内容はフィードバックに応じて更新される可能性がある。最新の版は
http://www.nic.ad.jp/jp/..... で入手することができる
・翻訳物によって発生する損害についての規定
・翻訳物の内容の正しさは原文のそれに準ずる
文書の情報量が多くなることが考えられるので、「見せ方」については
検討する必要がある。(ヘッダ情報として簡略情報を載せ、文末に詳細な
文書表示を載せるという方法も考えられる)
(3)RFC2219以前の古いRFCで、著者に連絡がつかなかった場合の文書表示
古いRFCの扱いについては、2つのアプローチがある。
a)ISOC, IETF等に働きかけて、古いRFCの翻訳、利用等について包括的に扱える
仕組みを作る。
b)既存の枠の中で、著者に翻訳許諾を取って処理を進める。
ISOC RFC国際化プロジェクトでは a)のアプローチを進めているので、当座
JPNIC RFC-JPプロジェクトではその成果を待つ形でテンポラリに b)の手法を
採用する。
RFC著者は転職などのために全員に連絡がつかない可能性があるので、その
場合にはオリジナルのヘッダに加えて、以下のような情報を含めたヘッダを
添付して公開する。
※こちらの情報は何らかの形で英語WEBにも反映させる
・このRFCはJPNICのRFC翻訳プロジェクトにの成果物である
・翻訳物のヘッダ情報、本文に変更を加えてはならない
・翻訳内容はフィードバックに応じて更新される可能性がある。最新の版は
http://www.nic.ad.jp/jp/..... で入手することができる
・翻訳物によって発生する損害についての規定
・翻訳物の内容の正しさは原文のそれに準ずる
・このRFCは著者より翻訳、利用の許諾が取れていないため、私的
利用の範囲を越えた利用については制限をする。
・この制限は我々の本意ではなく、利用の制限をなくしたいと考えている。
著者のコンタクト先あるいは翻訳、利用許諾について何か有益な情報が
あったら我々に教えてもらいたい。