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ニュースレターNo.10/1997年12月発行

1. 巻頭言 インターネット上の倫理問題とプロバイダーの悩み

JPNIC 理事
  坂 田 信 夫

 筆者はプロバイダービジネスに携わっている者であるが、最近我々プロバイダーを悩ましている問題に、インターネット上の倫理問題に絡んだトラブルの増加がある。代表的なものとしては、いわゆるスパムメール、掲示板等への他人を誹謗、中傷する書き込み、猥褻画像や第三者の著作権を侵害するコンテンツを掲載したホームページ等が挙げられる。

 これらの問題には突き詰めていくと、当事者間の問題と考えざるを得ないものが多いのであるが、実際にはプロバイダーが矢面に立たされることになる。例えばスパムメールやいやがらせメールの場合には、巧妙に発信者の特定ができないようにしてあるので、受信者はプロバイダーに「なんとかしてほしい」と言ってくる。また、掲示板への不穏当な書き込みについては、「貴社の会員が当方の掲示板に変な書き込みをしているので、会員資格を剥奪すべきである」といったクレームを頂戴することになる。

 このような問題に対し、プロバイダーは電気通信事業法の「通信の秘密の遵守」や、プライバシーの保護といった法制度上の制約条件と、対顧客サービスや道義的な観点から期待される対応というジレンマの中で苦しい対応をしているのが実態である。

 プロバイダーの業態はいろいろあるが、提供するサービスは概ね次の3つのケースに集約できると思われる。

  1. インターネットへの接続性、すなわちIPパケットの中継機能を提供する。
  2. 個人ユーザ向けホームページなどの情報発信の場や、掲示板のような利用者相互の情報交換の場を提供する。
  3. 会員向けのオンライン情報誌などプロバイダー自らが作成したコンテンツを提供する。

 この中で3番目のケースではプロバイダーに責任があることは明らかであるし、1番目のケースではプロバイダーは通信の内容には関知しないというのが基本的なスタンスになろう。一番難しいのが2番目のケースで、プロバイダーは単に「場」を提供しているだけだからそこで提供、交換される情報については責任がないという主張と、プロバイダーには「場」を提供しているものとしてそれなりの監督責任が生じるという相反する主張がある。この問題については法律学者や弁護士といった専門家の見解も分かれており、現場での対応を迫られる我々にとっては一番悩ましい問題である。いくつかの業界団体がインターネット上の倫理的な問題への対処のしかたをガイドライン的にまとめ発表しているが、最終的には各プロバイダーの判断に委ねられることになるため、当面我々の悩みは解消しそうにない。

 JPNICがこのような問題に関与すべきかどうかについては議論のあるところであるが、今後我が国でもドメイン名の付与に関する係争が増えてくることが予想されることや、商用、学術両方のプロバイダーが参加している団体であることを考えると、今後何らかの取り組みが必要になってくるのではないだろうか。

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