2002/04/11 評議委員会
資料 2-2-1
IPアドレス検討委員会・活動報告
IPアドレス検討委員長 前村 昌紀
検討委員会開催 2月20日(水) 15:00--18:00
3月29日(金) 10:00--12:30
4月 4日(木) 18:00--19:30
1. APNICオープンポリシーミーティング
1-1 IPv6アドレス・グローバルポリシ
グローバルポリシはARIN, RIPEでの議論を経て、今回のアドレスポリ
シSIGにおいて、ドラフティングチーム(伊藤委員)から多くの議論
を呼んだ初期割り振り条件に関する修正案のドラフトが提案された。
以下に議論のポイントと結論を示すが、挙げられた提案はすべてコン
センサスに至った。
1) 初期割り振り基準の修正案
i) 現状: /36利用を条件とする基準は、776サイトの接続と等
価であり、現在の最大級のISPでも難しい水準。
提案: 2年間で200割り当てを行う見通しがあること。
結論: 修正提案がコンセンサスにいたった。
ii) 現状: 割り振り対象を「LIR」と定義しており、不明確
提案: 「自身以外の組織にアドレスを割り当てる組織」
としてLIRの定義を明確化
結論: 修正提案がコンセンサスにいたった。
2) 利用率計算におけるHD-Ratioの利用は適切か?代替方法は?
結論: HD-Ratioの利用が適切である
3) LIRに要求される役割(確認)
内容: 再割り振りをした場合も、再割り振り先の割り当て
状況を全て把握し、報告することが要求され、この
情報が追加割り振りに必須となる
結論: 上の内容を示した現ドラフトを支持
1-2 CATV/xDSL WGのガイドライン提案に対する修正案
掲題のガイドラインに関して、日本での議論や意見聴取をまとめて以
下の修正案を提案した(前村)
1) 初期割り振りガイドラインの「CMTS1台に対して/24」は、
「ケーブル1本(下りポート1ポート)に対して/24」に訂正
すべき
2) LIRに対する割り振りは、割り振りサイズ,追加割り振り申
請受領タイミングなどの観点で、LIRがアドレス不足に陥ら
ないように努めなければならない点をポリシー上で明記すべ
き
結果、この両案はいずれも賛同を得られず拒絶された。以下、その理
由とされる考えかたを挙げると以下のとおり。
1) 初期割り振りは「単純なルールで」「非常に短期間で割り振
りができる」ことを実現し、追加割り振り以降ユーザ増加傾
向を示すことでサイズの評価ができるという仕組みを目指し
ている。1)の提案は単純とはいえない
2-1) アドレス不足に陥らないというのは、RIR/NIRのサービスの
根幹であり、改めてそれを記述することはこの根幹の共通認
識を揺るがすものである。
2-2) APNIC, KRNICでは"Emergency Allocation"という仕組みとア
ドレス留保を行っており、評価如何に関わらず緊急性のある
割り当てを行えるようにしている。
以上の結果は、既にIP-USERSメーリングリストでも報告している。
2-1)は、JPNICのIPアドレス割り振り業務のオペレーションに問題が
あり、それがCATV,xDSLに対するアドレス不足の原因である、と換言
できるが、これに関しては検討委員会上事業部に対して指摘し、改善
に向けた調査と対処を行うよう依頼した。
2-2)に関してはIP事業部でも知られていない仕組みであった。これは
利用可能な仕組みとしてAPNICから知らされていないことに問題があ
り、改善を要求していく必要があるが、一方で以前から指摘している
ように、KRNIC,TWNICと同様APNICに人員を派遣して、APNICの業務や
考え方を、言語化されていないレベルまで習得する必要がある。本件、
に関しても、前向きな検討を事業部に依頼している。
1-3 オープンNIRミーティング
廣海委員から、JPNICオープンポリシーミーティング開催の報告を行
った。また、NIRスキーム議論では、KRNICが既に提出していたNIR
criteria ドキュメントの紹介を行われ、メーリングリストで更に意
見を集約して次回OPMでの採択を目指すこととなった。
1-4 Executive Council選挙
Geoff Huston, Che-Hoo Cheng, 前村の任期満了に伴う Executive
Council選挙が実施され、現職3名を含む6名が立候補し、結果現職の
3名が再選を果たした。
2. JPNICオープンポリシーミーティング開催
次回JPNICオープンポリシーミーティングを 6月~7月頃開催するこ
とを決定した。日程は調整中。
3. IPアドレス管理システム運用業者選定過程の精査
現在開発中のIPアドレス管理システムに関する運用を受託するシス
テム運用業者に関して、現在IP事業部で公募の上選定過程にあるが、
応募業者の提案内容を、業者名匿名の状態で整理した資料に基づい
てIP事業部担当者から説明していただき、選定過程の適切性を確認
するとともに気づいた点を指摘した。
以上