2001/08/21 評議委員会
資料 3-1-1
ドメイン名検討委員会審議事項
[タイトル]
オルタネート・ルート問題に関する意見(案)について
[審議していただきたい事項の内容]
「オルタネート・ルート問題に関する意見(案)」を作成し、JPNIC/JPRS
の意見として、ICANN に送付するとともに、JPNIC Webサイトにて公開する
方向で進めること。
[提案背景]
2001年5月28日、オルタネート・ルート問題に関する討議用ドラフトが ICANN
の Webサイトにて公開された。(その後、6月9日に最終版が ICP-3 として公
開された。)
http://www.icann.org/icp/icp-3-background/lynn-statement-09jul01.htm
ドメイン名検討委員会にて、その内容につき検討を行った結果、ネームスペ
ースが一意であることが重要であり、ネームスペース同士の競争はすべきで
ない、ICANN/IANAが管理しているルートサーバーがこのネームスペースの一
意性を保証する仕掛けとして考え得る最良のものであるとのコンセンサスが
得られた。これに基づき、下記添付資料の通り「オルタネート・ルート問
題に関する意見(案)」を作成した。
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オルタネート・ルート問題に関する意見(案)
社団法人 日本ネットワーク
インフォメーションセンター
株式会社日本レジストリサービス
インターネット利用者にとっては、通信相手がドメイン名により特定できる、す
なわちネームスペースが一意であることが重要である。よって、ネームスペース
同士の競争はすべきでない。この文脈では何らかの中央集権的な組織あるいは調
整の場が必要であることは明らかである。その一つの形態がICANNであると考え
る。
一方、ICANNは、今回の新gTLD導入に時間がかかり、コストがかかり過ぎたこと
も否めない。これがオルタネート・ルート(alternate roots)の動きを活発化
した一要因でもある。ICANNは、ICANNに対する外部からの批判を真摯に受けとめ
その活動に反映させるべきである。
しかし、今のICANNにいくらかの欠点があるにせよ、何らかの中央集権組織ある
いは調整の場は必要である。もし、ICANNとオルタネート・ルート間の調整を行
うという方向に進むならば、ICANN的な組織あるいは調整の場をさらに上位に必
要とするという再帰的問題となる。そこでは、ICANN構築プロセスと同等の困難
な作業を再度行う必要が生まれることになり、結果としてインターネットの健全
な発展を遅延させることになってしまう。我々は、このような状況が生じること
はインターネットの安定性確保および更なる発展の大きな阻害・障害になるもの
と考えている。
以上より、次のことを提案する:
(1) インターネットユーザ全体にとってネームスペースが一意となる仕掛けがあ
るべきである。現在、ICANN/IANAが管理しているルートサーバーがこのネー
ムスペースの一意性を保証する仕掛けとして考え得る最良のものであり、こ
れを妨害するような活動に対する対策を至急検討、実行すべきである。
(2) ICANNは、判断及び実行を含むすべてのプロセスのスピードアップをはかる
べきである。
(3) 新gTLDのレビューに関しては、「導入されたgTLDの評価」のみならず、
「gTLD導入プロセス全体の評価」をICANNは迅速に実施すべきである。
(4) ICANNは、今以上に啓発活動に力を注ぐべきである.インターネットの持つ
現在の長所短所を世の中に周知し、インターネット利用者の正しい理解の促
進に更なる努力をすべきである。
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