2002/12/12 評議委員会
資料2-2-1
IPアドレス検討委員長
江面 祥行
IPアドレス検討委員会・活動報告
10/23(水)、11/19(火)にてIPアドレス検討委員会を開催し、下記の事項の検討
および答申を行った。
1. APNIC OPMへのアクションプランについて
1-2. アジア太平洋地域におけるNIR運用ポリシー(Operational policies
for National Internet Registries in the APNIC region)
(1)運用への影響
・現在
+ JPNICの割り振りプールから指定事業者へ割当て
+ /16単位で逆引きの委譲をAPNICから受けている
+ 指定事業者はJPNICへ逆引きネームサーバの登録を行う
・ポリシー適用後
+ JPNICは独自の割り振りプールを持たない
+ JPNICは逆引き委譲の権限を持たない
+ APNICのネームサーバから指定事業者のネームサーバへ直接
ポイントする
+ APNIC DBのJPNICのinetnum のremark欄に指定事業者の電子
メールアドレスが表示される
・影響範囲
+ 指定事業者の申請フォームの変更はない
+ JPNICでネームサーバの管理は行わない
+ 指定事業者のネームサーバをAPNICへ登録する
+ セカンダリは最新のデータを持たず、古いデータの維持のみとなる
・実質、今回の変更により、指定事業者に対しては大きな変更負担
はなさそうである
=> 逆引きDNSについて追加された部分が実装レベルで問題ないかをシ
ステム担当で問題ないことを確認した上で、実装されることをIP
事業部へ依頼
=> さらにこれに加えて、根本的な疑念である「この様な一連の変更
によってNIRの役目が骨抜きになる、存在意義がなくなる」という
点に付いては、AP地域に割り振られているスペースを、NIRを含めた
レジストリが共通管理していくという認識で、審議の権限とトータ
ルデリゲーションを持つところに、NIRの存在意義があるという点
を確認した。
1-2. アジア太平洋地域におけるAS番号運用ポリシー(Policies for ASN
Management in the Asia Pacific Region)
(1)運用への影響
・現在
+ JPNICでは、LIRに限らず、ユーザへも直接割り当てを行っている
・ポリシー適用後
+ LIRを通してAS番号を割り当てることが可能(エージェントサー
ビスのようなもの)
・影響範囲
+ LIRを通したAS番号の割り当ててはPAとして扱われる
=> JPNICとして、実施するかどうかの判断にあたり、意見の打診は広
くしたほうがよいので、12/16実施のJPNIC OPMにて、IP事業部か
ら提案し、意見の収集を行う
1-3. LIRによる再割り振り(Downstream Allocations by LIRs)
(1)運用への影響
・現在
+ 2次ISPへの再割り振りは行われず、割り当てとして申請を受け
付けている
・ポリシー適用後
+ LIRが2次ISPへ再割り振りを行うことができる
・影響範囲
+ システム・ドキュメントの変更
+ 契約内容・課金の仕組みの再検討
=> 指定事業者へアンケート(11/19送信)の結果を見、方向性を検討
することとする。
2. APNICからのドキュメントドラフトについて
2-1. インターネットアドレス管理の進化と改革への青写真(RIR Blueprint
for Evolution and Reform of Internet Address Management)
・10/10下記内容のドラフトが公開された。当ドキュメントへの対応
方針について検討を実施。
(1)ポイント
・新たにRIRの連合体としてNumber Resource Registryを設置し、
NRRが番号の割り振りと逆引き委譲を行う。(IPv4、IPv6)
・NRRの管理も含めた、ASOの権限強化
(2)背景
・年明けよりICANNで改革の話が進んでおり、検討を行うCommittee
が設立されている。
・関係者の参加、資金の問題、ICANNの役割の定義などから議論が
行われている。
・アドレスの分野についても触れられており、RIRが数回意見を提
出していたが反応がないため、RIRが独自にBlueprintの提案を
書くことを思い立った。
・ICANNがIANAを持つのは望ましくないため(RIRも80%の利用率を
求められている)
・RIRのボトムアップの仕組みがよい仕組みであると考えられている
(ICANNの仕組みでは理事会で最終決定を行うため、ASOなどボト
ムアップで提案してきた内容が却下されてしまう)
・DNSOではそこで議論されてきた内容をICANNの理事会で却下され
てきた経緯が数回あった。
・RIRを代表して、Geoff Houstonが中心に活動を行っており、台
湾で初めに話を出している。北九州のミーティングでそれをま
とめて提示した。
(3)ドキュメント骨子
・RIRはICANNからの脱退を望んでいるわけではないことを強調。
・インターネット資源(IPv4/IPv6アドレス,AS番号)の分配と登
録の中央レポジトリ(集積場所)として機能するNRR(NRR:
Number Resource Registry <番号資源レジストリ>)を設置する。
・NRRは、Regional Internet Registry (RIR)の連合体となる
・各RIRは交代でNRRの事務局機能を1年周期で引き継ぐ。
・NRRの役割
+ 現在のIANAの機能に代わるもの
+ インターネット資源(IPv4/IPv6アドレス,AS番号)の分配と
登録の中央レポジトリ
+ 逆引DNSのネーム空間部分の運営
・ASOの権限の変更
+ アドレスポリシーの監督、新RIR設立の承認
=> 実装に伴う影響範囲が見えていないので、11月のICANN上海での
状況を見て、JPNICとしてもスタンスを決めたほうがよいと判断。
ICANN上海でも表だった進捗がなかったため、JPOPMでICANNアム
ステルダムでの結論を報告し、日本での意見収集を行い、アクシ
ョンプランの検討を行う。
3. JPNIC OPMについて
・12/16実施のJPNIC Open Policy Meetingの議題の決定を行った。
・タイムスケジュール等については、IP-USERS MLへ11/29送付。
以上