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ニュースレターNo.15/1999年12月発行

3.最新トピックス English Page

3.6 DNSは漢字の夢を見るか? ~ iDNS-Task Forceからの報告 ~

(iDNS Task Force)

(1)日本語でインターネットしたい

世界のどこのWWWでも自在にネットサーフィンし、数百KBのファイルを添付したメイルをやりとりする、といったことがそれほど珍しくはなくなってきています。海外へメイルを出せることがある種のステータスでありシグニチャの行数にまで気を遣った日々を思えば隔世の感がありますが、もしインターネットのアプリケーション(中でもWWW)で日本語を扱えなかったとしたら、これほどの普及はあり得なかったことでしょう。インターネット人口は今後も急速に増加するものと思われますが、今後インターネットに参入すると思われるエンドユーザにとっては、母国語である日本語で使えることが一層大きな意味を持つことでしょう。

このような状況はアジア各国でも共通らしく、同時多発的に単にインターネットのアプリケーション(WWWや電子メイル)のコンテンツだけでなく、そのアドレス表記(URLや電子メイルアドレス)をも各国語で扱えるようにしようという動きが出ています。

iDNSはその一つで元々はAPNGのプロジェクトであり、他にもCNRP, RealName, iName などの提案があります。

今後のエンドユーザの量的質的拡大にともなって(我々の場合には)日本語でのアドレス表記への需要が大きくなると思われることや、逆に日本語でのアドレス表記ができれば一層のエンドユーザ拡大につながると思われることから、JPNICでもiDNSタスクフォース(iDNS-TF)を設置して技術的な検証を行なうことにした次第です。

(2)iDNSが動くと何ができるのか

iDNSが期待通りに動作した場合には、日本語のURLや電子メイルアドレスを使用できる可能性があります。

たとえば、"www.nic.ad.jp"と書くかわりに、「ウェブ.ネットワークインフォメーションセンタ.日本」と書いたり、"kawasaki@nic.ad.jp" という電子メイルアドレスの代わりに「川崎@ネットワークインフォメーションセンタ.日本」と書いたりすることができるかもしれません。

既にインターネットをお使いのみなさんにとってはあまり違いがないかもしれませんが、たとえば小学生や高齢者のみなさんがこれからインターネットを使ってみようと言うときには日本語でのアドレス表記が有用かもしれません。

実際に、台湾では小学校でのインターネットに関する教育で利用するために、iDNS(台湾版)の運用を開始したと聞いています。

(3)どこを変更するのか

iDNSは、現在のDNSの仕組みに極力インパクトを与えないためにクライアント(特に WWWブラウザを想定しています)側に対してはURLの中のホスト名を8ビット透過で問い合わせることを仮定しているだけです。いくつかの有名なWWWブラウザはこの条件を満たしているようです。

DNSサーバでは、通常のDNSの動作の他に

  • 与えられたホスト名のコーディングシステム(EUCかJISかなど)を判別する
  • ホスト名をUnicode化し、UTF-5形式で表現する
  • UTF-5形式のホスト名を使ってIPアドレスを得る

という機能を持たせてホスト名を解決します。これは、実際にはBindに手を入れる形で実装されています。

(4)問題は何か

既にお気づきのように、この方式はおそらく多くの技術的問題をはらんでいることが予想されます。そこで、iDNS-TFでは、実機で動作するiDNS環境を構築して、実際の動作を確認しつつ諸問題点を洗い出そうとしています。

また、インターネット世界におけるDNSは正にインフラストラクチャであり、とりわけその安定性・信頼性・相互運用性を確保する必要がありますので、実際の運用に向けて周到な技術的検証はもとより、ICANNなどの関係各組織との整合を取っていかなければなりません。この意味から、名前空間の拡張や構造変更を安易に行なうべきではないと考えています。

さらに、最近活発に議論が行なわれているドメイン名と知的財産権の関係についても十分な注意が必要であると認識しています。

(5)iDNS-TF の狙い

このような状況のもとで、iDNS-TFはiDNSの技術的・運用的・管理的側面に焦点を絞り、代替手段による解決の可能性も含めて検討を進めています。これらの側面で現在のインターネットの環境と共存できることが、iDNSの今後の発展の最低条件であると考えています。

(6)links

iDNSの研究サイト
iDNS.net international, Inc.
APNGのiDNS関連ページ
Bindの配布元
iDNS-TFに関するML
  • idns-jp@kmt-iri.go.jp(日本語)
  • idns@kmt-iri.go.jp(英語)

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