1995/05/12
資料4
FINANCE-WG検討結果報告(概要)
1995年4月28日 Finance-WG
● 結論
1) 1995年度はJPNIC会員からの会費については手直しはおこなわない.
2) 1995年度からIPアドレスおよびドメインの登録変更時に,
登録手数料を徴収する.登録手数料は,JPNIC直接申請時には
2万円,JPNIC会員による間接割り当ての時には1万円とする.
3) 1996年度以降については継続して検討を行なう.
● 議論
1994年度のJPNIC総会では,1995年度の収入は
・登録時の登録された資源(IPアドレス/ドメイン名)の占有空間に応じた
登録手数料
・すでに登録された資源の占有空間に応じた年間保守料
・JPNIC会員からの会費
によって得る旨の提案をFinance-WGが行ない,その方向性について了承されました.
しかし,Finance-WGでの度重なる検討およびJPNICを取り巻く状況の変化から資源の
占有空間に応じた料金の徴収は現状では困難であるという結論に達しました.主な
理由は次の3つです:
・国際的なコンセンサスが得られていない
94年度のJPNIC総会等で国内においてはおおむねコンセンサスがとれましたが,
国際的には,IPアドレスの占有空間に応じた課金への反対意見も多く,
コンセンサスが得られている状況ではありません.
・IPv6の仕様と実施が明確になってきた
明確になってきたIPv6の仕様では,アドレス空間が16バイトと広くなるだけで
なく,割り当ての方式も現在の方式とは異なることが予想されています.また,
それに従って 割り当てに対するJPNICの役割りも大きく変わります.94年提案の
方式は現在のIPv4をベースにしたものであり,IPv6の実施により手数料・年間
保守料の考えかたを大きく変更しなければいけません.
・手数料という概念からの逸脱
手数料は実費をベースに算出するのが通例です.占有空間と実費の関係が
合理的に説明できない場合,利益として認定される可能性もあり,税法上の
問題も発生することが専門家によって指摘されています.
一方,JPNICの増加する作業を処理するためには,作業量に見合っただけの収入を
確保する必要があります.そこで,95年度からは,従来からの会費の他に登録変更
ごとに手数料を徴収することにします.
これをもとに,収入見通しを検討したところ,95年度については必要とする
活動を維持するに足りる収入を得る見通しです.
● 1996年度以降の収入について
今回提案の方式を96年度にも適用すると別紙の予測に示す通り,900万円の
収入不足となることが予想されます.そこで,年会費のルールの変更,登録
手数料の見直し,保守料の導入等も含めて,検討を継続します.
検討にあたっては,JPNICの今後の活動や役割の変化も考慮しつつ,広い視野で
検討を進める必要があります.
(別紙)
JPNIC 1996年度収支見通し
仮定: 地域ドメインも登録申請手数料を取る.会費制度は同じとする.現行
の IP 割り当てのシステムの大枠は変わらない.サービスのレベルは
1995年度と同程度.
収入
項目 額(千円) 備考
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会費 60,000,
手数料 54,500,
6,000, (前期の予備費が繰り越される)
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合計 120,500,
支出(平成7年度と比較して大きな変化のみ)
項目 額(千円) 備考
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給料 +8,000, 1995年度後期採用者の分 5,000,
昇給分 600,
住居手当 1,800,
扶養手当 600
増員 3名 +25,000, うち一人は専任事務局長
退職金引当 +11,000, 正職員の本俸の 20% 程度
事務所家賃 +6,000, 通年契約
機器整備 -3,000,
消耗品費 -2,000, 移転に伴う内装
事務所保証金 -12,000,
通信費 +2,000, 通年契約
水道光熱費 +1,000, 夏期冷房
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+36,000,
これに 1995年度予算額 93,162,を加えると 129,162 千円.
即ち,現行の会費制度では1996年度に900万円近くの不足が見込まれる.